■□■□■□■□■□■□■□■ 若狭ネット第49号(1999/4/17) □■□■□■□■□■□■□
 
TMI事故20年 反原発討論集会で新たな決意!
 
これに続いて、チェルノブイリ事故13年
4月26日 関電へ「申し入れ」をおこなおう!
 
 今年は、スリーマイル島原発炉心溶融事故から20年がたちます。3月27日には、反原発討論集会を開催しました。福井からの3名の仲間を交え、久しぶりのお顔や、お元気そうなお顔を見ながら、和やかな雰囲気のなかでの集会となりました。
この20年間の私たちの活動をふりかえり、運動をしていく中での教訓を確認しあいました。そして、今後の闘いについて、1日も早く原発をやめていく方向に前進するよう、がんばることを誓い合いました。
 
日本でも高まる原発重大事故の危険
 
 20年前のスリーマイル島原発事故では、赤ん坊を抱いて逃げまどうお母さんや、妊娠している女性たちが、本当に不安な想いで緊急に避難しているニュースが報道され、全世界に衝撃が走りました。         
 この事故から、7年後にチェルノブイリ原発事故、そして美浜事故と続き、このままでは、日本でも大きな事故が起こり、私たちの健康、生命をおびやかすのではないかという不安感がますます現実のものとなってきたのです。
 全世界で起こっている原発事故をみてみますと、核軍事用の原子炉でも民生用の原発でも、そして、実験のための原子炉でも本格的な商業用原発でも、炉型のちがいによらず、重大事故が起こっています。
 新しいものでも、また、古くなりムリヤリ使っている原発でも、大事故は起こっています。
 しかも、原発推進している関西電力の広報部課長でさえも次のように言わざるを得ないところまできています。原発重大事故の危険性は、「神のみぞ知るところがあるのかもしれない」と言っているのです。
 推進する人が予測し得ないシナリオで、起こり得ないはずの重大事故が起こることを言い表しているのではないでしょうか。
 チェルノブイリが示すように、日本でいったん重大事故が起これば、放射能災害がもたらされ、経済的破滅に向かい、放射能汚染は、全世界をおおうのです。
 
若狭の原発でも重大事故の危険が
 
 関西電力を始め、各電力会社は、原発の経済性を追い求めています。火力発電よりもなんとしても安くするために、「高燃焼度化」や「長期連続運転」をおこなっています。定期点検を合理化したり、短縮しようとしています。原発の運転を重ねるたびに重大事故に至る危険性は、ますます高まらざるを得ません。
 しかも関西電力などは、いったん建ててしまった原発は、できるだけ寿命を延長して長く使おうとしています。今まで聞いたこともない60年運転をめざすというのですから、唖然とさせられます。原発の心臓部である圧力容器の健全性を調べる試験片は、本数が足らず一体60年もの長きにわたるチェックもできないのに、どのするつもりなのでしょうか。
 高浜原発では、プルサーマル計画を打ち出し、世界中でやったことのないプルトニウムの濃度が高く、高燃焼度の本格的な一大「実験」をしようとしています。このプルサーマルは、核暴走が起こりやすく、制御棒が効きにくいという性質を持っています。なんとしても計画を撤回させたいものです。
 若狭には、15基の原発がありますが、さらに敦賀3・4号炉の増設の動きがあります。この原発1基は、153万Kwという超大型原発です。
 15基めの「もんじゅ」では、ナトリウム火災事故が起こり、高速増殖炉開発の見直しが問われましたが、ほとぼりが冷めるのを待って、「もんじゅ」の運転を再開させようとしています。そんな動きがあればその都度つぶしていかねばなりません。
 原発から出る使用済核燃料は、原発サイト内で貯蔵されていますが、どんどんたまり続けています。満杯になったら、原発の運転を止めねばならないため、貯蔵をさらに増強しようとしています。いやがうえにも危険な核と一緒に生活せざるを得ない時代につき進んでいます。
 日本列島が、地震の活動期に入ってきたのではないかといわれていますが、阪神・淡路大震災以降、各地で、ひんぱんに地震が発生しています。
 敦賀周辺地域は、地震の空白地帯であるといわれ、「そろそろ動いてもおかしくない時代に突入してきているのでは」という地震学者もいます。直下地震が起これば原発重大事故は避けられません。
 
関電本社へ「申し入れ」行動に参加を
 
 4月26日は、チェルノブイリ原発重大事故から13年にあたります。この日、日本で原発を推進する旗頭である関西電力に対して、原発をやめなさいという申し入れ行動をすることは、大きな意義があると考えます。
 15日には、仏からの4回目の高レベル放射性廃棄物が青森の六ヶ所村に搬入されました。この問題の根本は、原発をとめる元を断つ運動が大切であると考えます。関電に申し入れをおこないましょう。
 原発事故の問題は、事故が起こってから、騒ぎ立ててももう遅いのです。事故が起こり放射能の汚染が拡がれば、もう防ぎようがないのです。「ヒバクなんてまっぴらだ。」と、未来に生きる子どもたちは、叫んでいます。
 事故が起こる前になんとしても、原発を止めていかねばなりません。原発のない社会をめざすために、この日、関電前に集まりましょう。そして、「申し入れ」を提出しましょう。一緒に行動しましょう。ご連絡をお待ちしています。
 
「編集後記」
・3月27日の反原発討論集会で、「TMI事故から20年をふりかえり、これからの20年に臨む」というテーマがありました。私も現在50才です。この20年間、いろんな人とお会いでき、それが、私の活力になったのでしょうとふりかえっています。
 今後の20年というと、私も70才になるなあと思っていますと、本日の集会では、もっとお年を召していらっしゃる諸先輩がかくしゃくとしておられるお姿を拝見し、私も、こんなすてきな人になれたらなあと、思っています。反原発運動、楽しくやりましょう。
(きよ子)