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関西電力へ「電気料金値下げ申請に際して、美浜1・2号廃炉に伴うコスト減少分に関する公開質問状」を提出!

2017年6月22日
関西電力株式会社取締役社長岩根茂樹様

電気料金値下げ申請に際して、美浜1・2号廃炉に伴うコスト減少分に関する公開質問状

若狭連帯行動ネットワーク

(pdfはこちら)

6月20日の報道によれば、貴社は、高浜3号が7月4日に営業運転入りした後、電気料金の値下げを国へ届け出て、審査会合で求められる説明などに素早く対応することで、2カ月程度かかる審査期間を1ヶ月足らずへ短縮し、新電力に対抗するため、規制料金契約者の電気料金を8月1日から値下げしようとしています。
その一方では、美浜1・2号の廃炉時に損失計上すべきコスト603億円(廃炉費積立不足金112億円と未償却資産491億円)を託送料金へ転嫁し、新電力へ契約変更した消費者からも回収しようとしています。しかも、廃炉に伴うコスト減少分については、今後「精査」の上、「お客さまの電気料金のご負担の軽減を図るべく、活用してまいりたい」との約束でしたが、未だに精査結果が公表されず、消費者への還元も行われていません。
関西電力は2015年4月21日段階で、この「廃炉に伴うコスト減少分」を、96億円と試算しています。このうち「敦賀1号の廃炉に伴う購入電力料の減少分」が84億円であり、美浜1・2号分は34億円(ここから廃炉費積立金22億円が減額される)しか含まれておらず、「※金額については、現在精査中」としています。美浜1・2号の合計出力が敦賀1号の約2.6倍であることや美浜1・2号の年間維持管理費から見積もっても、「美浜1・2号の廃炉に伴うコスト減少分」は約500億円程度にはなると推測されます。敦賀1号分と合わせて600億円弱が毎年浮いてくるはずですが、2015年6月1日の値上げ以降、「廃炉に伴うコスト減少分」の精査結果は未だに公表されず、消費者への還元もなされていません。
電気料金審査専門小委員会による「関西電力株式会社の供給約款変更認可申請に係る査定方針案の概要」(2015.4.21)には「関西電力からはこれらの費用の減少分を電気料金負担の軽減に活用するとの説明がなされましたが、関西電力においてはその額及び算定の根拠を明らかにした上で、費用の減少分については、その全額を電気料金の負担の軽減に活用することを求める。また、次回の料金改定に際しては、廃炉に伴う費用の減少分が原価に織り込まれていないことを厳格に確認するべきである。」と明記されています。
ここに公開質問状を提出しますので、真摯にご検討の上、2週間以内に文書回答して頂くよう求めます。
<質問項目>
1.敦賀1号および美浜1・2号の廃炉に伴うコスト減少分について、貴社が2015年4月以降に精査した結果を公表してください。その上で、「その額及び算定の根拠」を明らかにし、精査した結果をどのように「還元」したのかを説明してください。
2.2015年6月1日の電気料金値上げの際、「廃炉に伴う費用の減少額(96億円程度)」については、経済産業省からの2015年5月15日の指示通り、料金に反映させたと思われますが、それに相違ありませんか。
また、同指示には、「認可が行われた場合には、消費者をはじめとする関係する方々全てに対し、丁寧な周知・説明を求める。」とありますが、私たちがこれまでに貴社へ提出した公開質問状には回答を拒否し続けています。たとえば、2015年2月12日「関西電力の電気料金値上げと原発再稼働に関する公開質問状」(賛同39団体500個人)、同年2月26日「『貴社原子力広報室による回答拒否』問題に関する緊急公開質問状」、同年3月6日「3月5日の貴社原子力広報室による電話回答に関する公開質問状」、同年3月18日「廃炉に伴う維持管理費減少に関する追加の公開質問状」(賛同43団体1,411個人)と立て続けに4回提出(詳細はこちら)しましたが、なしのつぶてでした。同年6月1日の値上げ後は、面会も拒み続けています。
今回の公開質問状へも同様に回答しないというのであれば、貴職には、7月に予定している「電気料金値下げ申請」を行う資格はないと私たちは考えますが、いかがですか。
3.貴社は、美浜1・2号の廃炉時に損失計上すべき603億円を託送料金の「コスト」に計上して、貴社から新電力へ契約変更した電力消費者からも回収しようとしていますが、値下げする余力があるのなら、撤回すべきだと私たちは考えますが、いかがですか。
以上

