■□■□■□■□■□■□■□■ 若狭ネット第57号(2000/4/11) □■□■□■□■□■□■□
 
後世の笑いものになる「もんじゅ」不当判決
 
福井県三方町 石地 優
 
 
 3月22日、福井地裁にて15年もの長きにわたる高速増殖炉「もんじゅ」の訴訟(国に対する原子炉設置許可処分無効確認訴訟と旧動燃に対する建設・運転差し止め請求訴訟)の判決があり、裁判所はいとも簡単に原告の訴えを棄却してしまった。
 当日は220人もの人が朝早くから傍聴の抽選に駆けつけ、報道関係の人たちも多く、「もんじゅ」判決に対する注目度の高さがうかがえました。私は増田さんと原告団長の磯辺さんを家から裁判所まで送迎する大役を預かり、1日付き添わせてもらいました。90才を超える磯辺さんは歩くのもままにならないにも拘わらず、私たちと同じように朝早くから夜まで判決記者会見・集会と気力でこなされ、夜の報告集会では「控訴して、これからも先頭に立ってもんじゅ裁判の最後を見届けたい」と決意を述べられ、参加者から割れんばかりの大きな拍手をもらいました。
 判決後の記者会見で弁護団は、「予想していた中で最悪の判決」と酷評し、最近の原発裁判の判決(志賀・泊・女川)にあったようなコメントも一切なかった。「もんじゅ」という特殊性が軽水炉の裁判とはちがうゴリゴリの判決を出させたのかもしれないが、昨年の東海村事故により原発への不安が多数を占めている世論や、22万人もの「もんじゅを二度と動かすな!」という福井県民の声を無視する反動的判決である。
 今年になり、福井県では、プルサーマル計画の頓挫の後、急激に敦賀3・4号機の増設問題が浮上し、事前了解願いを県が受けてしまった。この増設には、福井県の経団連が増設の申し入れをしており、福井県の行政、経済界のトップが原発に対する世論の逆風の中、推進を強行するという全国の笑いものになっているところに福井地裁のこの判決。集会のときに京大の小林さんが言われた「この判決を出した裁判長は笑いものになる」の言葉が頭に残り、救いようのない現状に落ち込みました。(司法よお前もか)
 プルサーマル・原発増設・もんじゅ・原発の寿命延長等々、止めどもなく押し寄せる荒波にさらされていますが、21万人(増設反対)や22万人(もんじゅを二度と動かすな)を超える県民の声(署名)や署名集めに協力して下さった関西はじめ全国の方の想いをバックにして反撃したいと思います。判決当日、私の家に神戸の方から新聞を見て「あまりに腹が立ったから、何でも協力したいので言ってくれ」という怒りの電話がありました。元気が出ました。
 世界の流れは脱原発に向かっています。そんなとき、原発に依存すれば、日本は世界から見放され、福井県は他都道府県から取り残されてしまいます。残ったものは、放射能では笑い話にもなりません。知恵を絞って、微力ながらやっていきたいと思います。宜しくお願いします。