「環境アセス準備説明会」
     に抗議行動をおこなう
 
 
 1月25日夜、敦賀市で、日本原子力発電(日本原電)による敦賀原発3・4号炉増設のための日本原電の環境影響評価(アセスメント)準備書の説明会がおこなわれました。
 この説明会は、地元市民の意見を形式的に聞くという先陣を切るもので、住民意見募集をおこない、増設に必要な「環境アセスメントの完了」に向けた手続きとして行われました。今年初めの原発推進の動きであるため、機先を制する意味でも重要と考え、急遽、抗議行動をおこないました。
 6年前、敦賀原発3・4号炉の増設に反対する県民署名が21万人集まり、反対運動の前に福井県知事も判断を出せないでいました。しかし、推進側は、昨年の2月に事前了解願いを県に受理させ、今年の秋にも県知事に「事前了解」を表明させるための足固めとして今回動き出したのです。もちろん、県知事も原発誘致が地域振興につながらないと知りながら、何とか政府から一時的な「甘い汁」を引き出す取引材料に使おうとしています。
 私たちは、今年最初の行動として、なんとしても増設反対運動を再び活性化させるため、「増設反対21万県民の声を聞け!」の大きな横断幕を掲げ、説明会場前でアピールをしました。いよいよ闘いは正念場にさしかかってきました。
 

          敦賀3・4号炉増設計画

 日本原電は1月16日、敦賀3・4号炉増設計画の環境影響評価(アセスメント)準備書を福井県栗田知事、河瀬敦賀市長、山口美浜町長を送付しました。準備書の審査期間は、270日以内で10月12日までとしており、原電では、17日から1ヶ月間、準備書の公告・縦覧を行い、縦覧終了後2週間、住民意見を受け付けるということです。福井県は、福井県環境審議会などの議論をもとに福井県知事の意見をまとめ、国に提出することになります。原電は国の勧告を受けて最終的な評価書を策定する段取りとなります。栗田知事は、「県としては安全性はもちろん、15基体制でいくのか、地域振興をどうするか、議会で議論してもらわないといけない。秋には本格的な議論になると思 う。」と、発言し、この秋9月議会の議論をふまえて敦賀原発増設を判断する考えを示しました。 
 
遠巻きにこちらを見ながら、説明会を開催する日本原電
 
 敦賀には先日の大雪がまだ道にたくさん残り、雨が降りしきる悪天候の中、私たちは、会場の入り口で横断幕を掲げました。すると、異常な雰囲気を察知したのか、今まで和やかに話をしていた主催者側の原電の人たちは、さっと入り口から中に入り込み、中からガラス越しにこちらの動きを見ていました。
 原電さんの何人かが、「会場は私たちが借りているので、敷地外を出てやってくれ!」と、私たちを排除しようとしました。私たちも「言い分を横断幕に書いて、訴えています。市民の権利として認めなさい」と、がんばりました。さらに、私たちが「玄関の外だといいだろう」と粘ると、今後はセンターの事務員がやって来たので、「21万県民署名に敵対するつもりか」と迫ると、すごすごと引き下がりました。
 また、何分かすると、原電側がやってきて、「この敷地内はあたしたちが借りているからでていけ。警察もいるぞ」と、再度脅しをかけて来ました。何度か、押し問答をしながらも、がんばりました。まだ、雨が降りしきる天候でしたので、「寒い中でやっているのだから、私たちの意思表示をなんとかここでさせてください」と、主張しても、聞く耳持たずで、ガンとして受け入れませんでした。原電側は、自分たちに対し反旗を翻す輩は絶対に排除するという構えでした。しかし、21万県民署名そのものとは敵対したくないとの躊躇が見えました。
 このような光景ははじめてなのか、原電側の多くの社員は、こちらを遠巻きにしてオドオドした様子でした。参加者の人たちは、横断幕の内容を観ると、伏し目がちで足早に入っていきました。21万県民の増設反対の声を無視できない様子でした。
 会場前に60人乗りの貸し切りバスがどんどん入ってきますが、バスから降りる人たちは、主催者側の案内人を含めて、10人程度でした。しかし、動員力はすさまじく、次々と入り、1200人の会場内は、ほぼ満員で、腕章をつけた原電側が通路をずらっと並んでいるという異様な会場でした。
 今年はじめての行動でありましたが、まずは「ジャブの応酬」であいさつした行動でした。これからの運動がいよいよ正念場となります。
 世界は、脱原発であるにもかかわらず、日本いや福井では、いまだに原発増設で金の亡者どもが動き回っているのです。福井の人たちの多くは、もう原発はやめていこうという考えです。いろんなアンケートでもうががい知れます。
 ここでなんとしても再度原発増設を阻止する大きな運動が必要になってきています。このことを頭に入れながら、原発をとめる運動をいかに進めるか大いに論議しあいましょう。
 そのためにも2月18日の集いは、重要となってきています。今後の闘いを大いに話し合いましょう。お待ちしております。
 