美浜発電所1・2号機、日本原電敦賀発電所1号機の廃炉について
平成27年4月21日 関西電力株式会社

美浜発電所1・2号機、日本原電敦賀発電所1号機の廃炉について
○美浜発電所1・2号機、日本原電敦賀発電所1号機の廃炉に伴い見込まれる費用の減少額に ついては、お客さまの電気料金のご負担の軽減を図るべく、活用してまいりたいと考えております。
○具体的な費用減少額は、96億円程度(現在精査中)であり、現行料金に含まれている当該プラントに関する費用から、廃炉後もプラントを安全に維持するために必要な費用を差引いた金額としております。

減少額とその説明
資本費・公租公課  ▲ 6億円:発電資産、核燃料等の減少による事業報酬の減少
修繕費      ▲22億円:発電資産にかかる修繕費用の減少
購入電力料    ▲84億円:日本原電敦賀発電所1号機に関する費用の減少
その他経費(消耗品費、廃棄物処理費など)▲6億円:補助ボイラ燃料費などの減少
原子力発電施設解体費  22億円:平成25年の会計制度の見直しにおいて原子力発電施設解体引当金制度を生産高比例法から定額法に変更したことに伴う増加
合 計        ▲96億円 ※金額については、現在精査中

関西電力株式会社の 供給約款変更認可申請に係る査定方針案
平成27年4月21日 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電気料金審査専門小委員会

8.美浜発電所1・2号機、日本原電敦賀発電所1号機の廃炉
検討の結果
•3月17日に美浜発電所1・2号機、日本原電敦賀発電所1号機の廃炉の意思決定がなされたことを踏まえ、 美浜発電所1・2号機の廃炉に伴い、修繕費や諸経費等の減少が見込まれ、また、日本原電敦賀発電所1号機の廃炉に伴い、購入電力料の減少が見込まれることを確認した。
•関西電力からはこれらの費用の減少分を電気料金負担の軽減に活用するとの説明がなされたが、関西電力においてはその額及び算定の根拠を明らかにした上で、費用の減少分については、その全額を電気料金の負担の軽減に活用することを求める。また、次回の料金改定に際しては、廃炉に伴う費用の減少分が原価に織り込まれていないことを厳格に確認するべきである。

関西電力株式会社の供給約款変更認可申請に係る査定方針
平成27年5月15日 経済産業省

8.美浜発電所1・2号機、日本原敦賀の廃炉
3月17日に美浜発電所1・2号機、日本原電敦賀発所1号機の廃炉の意思決定がなされたことを踏まえ、美浜発電所1・2号機の廃炉に伴い、修繕費や諸経等の減少が見込まれ、また、日本原電敦賀発所 1号機の廃炉に伴い、購入電力料の減少が見込まれることを確認した。
関西電力からは第25回小委員会において、これらの費用減少分について、その全額を電気料金負担の軽減に活用すると説明があった。
関西電力は、美浜発電所 1・2号機、日本原電敦賀発所1号機の廃炉に伴う費用削減分を需要家に還元する方策を以下のとおり実施する。
なお 、次回の料金改定に際しては廃炉伴う費用減少分が原価に織り込まれいないことを厳格に確認する。
<廃炉に伴う費用の減少係る軽減措置の概要>
関西電力は、美浜発電所1・2号機、日本原電敦賀発所1号機の廃炉に伴う費用の減少額(96億円程度)について、新たな料金に反映する。

9.情報提供等
(1)認可が行われた場合には、 消費者をじめとする関係方々全て対し丁寧な周知・説明を求める。
(2)電気料金の値上げ実施時期については、6月1日とする。

6・28「経済産業省への署名提出と関連する交渉」にご参加ください!

6・28「経済産業省への署名提出と関連する交渉」にご参加ください!

経済産業省への署名提出と関連する交渉
日時:2017年6月28日(水)14:00~15:00
場所:参議院議員会館B109会議室(地下)

呼びかけ:若狭連帯行動ネットワーク(事務局)、双葉地方原発反対同盟、原発の危険性を考える宝塚の会、日本消費者連盟関西グループ、関西よつ葉連絡会、安全な食べものネットワークオルター、サヨナラ原発福井ネットワーク、福井から原発を止める裁判の会、吹夢キャンプ実行委員会、福島の子供たちを守ろう関西、さよなら原発神戸アクション、さよならウラン連絡会、おかとん原発いらん宣言2011、原発ゼロ上牧行動、STOP原子力★関電包囲行動、とめよう原発!!関西ネットワーク、さよなら原発なら県ネット、地球救出アクション97、ヒバク反対キャンペーン、さよなら原発箕面市民の会、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西、環境フォーラム市民の会(豊中)、科学技術問題研究会、さかいユニオン、大阪自主労働組合、社民党福島県連合、フクシマ原発労働者相談センター、日本消費者連盟、原子力資料情報室

