■□■□■□■□■□■□■□■ 若狭ネット第47号(1999/1/25) □■□■□■□■□■□■□
1998年12月28日
運輸大臣 
川崎 二郎様 
 
  関西電力のMOX燃料欠陥輸送容器
        設計承認再申請に関する申し入れ
 
若狭連帯行動ネットワーク
 
 
 12月24日、関西電力は設計基準を改ざんするという姑息な手段を用いて、MOX燃料欠陥輸送容器の設計承認の再申請を行い、運輸省はこれを受理しました。設計基準を改ざんした新たな申請を受理するというのは、規制当局として無責任極まりないものです。私たちは運輸省に対し、深い憤りをもって抗議し、以下のとおり強く申し入れます。
 関電の狙いが、来夏の高浜4号のプルサーマル開始に向け、MOX燃料を早期に高浜へ輸送することにあるのは明らかです。そのために英国で完成している輸送容器を欠陥品のまま使おうとしているのです。しかもプルサーマルについては国民的な合意も得られていません。このような中で関電の意を受けた運輸省の態度は許されません。
 運輸省は欠陥輸送容器のデータ改ざん問題発覚から1週間後の10月13日にすでに「本容器の安全性についての再審査を厳正に行う」という方針を運輸省海上技術安全局として発表しています。関電の再申請に基づく「再審査」が当初から運輸省によって計画されていたのが実態ではないでしょうか。科技庁の使用済燃料輸送容器調査検討委員会の初会合が開かれたその日に、運輸省からこのような方針が出され、この線に沿って委員会が運営されたこと自体、関電と一体となった幕引き策動だと疑わざるを得ません。
 関電の今回の再申請の中では、レジンの水素含有量の基準を低く設定し直すという基準の改ざんが行なわれています。また、このような申請を運輸省が認めれば、内容はともかく形式さえ整えれば欠陥品を作っても構わないとの潮流を強めることになります。
 以上の観点から以下の点を強く申し入れます。
@ 容器不承認となったMOX燃料輸送容器をそのまま使うための設計承認申請書を即刻関西電力に  返却すること。
A 高線量の被曝を強要される輸送労働者の被曝線量のデータを公開し、健康調査を実施すること。
B 輸送容器の法的な安全基準である、「表面線量率2mSv/hおよび1m離れた位置での空間線量率  100μSv/h」を、この約10年間の国際的な議論を踏まえ見直すこと。
C 輸送容器のデータ改ざん問題と安全審査に関する全ての情報を公開し、この問題に関する公開討  論会を全国各地で開催すること。