若狭ネット

福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

大阪連絡先 dpnmz005@ kawachi.zaq.ne.jp
若狭ネット資料室(室長 長沢啓行)
e-mail: ngsw@ oboe.ocn.ne.jp
TEL/FAX 072-269-4561
〒591-8005 大阪府堺市北区新堀町2丁126-6-105
若狭ネット第161号を発行しました。8/1号外もあります。

若狭ネット第161号を発行しました。8/1号外もあります。

2016年8月1日若狭ネット号外(第161号抜粋プラス)
島崎氏の問題提起に揺れ動く原子力規制委・規制庁に追撃を!

若狭ネット第161号(2016/7/7)(一括ダウンロード9.3Mb
巻頭言-熊本地震は警告–原子力規制委員会は原発の基準地震動を見直せ!
島崎氏の問題提起と新レシピ適用で、大飯・伊方原発の地震動評価はクリフエッジを超え再稼働できない!
(1)「もんじゅ」を安全に運転できる「運営主体」などあり得ない! 将来展望なく、毎日5千万円を浪費する「もんじゅ」を今こそ廃炉に!
(2)島崎邦彦氏の問題提起と2016 年6 月改訂新レシピは原発基準地震動の根本改定を求めている 大阪府立大学名誉教授 長沢啓行(2016年7月4日)

「熊本地震は警告しています!」リーフレット(2016年7月7日発行)

巻頭言-熊本地震は警告–原子力規制委員会は原発の基準地震動を見直せ!
島崎氏の問題提起と新レシピ適用で、大飯・伊方原発の地震動評価はクリフエッジを超え再稼働できない!

地震動見直しで、大飯原発は動かせない!

前原子力規制委員長代理の島崎邦彦さんは退職後、国内の学会で「活断層の地震規模が小さく計算されているため地震動が過小評価されている可能性がある」と4回続けて発表しています。これを受けて6月16日、原子力規制委員長等と島崎さんとの話し合いがもたれました。島崎さんは、「実際熊本地震が起きて、現地に行った結果、やはり入倉・三宅式を適用すると震源の大きさが小さくなる。間違いないことであることを確認しました。これはかなり深刻な問題である、十分考慮すべき問題ではないか。是非前向きに検討していただきたい。」と注文をつけました。そして6月20日、原子力規制委員会は、大飯原発について、入倉式ではなく他の式を使って地震動評価をやり直すよう、原子力規制庁に指示しました。
この動きと並んで6月10日、地震調査研究推進本部は「震源断層を特定した地震の強震動予測手法(レシピ)」を改訂しています。関西電力は入倉式で地震規模を小さく見積もるだけでなく、大飯原発で63.4km長の断層を「長大な断層」と勝手に見なし、地震動を左右する「応力降下量」(断層面の固着の強さを表す)を小さく設定しています。今回改訂された新レシピでは「おおむね80kmを超える長大な断層」でなければこのようにしてはダメと明記したのです。
地震調査研究推進本部が活断層の長期評価で用いている方法(断層長さから松田式で地震規模を求め断層長さと幅を少し広げる「修正レシピ」)による私たちの評価では、大飯原発では63.4km長の「FO-A~FO-B~熊川断層」の断層モデルによる地震動評価が1.5倍強になり、1,260ガルのクリフエッジ(炉心溶融事故に至るギリギリの地震動)を超える可能性が高く、再稼働できなくなります。
伊方原発でも、敷地前面海域の54km長の断層の地震動評価が1.6倍強、69km長の断層では2.0倍以上になり、855ガルのクリフエッジを超える可能性が高く、再稼働できません。
高浜原発では、地震動評価が1.5倍強になり、基準地震動Ss-1を一部の周期帯で超えるため、基準地震動の見直しが避けられません。
島根原発では、旧原子力安全委員会による断層幅だけを拡張する修正レシピを用いると、25km長の宍道断層の地震動評価は1.5倍強になり、1,014ガルのクリフエッジを超える可能性が高く、再稼働できません。
川内原発では、島根原発と同様に修正レシピを断層幅の拡大に限定して適用すれば、約25km長の市来断層帯市来区間の地震動評価は約1.6倍になり、基準地震動Ss-1を一部の周期帯で超えるため、基準地震動の見直しは避けられません。
どの原発においても、断層モデルによる地震動評価見直しで、耐専スペクトルとの大きな差が消え失せます。これが今回の見直しの核心です。耐専スペクトルと断層モデルの差がなくなった今、(1)これらの手法による地震動の平均像には最近の地震観測記録が反映されていないこと、(2)平均像の2倍以上になるバラツキ(偶然的不確実さ)を考慮する必要があること、(3)活断層として地表に現われないM65.の伏在断層による1,340ガルの地震動が起こりうること、の3つが残された課題として浮上してくるのです。
とくに(3)については、2016年熊本地震が裏付けており、自然による人間への警告となっています。

M6.5の直下地震が川内原発を襲えば、重大事故は避けられない! 川内原発を即刻止めよ!