(呼びかけのpdfはこちら)

東京電力の「新々・総合特別事業計画」は、福島原発廃炉費6兆円と損害賠償費2.4兆円を「託送料金」(電気の送配電線利用料金)へ転嫁することを前提にしています。新電力へ契約変更した電力消費者も問答無用で払わされます。
こんな理不尽な制度を導入しなければ、東電は破産するのです。断じて許せません。
私たち29団体は3月15日、これに反対する署名2万2,906筆を経産省へ第2次提出し、追及しました。署名数は6月15日現在、3万3,002筆に達しています。
6月28日には、約1万筆超の追加署名をバックに、これまでの交渉の成果を踏まえ、経産省をさらに追い詰め、8.6兆円の「託送料金」への転嫁の撤回を迫ります。
東電に「廃炉費等積立金」の納付義務を課す法律は今国会で成立しました。その原資を生み出すための「託送料金」制度はまだ改変されていません。経産省令改定案はまだできていません。
ここに来て、経産省は「2020年実施だからまだ余裕がある」「先の見通しが立たない」とかで躊躇し、省令改定作業が止まっています。これを止めるチャンスは今です。
ぜひ、署名提出の経産省交渉へご参加下さい。

遠方からの交渉参加者に交通費の半額をめどにカンパしたく1口500円で何口でも結構ですのでカンパをお寄せ下さい。
署名集約先:〒583-0007 藤井寺市林5-8-20-401 久保方TEL 072-939-5660 dpnmz005@kawachi.zaq.ne.jp
カンパ振込先: 郵便振込口座番号00940-2-100687(加入者名:若狭ネット)

経済産業省への署名提出と関連する交渉

日時:2017年6月28日(水)14:00~15:00
場所:参議院議員会館B109会議室(地下)

(地下鉄丸ノ内線「国会議事堂駅前」下車歩5分)

参加希望者は事前に久保までご連絡下さい。当日は、参議院議員会館の荷物検査を経て、12時半頃ロビーへ集合し、事前会合(13:00~14:00)からご参加下さい。

原子力規制委員会に対する紹介議員は、社会民主党の福島みずほ参議院議員にお願いしています。

 

 

若狭ネット第166号を発行:原発コストの「託送料金」への転嫁反対運動はこれからが正念場

福島事故関連コストの「託送料金」への転嫁反対運動はこれからが正念場です!
関連の法律=「原子力損害賠償・廃炉等支援機構法」改正案は、5月10日に国会を通過しましたが、これは東京電力に「廃炉等積立金」を積立てることを義務づけるだけの法律であり、その原資を「託送料金」へ転嫁する仕組み=経産省令改定はこれからです!
5月末現在、署名は2万8,619筆(累計)に上ります。
6月末に経産省へ提出し、公開質問状で追及したいと思います。
お手元の署名を至急、送って下さい。

経産省は、ここに来て、なぜか、「2020年の実施まで余裕がある」「先が見通せない」と、省令改定案作成に躊躇しています。
今が攻めどきです!
経産省令の改定阻止に向け署名は続けます!
署名拡大にご協力下さい。

