■□■□■□■□■□■□■□■ 若狭ネット第57号(2000/4/11) ■□■□■□■□■□■□
 
チェルノブイリ事故から14年
 
関電は、BNFLとの契約を破棄せよ!
 
敦賀3・4号炉の増設はゆるさない!
 
 
安全性を無視したのはBNFLだけでない
 
  原子力産業界が、いよいよますます危険な道に入り込んできました。
 英BNFLは、この間MOX燃料加工でデータ改ざんだけでなく、ずさんな品質管理を公然とおこなっていたことをはっきりさせました。そして、安全管理など頭の中になかったことが、明らかとされてきました。
 これは、BNFLの徹底した「安上がり」をねらうためのコストダウンと、人員削減対策がもたらされた結果なのです。
 もちろんBNFLだけが特別悪いのではなく、関電も、三菱重工も、質の悪い燃料しか作れないことは知っていて、認めていたのは明らかです。
 再処理して生み出したプルトニウム(悪魔の王)を発電の燃料に利用することが技術的にむずかしいことなのです。それにもかかわらず、日本政府は「国策だ」とすすめてきた手前、あくまでも推し進めようとしています。だから、あかんと知りながら、「見ざる、言わざる、聞かざる」を決め込んでいるのです。安全性無視がどんなに痛ましい結末を迎えるかは、JCO臨界事故が証明しています。
 また、原発は、コストが高くつくにもかかわらず、安いと宣伝していた手前、原発の徹底した経済性追求が、電力会社にとっても重要な課題となってきています。電力自由化など、電力独占であった電力会社が、発電にいろいろな会社が参入してきて、安い発電がもとめられているのです。
 そのため、関電も発電設備の投資を遅らせたり、発電所を止めるなどして、発電コストが上がらないように必死になっています。
 
 「手抜き」でのりきれるなんて とんでもない
 
 関電の原発が「安上がり」になる対策を見ますと、
@ 動かした原発はできるだけ止めないで、 400日の長期連続運転をめざす。
A 原発の定期検査は、昼夜突貫の点検・ 補修で、40日に短縮する。
B 30年以上運転した寿命間近の原発で も60年に引き揚げる。 
C 関電も人員削減とコストダウンを徹底 する。
D 最近報道されてわかったことで、原発 建設に使ったコンクリートは、水を大量 に混ぜて、設計通りにはつくらないなど。
このように私たちの前に立ちはだかる原発は、私たちの生活をおびやかし、私たちの健康をおかすモンスターに見えてきます。
 1日も早く原発を止めていかねばなりません。
 
 再処理工場を動かす限り、ヒバクは避けられない
 
 日本の原発から出た使用済核燃料の再処理契約は、英国と仏国でおこなっています。 その英国のセラフイールドの再処理工場は、各国から「再処理をするな」との閉鎖の要求が突きつけられています。
 なぜなら、この工場からだされる放射性物質が、沿岸諸国に漂い放射能汚染が顕在化してきたからです。ノルウエー、デンマーク、アイルランド、アイスランドの各国政府が再処理中止を求めています。
 再処理工場をめぐって、再処理工場運転中止の運動は、BNFLなど原子力産業のズサンきわまりない「手抜き文化」と放射能汚染の深刻化契機にかつてなく大きく拡がっています。
 日本もドイツと並ぶ最大の顧客として加害責任が問われています。再処理契約を破棄するように闘いをすすめていかねばなりません。
 
