若狭ネット

福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

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若狭ネット資料室(室長 長沢啓行)
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TEL/FAX 072-269-4561
〒591-8005 大阪府堺市北区新堀町2丁126-6-105
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使用済燃料の乾式貯蔵問題に関する「わかりやすいリーフレット」ができました

使用済燃料の乾式貯蔵問題に関する「わかりやすいリーフレット」を御活用ください!(pdfはこちら

核のゴミと福井の未来を考えよう!
使用済み核燃料(高レベル放射性廃棄物)「敷地内乾式貯蔵」問題

― 万年先、いや千年先、いや50年先の子孫のなげきを想いつつ、冷静にそして誠実に議論しよう―

○八方ふさがりの「核のゴミ政策」、「展望はなく場当たり的」
○たまり続ける使用済み核燃料(高レベル放射性廃棄物) まず事実を見つめよう!
○再理処工場の操業率は10%程度! 若狭の使用済み核燃料の県外搬出はできない!
○使用済みMOX燃料を処理する第二再処理工場はその計画地すら決まっていない!
○『プール貯蔵より乾式貯蔵の方が安全』は、ダマシの手口!
○米国の乾式容器は長期保管専用で内陸貯蔵用
○西川前知事『中間貯蔵は管理、監視が中心の仕事。雇用効果はない』
○再処理工場による放射能汚染の現実
○歴代知事は、「敷地内貯蔵」を認めませんでした!!

責任編集:核のゴミと福井の未来を考える会
監修:大阪府立大学名誉教授 長沢啓行(若狭ネット資料室長)
協力:サヨナラ原発福井ネットワーク
連絡先:福井県越前市 山崎方 Tel:090-6271-8771
(リーフレット頒布・郵送等のご相談は、山崎までご連絡ください。少数でも結構です。)

 

9月定例会に向け福井県議へ陳情書を提出

9月定例会向けて福井県議へ陳情書を提出しました。(pdf版はこちら)

2025年9月1日

陳情書 乾式貯蔵設置事前了解の前に議論すべきこと

福井県議会議長 宮本 俊 様

私たちは、県議会において次の二点を真摯に議論していたただけるようお願い申し上げます。

① 関電の提示した「地域振興のための新たな資金拠出の仕組み」は原発稼働率が下がれば供出資金が減る仕組みであり、「乾式貯蔵による原発再稼働」を容認するよう仕向ける圧力となります。これではプール満杯時に、「乾式貯蔵を設置しても貯蔵容量を増やさない」、「乾式貯蔵へ使用済燃料を移して空いたスペースは使わない」という関電の約束が反故にされる可能性が出てきます。それでもよいと県は考えているのか、と知事を質してください。

高浜乾式貯蔵第1期工事(528体、241tU)は、2025年5月28日に原子力規制委員会で認可され、6月13日には原子力規制庁が福井県原子力安全専門委員会で認可内容を説明し、福井県と立地町の乾式貯蔵設置事前了解が焦点となっています。そんな中、関西電力は8月25日、事前了解のための一つの条件にもなっていた「地域振興のための新たな資金拠出の仕組み」を福井県に提示しましたが、この資金供出の仕組みは実に巧妙で、2023年度の76.6%を基準に原発稼働率が下がれば供出資金が減る仕組みであり、原発停止時にはゼロになります。プール満杯で原発が止まれば自動的に資金が供出されなくなるため、このままでは、「乾式貯蔵を設置しても貯蔵容量を増やさない」、「乾式貯蔵へ使用済燃料を移して空いたスペースは使わない」という約束を反故にして「乾式貯蔵による原発再稼働」を容認するよう仕向ける圧力となります。このような立地県・町に原発稼働率アップへの圧力をかけるような卑劣な仕組みは拒否すべきです。

② 「関西電力の約束を遵守させるため、発電所ごとの『原子炉施設保安規定』に、『乾式貯蔵を設置しても貯蔵容量を増やさない』、『乾式貯蔵へ使用済燃料を移して空いたスペースは使わない』という約束を遵守させるための文言を明記させ、原子力規制委員会・規制庁に随時検査させる仕組みを導入すべき」と、知事に求めてください。