第166号(2017/6/2)(一括ダウンロード3.8Mb

巻頭言-福島事故関連費と原発コストを「電気の託送料金」に転嫁しないでください!
署名は5月末現在2万8,619筆に!6月末提出に向け署名を至急送って下さい
参議院は日印原子力協力協定を批准せず、廃案にせよ!
安倍政権は、東芝危機を教訓に「原発輸出」戦略を撤回し、脱原発・再生可能エネルギー推進へ転換せよ!
(1)第三次特別事業計画は、原子力被災者切り捨てと国民負担による東電救済策
経産省は、「廃炉費6兆円の託送料金への転嫁」をやめ、東電を破産処理し、原発推進策から撤退せよ!
(2)参議院は日印原子力協力協定を批准せず、廃案にせよ!
(3)安倍政権は、東芝の経営危機へのテコ入れをやめ、「原発輸出」を断念し、脱原発・再生エネ推進へ転換せよ!
(4)長期地球温暖化対策プラットフォーム報告書-我が国の地球温暖化対策の進むべき方向-(2017.4.7)
経産省はパリ協定を遵守し、国内のCO2大幅削減を妨害するな!
(5)伊方3号の運転差止仮処分申立を却下した広島地裁決定は司法の責任を回避し、「不作為の瑕疵」を容認するもの
2017年4月28日 大阪府立大学名誉教授 長沢啓行
<巻頭言>福島事故関連費と原発コストを「電気の託送料金」に転嫁しないでください!
署名は5月末現在2万8,619筆に!6月末提出に向け署名を至急送って下さい
参議院は日印原子力協力協定を批准せず、廃案にせよ!
安倍政権は、東芝危機を教訓に「原発輸出」戦略を撤回し、脱原発・再生可能エネルギー推進へ転換せよ!

経産省は「国民負担による東電救済」を進めようとしています。
①商法違反の経産省令改定を行って「過去の電気料金」に算入し損なったコスト(損害賠償費一般負担金「過去分」)2.4兆円を、40年間にわたり、電力消費者に転嫁しようとしています。
②東京電力管内の「託送料金」を高止まりにして電力消費者から福島原発廃炉費不足分6兆円を回収しようとしています。
③原発廃炉時に電力会社が損失として計上すべき「廃炉費積立不足分や減価償却できなかった残存資産」を「託送料金」へ転嫁しようとしています。
これらはすべて、「原発を持たない新電力」とは無縁のもの!にもかかわらず、新電力との契約者も負担させられるのです。
「原発の電気はいらない!」と言って新電力へ契約変更しても、原発コストを「託送料金」で払わされるのです。こんな理不尽なことがまかり通っていいのでしょうか。
まずは東電を破綻処理し、株主・金融機関に債権放棄させて約10兆円を捻出し、事故の責任をとらせるべきです。それでも足りない分は、累進課税等で富裕層や大手企業を中心に徴収すべきであり、低所得層からも広く徴収するのは間違いです。
そもそも「託送料金」というのは、「送配電網を利用するための料金」なのであり、送電コストとは無関係の「福島事故関連費や原発コスト」を「託送料金」に組み込むのは論外です。
しかし、経産省令を改定して、発送電が分離される2020年、ちょうど東京オリンピックが開催される年から、脱原発を願う電気消費者からも問答無用で、これらのコストを徴収し、子や孫、さらに玄孫(やしゃご)の世代まで負担させようというのです。
私たちは昨年11月から反対署名に取り組み、経産省と交渉してきました。
5月末現在、2万8,619筆に上ります(累計)。
5月末で第三次集約し、6月末に経産省へ提出し、公開質問状で追及したいと思います。お手元の署名を送って下さい。経産省令が改定されるまで署名は続けます。署名を拡大して下さい。

「機構法改定案」は国会で可決されたが・・・

東電救済のための法律(「原子力損害賠償・廃炉等支援機構法」改正案)は、5月10日に国会を通過しましたが、まだ、「廃炉費6兆円の託送料金への転嫁」の仕組みができたわけではありません。
転嫁を行うには、(1)原子力損害賠償・廃炉等支援機構が管理する「廃炉等積立金」に東電が資金を積立てる制度を法律で定めること、(2)30年間に6兆円の資金を東電が託送料金から捻出できるように経産省令を改定すること、の2段階が必要です。
(1)の法律は、社民・共産・自由党などが反対しましたが、5月10日の参議院で可決成立しました。
しかし、この法律は、東京電力が毎年決められた金額を原子力損害賠償・廃炉等支援機構の管理する「廃炉等積立金」に納付するように定めたものであり、その原資には何も触れられていません。この原資を「託送料金」高止まりで捻出するための(2)の仕組みが必要不可欠なのです。
(2)の経産省令改定案はパブリックコメントにかけられる予定ですが、5月末現在、改定案は示されていません。
2020年4月の発送電分離に合わせて実施する計画なので、まだ先のことですが、(2)を実現できなければ、託送料金から廃炉費を確実に捻出することができず、東電が経営努力で積立金を捻出しなければなりません。それは東電破産を意味します。まだ、間に合います。今進めている反対署名をさらに広げて、(2)の実現を阻止しましょう。

