若狭ネット

福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

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チェルノブイリ事故38年を迎えて関西電力本社へ申し入れ

チェルノブイリ事故38年を迎えて関西電力本社へ申し入れ

チェルノブイリ事故38年を迎えて、2024年4月26日、関西電力本社へ申し入れを行いました。チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西が呼びかけたもので、5団体が申し入れを行いました。関西電力はいつも通り、原子力広報が出てこず、総務課の職員が対応し、「5分間5名」の制約を一方的に強いるものでした。
最初に、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西が、4月21日の「チェルノブイリ原発事故38年の集い~地震列島に原発はいらない!参加者一同」による決議を読み上げて提出し、続いて、若狭連帯行動ネットワーク、ヒバク反対キャンペーン、地球救出アクション、原発の危険性を考える宝塚の会が申し入れました。わずか5分程度の申し入れの最中に何度も職員の携帯が鳴り、携帯に出て何事かを話しては切る動作を繰り返し、申し入れを真剣に聞き取ろうとする素振りすら見せず、形式的に聞きおくだけでした。申し入れが終わると、いそいそと職場へ戻ろうとする職員に「必ず社長へ届けてください」と念を押しておきました。とても「公益事業者」と言える対応ではありません。

2024年4月26日
関西電力株式会社取締役 代表執行役社長 森 望 様
チェルノブイリ事故38年を迎えて、関西電力への申し入れ
若狭連帯行動ネットワーク

本日4月26日は、旧ソ連のチェルノブイリ原発重大事故から38年に当たり、福島第一原発炉心溶融事故発生から13年になります。私たちは貴社に対して、一貫して「原発依存経営をやめよ!老朽原発延命路線を見直せ!」と強く申し入れてきました。フクシマや2024年能登半島地震を踏まえれば、原発重大事故は避けられません。ひとたび重大事故が起これば、事故収束は困難で、放射能を閉じ込めることなどできません。帰還困難区域など放射能で汚染された地域は、未だに高汚染で、立ち寄るのも困難です。
にもかかわらず、貴社は、老朽原発の存続で経済性を最優先し、高浜4基、大飯2基、美浜1基を動かし続けています。原発の「夜間の不要」電力を消費者に使わせようと「原発の電気をもっと使え!」と大宣伝を繰り返しています。原発重大事故を起こすまで、こんなことを繰り返すつもりでしょうか。
老朽原発を動かし続けると、膨大な量の使用済燃料=負の遺産が生み出されます。使用済燃料プールが満杯になると再稼働もできなくなります。「2023年末に使用済燃料中間貯蔵施設の立地点を県外に確定できなければ、美浜3号、高浜1・2号の運転を止める」との4度目の約束を破り、昨年10月10日には「使用済燃料対策ロードマップ」を福井県に示し、「2030年中間貯蔵施設操業開始、六ヶ所再処理工場のフル操業、仏への搬出量積増し」など実現できそうもない計画をさも代替案であるかのように示し、あろうことか、原発サイトでの乾式貯蔵の事前了解願いを提出し、福井県政の一大転換=県内での使用済燃料の積増し貯蔵を迫りました。
使用済燃料プールが満杯になると、「原発を止める」か、「乾式貯蔵を増やす」か、の2択しかないため、唯一具体化可能な乾式貯蔵で原発の延命を図ったのです。それは、老朽原発再稼働による重大事故のリスクを高め、福井県を「核の墓場」へ導くでしょう。もう、この悪循環を断ち切るべきです。
乾式キャスクからは強い放射線が出ます。伊方原発では遮蔽用建屋がなければ85m圏内が管理区域になるほどでした。高浜の場合も「事故対応時のアクセスルートに影響しないよう放射線管理区域を設定するため」、キャスク収納燃料の冷却期間を15年以上から25年以上へ引上げて、放射線量を下げざるを得ないほどです。キャスクの寿命は60年とされていますが、強い放射線と経年劣化に耐える保証はありません。
私たちは原発の再稼働そのものに反対です。フクシマを繰り返さないため、子孫に負の遺産=使用済燃料をこれ以上増やさないため、乾式貯蔵の導入をやめ、原発の再稼働を中止するよう求めます。
以上を踏まえ、次のことを強く申し入れます。
1.「使用済燃料対策ロードマップ」を撤回し、美浜・大飯・高浜原発サイト内への乾式貯蔵施設設置計画を撤回してください。
2.4度目の約束違反を真摯に反省し、約束通り、運転開始40年を超えた老朽3原発を廃炉にしてください。
3.制御棒落下、配管のひび割れ放置や蒸気発生器細管の減肉など老劣化の進む高浜3・4号と大飯3・4号を廃炉にしてください。高浜3・4号の40年超運転認可申請を取り下げてください。
4.むつ市や上関町への使用済燃料中間貯蔵押しつけを断念し、使用済燃料をこれ以上生み出さないでください。
5.プルサーマルを即刻中止してください。プルトニウム利用を断念し、これ以上、MOX燃料の発注・輸送・輸入をしないでください。
6.取替や廃炉による美浜・大飯・高浜原発の蒸気発生器33基をはじめ給水加熱器や核燃料輸送・貯蔵用キャスクなど大型放射性廃棄物の輸出、海外での溶解・再利用の計画を断念し、密閉管理し続けてください。
7.公正取引委員会の「電力分野における実態調査報告」(2024.1.17)を真摯に受け止め、「送配電会社の所有権分離」と「発電会社の所有権分離」を断行し、新電力との公平な競争環境を保障してください。
8.老朽原発の延命を断念し、原発依存の経営方針を「脱原発・脱石炭」、「再エネ拡大・優先接続・優先給電」へ大転換してください。
9.原子力発電所の廃止措置においては、放射能で汚染された原子炉建屋等施設・構造物、機器・配管等の早期の解体撤去は行わず、そのまま密閉管理し、100年程度の安全貯蔵期間をとってください。
以上
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