■□■□■□■□■□■□■□■ 若狭ネット第57号(2000/4/11) ■□■□■□■□■□■□
3.28スリーマイル島原発炉心溶融事故21周年
動揺する関電を追い詰め
公開討論会を早く開かせよう
3月28日、若狭ネットの呼びかけで対関電行動が行われました。この行動は1979年3月28日、米ペンシルベニア州サスケハナ河のスリーマイル島にあるスリーマイル島原発2号で起きた炉心溶融事故を契機として取り組まれてきた反原発行動の一環です。
若狭ネット等はこの間、関電のプルサーマル計画の中止などを求めて対関電行動に取り組んでおり、今回は1月24日の公開質問書提出、2月9日の美浜2号事故9周年行動に引き続くものとなりました。
その場しのぎで逃げ回る関電
関電からはいつもの安部広報課長など3名が対応しました。若狭ネットはBNFLとの契約破棄とプルサーマル計画の白紙撤回を求める要求書を読み上げ、提出しました。
関電は3月1日の中間報告で、BNFLがMOX燃料ペレットの抜き取り検査を全社的にゴマ化し、手を抜いていたことを正直に認めざるを得ませんでした。関電と三菱重工業はそれを十分監視することも、不正を見つけることもできませんでした。むしろ、BNFLのペレット製造能力が不十分であること、そのために全数自動検査の方法をごまかしていたことなどを事前に十分知っていたのです。
MOX燃料ペレットの製造が困難であること、MOX燃料の使用=プルサーマルは原発重大事故の危険性を高めること、欠陥ペレットの使用は一層危険であることなどについては、若狭ネットをはじめ福井、関西の反原発団体が数年前から指摘し続けてきたことです。関電はこれらの指摘を無視し続け、福井県の事前了解も得ないまま強引にMOX燃料製造に踏み切り、「高浜4号用のMOX燃料ペレットは大丈夫だ」とのBNFLの主張を「信じて」MOX燃料輸送を強行し、今回の結果を招いたのです。 関電には、そのすべての責任があります。BNFLのMOX燃料製造・品質管理におけるズサンさだけでなく、関電の責任について、私たちに真摯に説明し討論する責務を負っています。逃げ回ることは許されません。
「説明会を検討してます」逃げ回る関電
私たちは皆で口々に、公開討論会に関する話から逃げようとする関電を鋭く追及しました。それに対し、関電側の安部氏ら3名は、「社内で検討しています。4月の中〜下旬。平日の夜。100人規模で」などと、あたかも既定事項であるかのように答えました。私たちは、「土曜か日曜の方が良い」などと求めると一応聞くそぶり。「他の市民団体も入れてやるのか」と、たずねるとあいまいな答え。3月20日付けの公開質問書など昨年から提出したいくつもの質問書への回答がなかったため、これらの質問書に基づく討論をも求めました。しかし、前回同様、「いろんな場で答えてきたし、今後ともそういった回答は可能」との態度で明確な回答を回避しました。
4月3〜7日の週に社内の検討結果を返事するとの回答でしたが、その後、4月6日に電話連絡があり、「何も決めていない」と逃げる始末。12日に改めて電話すると、居留守を使っているのか、社内に担当者がいないとの返事。データねつ造問題と不正ペレット製造問題の進展を関電は相当怖がっているのでしょうか。
植木鉢状もOK? 関電っていい加減な会社?
BNFLではペレットが植木鉢状になってしまい、もともと円筒形に削れなかったという問題が最近明らかにされています。そこでBNFLは高さ10数ミリのペレットの中央の位置とその上下それぞれ2ミリの場所、合計3ヶ所の直径をはかりごまかしていました。ペレットの中央部の3ヶ所を測るだけで、ペレットの「両端」2ヶ所の直径は測っていなかったのです。関電もBNFLからちゃんと説明を受け、製造開始時点からこのことを知っていたのです。
それを追及すると安部課長は10数ミリのペレットを4ミリずつに3等分した図を描いて、中央の4ミリ分の「端」を測っているんだと説明しました。ペレット両端の角は面取りしているので、両端側の4ミリ分の所の直径は測っても意味がないというのです。面取りと言ってもどこまで面取りして削れば関電は気が済むというのでしょうか。私たちが追及すると安部課長は黙ってしまいました。関電は完膚無きまでに打ちのめされているのです。
何のための検査か? 検査をやれば不合格でも合格に
関電のあまりの不甲斐ない態度に、交渉への参加者から「BNFLの検査は何のためにあるのか疑問。不合格品のペレットを合格にさせるための検査なのではないか」と鋭い指摘が関電に浴びせられました。これには関電は反論できません。安部課長はまたまた黙るしか手はありませんでした。
絶対に関電のプルサーマルを許すな
このような、つかみ所のない、全く頼りにならない、それどころか背筋の寒くなるような関電にプルサーマルをやらせるなど、もってのほかです。絶対阻止しなければなりません。本当に高浜3・4号で何が起こるか分かりません。 福井、関西の力を合わせて、関電のプルサーマルを絶対に押しとどめていく広範な対関電の闘いに向けて、多くの人々が協力し準備を早急に開始していくよう呼びかけます。
対関電署名を広範に押し進め、その力をもって関電を追及したいと思います。4月26日の対関電行動には多くの方々が参加されるよう呼びかけます。
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