福島第一原発の廃炉費は、8兆円では収まらない

廃炉費6兆円というのは1979年3月、アメリカのスリーマイル島原発事故で「燃料デブリを除去して搬出する」までの約10億ドルに基づいて試算されたものです。
デブリの量から6倍、放射線量が極めて高くロボットなどの遠隔操作が必要だとしてさらに5倍、物価上昇率で2倍とみなし、計60倍したものです。
ところが、日本経済研究センターの試算では、福島第一原発1~3号から出る廃棄物はすべて放射性だとしてその処理処分費に約11兆円、トリチウム汚染水処分に約20兆円、汚染土の最終処分に約30兆円、計約61兆円としています。
汚染水については、国も東電もトリチウムを薄めて海洋放出し約20兆円を浮かそうとしていますが、許せません。論外です。汚染土の最終処分の計画は何もありません。このように、福島原発の廃炉・汚染水対策費は、6兆円に収まるどころか、さらに膨れあがるのは必至です。

国民負担で東電救済の「第三次特別事業計画」

この機構法改定案が5月10日に国会を通過したのを確認して、東京電力の再建計画を示す「新々・総合特別事業計画(第三次計画)」が5月11日、主務大臣(内閣府と経産省)に申請され、5月18日に認定されました。そこでは、送配電事業で廃炉費6兆円を捻出することが前提とされ、東電の企業価値を高めるために、早ければ2019年度から柏崎刈羽原発を7基とも順次再稼働させる計画も盛り込まれています。この再稼働を東電だけが担うと、新潟県知事をはじめ反対が強いため、東電が東北電力との共同事業体を作って、それを再稼働の先兵に仕立て上げようとしていています。東北電力は「拒否」する構えですが、中断している東電の東通原発建設工事再開を含めて、東電も経産省もやる気十分です。
経産省は東電を逆用して、「東電と電力会社の共同事業体」を作り、電力・原子力産業を再編し、懲りずに原子力推進体制を立て直そうと目論んでいます。
福島県の自治体・県民が総意で求め続けている「福島第二原発の廃炉」要求には全く応えようとしていません。とんでもない東電再建計画なのです。東電を破産処理し、東電と国のフクシマ事故の責任を明らかにすることこそが、国民負担の最も少ない、最も公正な対処法ではないでしょうか。

経産省交渉で暴かれた「あくどい手口」

私たちは3月15日に経産省交渉をもち、2万2,906筆(累計)の署名を第二次提出し、公開質問状で追及しました。時間切れのため3月24日付けで資料請求していたところ、4月6日に経産省から回答がきました。その結果、新たに次のことが判明したのです。
損害賠償費一般負担金「過去分」2.4兆円の内訳は、新電力0.24兆円、東京電力0.8兆円、大手電力1.4兆円になる。ただし、東京電力と大手電力の間の案分は1966~2010年度の累積設備容量に基づく。
この回答によると、後述の通り、東京電力の実負担額は3.9兆円から3.1兆円に減額され、大手電力の実負担額も3.7兆円から2.3兆円へ大幅減額されることになります。こんな国民だましは許せません!
損害賠償費一般負担金は原子力事業者に負担義務があり、電力消費者に負担義務はありません。
これは経産省も認めたところです。ましてや、その不足分を「過去分」として、商法に違反してまで、託送料金で回収するなどもってのほかです。
電力自由化の下では、一般負担金は過去分を含めて、原子力事業者(電力会社)が経営努力で捻出すべきです。

