■□■□■□■□■□■□■□■  若狭ネット第55号(2000/3/2)  ■□■□■□■□■□■□
 
敦賀3・4号炉の増設をゆるすな!
 
JCO事故後、
各地の原発新規計画撤回の勝利する中で、
急浮上する敦賀3・4号炉
 
関電の敦賀原発への加担を許すな!
 
関電は、プルサーマルを撤回せよ!
 

 
芦浜原発計画白紙撤回、バンザイ!
 
 2月22日、三重県では、北川知事が、芦浜原発計画の白紙撤回を中部電力に求め、中電も計画を断念しました。
 この大勝利は、37年にものぼる粘り強い芦浜原発反対運動の成果です。地元南島町を始め、反対運動を続けてこられた人々の力強い闘いがあったからです。
 以前に三重県では80万人署名を達成しました。その署名運動は、福井でおこなった敦賀増設反対運動の21万人署名が契機となり、福井の風を芦浜に吹かせることができ、今回の成果につながったとも言えます。共に喜びたいと思います。
 次は、芦浜から福井にこの反原発の風を吹かせる番です。私たちも元気を得てがんばらねばなりません。
 福井では、風雲急を告げています。
 芦浜勝利のその日、福井県では、日本原電が敦賀3・4号炉増設願いを敦賀市と福井県に提出し、受理されました。
 この前日の21日、関西電力は、新規電源開発計画を大幅に遅らせると報道しました。電力需要が伸び悩み、電力自由化が目前に迫る中、自らの経営悪化を避けるため、火力など1230万kwの計画を延期しました。このことは、今急いで敦賀3・4号炉を増設しなければならない理由がないということなのです。
 東海村のJCOの臨界事故で犠牲になった大内さんの死を無駄にしてはなりません。巻、芦浜の勝利に続き、原発新増設を阻止しましょう。上関では、強力な反対運動に加えて、スナメリとカクメイ科の貝など希少な生物の宝庫であり、環境調査のやり直しが求められ、計画が延期されています。また、島根3号でも電調審の3月上程ができませんでした。2010年までに20基増設計画で進んでいるのは、4基だけで、その他はすべて延期されています。
 原発新規計画の断念が相次ぐ中で、全国的に原発について見直そうとする気運を高めていかねばなりません。
 福井県の敦賀3・4号炉増設建設の動きに対して、反原発の力でマッタをかけていかねばなりません。私たちの今までの運動の力が試されています。正念場です。
 私たちは、2月21日に、敦賀市長に対して、申し入れをおこない、25日には、福井県知事に敦賀3・4号炉増設を認めないよう申し入れをおこないました。
 5年前におこなった「これ以上の原発はいらない」県民署名の21万7千人の声を全く無視しようとする動きは許せません。
 
日本原電の動きを封じ込め、「脱原発」の県政、市政を実現させましょう
 
 日本原電の計画では、敦賀3・4号炉を2010年ころに動かす予定です。
 そのころには、通産省によれば、燃料電池は、5千億円市場に成長しているとのことです。風力や太陽光など再生可能エネルギーの利用も高まっていることでしょう。また、電力自由化で、今の電力の地域独占も崩れ、ますます原発をめぐる状況は悪化していることでしょう。
 そんな中で建設された原発が強硬運転されれば、深刻な放射能汚染事故、重大事故の現実的危険性がますます高まるのは、目に見えています。敦賀3・4号炉の増設なんてまっぴらです。          
 
JCOの臨界事故で、犠牲者が出ました。 敦賀3・4号を増設なんて許せません!
 
 昨年9月の東海村燃料加工工場の臨界事故で、強烈な放射線を浴びた大内さんを死に追いやり、救助にかけつけた消防隊員、子どもや妊婦を含む施設周辺の住民なども被曝させられました。さらに、この事故で地域の経済も大打撃を受けました。そして、事故が起これば、知らないうちに大量被曝させられ、後から「避難しなさい」との「緊急」要請や勧告がなされることもはっきりしました。
 JCO事故後、東海村では、「原子力の街」の看板を下ろしましたが、敦賀3・4号原発増設を認めれば、敦賀市は、これからもずっと「原発の街」で、突き進むことを表明することになります。とんでもないことです。
 
原発を推進する子会社である日本原電 --- 親会社は、関西電力をはじめ9電力
 
 JCO事故の社会的な原因のひとつには、親会社のリスク回避のために原子力部門を子会社化したことにあると、事故調査委員会でも批判されました。親会社の住友金属鉱山が子会社のJCOに幹部を天下りさせ、大幅なリストラを行ったことが社会的な事故原因の1つだったのです。
 今回、原発の増設をもくろんでいる日本原電も、9電力と5原子力グループのリスク回避のための子会社です。日本原電の歴代会長と社長は、東電や関電からの天下りです。現在、関電副社長が天下って社長となっています。
 この日本原電が、関電などに代わって世界最大・世界初の「改良型加圧水型炉」2基を建設しようとしているのです。
 最近のマスコミによれば、原発には、「安全文化」ならぬ「手抜き文化」が支配していることがはっきりしました。
 高浜3・4号炉のプルサーマル計画で、BNFLによるMOX燃料加工の手抜き検査や意図的なネジなどの異物混入、美浜3号建設時の生コンクリートへの大量加水という手抜き工事など、いよいよますます1日もはやく脱原発へ向かわないと大変だと思うのは、私たちだけではないはずです。
 敦賀3・4号では、建設費8300億円と言われていますが、さらなるコストダウンを強いられるのは、必至であり、その結果、このような手抜き工事に拍車がかかるのは避けられません。
 
世界初、世界最大のツイン型原発を敦賀につくるなんてゆるせません!
福井県をこれ以上「原発実験場」にしないでください!
 
