■□■□■□■□■□■□■□■  若狭ネット第60(2000/9/25)  ■□■□■□■□■□■□
 
     東海JCO事故をくり返さないで!
プルサーマル中止! BNFLと新契約を結ぶな!
 
10.2 JCO事故1年、10.26 反原子力デー
関電へ行こう
 
 JCO事故が示した警告
 
 日本史上最悪の東海村JCO核燃料工場臨界事故からこの9月30日で1年になります。
 尊い2名の命が奪われたJCO事故が示したものは、
@ 事故が起これば、はたらく人だけでなく、 周辺の人々も何も知らされないまま、被曝 させられ、大きな被害が及び、健康被害は 長期間にわたって続くこと。
A 事故が起これば、緊急に避難などできな いし、屋内退避で放射線被曝し続けること。 防災対策など、「役に立たない」
B 原子力関連施設では「安全」を第一とい っていますが、経済性最優先の姿勢であり、 事故がいつ起きても不思議でないこと。
C 原発の運転でも経済性最優先の姿勢で、 定検短縮、稼働率アップを追求する姿勢は、 やがて、重大事故を引き起こすこと。
など、いやおうなく「国民の選択すべき道は、反原発、脱原発であること」を示しました。
 しかし、国は、JCO事故の責任を認めず、姑息にも「今回の事故は、住民に健康被害をもたらすものではない」と居直り、被害者には「安全です。安心してください。頭を切り替えてください。」と暴言を吐き、原発推進をあくまでも押し進めようとしているのです。
 21年前に起こった米国のTMI原発事故では、米政府は、この事故の放出放射能で周辺の被害は出ていないとして幕引きをはかりました。ところが、今も2000名以上にのぼる風下住民による被害補償の裁判がおこなわれています。
 14年前のチェルノブイリ原発事故でも、原発推進側は、被害を小さく見せようと躍起となっていましたが、被害の深刻さは、年々明らかとなって全世界に伝えられています。
 JCO事故が、若狭の原発で起こる前に何としても止めなければなりません。
 
 居直り許さず、関電に自己責任をとらせよう
 
 私たちが関電にプルサーマル問題で公開質問書を提出していましたが、8月31日には、関電から文書回答がありました。この中身は、8月3日の公開討論会での内容よりさらに後退したものでした。
 第一は、プルサーマルはあくまでも推進します。日本のエネルギーセキュリティー政策として必要です。
 第二に、ベズナウでのMOX燃料事故に関しては、説明しなかっただけでうそをついたわけではないと、「うその上塗り」をし、BNFLが「もう大丈夫だ」というので、それを信用しただけだと、開き直っています。
 第三にBNFLのMOX燃料加工技術が、あまりよくないことがわかっていても、「おそらく大丈夫だろう」と、はじめからたかをくくっていたのです。
 こんな姿勢の関電は許せません。関電は反省し、プルサーマル計画から撤退すべきです。
 私たちは、9月4日付けで関電への再質問書を提出しました。関電自らの責任があいまいなままに幕引きされようとしています。これを許さず、厳しく追及していきます。
 信じられないことですが、関電は、BNFLの工場ではMOX燃料の品質を作り込む工程でないことを知りつつ、強硬に発注しました。また、BNFLのMDF工場では、燃料の放射能漏れなどのトラブルはないと平然とうそをついていました。そんな関電の姿勢が問われているにもかかわらず、「MELOXのMOX燃料は大丈夫だと考えています、第三者機関がちゃんと調べています」と言う破廉恥ぶりです。関電の経営者は、徹底して経済性を優先し、「品質、安全を第一に考えて進める」という姿勢などなかったということです。関電の経営者は、危険きわまりない原発など扱う資格などないのです。いまだに関電内部では、経営責任は問われないままになっています。             
 
 プルサーマルはやめよ BNFLと新契約をするな
 
 英国のBNFL社は、MOX燃料データねつ造事件を機に一挙に「斜陽化」し、経営危機に陥っています。ノーマン・アスキュー社長は、「日本の顧客と年末までに新MOX契約を交わし、」「もし、新たな受注が得られなければ、経済的に耐えられず、操業を始められない」と語っています。新MOX燃料加工工場SMPが操業できなくなると、セラフィールドの再処理にも影響します。
 BNFLは、9月末に来日し、新契約獲得に躍起となっています。
 
 10・2JCO事故1年で関電申し入れを
 
 10月2日にJCO事故1年の関電交渉をおこないます。私たちは、関電にBNFLとのMOX燃料加工新契約を結ばないよう強く求めます。また、公開質問書への回答を求め、公開討論会を継続して開くよう求めます。みなさんも申し入れ文を作って参加してください。
 