東芝の経営危機を教訓とし、原発輸出を断念すべき

ウェスチングハウスWH社の経営破綻により、東芝は2016年度決算(2017年3月期)で5,400億円の債務超過に陥りました。
東芝はWH社を切り離して海外原発事業から撤退する一方、優良半導体事業を2兆円超で売却することで「東証上場廃止」を回避し、国内の原子力事業を存続させようとしています。
東芝の経営危機は、安倍政権の進めてきた原発輸出戦略が破綻したことを物語っています。その失策を覆い隠すため、経産省は、産業革新機構と日本政策投資銀行を使って、東芝の原子力事業救済に奔走しています。
しかし、経産省も安倍政権も、東芝の経営危機を招いた、全世界的な原子力事業の深刻で全面的な危機を直視すべきです。
東芝の危機は、2011年フクシマ事故で世界的に波及した原子力先進諸国での原子力産業の危機を反映したものであり、仏アレバの経営危機、仏大手電力エンジーの原子力からの撤退、仏電力公社EDFの英ヒンクリーポイントC計画を巡る動揺となって顕在化し、三菱重工業や日立製作所の原発輸出計画にも深刻な影響を与えています。
東芝WH社の原発(AP1000)建設計画は、建設中の4基(ボーグル3・4号、V.C.サマー2・3号)だけでなく、計画段階の11基も、シェールガス火力への転換(2基)、計画中止(2基+2基?)、延期(2基)、運転開始時期を2030年以降にして様子見(3基)が相次いでいます。
東芝が米国で進めてきたサウステキサス・プロジェクトは炉型がABWRと異なるものの、共同企業が撤退したため、すでに得ていた設計認証更新を2016年に取り下げ、凍結(事実上撤退)しています。
東芝がイギリスで進めていたムーアサイド原発計画(AP1000が3基)も共同出資者(仏エンジー)の撤退と原発と消費地をつなぐ100マイル送電線工事の中止で事実上の撤退を余儀なくされています。
仏エンジーはムーアサイド原発計画から撤退するだけでなく、トルコのシノップ原発計画からも撤退するようです。
というのも、エンジー自身が2015年12月期に巨額赤字を出し、2008年以来の会長兼CEOが辞任、2016年5月に就任した新CEOが2018年までに150億ユーロ(1.85兆円)の資産売却と事業の軸足を再生可能エネに移すと表明しているからです。
欧州加圧水型炉EPRの2基建設工事で巨額の損失を出して経営危機に陥った仏アレバの再建計画も難航し、仏電力EDFによるアレバへの51%出資は国によるEDFへの30億ユーロ増資で何とかこぎ着けた状態で、これを契機に三菱重工業が約700億円の出資に踏み切ったのですが泥沼へ踏み込んだ感は免れません。
というのも、アレバ再建の一つの柱とされる英ヒンクリーポイントC計画(EPR2基)には、EDF取締役会でCFO等幹部が2016年に反対して辞任、10対7の僅差で決まったにすぎません。英政府が35年間、現行電気料金の2倍の約13円/kWhで購入するという契約も英国民がいつまで我慢できるか分かりません。
日立の英ウィルファ・ニューウィッド計画(ABWR、4~6基)では、英政府による電力買取価格が大幅に引き下げられる方針で、原発計画の申請や企業間協力体制は進んでいますが、肝心の共同出資者が全く現われず、「着工に向けた一歩」を進めない状態です。
これには、太陽光発電、風力、バイオマス等の再生可能エネルギ-の急速な普及が関係しています。
それは欧州で電力価格を劇的に引き下げ、米国では安価なシェールガス発電も競争に加わって、新規原発の価格競争力を奪い、ベトナム、トルコ、インドなどでも原発輸入計画が撤回、頓挫、棚上げに追い込んでいるのです。
ベトナムでは、4基の建設費が当初の約100億ドル(約1.15兆円)から約270億ドル(約3.1兆円)へ3倍近くに急騰、白紙撤回されました。
トルコでも、シノップ原発計画総事業費が三菱重工業とアレバ共同開発の「アトメア1」4基で約220億ドル(約2兆1700億円)と見込まれる一方、現在進行中の事業化可能性調査で国内の安い電気料金では原発建設は、採算ベースに乗らないとして撤退機運が広がっています。共同出資者の伊藤忠商事や仏エンジーが撤退を検討しており、計画が漂流し始めています。
インドでは、WH社が印原発公社とAP1000の6基新設計画を交渉中ですが、WHの破産申請と東芝の海外事業撤退方針で頓挫しています。
そのような中、インド政府は2017年5月17日の閣議で70万kW国産PHWRの10基建設計画(7,000億ルピー(約110億ドル))を承認し、インド国内原子力産業の再編を促す方針を明らかにしました。
これは2012~17年の第12次5カ年計画に含まれていたものですが、同計画にあるロシアAES-92や仏EPR等の原発輸入計画には一切触れず、今後のAP1000やEPR等の原発輸入についても期待しない方針へ転換したと思われます。
今国会では日印原子力協力協定が参議院で審議中ですが、核拡散を助長するものであり、「核実験即破棄」にならない協定は批准せず、破棄すべきです。
「協定批准でインドに原発輸出を!」という戦略も破綻しており、批准する意味もありません。
安倍政権は、原発輸出をアベノミクスの一つの柱にし、首相自ら原発受注に奔走してきましたが、東芝の経営破綻で原発輸出戦略が幻想にすぎなかったことが一挙に明らかにされたのです。
これ以上、原発重大事故の危険に加えて、経済的破綻というリスクも高い原発輸出からは即刻撤回すべきです。
今年は「エネルギー基本計画」を改定する年に当たります。
2030年に「原子力22~20%」という目標を破棄し、脱原発目標を掲げるべきです。
再生可能エネルギーも「22~24%」の目標に留めるのではなく、少なくとも40%程度、将来的には100%を目指すべきです。
そのため、欧米を見習って、原発全基再稼働を前提とした「接続可能量」を撤廃し、再生可能エネルギーの優先接続、優先給電を実現すべきです。

