2.9 美浜事故10年関電申し入れ報告
 
 関電は10年前の美浜事故以前に逆戻り!?
 
 美浜事故10年の2月9日、今世紀最初の関電本社申し入れ行動を行いました。市民13名が参加し、関電側はエネルギー広報グループのマネージャー2名が対応しました。最初に、若狭ネット、原発の危険性を考える宝塚の会、京都原発研究会の3者が申し入れを行い、それに続いて1時間半の交渉を持ちました。
 関西電力は「グリーン電力基金を募集していますが、東京電力の6千件に対し、関西電力は250件185万円と低調なので、1件500円から1件100円へ下げたので、何口でもお願いしたい。ご理解願いたい」と半ばぼやきながら、厚顔無恥にも依頼してきました。「原発をやめるのなら応じる」と言うと、「原子力、火力、水力、自然エネルギーのベストミックスで何でも使えるものはやっていきたい」と開き直るだけでした。
 「インドや日本で地震が多発しているが、マグニチュード7〜8クラスの直下地震が起きても原発は大丈夫だと言えるか」と追及すると、関電は、阪神・淡路大震災の後で原子力安全委員会の耐震安全検討会が現行指針で妥当だとしていると言って現行指針の内容をくり返すのみでした。現行指針を作成した学者が自らの見解を撤回・修正しており、地震学界での今の通説から現行指針が遊離していることがはっきりし、地震学会会長が現行指針の見直しを提言していることなどは意に介さないという様子でした。
 美浜事故でも、私たちが「このままでは蒸気発生器細管が破断するぞ」と警告したにもかかわらず、「材料のインコネルには粘りがあるからいきなり破断することはない」と関電が居直った1週間後に実際に破断事故が起きたのです。市民の意見を無視し続ける姿勢は当時と全く同じです。「美浜事故を教訓にしている」と言いながら、実際には何も教訓にしていないのです。
 プルサーマルのデータねつ造事件でも、「品質管理の基本ができていない。データをずらしてコピーすれば関電の判定法では判らない」という私たちの警告を無視し続けて、私たちの警告通り、新たなデータねつ造と品質管理のデタラメさが明らかになったのです。
 ベズナウの事故を武生の公開討論会で隠していたことについて事実関係を確認しました。武生では、会場参加者から「燃料棒を含めて品質管理はどうなっているのか」と聞かれて「MDFではトラブルや事故はない」とウソをついたにもかかわらず、関電は「事故を事前に知っていたが、MOX燃料固有の事故ではないということで答えなかった」とウソの上塗りをしてはばかりませんでした。「企業秘密だから口外しないでくれと言われていたので事故を隠した」と率直に認めて謝罪すればよいのに、あくまで「関電がウソをついたのではない」と言い逃れに終始しました。
 柏崎刈羽原発に向けてMOX燃料が輸送中ですが、その帰途に高浜4号のMOX燃料を持ち帰るということはないとのことでした。また、SMPとの新契約についても、「今の段階では白紙だからわからない」とのことでした。
 使用済核燃料の中間貯蔵施設の候補地として北海道や青森の17地点があがっていますが、関電は福井県外の関電圏内で3月末をめどに探しているとのことでした。
 最後に、宝塚の会から、関電は地域共生の名の下に学校教育に入り込んで、ビデオや教材を教育委員会を通して学校に提供し、子供たちに原子力の宣伝をしているのは問題だと追及しました。関電は一般的な内容で参考のためにビデオを提供すると約束しました。