関西電力による「乾式貯蔵を設置しても貯蔵容量を増やさない」、「乾式貯蔵へ使用済燃料を移して空いたスペースは使わない」という約束を単なる口約束にさせないためには、高浜・大飯・美浜の発電所ごとの「原子炉施設保安規定」に、その担保を保障する文言を明記させ、原子力規制委員会・規制庁に随時検査させる仕組みを導入すべきです。
具体的に言えば、高浜発電所原子炉施設保安規定(2025 年 6 月関西電力)には現在「原子炉に全ての燃料が装荷されている状態で、使用済燃料ピットに1炉心以上の使用済燃料ラックの空き容量を確保することを(1ヶ月に1回以上の)巡視点検時に確認すること」(第98条1項(9)号)が原子燃料課長に義務付けられていますが、この「1炉心以上」を「1炉心および構内乾式貯蔵分を合算した体数以上」に書き替えさせるのです。これだけで、関西電力の上記約束を遵守させることができ、これに違反すれば、運転停止を含めた厳しい行政処分の対象になります。少なくとも、こうした担保がなければ、乾式貯蔵が存在するために、福井県内に使用済燃料が野放図に積み上げられる事態が生じてしまうでしょう。その責任は、関西電力だけでなく、福井県知事および福井県議会にも跳ね返ってくるでしょう。

<参考>原子炉施設保安規定は下記の関西電力のサイトで公開されています:
https://www.kepco.co.jp/energy_supply/energy/nuclear_power/info/knic/library/kyonin/kitei.html
美浜発電所原子炉施設保安規定(2025年6月(6月26日改正))
高浜発電所原子炉施設保安規定(2025年6月)
大飯発電所原子炉施設保安規定(2025年6月(6月26日改正))

私たちは、90年代中頃より「行先のない使用済み燃料」問題を憂慮し、県民への啓発活動を進めてきた関西と県内の市民・研究者のボランティア・ネットワークです。
さて、たとえ再処理工場が稼働を開始できても、余剰プルトニウム問題が足かせとなり、再処理工場のフル操業は事実上困難な状況です。このままでは、まさに、福井県が核の墓場になるのは火を見るより明らかです。
そんな中、関電は苦し紛れに、年50億円という資金供与を県に提示し、知事周辺からもそれを「地域振興策」として期待するかのような声が聞こえてきます。
しかし、1985年に山本順一県議(自民党)は「知事は十五基もの原発を受け入れてきたが、住民の所得増大には結びつかなかった。立地市町の財政も膨らみすぎ、この先どうなるかわからない」と中川知事を追及しました。知事は「嶺南地方が他の地域から取り残され、発展が遅れているのは政策選択に誤りがあった」と認め、「原発は地域発展のために役立たなかった」ことをあらためて強調しています。また1994年に福井県は「原発15基を誘致したが、恒久的福祉の実現にはほど遠い」「一時的な財政面の恩恵より、新たな恒久的な地域活性化のあり方が求められている」と総括しているではないですか。
関電は、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の候補地探しで、これまで管内の210自治体に理解活動を続けてきました。しかし、名乗りを挙げる自治体はなく、それどころか京都府宮津市は「ふるさと宮津を守り育てる条例」を施行し、地域の自然や生活環境の保護をうたう条例の理念にそぐわぬものとして「原子力関連施設」を明記しました。その宮津市は、 2019年度の<将来負担比率>は243.0となり、 夕張市に次ぐ全国ワースト2位にランクされています。2021年度には財政再建団体に指定される可能性もありましたが、この深刻な財政危機の中でも、電源三法交付金の誘惑などには惑わされず、中間貯蔵を頑として拒んだのです。

一時の金に目がくらみ、未来の子孫たちへの迷惑を省みない政治は、もう他県では通用しません。廃炉時代を迎え、過去を反省すべき今、福井県でも通用しないでしょう。

陳情者:サヨナラ原発福井ネットワーク・若狭連帯行動ネットワーク
連絡先住所:越前市不老町2-24 山崎隆敏
電話 090-6271-8771

若狭ネット第204号を発行:使用済燃料をこれ以上増やすな! 乾式貯蔵の設置を許すな!関西電力は、美浜原発リプレース計画を撤回せよ!トリチウム汚染水(ALPS処理水)の海洋放出中止、タンク貯蔵継続を!