経産省から資料請求への回答がきました

経産省から資料請求への回答がきました。
以下にその内容とコメントを掲載します。(pdf版はこちら
若狭ネットで事前に評価していた内容と基本的に同じですが、今回の損害賠償費一般負担金「過去分」が新電力への新たな負担を課し、大手電力と東京電力を優遇するものであること、商法違反の後出し請求による料金徴収であることが、改めて明らかになりました。
こんな理不尽な施策は断じて許せません。
反対署名を一層拡大していきたいと思います。リーフレットを活用して署名拡大にご協力下さい。

2017年4月6日
御指摘事項について
資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力市場整備室
1.一般負担金「過去分」2.4兆円から0.24兆円を除いた部分が東電と大手電力にそれぞれいくら割り振られているのかを示す資料

○御指摘の過去分については、電カシステム改革貫徹のための政策小委員会中聞とりまとめに示されているとおり、1966年度~2010年度までの累積設備容量を基に算出しております。
○その結果、2. 4兆円から0.24兆円を除いた部分について、東京電力分は約0.8兆円、その他大手電力分は約1.4兆円となります。

2.一般負担金「過去分」2.4兆円を託送料金で強制的に全消費者から回収するのは商法違反だと考えられ、電力システム改革貫徹のための政策小委員会財務会計ワーキンググループなど関連審議会でもその指摘がなされているところでるが、上位の法律に違反する上記料金徴収を下位の省令で義務付けることができるという法律ないし法的根拠となる資料。

○託送料金については、電気事業法上、送配電網の維持・管理にかかる費用などに加え、離島の発電費用を含むユニバーサルサービス料金など、「全ての消費者が広く公平に負担すべき費用」を含めることができる制度となっております。
○また、今回の議論は、あくまで今後の託送料金の原価にどのような費用の算入を認めるかというものであり、何らか商法上の問題が生じるとは考えておりません。

(この回答は、福島みずほ社民党参議院議員事務所を通して3月24日に提出した資料請求に対し、再三の督促の結果、ようやく4月6日深夜にFAXで回答されたものです。)

<1への回答に関するコメント>
 一般負担金「過去分」2.4兆円は、新電力を10%の0.24兆円とし、残り約2.2兆円を大手電力と東電の販売電力量で割り振るという計算法に間違いはありませんでした。経産省が用いた販売電力量は1966~2010年度の累計ですが、私たちは2015年度の販売電力量を用いています。それは、2020年度から託送料金に一般負担金「過去分」が上乗せされるとすれば、直近の販売電力量を用いるのが適切だと判断したからです。結果的には約0.1兆円の差にすぎませんので、取り立てて問題にするほどではありませんが、下記の通りです。

   表1.一般負担金「過去分」の割り振りと損害賠償費不足分の配分額との関係
┌────┬──────┬─────┬───────────────────┐
│            │若狭ネット │ 経産省     │損害賠償費不足分(5.4兆円→7.9兆円) │
│          │による試算 │による試算│に関する経産省資料による配分額 *   │
├────┼──────┼─────┼───────────────────┤
│東京電力│ 0.68兆円  │ 0.8兆円   │特別負担金0.67兆円、一般負担金0.53兆円│
├────┼──────┼─────┼───────────────────┤
│大手電力│ 1.5兆円  │ 1.4兆円   │ 一般負担金1.0兆円                      │
├────┼──────┼─────┼───────────────────┤
│ 新電力  │ 0.24兆円  │ 0.24兆円  │ 一般負担金「過去分」0.24兆円         │
└────┴──────┴─────┴───────────────────┘

