若狭ネット

福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

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コロナ感染拡大対策に関し、関西電力へ緊急申し入れを行いました

コロナ感染拡大対策に関し、関西電力へ緊急申し入れを行いました

本日、4月28日午前11時半に関西電力原子力事業本部(福井県美浜町)へ、若狭ネットとして「コロナ感染拡大対策に関する関西電力への緊急申し入れ」を行いました。
この申し入れは、昨日27日に行う予定で関電原子力事業本部へ連絡したところ、「翌日にしてほしい」とのことで、1日遅れましたが、結果として、若狭ネットに加え、小浜の議員さんと他6団体(原子力発電所に反対する福井県民会議/ふるさとを守る高浜・おおいの会/原発設置反対小浜市民の会/安全なふる里を大切にする会/原発なしで暮らしたい宮津の会/避難計画を案ずる関西連絡会)の申し入れも同時に行うことになりました。
テレビ・マスコミ5社も取材に来ていました。

コロナ感染の緊急事態にもかかわらず、設置期限の迫る特別重大事故等対処施設(特重施設)工事や40年超運転のための安全対策工事に8,800人もの作業員を3密で作業させ続ける関西電力に対し、原発工事中止と原発運転中止を共に強く求めていきましょう!

2020年4月27日
関西電力株式会社取締役社長
森本孝様

コロナ感染拡大対策に関する関西電力への緊急申し入れ

若狭連帯行動ネットワーク

「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(特措法)に基づく緊急事態宣言が4月7日に出され、4月16日には対象地域が全国へ拡大され、福井県も対象に入っています。そのような中、貴社の原発では、安全対策工事や特別重大事故等対処施設(特重施設)工事のため、毎日8,800人(高浜約4.500人/日、美浜約2,800人/日、大飯約1,500人/日)が作業しており、通常の定検ピーク時の2,500人/日を超える密集状態が続いています。これらの作業員はコロナ感染の「特定警戒都道府県」からも多数来ていて、玄海原発では特重施設工事現場の大林組社員2名がコロナに感染し、2週間以上工事が中断しています。大林組は施工中断を前提に全国で4月20日から工事発注者と協議に入り、4月25日~5月10日の全社一斉休業を決めています。清水建設、熊谷組、鹿島などゼネコン各社も緊急事態宣言の全国拡大を機に一斉休業へ動いています。
 他方、高浜1・2号の安全対策工事では事故が相次いでいます。昨年9月19日には特別重大事故等対処施設(特重施設)建設用作業トンネル内で溶接作業中に協力会社作業員10名中9名がエンジン付き溶接機から発生した一酸化炭素で中毒になっています。3月13日には騒音防止の耳栓をしていたトンネル掘削作業監視員1名がバックで進入してきた資機材運搬用トラックに轢かれて死亡しました。これらを受けて、貴社は3月31日に高浜1・2号の安全対策工事竣工を3~4ヶ月延ばし、3・4号特重施設竣工も1ヶ月延ばすなど全体工程を見直しました。しかし、4月11日には、高浜1号ディーゼル発電建屋内で配管点検中の協力会社作業員が高さ1.4メートルの脚立から転落して骨盤の骨を折る重傷を負うなど事故が続いています。多少の竣工延期では作業員の安全確保は難しく、ましてやコロナ感染の危険を冒しての密集作業・密集生活では作業員の安全確保などできるはずがありません。協力会社社員は発熱があっても無理をしなくてはならず、コロナ感染の危険を冒さざるを得ないのです。何千人もの作業員が密集していれば、それだけで、無症状のままコロナ感染が拡大している可能性もあります。「人との接触を8割削減させる」努力が原発作業には適用されないという例外はあり得ません。地元商店街も、自粛・休業しようと思っても、何千もの作業員が街に出てくれば拒むことができず、感染の危険にさらされます。8,800人の作業員の中から一人でも感染者が確認されれば、その時点ではすでに遅く、感染がかなりの程度に広がっていると見なければなりません。
もちろん、貴社は特措法に基づく指定公共機関として、「電気及びガスの安定的な供給及び現場の安全の確保に万全を期す」ことを政府から要請されていますが、それは「電力の供給」であって、「原発の運転」ではありません。ましてや、安全対策工事や特重施設工事の継続が求められているのでもありません。コロナ感染のため経済活動が低下し、電力需要も低減しており、他方では、再エネが増え、石油価格も急低下している中、原発がなくても電力供給に支障が生じることなど全くあり得ません。
もし、コロナ感染が終息しない段階で稼働中の原発が重大事故を起こせば、コロナ感染のため避難計画は破綻せざるを得ないでしょう。そのリスクを冒して原発を運転し続けることは正当化できません。少なくともコロナ感染が終息するまでは原発以外の電源で電力供給義務を果たすべきです。
そこで、緊急に、以下の申し入れを行いますので、真摯にご検討ください。
1.高浜、美浜、大飯の安全対策工事と特重施設工事をコロナ感染が終息するまで停止してください。
2.高浜4号と大飯3・4号の運転を直ちに止め、コロナ感染が終息するまで停止してください。

(申し入れ文のpdfはこちら)

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