■□■□■□■□■□■□■□■ 若狭ネット第53号(1999/12/25) □■□■□■□■□■□■□
 
12・17、関西の反原発団体が共同で追及
 
高浜原発4号の欠陥MOX燃料ペレット
の問題で関電交渉
 
 高浜4号の欠陥MOX燃料ペレットのデータねつ造、製品管理の問題について、12月17日関西の反原発団体と関電の交渉が持たれました。
 参加したのは、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会、グリーンアクション、ストップザもんじゅ、Y2K関西、若狭連帯行動ネットワークなどで約40人が午後4時から関電本社で交渉に臨みました。
 関電は庄野副部長、安部副長、大森氏の3名が対応しました。
 この日の関電交渉は、16日に英国BNFLからの連絡で、新たにP814というロットにデータの入れ替えが行われていたことが判明したために、高浜4号に使用する予定だったMOX燃料集合体8体全てを使用中止とし、輸入燃料体検査申請の取り下げを行うと、関電が同日即刻発表したことを受けたものでした。
 関電の発表は事実上、来年早々にも予定されていた高浜4号へのMOX燃料装荷とプルサーマル発電開始を延期するものです。
 これを受けて、同日関西や北陸の住民が、大阪地裁に求めていた、高浜4号機用MOX燃料の使用差し止めを求めた仮処分申請は、17日の大阪地裁の決定を前に取り下げられました。
 関電は若狭ネットをはじめ様々な反原発団体からMOX燃料ペレットのデータねつ造問題と、BNFLによるMOX燃料の品質管理の劣悪さと、関電のBNFLを追認する姿勢の問題について、今年9月から何度も何度も追及され、高浜町民からMOX燃料の直接請求署名を突きつけられ、差し止め仮処分申請を出されてきました。しかし、問題に真摯に対応することなく、居直り、放置してきたツケが、16日に噴出する結果になったのです。
 製品を買っている張本人が売り手の言うことを鵜呑みにし続け、データを示した懇切丁寧な他人の忠告も馬の耳に念仏。最後になって売り手側がやっぱり異常だっだと白状してあわてる。
 もう、関電は行くところまで行かないと懲りないのでしょうか。それとも、最初から知っていて知らんぷりの確信犯なのでしょうか。
 関電本社の西にあるダイビル2階の、関電の80人程度の会議室に全員が移動して交渉が始まりました。
 いつになく、報道各社が大勢集まりカメラのフラッシュがひかり、テレビカメラとライトが動き回ります。関電もいつものように横柄な態度はとれないと勘念した模様。
 交渉の冒頭から関電の3人は立ったままで平身低頭の姿勢。「すみません」の連発。副社長を出せとの声に「みんな出払っている。わからない」と、かぼそい答。
 「副社長がどこに居るのか、本社に帰って調べて来い。それまで休憩」の声で本社に帰っても「わかりません」の返答。調べるつもりは毛頭ない模様。
 結局、関電がこれまで「MOX燃料ペレットは問題ない」としてきた回答が間違っていたとの言質を引き出し、若狭ネットなど4団体からの申入書などを読み上げて手渡し、「年内あるいは年初に、土日か休日または平日の夜など皆の集まりやすい時間帯に、100人規模で、公開討論会を開く」ことを確認して、2時間ほどの交渉を終えました。