4月14日、M6.5の地震による震度7の激震で熊本地震が始まりました。2ヶ月後の6月12日にも震度5弱の余震が続き、累計1,723回に達しています。
国土交通省によれば、4月17日までの3日間で熊本、宮崎、大分、佐賀の4県で土砂災害が57カ所、熊本県南阿蘇村では大規模な地滑りなどが20カ所にのぼり、九州新幹線は脱線・高架のひび割れで不通になり、熊本空港はターミナルビルが被災し、JR九州は一部を除き18日も熊本県内での在来線の運転を見合わせ、熊本県内と各地を結ぶ高速バスも高速道路不通のため運転を見合わせている、等々。ここに原発重大事故が重なっておれば、どれだけ悲惨な結果になったことか。しかし、原子力規制委員会は熊本地震から何も学ぼうとせず、川内原発の運転中止を勧告も要請もしませんでした。

熊本地震から学ぶべき!原発の基準地震動の見直しを!

4月14日の熊本地震の前震は、M6.5のどこでも起こりうる、ごくありふれた小さな地震でしたが、震度7の激震を起こし、益城(ましき)町の多くの家屋を倒壊させました。益城町には地震観測点があり、地表だけでなく地下でも地震データが記録されました。それはM6.5の直下地震で1,000ガル以上の強い地震動が起きること、原発の基準地震動が過小評価であることを明らかにしたのです。
私たちは5月12日、原子力規制庁に「2016年熊本地震を踏まえた川内原発の基準地震動に関する公開質問状」(5月24日現在86団体、777個人が賛同)を提出し、5月23日の原子力規制庁(職員2名)との話合いの場で口頭回答を受けました。
原子力規制庁は、私たちの主張を、事実として認めざるを得ず、知見の一つとして検討するとしました。
①熊本地震のM6.5の地震(前震)で1,000ガル超(はぎとり波換算)の地震動が起きた可能性がある。
②益城観測点の地下地震観測記録が川内1・2号の基準地震動を超えた可能性がある。
③地震動評価手法の一つである耐専スペクトルが大幅な過小評価である可能性がある。
そして、原子力規制庁は、「熊本地震についてはきちんと情報収集をしていく」と弁解し、M6.5の地震の益城観測点での地震観測記録を「震源を特定せず策定する地震動」に組み入れることについても「まさに今調査をやっているところであり、その位置づけについても検討していきたい。」と回答しました。
しかし、原子力規制庁は、炉規法上の「法的権限で認められている範囲内であれば原発を止める権限はある」としながらも、「現時点で止めましょうというそこまでの権限を我々は有していない。」「川内の原発の直下で同じような地震がもし起これば、仮に1,000ガルを超えるかも知れないとして、九州電力に停止命令を出せる権限ではない。」と居直っています。
フクシマを繰り返さないため、手遅れにならないため、私たちは、今回の交渉成果を踏まえ、島崎氏の問題提起と新レシピによる地震動見直しとを絡めて、川内原発の運転中止と全原発の再稼働中止を原子力規制委員会に強く求めていきたいと思います。

文科省は「もんじゅ」を延命せず、廃炉にせよ!

原子力規制委員会は昨年11月、「もんじゅ」を安全に運転する資質がないなどとして日本原子力研究開発機構に代わる新たな運営主体を示すよう勧告していましたが、文部科学省は半年後も運営主体を示せず、参議院選挙後の8月に機構の運転管理部門を切り離して特殊法人化し、「オールジャパン」体制の運営主体を作ると弁明しました。しかし、機構による最重要機器の点検ミスや数千点の機器の重要度分類ミスなど目も当てられない安全管理能力のなさは旧動燃に始まり、歴史的に形成されたものなのです。その無気力・無能力の根本原因は、高速増殖炉の実用化が全く見えず、「もんじゅ」の目的もコロコロ変わり、意義を見いだせない仕事に優秀な人材(後継者)も集まらず、電力・メーカーの「オールジャパン」体制そのものが内部崩壊していることにあるのです。このまま、看板かけ替えの特殊法人で無責任体制をでっち上げ、「もんじゅ」を強硬運転するようなことがあれば、重大事故は避けられません。政府内や与党内からも不信と動揺の声が上がっています。いまこそ、「もんじゅ」を廃炉にし、再処理・プルトニウム利用路線から撤退すべきです。そして脱原発への道筋をはっきりさせるべきです。

四半世紀を迎えた若狭ネットの活動を踏まえて

私たち若狭ネットは、はや結成25年を迎えました。
若狭の原発を一日も早く止めていく運動を中心に活動し続けてきました。特に1995年1月17日の阪神・淡路大震災を体験したことで「地震と原発」問題をとりあげ、安全規制当局や関西電力の責任を粘り強く追及してきました。その成果の一つが今回の島崎氏の問題提起につながったことは喜ばしいことです。
9月4日には、若狭ネット結成25周年特別企画をもちます。これまでの25年とこれからの見通しについて、皆さんと共に話し合いたいと思います。ぜひ、ご参加下さい。

このエントリーをはてなブックマークに追加

« »