若狭ネット第204号を発行しました

第204号(2025/7/28)(一括ダウンロード7.0Mb
巻頭言–使用済燃料をこれ以上増やすな! 乾式貯蔵の設置を許すな!
関西電力は、美浜原発リプレース計画を撤回せよ!
トリチウム汚染水(ALPS処理水)の海洋放出中止、タンク貯蔵継続を!
1.手に負えない使用済燃料を子孫に残す「乾式貯蔵」を絶対に許すな!
2.汚染水発生ゼロは可能! トリチウム濃度上昇で放出できない今こそ、トリチウム汚染水(ALPS処理水)海洋放出を中止し、タンク貯留継続を!

 

若狭ネット第203号を発行:英のプルサーマル計画撤回・プルトニウム地中処分への転換と仏の「再処理-MOX燃料加工-プルサーマル」の危機を直視し、関西電力は実効性なき「使用済燃料対策ロードマップ」を撤回せよ!

若狭ネット第203号を発行しました。
下記からご覧下さい。

第203号(2025/5/27)(一括ダウンロード4.0Mb
巻頭言–英のプルサーマル計画撤回・プルトニウム地中処分への転換と
仏の「再処理-MOX燃料加工-プルサーマル」の危機を直視し、
関西電力は実効性なき「使用済燃料対策ロードマップ」を撤回せよ!
もうこれ以上「核のゴミ」を増やすな! 原発再稼働をやめよ!!
1.フランスでも、使用済燃料プール満杯による原発停止の危機が迫っている!
1基2~3兆円もの原発建設費を電気料金と税金の両方で巧みに国民転嫁
2.蓄電池・揚水発電を抑制し、原発再稼働を支援する長期脱炭素電源オークションを中止し、再エネ・蓄電池普及へ転換せよ!

チェルノブイリ事故39年を迎えて、関西電力本社へ申し入れました

今年はチェルノブイリ事故39年、福島原発重大事故14年、加えて、広島・長崎原爆被爆80年に当たります。4月20日には、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西主催で、「チェルノブイリ原発事故39年の集い~被爆80年 核も戦争もいらない!~」の集いが開かれました。その集いで採択された決議文を4月25日に関西電力本社へ提出する行動が呼びかけられ、若狭ネットもこれに参加し、共に同決議文を提出すると共に、ヒバク反対キャンペーンや原発の危険性を考える宝塚の会に続いて、若狭ネットも独自の申し入れ書(pdfはこちら)を提出しました。

関西電力の原子力広報は、事前に電話連絡してあったにもかかわらず、「多忙」を理由に出てこず、総務課が代わりに出てきて、決議文と共に3団体の申し入れを受け取りました。昨年10月28日の「10.26反原子力デーの申し入れ」時には、原子力広報が出てきて、申し入れを受け取っていたにもかかわらず、今回は「昔の姿」に戻ったかのようです。

関西電力は、2023年10月に福井県知事へ提出した「使用済燃料燃料対策ロードマップ」が昨年夏に1年足らずで破綻したため、今年3月にその「見直し」版を福井県知事へ再提出したものの、その「実効性」には福井県議等から疑念が噴出していて、それを私たちに追及されるのを恐れているのでしょう。これだから、関西電力はいつまで経っても信用されないのです。

