■□■□■□■□■□■□■□■ 若狭ネット第52号(1999/11/21) □■□■□■□■□■□■□
 
   東海臨界事故を高浜でくり返させないため
 
         対関電 緊急署名に御協力を
 
 
★ なんとしても原発をとめなくては!
 
 東海村のウラン燃料加工施設で起きた臨界事故は、日本の原子力史上最悪の大事故でした。 労働者3名が一瞬にして、広島原爆の爆心地700m〜1kmに相当する強烈な中性子線を浴び、事故を鎮めるための「決死隊」の緊急作業員も高線量の被曝にさらされました。周辺住民の多くも知らない間に公衆の年間線量限度を超えて被曝させられました。
 「ぜったいに起こりません」と、原子力を推進する人たちが言っていた「労働者・住民の高線量被曝事故」が、日本で起こったのです。この事故は、「原発推進・プルトニウム利用政策の牽引者になるんだ」と胸を張って豪語していた人々をも震撼させました。原発を推進してきた人たちの中でも、「このままでは大変なことになる」との声が出始めたのです。
 なんとしても原発を止めなくてはなりません。重大事故が起きてからでは遅いのです。
 
★ 関電は、一向に強引な姿勢を変えない
 
 実際、プルサーマルに積極的だった電力会社や地元自治体の中でもプルサーマルを延期する動きがでてきています。現に、東京電力は、新潟の柏崎原発において、プルサーマル計画の1年延期を決定しました。社内での準備を進めていた九州電力も事実上中断しています。
 しかしながら、関西電力だけはちがいます。 MOX燃料のデータねつ造事件が発覚し、高浜3号炉ではMOX燃料を加工し直すためプルサーマル計画を延期せざるを得なくなっています。しかし、高浜4号炉については、あくまでも早々にプルサーマルを行おうとしています。
 福井県知事は動揺を隠せず、最近になって、慎重な姿勢を打ち出しています。
 
★ 高浜4号プルサーマルを許すな!
 
 10月1日に陸揚げされた高浜4号炉用のMOX燃料は、「プルトニウム含有量が世界一高く、プルトニウムの核分裂量が世界一多い」のです。世界で経験の全くないものを日本でいきなり使おうとしているのです。しかも、4号用MOX燃料にも欠陥燃料の疑いがあるのです。
 高浜原発で重大事故が起これば、放出放射能のため周辺住民は、東海臨界事故で被曝した労働者と同様の急性放射線障害の危険にさらされます。100km離れた関西都市部へも半日程度で放射能雲が襲います。琵琶湖が放射能で汚染され、水が飲めなくなります。放射能が広範にまき散らされるような事故時に、一体どこへ避難しろと言うのでしょうか。こんな危険なプルサーマルはまっぴらです。
 
 諸力を結集して、プルサーマルをとめよう!
 
 私たちは、プルサーマル問題で引き続き、対関電行動を行います。関電は、12月にも高浜4号でプルサーマルをやろうとしています。そこで、東海臨界事故2ヶ月にあたる11月30日に対関電本社行動を行います。
 署名の力で 大衆運動の力で、関電に公開討論会を開かせ、プルサーマルに関する関電の危険な動きを暴露し、追及し、中止させていきたいと考えています。
 福井県の高浜町では、プルサーマルをめぐって、高浜住民投票条例を求める運動が展開されており、有権者の署名運動が拡がっています。また、福井や関西の様々な市民グループが、対県交渉や対関電行動を展開しています。データねつ造疑惑のある高浜4号用MOX燃料の使用差し止め仮処分も申請されました。これらの力をあわせてプルサーマルをとめていきましょう。 私たちは、東海臨界事故直前の9月29日に、MOX燃料データねつ造問題で関電に公開質問状を出し、10月26日に関電本社へ押しかけました。11月5日に関電から文書回答をえるや、翌日には再質問状を出し、11月8日には、福井県へ緊急申し入れを行いました。この流れの中で、私たちは10月末から「何としても、この危険きわまりないプルサーマルを止めなくては!」との思いで、対関電の署名活動をおこなっています。
 まだまだ大量の数は集約できていませんが、関電が原発計画をもくろむ京都の久美浜や、和歌山の日置川から問い合わせや、署名がとどいてきています。大阪の梅田の若者が多く集まる「ロフト」での街頭署名でも、関心が高く、一人で100名ほど集められました。
 署名活動を通して、また東海臨界事故と結びつけて、今後もねばり強く、プルサーマルや原発の危険性を訴えていきたいと思います。
 
★ 新規立地攻勢であくどい関電の買収
 
 また、危険な原発をこれ以上建てるのはやめるべきです。石川県の珠洲市では、関西電力が原発用地買収にゼネコン系列会社を使っていることが暴かれました。
 和歌山県日高でも過去に、不動産屋が、「別荘地にする」と、いってだまして買い取っていた土地を関電に売っていたことがあります。また、木材工場を建設するといって町有地を譲り受け、誰も知らないうちに、なんと関電の土地になっていたというだましもありました。今も昔もあくどいことを平気でするうらには必ず大会社、関電の姿が見えかくれするのです。
 住民を平気でだまして放射能の危険にさらす原発をこっそり建てようなんて、「何とあくどい」と、思うのは、私たちだけでしょうか。
 
★ 原発の寿命延長なんてとんでもない
 
 運転開始から30年を超え、事故を多発させている美浜1号は、即刻廃炉にすべきです。しかし、こともあろうに関電は「今後20年はさらに美浜1号を運転します」というのです。電力のもうけを最優先して考えるのが、関電の本当の姿なのでしょう。50年も運転する原発など、今までに聞いたことがありません。危険なことを次々と率先してやろうとしているのが、関電なのです。とんでもないことです。1日もはやく美浜1号を廃炉にしなければなりません。
 
★署名の力をバックに公開討論会を開かせよう
 
 そのためにも大きな反対運動を形成しなければなりません。署名を通じて、反対の声を拡大していきたいと考えます。
 私たちは、署名の力をバックにして、関電に公開討論会を開かせ、プルサーマルの中止、原発建設計画の撤回、美浜1号炉廃炉を迫っていきたいと思います。
 この署名の第1次集約は、11月末にと、考えています。緊急ですが、対関電署名にご協力をお願いします。なお、原発の新増設の動きに加えて、年度内の中間貯蔵施設候補地点の明示、美浜1号の寿命延長の動き、高浜3号炉プルサーマル計画などもあり、第1次集約後も引き続き、対関電署名を広げて行きたいと考えています。ご協力をお願いします。
 
 
「編集後記」
・ 日本の原発推進にマッタをかけなければ、放射能大量漏れ重大事故を起こしてしまうという実感が、ヒタヒタと肌で感じさせる東海村の臨界事故。今まで声高に「安全」を叫んできた原発推進者は、どんな弁明をするのでしょうか。新幹線のコンクリート落下、H2ロケットの打ち上げ失敗、プルサーマル実験と、危険な社会をつくってしまった責任はだれにあるのでしょうか?     
きよ子