11.16福井県申し入れ・公開質問状提出
 
「事前了解をしないで下さい」の福井県交渉を行いました
 
若狭ネット・三方  石地 優
 
 11月16日、若狭ネットのメンバー8人で福井県の原子力安全対策課に「もんじゅ」の運転再開と敦賀3・4号機の増設を認めないようにとの交渉に行ってきました。県側は来馬課長らが対応し、栗田知事への申し入れ書と公開質問状を手渡し、説明を聞きました。
 「もんじゅ」の運転再開について、県側は次のように説明しました。
 1023日に知事が上京し、「もんじゅ」の位置付けと今後の高速増殖炉開発の在り方について明確にするようにと訴えてきた。前回(1994)の原子力長期計画(長計)では福井県の意見(使用済核燃料の中間貯蔵やプルサーマルの位置づけ等)は採用されなかった。長計は現実と乖離していると感じている。もんじゅ事故後の3県知事による提言により原子力円卓会議、FBR懇談会等が開かれ今回の長計となっているが、「もんじゅ」だけを考えれば、今回の長計の中で、何のために使うのか、わりとはっきりしてきたと思う。
 この説明に対し、私たちは、「実証炉や実用炉と結びつかない『もんじゅ』を何のために動かすのか」、「ナトリウム漏えい事故で安全性に根本的な問題を抱え巨額の浪費につながる『もんじゅ』を動かすべきではない」と迫りました。電力会社は「もんじゅ」の延長線上の実証炉には経済的見通しがないと判断し建設を拒んだのです。今後世界的に廃炉で原発が減少していくため、国際原子力機関IAEAですら今後65年間はウラン資源は過剰との報告を出し、プルトニウム利用に意味がなくなっているのです。私たちは、これらを指摘し、「『もんじゅ』を動かす核燃料サイクル開発機構の組織レベルも問題だ」、「20万人以上の署名に現れているように県民の多くは、『もんじゅ』は恐い、動かしてほしくないと考えている」など、私たちの思いをぶつけました。
 敦賀3・4号機増設問題については、日本原電の事前了解願いを受けて議論の入り口に入った段階で、来年秋以降に集約する、と答えました。電源開発調整審議会(来年はこれに代わる行政機関)で知事がイエスかノーの意見を言うかどうかの判断をしなければならず、その時期が来年の秋以降だという説明でした。この間にも、環境影響評価書の作成など電調審に向けた準備が進んでいくのです。
 11月26日に大島科学技術庁長官が知事に国の方針を説明しに来て「もんじゅ」の運転再開を求めると報道される中、福井県の対応は「論議できる段階にない」から「12月県議会前にも出されようとしている事前了解願いを認めるかどうかの論議をする」に変わり、プルサーマルの時と同じように、安全論議はせずに引き換えに何をもらうのかという地域振興論に突っ走りそうです。
 県との交渉を1時間余で終え、今度は隣の建物へ移り、県会議員40名への申し入れを行いました。申し入れの趣旨は知事宛とほぼ同じで、知事宛の公開質問状を添付し、議会事務局から各議員へ配布して頂くことになりました。
 今「もんじゅを廃炉に」の国宛の署名を集めに敦賀市や越前町、河野村に行っていますが、仕事にたずさわっている人や一部の推進派や無関心な人を除いてほとんどの方が署名してくれます。そういう県民や国民の声が反映されない長計が作成され、そして「もんじゅ」が運転再開されようとしています・・・・・・
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