若狭ネット

福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

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若狭ネット資料室(室長 長沢啓行)
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「福島事故関連費等8.6兆円の託送料金への転嫁」に関するパブリックコメントに意見を出そう!

「福島事故関連費等8.6兆円の託送料金への転嫁」に関するパブリックコメントに意見を出そう!

福島事故関連費等8.6兆円の託送料金への転嫁に関する経産省令の改定案が2種類出され、パブリックコメントにかけられています。
いずれも8月26日が締切りです。

しかし、ここには廃炉費6兆円を託送料金から捻出するために不可欠な「託送料金高止まりのルール」が入っておらず、一部にすぎません。経産省はこれを出せない状態に陥っているのです。パブコメに意見を集中して、省令改正案を撤回させましょう。

反対署名は10月末締切りです。署名の一層の拡大ご協力下さい。
今なら撤回させられます!反対署名を拡大して撤回させましょう!

2017年10月末締切の新しい署名用紙はこちらWord版はこちら

署名拡大用リーフレットはこちら

(1)「電気事業法施行規則」等の一部改正に対する意見の募集について(リンクはこちら)
意見・情報受付開始日 2017年07月28日 
意見・情報受付締切日 2017年08月26日

(2)「原子力損害賠償・廃炉等支援機構の廃炉等積立金管理等業務に係る業務運営並びに財務及び会計に関する省令案等」に対する意見の募集について(リンクはこちら)
意見・情報受付開始日 2017年07月28日 
意見・情報受付締切日 2017年08月26日 

長沢啓行若狭ネット資料室長の提出した意見は下記の通りです。(意見4を追加提出しました)

「電気事業法施行規則」等の一部改正に対する意見の募集について

<意見1>
電気事業施行規則第45条の21の3の「原子力発電事業を営む発電事業者は、その運用する原子力発電工作物及び廃止した原子力発電工作物に係る原子力損害の賠償のために備えておくべきであった資金であって、旧原子力発電事業者が平成二十三年三月三十一日以前に原価として算定することができなかったものを、一般送配電事業者が行う接続供給によって回収しようとするときは、回収しようとする資金の額について、五年ごとに、経済産業大臣の承認を受けなければならない。」とあるが、このような過去に商取引が完了したものについて、過去に遡って、しかも、その商取引に関与していなかった現在の消費者から回収することが商法違反ではないとする根拠法を引用して明示すべきである。そうでなければ、商法違反の資金回収を経産大臣が承認することになってしまうのではないか。
電気事業施行規則第45条の21の3の第3項の「適正かつ明確に定められていること」とあるが、具体的な記載がなく、「適正かつ明確に定められている」かどうかを判断する根拠(算定式など)を明記すべきである。
電気事業施行規則第45条の21の3の第3項第3号の「各一般送配電事業者ごとの回収すべき賠償負担金の額が、旧原子力発電事業者が平成二十三年三月三十一日以前に発電した原子力電気の供給に係る契約の内容に照らし、適正かつ明確に定められていること。」とあるが、現在の電力消費者の大半はほとんどの期間、旧原子力発電事業者との「契約」関係にはなかったのであり、「契約の内容に照らし」て適正とは確認できないはずである。

<意見2>
2016年12月9日の第6回東京電力改革・1F問題委員会参考資料では、損害賠償費が5.4兆円から7.9兆円に増えたが、計2.5兆円の内訳は東京電力が1.2兆円(特別負担金0.67兆円と一般負担金0.53兆円)、大手電力が一般負担金1.0兆円、新電力が一般負担金0.24兆円で、一般負担金は合計約1.8兆円弱だが、電気事業施行規則第45条の21の3の「賠償負担金」は一般負担金「過去分」2.4兆円に相当する。つまり、過去分で回収される一般負担金は追加された1.8兆円弱よりも0.6兆円強も多い。この分が当初の損害賠償費5.4兆円のうち、一般負担金約4.1兆円(東電1.4兆円と大手電力2.7兆円)の減額に使われる結果となっている。
資料請求への経産省による2017年4月6日回答では、過去分2.4兆円の割当は東電約0.8兆円、大手電力約1.4兆円、新電力0.24兆円であった。つまり、東電は1.4兆円から0.53兆円増額のところ、0.3兆円弱の減額(=0.53兆円-0.8兆円)、大手電力は2.7兆円から1.0兆円増額のところ、約0.4兆円の減額(=1.0兆円-1.4兆円)になる。新電力だけが0.24兆円の増加になる。これでは新電力に対して余りにも東電や大手電力を優遇しすぎではないか。
電気事業施行規則改定案には、これらの不公平な数値は一切出てこない。これは欺瞞であり、このような省令改定は撤回すべきである。

