若狭ネット

福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

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「10・26反原子力デー全国一斉行動」の一環として、若狭ネットも、他の4市民団体とともに、関西電力本社へ申入れを行いました

「10・26反原子力デー全国一斉行動」の一環として、若狭ネットも、他の4市民団体とともに、関西電力本社へ申入れを行いました

「10・26反原子力デー全国一斉行動」の一環として、若狭ネットも、他の4市民団体とともに、関西電力本社へ申入れを行いました(申し入れのpdfはこちら)。

市民側参加者は12名でしたが、関西電力広報部は今回も対応せずでした。
私たちは、30年以上前からの「2週間前に電話連絡する」との慣例に従って電話連絡したのですが、広報部は「10月26日は多忙」だと拒否しました。「他の日なら話合いの場を設定してもらえるのか」と問うと、「応じられない」との一言。
結局、総務部の社員が出てきて申し入れ書を受け取りましたが、「5人、5分」のルールで、1階ロビーの片隅で、申し入れ書を読み上げて手渡し、5人以外は遠巻きに見守らざるをえないという状況でした。
この悪習は、2015年の八木社長時代に突然始まったのですが、7年後の今なお継承し続けているのです。

2022年10月26日

関西電力株式会社取締役代表執行役社長 森 望 様

10・26反原子力デーに際して、関西電力への申し入れ

若狭連帯行動ネットワーク 

 本日10月26日は反原子力デーです。

 貴社は、未だに原発依存の経営を行い、老朽原発の延命路線を突き進もうとしています。これは、多くの人々の思いとは逆行します。原子力文化財団の昨年の世論調査でも、「原発は徐々に減らすべき」52.8%と「即時廃止すべき」7.5%が合計で60%を占めています。ここ10年、この傾向はほとんど変りません。

 7月13日の「東電株主代表訴訟」東京地裁判決は画期的でした。旧東電経営陣は巨大津波を予見できたのに防潮堤や水密化の対策を先送りし、取締役としての注意義務を怠って事故を招いたと認定し、 「広範な地域及び国民全体に対しても甚大な被害を及ぼし、我が国そのものの崩壊にもつながりかねない」、大事故が「万が一にも」起こらないようにする義務があるのに、怠ったと断罪したのです。貴職をはじめとする関電経営陣も、今のままでは同じ轍を踏むことになるでしょう。

 私たちは強く訴えます。原発再稼働・40年超運転による利潤追求を続けていては、老劣化によるトラブル・故障・事故を頻発させる一方、事故原因の究明を切り上げての運転再開、次の定検までのひび割れ放置の強硬運転、異常発見時の無理な運転継続や異常対策等が不完全なままでの運転再開前倒しなどで、予想外の危険な事態を招き、福島事故を繰り返すことになりかねません。

 高浜1・2号は国内で最も古い原発であり、来年6月と7月に再稼働予定ですが、その時点で49年目と48年目になり、60年運転の期限まで残り11年と12年しかありません。しかも、高浜1号の原子炉圧力容器は長年の中性子照射による材料の脆化が最も進んでいて、蒸気発生器細管破断などの事故時に原子炉容器が破断する恐れが高いのです。

 老朽原発の長期連続運転・40年超運転・ひび割れ放置運転等の強行を招き、福島事故を繰り返す危険性を高めるだけでなく、一層大量の使用済核燃料を生み出し、次世代に重い「負の遺産」を残します。

   「原子力災害の危険を伴い、使用済燃料と核廃棄物を生み出す原発」を推進するためには、「森山案件」に見られるような地元利権集団との癒着と利権構造の形成は避けられません。原発依存経営から脱却し、原発利権構造を一掃し、再エネ推進のクリーンな経営に転換すべきです。

 原子力は夢のある産業ではなく、若者が将来を夢見ることのできない産業へ転落しています。脱炭素・脱原発の社会に寄与する産業こそ若者に夢を与える産業です。にもかかわらず、貴社は、原発再稼働を最優先させ、目指すべき社会の実現を遠ざけているのです。

 以上を踏まえ、次のことを強く申し入れます。公益事業者として自覚した上で、真摯に対応してください。

1.高浜1号は運転開始48年の国内最古かつ原子炉圧力容器の中性子脆化が最も進んだ危険な老朽原発です。運転開始47年の高浜2号、同46年の美浜3号と共に40年超運転を断念し、廃炉にしてください。

2.配管のひび割れや蒸気発生器細管の減肉など老劣化の進む高浜3・4号と大飯3・4号を廃炉にしてください。大飯3号で強行しようとした「次回定検までのひび割れ放置運転」を二度としないでください。

3.むつ市への使用済燃料の中間貯蔵押しつけを断念し、使用済燃料をこれ以上生み出さないでください。貴社による「福井県外での中間貯蔵施設立地」の約束、すなわち、①2010年まで、②2018年中、③2020年末まで、のいずれも実現できず、運転停止などの約束を反故にしました。④2023年末までが現在の約束です。「4度目の正直」として、これを守れない限り、すべての原発を運転しないでください。

4.高浜3・4号でのプルサーマルを即刻中止し、大飯原発にプルサーマルを広げないでください。プルトニウム利用を断念し、これ以上、MOX燃料の発注・輸送・輸入をしないでください。六ヶ所再処理工場の閉鎖を日本原燃に求めてください。

5.「福島賠償費・原発関連費の今年度分約288億円(一般負担金「過去分」156億円/年と廃炉円滑化負担金132億円/年)」を託送料金に加算して回収するのをやめ、電気料金を下げてください。

6.取替や廃炉による美浜・大飯・高浜原発の蒸気発生器33基をはじめ給水加熱器や核燃料輸送・貯蔵用キャスクなど大型放射性廃棄物の輸出、海外での溶解・再利用の計画を断念し、密閉管理し続けてください。

7.東京電力の事故責任を認定した最高裁決定を受け、原発依存の経営方針を「脱原発・脱石炭」、「再エネ拡大」へ大転換してください。                             

以上

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