 関電に押しかけたが、のらりくらりの答弁
 
 スリーマイル島原発事故21年の3月28日、関電本社に10名で出かけました。
私たち若狭ネットの申し入れを読み上げ、交渉に入りました。
 関電の対応は、会うだけは会うが、私たちの疑問点にはなんらの誠意ある回答がありません。その中でもいくつかの点がわかってきました。
 関電は、「BNFLのデータの改ざんあり」の報告を知っていながら、どうしてきちんと対応しなかったのか、関電は前から知っていたのか、それとも知らなくて見逃したのかと厳しく問いつめました。
 最初は、知らなかったという返事をしました。私たちは「そうであるならば、関電が今後も安全の調査をしても、きちんとチェックできないことを自ら認めている。関電は、チェックする能力を持っていないことを明らかしたことになりますよ。」と、念を押すと、ごまかして生返事をくり返すばかりでした。
 「知らないはずはない、知っていて認めたのでしょう。なぜなら、品質を厳密にすると、燃料コストが高くなり、経営を圧迫しかねないと言うことで黙認したのでしょう」と、問いつめました。
 BNFLとのMOX燃料加工契約については、今の時点では白紙の状態であるが、プルサーマルについてはあくまでもすすめると、力説していました。
 私たちの今までの公開質問書は、関電原子力燃料部門の部長には届けており、その部長判断で広報部も動いていることを明らかにしました。
 中間報告が出たら、関電主催の公開説明会を開くと約束していながら、いまだに日程も決めていないことに対して、どうなっているのかを厳しく問いただしました。すると、4月中旬から下旬にかけて、平日の夕方でどうか打診している最中であると、吐露しました。
 若狭ネットの公開質問状についての回答はどうするのか、「できれば文書回答をし、公開の討論会を開くように」と、求めました。4月7日までにも返事をすることを約束しました。4月6日 関電から、「まだできるかどうか決まってない」との返事でした。4月11日 関電へ電話すると、担当者の課長はいるが、後で電話をかけると言いながら、なしのつぶてでした。
 
 敦賀3・4号の増設なんてとんでもない
 
 関電は、今年度経営計画ではじめて日本原電の敦賀増設の推進を打ち出しました。 2009年運転開始予定の敦賀3号機の153.8万kwの半分を関電が使うとするものです。
 JCOという住友鉱山の子会社が、安上がりを追求するために危険性を省みず、臨界事故を引き起こしました。この構図は、関電など電力9社の子会社=日本原電とまったく同じだなあと思うのは私だけでしょうか。日本原電の減車たようは、もと関電の副社長です。敦賀3・4号増設をすすめている張本人は、関西電力なのです。日本原電のころもをかぶった関電の動きを阻止しなければなりません。
 原発増設の動きに対して福井新聞の投書欄には、県民の生きた声が続々と寄せられています。「三重では知事が断念したのに、同じ日に敦賀増設とは」「原発との共存から、自然との共存へ」「誇り高き県民が原発奴隷に成り下がるのは決して許せない」「敦賀は、原発から風力へ方針転換を」「原発の安全は、どうしても信じられない」と。
 私たち若狭ネットは、4月29日、武生市での「東海村の被爆者を囲んで」−原発の時代は終わった−講演会を開き、敦賀原発増設に反対する運動をもう一度掘り起こしていきます。みなさんの新聞折込基金はそのための新聞折込(同封の案内ビラ)に使わせていただきました。これを皮切りにこれからも増設反対のシンポジウムや講演会を企画し、反対の声を結集していきます。
 プルサーマル中止とあわせて、敦賀3・4号増設の動きを止める闘いをさらに進めていきましょう。ご支援ご協力をお願いします。
 
 懲りない面々に 言い続けましょう
 
 4月26日、チェルノブイリ14年には、多くの人に声をかけ、関電本社に出向き、関電側の不誠実きわまりない対応を厳しく追及しましょう。プルサーマル反対、敦賀増設反対など、いろいろな反原発の思いを込めた「申し入れ」を準備しましょう。
 

       東海臨界事故を高浜でくり返させないため 対関電署名

          4月7日現在、 署名数 17,919名 

         福井県への新聞折込基金も 51万円 集約!
  当面目標のカンパ額、約60万円に近づいてきました。もうひとがんばりです。
 
 

 「編集後記」
・ 対関電署名も、新聞折込基金もみなさんのおかげで、たくさん集まりました。
  ヒバク反対キャンペーンから、JCO事故の責任を追及する対政府署名を開始する
  ことの連絡を受けました。今度は、多くの署名賛同が必要となります。
  地元「臨界事故被害者の会」が署名運動の中心としてがんばるそうです。応援しま
  しょう。                               きよ子