経産省から資料請求への回答(2017年4月6日)

<意見3>
電気事業施行規則第45条の21の5には「一般送配電事業者は、当該通知に従い、廃炉円滑化負担金をその接続供給の相手方から回収しなければならない。」とあるが、「廃炉円滑化負担金」は本来、原子力事業者との契約者から原子力事業者に代って回収すべきものであり、原子力を持たない新電力の「接続供給の相手先から回収しなければならない」とするのであれば、それを正当化できる上位の根拠法を引用して明示すべきである。
電気事業施行規則第45条の21の5の第3項第2号には、「各一般送配電事業者ごとの回収すべき廃炉円滑化負担金の額が、特定原子力発電事業者が発電した原子力電気の供給に係る契約の内容に照らし、適正かつ明確に定められていること。」とあるが、新電力に契約変更した消費者との間には「原子力電気の供給に係る契約」が存在しないため、「適正かつ明確に定められている」かは確認できないはずである。
このような「廃炉円滑化負担金」には今後廃炉にされるすべての原発に適用されることになるが、原子力規制委員会の適合性審査に対応するため、原発1基当り1000億円程度の対策工事を行っているが、仮に審査に通らず廃炉になっても、投じた対策工事費の大半が託送料金で廃炉後に回収されるというのは商法違反ではないか。しかも、新電力との契約者からも回収するのは二重に商法違反ではないか。

<意見4>(追加提出しました)
電気事業施行規則改正案第45条の21の3の第3項第3号の「各一般送配電事業者ごとの回収すべき賠償負担金の額が、旧原子力発電事業者が平成二十三年三月三十一日以前に発電した原子力電気の供給に係る契約の内容に照らし、適正かつ明確に定められていること。」とされ、同第45条の21の4の第3号には「賠償負担金相当金(一般送配電事業者がこの項の通知に従い回収した金銭をいう。次項において同じ。)を払い渡すべき各原子力発電事業者」を通知するとあるが、下記の2点が不明である。
(1)東北電力の東通1号と女川3号、東京電力の柏崎刈羽1号と福島第二原発3・4号、北陸電力の志賀2号、日本原電の敦賀・東海については複数の電力会社で「共同開発」(各電力会社の供給力に算入し、受電・購入契約を締結)しており、これらの原発に関する「各一般送配電事業者ごとの回収すべき賠償負担金の額」は受電契約分に即して各電力会社の子会社たる各一般送配電事業者に案分されると理解されるが、それを「払い渡すべき各原子力発電事業者」とは各原発を所有し運転している原子力事業者だと理解してよいか。
(2)「回収すべき賠償負担金の額」は一般送配電事業者ごとに異なるが、複数の一般送配電事業者を通って送電されるとき、この「回収すべき賠償負担金の額」はその都度、多重に課金されるのか。たとえば、(1)の場合には複数の一般送配電事業者を通って送電されるため、多重課金が避けられず、「回収すべき賠償負担金の額」の過剰回収になるのではないか。
電気事業施行規則改正案第45条の21の5には「一般送配電事業者は、当該通知に従い、廃炉円滑化負担金をその接続供給の相手方から回収しなければならない。」とされ、同第45条の21の5の第3項第2号には「各一般送配電事業者ごとの回収すべき廃炉円滑化負担金の額が、特定原子力発電事業者が発電した原子力電気の供給に係る契約の内容に照らし、適正かつ明確に定められていること。」とあるが、この「廃炉円滑化負担金」についても、上記の(1)と(2)の2点(「賠償負担金」を「廃炉円滑化負担金」に置換えたもの)が不明である。
これは、原発コストを「託送料金」で無理矢理回収しようとするから生じる矛盾点であり、「原子力を持たない新電力から原発のコストを回収する」という重大な問題点と同根である。このような無理な回収策は撤回すべきである。

