■□■□■□■□■□■□■□■ 若狭ネット第50号(1999/6/20) □■□■□■□■□■□■□
 
1999年6月11日
福井県知事 
栗田幸雄様                          
 
プルサーマル推進・原発増設等に関する緊急申入れ
 
若狭連帯行動ネットワーク
 
 5月18日送付した公開質問書にも述べたとおり、知事は4月の知事選当選直後から、高浜3・4号炉プルサーマル計画容認や敦賀3・4号増設容認に向けたと見られる言動を続けています。
 その後、日本原電シュラウド交換事前了解願い提出と原発寿命10年程度延長の方針表明(5月28日)、それを受けた形での全原協総会での、寿命60年延長に関する国民への理解活動の提案(6月4日)、県会自民党の関電への小浜線電化負担金の要請と関電の快諾(6月3日)、県会自民党の通産省への核燃料税引き上げ要請(6月4日)、予定変更による知事の上京(6月7日)など、高浜3・4号炉プルサーマル受諾と原発寿命延長に向けて、事態は急展開しています。そして原発寿命延長論の陰で敦賀3・4号増設が目論まれています。
 まさに知事の発言は、これらの急展開を促す呼び水となったのです。その結果、プルサーマル推進、原発寿命延長、敦賀3・4号増設へ向かって事態は急展開し始めてしまいました。
 世界的にプルトニウム利用が全面的に後退し、原発廃炉が欧州で現実化する中で、福井県でのこれらの動きは潮流に逆らうものでしかありません。福井の将来の子々孫々に、さらに膨大な核のゴミを残すことになってしまいます。
 日本でも六ヶ所再処理工場の2年半操業延期に象徴されるように、プルトニウム政策は破綻しました。誰の目にも明らかです。地域振興の名の下に核燃料税などに飛びつき、県民にさらなる放射能を押しつけることは、何が何でも避けなければなりません。
 私たちは、緊急に以下の通り申し入れます。
 
@高浜3・4号のプルサーマル計画に「事前了解」を与えないで下さい。「核燃料税引き上げ」を「プルサーマル受け入れ」と取り引きしないで下さい。六ヶ所村再処理工場の2年半延期に伴い、プルサーマルの長計での位置付けの明確化を求め、国民的合意のないプルサーマル計画の凍結を
原子力委員会に要請して下さい。
 
A敦賀1号炉のシュラウド交換の事前了解願いを棚上げにし、敦賀1号炉の「10年程度運転」の是非について情報公開の下、県民討論会を開き、その結論が出るまでシュラウド交換と9月定検を中止するよう日本原電に要請して下さい。
 
B敦賀3・4号炉の増設とふげん・敦賀1号炉の廃炉を抱き合わせにしないでください。153万kWAPWRという世界初の超大型原発の建設・実験を福井に認めるべきかどうか、情報公開の下、県民討論会を開き、その結論が出るまで「白紙」を維持して下さい。「これ以上の原発はいらない」21万人署名は、「15基までなら認める」というのではなく、「現存以外の原発新増設は認めない」という意味であることを再確認して下さい。
 
C美浜1号炉について、上ブタ交換による30年を超える運転期間延長を認めるべきかどうか、情報公開の下、県民討論会を開き、その結論が出るまで12月の定検実施を中止するよう関西電力に要請して下さい。
 
D使用済燃料の永久貯蔵につながる「搬出先を事前に確認しない新燃料の装荷」を認めない下さい。武装MOX輸送船の接岸を認めないで下さい。
 
Eコンピュータ2000年問題による原発事故を防ぐため、今年の年末から全原発を運転停止し、「絶対安全だ」という保障がない限り運転を再開しないよう関西電力、日本原電および核燃料サイクル開発機構へ申し入れて下さい。
 
Fもんじゅの運転再開を絶対に認めないで下さい。