JCO東海・臨界事故
高浜原発で放射能事故をくり返すな!
東海村のウラン燃料加工施設で起きた臨界事故は、日本の原子力史上最悪の大事故でした。労働者3名が一瞬にして、広島原爆の爆心地700m〜1kmに相当する強烈な中性子線を浴び、緊急作業による高線量被曝も余儀なくされました。周辺住民の多くも知らない間に公衆の年間線量限度を超える被曝を余儀なくされました。
アメリカのスリーマイル島事故(1979年)や旧ソ連のチェルノブイリ事故(1986年)でもっと早く気づくべきでした。日本でも最近、大事故が頻発しており、猶予はありません。事故が起こるたびに「想定外だった」との言い訳けはもうゴメンです。チェルノブイリのような原発重大事故が起こる前に手を打つべきです。
臨界事故の真っ最中に、関西電力は福井県の高浜原発に、プルトニウム燃料(MOX燃料)輸送船を着岸させました。高浜4号原発で11月にもプルサーマル(普通の原発でMOX燃料を燃やすこと)を始めるためです。このMOX燃料には普通の原発より10倍も多くのプルトニウムが含まれるため、制御棒が効きにくく、核反応が制御できずに進む一種の「臨界事故」を起こしやすいのです。しかも、燃料棒が溶融しやすく、炉心溶融事故に陥りやすいのです。フランスでさえ認可されていない「プルトニウム含有量が世界一高く、プルトニウムの核分裂量が世界一多い」MOX燃料を、全く経験のない日本でいきなり使おうとしているのです。しかも、欠陥燃料の疑いがあるのです。
高浜原発で重大事故が起これば、周辺住民は東海臨界事故で被曝した労働者と同様の急性放射線障害の危険にさらされます。100km離れた関西都市部へも半日程度で放射能雲が襲います。東海臨界事故でも久慈川からの取水が中止されたように、琵琶湖が放射能汚染され、水が飲めなくなります。放射能が広範にまき散らされるような事故時に、一体どこへ避難しろと言うのでしょうか。こんな危険なプルサーマルはまっぴらです。
また、危険な原発をこれ以上建てるのはやめるべきです。石川県の珠洲市では、関西電力が原発用地買収にゼネコン系列会社を使っていることが暴かれました。住民をだまして原発をこっそり建てようなんて、何とあくどい。また、関西電力は今年6月末に鷲見関電副社長を日本原電社長として送り込み、敦賀3・4号炉の増設を進めています。福井県では21万人(人口の1/4)の敦賀3・4号増設反対署名が集まっています。関西電力は福井県をはじめ立地予定点での反対の声を尊重し、計画を撤回すべきです。
運転開始から30年を超え事故を多発している美浜1号は即刻廃炉にすべきです。
私たちは和歌山県日高・日置川の原発立地計画を阻止し、1991年の美浜事故を契機に「若狭連帯行動ネットワーク」を結成し、福井県の市民運動と連帯して、稼働中の原発を止めるため8年間、手弁当で頑張ってきました。今回の東海臨界事故を契機に、都市部での運動を強め、福井県や原発立地予定地点の市民運動と連帯するために、署名への協力と福井県現地新聞折り込みカンパ(1口500円)をお願いします。
若狭連帯行動ネットワーク
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