「原子力損害賠償・廃炉等支援機構の廃炉等積立金管理等業務に係る業務運営並びに財務及び会計に関する省令案等」に対する意見の募集について

<意見1>
省令(案)第4条第1項の「廃炉等積立金の額を定める時点において予見することができる将来にわたって廃炉等の実施に要する費用に充てる資金の金額」が「廃炉等を適正かつ着実に実施するために十分な額であること」を経産大臣がどのような基準で判断するのかが不明であり、具体的な省令としては判断基準が欠落している。
また、電気事業会計規則改正案では、営業費用の項目に「廃炉等負担金」を挙げて「廃炉等実施認定事業者の子会社等若しくは親会社が負担すべき金銭として廃炉等積立金に充てるために支払う金額を整理する。」とあり、営業利益の項目には「廃炉等負担金収益」を挙げて「廃炉等実施認定事業者の子会社等若しくは親会社から、廃炉等積立金に充てるために支払われる金額を整理する。」とあるが、これらは託送料金の原価ではなく、報酬もしくは超過利潤から東京電力の経営努力によって捻出される費用項目であり、利益項目である。ところが、これらの「廃炉等負担金」もしくは「廃炉等負担金収益」を捻出するためには、託送料金を高止まりにさせる基準もしくはルールがどこにも提案されていない。これでは託送料金の原価として「廃炉等負担金」が計上されるかの誤解を招きかねないので、改正案についての説明が必要ではないか。
現在は、「電気事業法に基づく経済産業大臣の処分に係る審査基準等」(20170605資第46号)の「第2 処分の基準」「(14) 第19条第1項の規定による託送供給等約款等の変更の認可の申請命令」において、「(1)託送供給等約款が、物価の大幅な変動や需要構成の著しい変化があるなど社会的経済的事情の変動により著しく不適当となり、公共の利益の増進に支障があると認められる場合、(2)当期超過利潤累積額が一定水準額を超過している場合、(3)補正後乖離率が一定の比率(マイナス5パーセント)を超過している場合」が「託送供給等約款等の変更の認可の申請命令」を出す場合として列挙されており、これが東京電力関係について見直されない限り、毎年2000億円程度の「廃炉等負担金収益」を捻出することは不可能である。最も肝心なルールである「託送料金高止まりのルール」(案)を国民に提示せず、陰でこそこそと改定するのはやめるべきである。

電気事業法に基づく経済産業大臣の処分に係る審査基準等(20170605 資第46号)

<意見2>
託送料金の原価の大半は減価償却費だが、鉄塔・架線など耐用年数が50~30年の送配電網の更新が待ったなしである。鉄塔は1960年代後半から急増して1970~2000年に大増設され、2015年末で24.8万基あるが、今は1千基を毎年更新している。このペースでは全部を更新するのに248年かかり、50年サイクルで更新するには毎年5千基、5倍増にしなければ追いつかない。この減価償却費を考慮すれば託送料金は2倍にも跳ね上がる可能性があり、廃炉費を毎年2000億円レベルで捻出するのは不可能に近い。無理をすれば送配電網の更新が繰り延べされ、送電トラブルが頻発し、大停電が起きる可能性もある。このような現状で、廃炉費6兆円を託送料金で賄うのは無謀ではないか。
そもそも、東電を破産処理しないからこのような事態に陥るのであり、東京電力を破産処理して福島事故の責任をとらせ、株主や金融機関に債権放棄をさせて、9兆円程度を捻出し、不足分を累進課税で賄うのが筋である。そうでなければ国の責任を果たすこともできない。
廃炉費不足金6兆円も、米スリーマイル島原発事故の経験に基づくが、福島第一原発とは全く条件が異なるため、デブリ取出工程次第で今後跳ね上がることは避けられない。そうであれば、託送料金による無理な資金調達法をやめて、東電を破産処理し、国の責任に基づく本格的な廃炉体制を構築すべきではないか。

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