もんじゅ反対の声を県議会へ集中しよう!
 
 高速増殖炉「もんじゅ」はこの2月〜3月の県議会が焦点になります。福井空港拡張工事「保留」化で取り引きしようとした福井県知事、それではダメだとし北陸新幹線の福井への延長での取引に固執する県会自民党、こんな取引は敦賀には関係ないと冷めた敦賀市商工会議所、皮肉なことに原発推進派内部のこんな利害対立がもんじゅの安全審査入りを阻んでいるのです。目先の利害対立だけで、22万のもんじゅ反対署名に現れた県民の耳を傾けようとしない県政と県議会に今こそ批判の声を集中しましょう。
 
使用済核燃料中間貯蔵施設の立地を許すな!
 
 北海道新聞の報道によれば、東京電力や関西電力などが共同で使用済核燃料の中間貯蔵施設を立地しようと画策しています。北海道3カ所、青森・茨城など全国17カ所のかつて原子力施設の立地候補になった地点を中心に立地点を確定しようと躍起になっています。この3月末には具体的な立地点を明示しなければならず、電力会社との対決が緊迫感を増しています。原発の運転を一日でも早く止めるためには全国のどこにも使用済核燃料の中間貯蔵施設を建てさせてはなりません。全国的な連帯の力で立地を阻止しましょう。
 これらについても、2月18日の集いで話し合いたいと思います。
 皆さん、ぜひご参加下さい。
 

 
2.18 美浜事故10年をふり返り、
21世紀に臨む
交流と討論のつどいに参加を!
 
 2月18日(日) 午後1時〜
   エルオオサカ (地下鉄谷町線「天満橋」下車、西へ歩5分)
 
[各地から参加]
 和歌山県日高から、濱一巳さん    福井県敦賀から、増田 悟さん 
 福井県美浜から、 松下照幸さん   福井県小浜から、池野正治さん 
 福井県今立から、 山崎隆敏さん   福井県武生から、岡村葉子さん
 福井県三方から、 石地 優さん   三重県芦浜から、大石琢照さん 予定
 香川県からも来ていただき、美浜事故10年、若狭ネット結成10年をふり、悲喜こもごもの報告を受け、原発立地点と都市部の連帯を強めながら、21世紀を脱原発の世紀とするために、これからの運動を展望します。
 また、電力自由化による原発の経済性追求と活発化する活断層による地震が原発重大事故の危険をいかに高めているか、その最新情報を報告します。   
 

2月9日(金) 午後4時30分関西電力本社前集合
           (大阪、地下鉄四つ橋線「肥後橋」下車、西へ歩5分)
2・9 美浜事故10年の関電本社申し入れ
 
  美浜原発2号の蒸気発生器細管ギロチン破断事故から10年を期し、美浜1号寿命延長反対、プルサーマル反対、事故隠し糾弾、原発新増設反対、敦賀3・4号増設への荷担中止、使用済核燃料中間貯蔵施設立地反対など、さまざまな課題で、それぞれの想いの込もった申し入れをもってご参加下さい。