 敦賀3・4号炉の増設を許しません
 
 「毒をくらわば、皿まで」と原発の増設で一時のうるおいを求めるたかりの発想では、地域の真の発展は望めません。9月10日福井県美浜町で開いた「電力だって自由化!だいじょうぶ?原子力発電」講演会に多くの人々が集まったことにそれが現れています。
 もういい加減にせよという怒りと、絶対にあきらめない取り組みが今こそ大切になってきています。
 福井県栗田知事は、9月19日原発15基体制再評価の報告書と、軽水炉事故評価報告書を県議会に提出し、敦賀3・4号炉増設計画の議論を要請しました。私たちは両報告書を批判し、増設を認めないよう福井県に強く働きかけていきます。
 今後も、講演会、新聞折込、対県交渉など粘り強く反対の取り組みをすすめていきます。ご支援ください。
 
 10・15 反原発の集いと10・26 反原子力デー関電交渉に参加を
 
 原子力の長期計画の見直しは、急ピッチにすすめられ、「ご意見を聞く」段階に高まっています。
 長計(案)の内容は、これまでの原発・核燃料サイクル推進政策の破綻を事実上追認し、立て直そうというもので、高速増殖炉の実用化は延期するものの、もんじゅは何としても運転再開させ、原発をあくまで推進していこうというものです。
 世界は、脱原発・脱プルトニウム政策に転換し始めているというのに、仏以外では、日本だけが資源小国を理由にして、あくまで原発・核燃料サイクルを推進するという21世紀に向かって夢を描けない政策を押しつけ、私たちに破滅の道を選択させようと画策しています。とんでもない方向です。
 この3月から始まった日本の部分的電力自由化は、原発のような大型発電所の建設を遅らせる方向に働いていますが、国は、多額の買収費をばらまき、地域振興法案を画策し、原発新増設をすすめようとしています。また、電力自由化によって、電力会社は、失われつつある原発の競争力を維持するため、定検期間の3か月から40日への短縮、事故件数の少ない原発の定検省略、連続運転期間の13カ月から18カ月への延長などを目指しています。そして、少々のことでは、原発の運転を止めない衝動力が強まるでしょう。それは、一層危険な破滅への道へと私たちを誘うことになるでしょう。そんなことにならないように、T日も早く、原発は止めねばなりません。
 これらのことをさらに10月15日の集会で議論し、10月26日反原子力デーには、みんなで関西電力に押しかけましょう。  
 
◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇ 当面の行動予定 ◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆
 
9月30日(土)東海村事故から一年 とめよう原発!市民のつどい
  午後12:15〜 アピオ大阪ピロティ小ホール(JR環状線「森ノ宮」下車、
  共催:若狭ネットなど市民6団体               西へ歩5分)
 
10月2日(月)JCO事故1年 関電申し入れ行動
  午後4:30 関電本社前集合 (地下鉄四つ橋線「肥後橋」下車、西へ歩5分)
 
10月8日(日)被爆55周年、21世紀を前に 核汚染と地球環境を考える
  午後2:00〜 苅田土地改良記念会館(地下鉄御堂筋線「あびこ」下車、B出口から
  主催:地球救出アクション97(0723-32-9279稲岡美奈子)         東へ歩5分)
 
10月15日(日)「反原子力デー」に向けた 反原発のつどい
  午後1:00〜 東淀川勤労者センター(地下鉄御堂筋線「新大阪」下車、東へ歩10分)
    ◎ 原子力研究開発利用長期計画(案)批判
    ・もんじゅ運転再開とプルトニウム利用計画
    ・原発新増設と原発の安全規制緩和
    ◎ 電力自由化と原発
  主催:若狭連帯行動ネットワーク
 
10月26日(木)「10.26反原子力デー」関電申し入れ行動
  午後4:30 関電本社前集合 (地下鉄四つ橋線「肥後橋」下車、西へ歩5分)
 

9月17日(日) 「せんそうはいやや、核なんかいらへん 反核フェスティバル」
 JCO事故の責任を追及する全国署名活動約500名以上の署名を集約しました。
(この署名は全国で取り組んでいます。ニュースと同封しますので、ご協力をお願いし
  ます。多くの数の力で、国の責任を追及していきましょう。)
 
 
  【編集後記】  
 ・ 推進側は、9月30日を「原子力安全の日」として、キャンペーンをする。
  原子力の関連企業は、生き残りをかけ、何とか安上がりにできないかと、腐心して
  いる。安全を叫ぶとき、本当は安全をおろそかにしているという反省がある。
   しかし、今回の場合、国は、反省などしていない。「原発は絶対安全です」から
  「原発には事故があることを前提に」と、いいだすありさま。それでも、原発は必
  要だとして、いまだに推進することを大宣伝している。
   核燃料サイクル政策が事実上破綻しているにもかかわらず、まだ続けようとする
  方向を打ち出すおろかさ。21世紀は原発のない世界にしたいものです! きよ子