*第6回東京電力改革・1F問題委員会参考資料                   

 損害賠償費が5.4兆円から7.9兆円へ増えたために生じた不足分のうち、大手電力では、負担額1.0兆円に対し一般負担金「過去分」で1.4兆円を回収できるため、0.4兆円(若狭ネット試算では0.5兆円)が減額されることになります。東京電力では、負担額1.2兆円に対し一般負担金「過去分」で0.8兆円を回収できることになり、これは一般負担金配分額0.53兆円を超え、0.3兆円(若狭ネット試算では0.2兆円)が特別負担金の減額に使われることになります。しかし、これは2020年から40年後の2060年になって結果が分かることであり、それまでは実際の販売電力量に対して一律に託送料金で回収されるため、新電力のシェアが10%に満たない当面は、大手電力と東京電力による一般負担金「過去分」の回収率が高くなります。
 損害賠償費の一般負担金と特別負担金の実際の金額は、原子力損害賠償・廃炉費等支援機構が毎年末に決定することから、現時点で確実なことは言えませんが、大手電力と東京電力の一般負担金「過去分」の回収額が表1の試算値の割合より多ければ、当面は大手電力と東京電力の負担額をより多く軽減する方向に作用する可能性があります。
 今回の資料請求への経産省の回答はそれを裏付けたものと言えます。

<2への回答に関するコメント>
 私たちは、一般負担金「過去分」という後出し請求書が商法違反にならないという法的根拠を求めているのですが、それを示せないため、「全ての消費者が広く公平に負担すべき費用」なら商法違反でも許されるという暴論を展開しています。
 一般負担金は原子力事業者に負担義務があり、電力消費者にはありませんので、一般負担金「過去分」は原子力事業者と過去に契約していた電力消費者との商取引関係であり、「全ての消費者が広く公平に負担すべき費用」とは言えません。また、過去に完了した商取引のコストを数十年後に請求できるという法的根拠もないということを認めたことになります。
(文責:若狭ネット資料室)

署名拡大用にリーフレットを作成しました。ご活用下さい!

3月15日の経済産業省交渉を踏まえ、署名を一層拡大するため、新たにリーフレットを作成しました。ご活用ください。
署名拡大用リーフレット(pdf版)

「福島事故関連費と原発コストを『電気の託送料金』に転嫁しないでください!」の署名用紙は下記にあります:
署名用紙のpdf版
署名用紙のdocx版
3月15日の交渉で明らかになった一般負担金「過去分」のカラクリ・リーフレット

第三次締切:2017年5月31日(2/8と3/15に累計2万2,906筆を提出)

●3月15日の交渉が時間切れになったため、一週間後に経済産業省へ下記の資料請求を行いましたが、回答期限の3月30日をすぎても音沙汰なし。何度か督促した末に「ちょっと待ってほしい」との一言だけの返事。1については「ご指摘の通り」の回答以外になく、2については、法律違反の省令を正当化できる法的根拠がないため「回答できない」のかも知れませんが、私たちは回答を得るまで粘り強く回答を迫ります。

<資料請求の項目>
1.3月15日の話合いの場で、職員2名は、一般負担金「過去分」2.4兆円は「東電の3.9兆円、大手電力の3.7兆円の一部に入ってくる」と回答し、2.4兆円から新電力の0.24兆円を除いた部分は「東電の+1.2兆円と大手電力の+1.0兆円の合計2.2兆円ではないのか」との問いに「計算の結果はそうなるが、そんなふうに合わせて計算しているわけではない」と回答しているところ、一般負担金「過去分」2.4兆円から新電力の0.24兆円を除いた部分が東電と大手電力にそれぞれいくらが割り振られているのかを示す資料。
ちなみに、2015年度の沖縄電力を除く販売電力量[億kWh]は、新電力444億kWh、東電2,471億kWh、大手電力5,423億kWhで計8,338億kWhであり*1、一般負担金「過去分」2.4兆円を新電力に10%、9電力に90%とし、後者を2015年度販売電力量の東電:大手電力=31.3:68.7の比で割り振ると、東電0.68兆円、大手電力1.5兆円となり(有効数字2桁で丸めている)、これらが、「東電の3.9兆円、大手電力の3.7兆円」にぞれぞれ含まれるとも考えられるが、これに相違なければ「ご指摘の通り」と回答しても良い。
*1 資源エネルギー庁:電力調査統計表,各年度分総需要電力量速報,自家用発電及びその他電力量実績

2.一般負担金「過去分」2.4兆円を託送料金で強制的に全消費者から回収するのは商法違反だと考えられ、電力システム改革貫徹のための政策小委員会財務会計ワーキンググループなど関連審議会でもその指摘がなされているところであるが、上位の法律に違反する上記料金徴収を下位の省令で義務づけることができるという法律ないし法的根拠となる資料。
以上

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