 世界初の超大型「改良型加圧水型炉」原
発 153.8万kw×2基この原発は
斜陽産業になり始めた三菱重工と米のウエステイングハウス社が共同開発したものですが、
世界のどこにも建設できなかったしろものなのです。これを敦賀で建設しようとしているのですから、とんでもないことです。
 
原発ができて、たった30年、原発大事故のたびにビクビクする生活をもうやめよう!
 
 JCO事故後のマスコミ調査では、敦賀3・4号炉増設問題について、4人に3人は増設に反対していることが明らかとなっています。 
 福井県にすむ人々は、「新増設反対、既存の原発の順次廃炉」を強く望んでいるのです。5年前の21万人署名から、さらに一層、反対の声が高まっています。東海村のような取り返しのつかない重大事故を福井県でくり返さない限り、首長は、現実の危険を直視しないで、破滅へと私たちを引きずり込むのでしょうか。
 福井では、原発設置反対小浜市民の会、原子力発電に反対する福井県民会議、高速増殖炉等建設に反対する敦賀市民の会が、敦賀3・4号炉増設反対の申し入れをおこないました。私たち若狭ネットも敦賀市長や福井県知事への申し入れに続き、新聞折込などで反撃を準備しています。さらに新聞折込基金にご協力をお願いします。
 また、関電も敦賀原発の増設に加担しています。関西でも、関電本社に対して、プルサーマル計画を撤回する闘い、海外での再処理契約を破棄する闘いと共に、敦賀3・4号炉に加担させないように闘いを強めていきましょう。
 

     東海臨界事故を高浜でくり返させないため 対関電 緊急署名
             2月28日現在、 署名数 14,626名 
             福井県への新聞折込基金も32万円 集約!
  ニュースの一面にも載せましたが、福井では、敦賀3・4号炉の動きが急となりまし
 た。そこで、新聞折込は、敦賀3・4号の問題を中心とします。ご了解願います。
  敦賀を中心として周辺各地に入れます。約60万円いります。折込基金へのご協力を
 
 
事実上破綻している「2010年までに20基増設」の政府計画

設置者
 

発電所名
 

炉型
 

出力
 万kW

要対策電
源指定日

運開予定
   時期

用地
 確保

   備 考
 

北海道

泊3

PWR

90.0

98.9.18

2008.10

 済み

99年度電調審上程予定



東 北

 

女川3
東通1
東通2
巻1
浪江小高1

BWR
BWR
BWR
BWR
BWR

82.5
110.0
138.5
82.5
82.5

1993.6
1981.9
1993.6
1979.6
1977.6

2002.1
2005.7
2011年降
2008年度
2010年度

 済み
実質済み
実質済み
  未
  未

1996.9着工
1998.12.24着工
2009以降から延期、
1996.8住民投票で否決
2008以降から延期


東 京

 

東通1
東通2
福島第一7
福島第一8

BWR
BWR
BWR
BWR

138.5
138.5
138.0
138.0

1993.6
1993.6

 

2010年度
2010年降
2005.10
2006.10

 済み
 済み
 済み
 済み

2007より延期出力増加
2008より延期出力増加
計画中
計画中


中 部
 

浜岡5
芦浜1
芦浜2

BWR
未定
未定

138.0
135.0
135.0

1994.9
1977.6
1977.6

2005.1
2010年度
2010年度

 済み
ほぼ済み
ほぼ済み

1999.3着工
2000.2.22 断念
   同上

北 陸

志賀2

ABWR

135.8

1993.6

2006.3

 済み

1999.8.27着工

日 本
原 電

敦賀3
敦賀4

APWR
APWR

153.8
153.8


 

2009年度
2010年度

 済み
 済み

1999.8.31事調終了
   同上

電 源
開 発

大間
 

ABWR
 

138.3
MOX

1986.4
 

2002.7予定
2007.7

予定地内
2%未買

1998.12.18第1次ヒア
1999.9.8設置許可申請

関 西
 

珠洲1*
珠洲2*

未定
未定

135.0
135.0

1993.6
1993.6

2010年度
2010年度

 未
 未

用地買収工作発覚
 

中 国
 

島根3
上関1・2

ABWR
ABWR

137.3
137.3×2

1997.4
1994.9

2009年度
2011.3

ほぼ済み
 未

1998.11.11第1次ヒア
環境影響調査の段階

合 計
 


 

22基
 

2810.6
 

98年度当初計画より出力224.4万KW増加、延期相次ぐ
 
注*:関西・中部・北陸電力の共同開発
注:1999.3現在、軽水炉51基4991.7万kW(BWR28、PWR23)、ATRふげん16.5万kW、FBRもん
じゅ28.0万kWの計53基 4536.2万kW(東海ガス炉は廃炉)(今後の新規運転開始は、建設中の女川3号までない
注:JCO事故のため、泊3と島根3を上程する予定の1999.11月電調審を開けず、12月電調審
でも上程できず、延び延びになっています。大間の未買収地は、電源開発によれば「話し合いができる状況にまで関係は進展している」。1坪運動の買収地2ヶ所は敷地内の西はずれに位置し、「建設に問題はない」との評価(立地条件は別)。上関は、2010年以降運転開始かつ2基へ変更されたが、山口県環境影響評価技術審査会が1999.11.16、環境影響調査書に関しスナメリや貝類の追加調査が必要と答申、県知事が11.25、通産省へ同趣旨の意見を提出。