2025年4月25日

関西電力株式会社 取締役代表執行役社長 森 望 様

チェルノブイリ事故39年を迎えて、関西電力への申し入れ

若狭連帯行動ネットワーク

本年2025年は、広島・長崎の原爆被爆80年、核時代の幕開けから80年、被ばくの過小評価を繰り返してきた80年に当たります。また、旧ソ連のチェルノブイリ原発重大事故から39年、福島第一原発炉心溶融事故発生から14年になります。
1年4か月前の能登半島地震による甚大な被害は、30年前の兵庫県南部地震による直下地震の驚異や、14年前の東北地方太平洋沖地震による地震・津波による福島第一原発重大事故と今なお続く深刻な原子力災害を、改めて思い起こさせました。震源地の珠洲市高屋地区に貴社の計画通り「珠洲原発」を建設していたら、福島事故が繰り返されていたことでしょう。貴職は、それを肝に銘じるべきです。
にもかかわらず、貴社は、電力会社の先頭に立って7基の原発を再稼働させ、最古の高浜1号の50年超運転、高浜2・3号と美浜3号の40年超運転、高浜4号と大飯3・4号の30年超運転を強行し、高浜3・4号ではプルサーマルを継続しています。原発事故による被ばくを過小評価し、福島事故を顧みず原発・核燃料サイクルを推進する一方、カルテルを首謀しながら自主申告で課徴金を免れ、送配電会社の顧客情報を不正閲覧して顧客奪還に活用するなど、人々の命、暮らしよりも自社利益を最優先させる貴社の姿勢は目に余ります。
貴職が「実効性あり」と主張する「使用済燃料対策ロードマップ見直し」は、すでに破綻しています。
第1に、六ケ所再処理工場はアクティブ試験の結果、主工程のセル内が極度に放射能汚染されていて、耐震補強工事が必要になってもできません(レッド・セル問題)。現に、「高レベル廃液濃縮缶」は、450ガルの旧基準地震動Ssが弾性限界を超えたため、300ガルの弾性設計用基準地震動Sd(=2/3×Ss)による追評価で応力比0.89(詳細設計)でしたが、700ガルの新基準地震動Ssでは、350galのSd(=1/2×Ss:新規制基準で緩和された)でも単純計算で応力比1.04となり、不合格になります。今年9~11月の機器・配管系の耐震評価次第で、設工認審査不合格または代替工事検討のための28回目の竣工延期が避けられません。
第2に、仮に操業できても、「プルサーマルの着実な実施に必要な量だけ再処理が実施されるよう認可を行う」との原子力委員会方針から、高々10%操業しかできず、フル操業など論外です。
第3に、高浜3・4号で生み出される使用済MOX燃料や他の原発5基で日夜生み出されるPWRステップ2高燃焼度燃料は六ヶ所再処理工場の再処理対象外のため、六ヶ所再処理工場は元より中間貯蔵施設へも搬出できません。搬出できない使用済燃料が、7基のプール貯蔵量の1/4を占め、増え続けているのです。
第4に、中間貯蔵施設の福井県外立地は、「関西電力の名前を出した途端に立地できなくなる」状況のため、全く進まず、2030年操業の目処は全くありません。また、福井県外への中間貯蔵施設に搬出する計画は、場所すら示さず、搬出などできないのです。そして、仏搬出も高浜原発のプール満杯時期を4年ほど延ばす程度の限定的なものにすぎません。
第5に、サイト内乾式貯蔵容量1,530体(700tU)は中間貯蔵施設(2,000tU)の1/3、六ヶ所再処理工場への累計搬出量1,954体の8割に相当する大規模なもので、貯蔵容量増強策にほかなりません。これを「中間貯蔵施設への円滑な搬出のため」とうそぶくのはもうやめ、断念し、撤回すべきです。
イギリスは、今年の1月末、プルサーマル計画を断念し、100トン超の民生用プルトニウムを固定化し地中処分すると発表しました。イギリスでのMOX燃料加工工場建設計画が消え失せた今、英保管中の日本のプルト
ニウム21.7トンをどう処分するかが問われています。これを機に、プルサーマルを中止し、政府に再処理・プル
トニウム利用政策の転換を求めるべきではありませんか。
フクシマを繰り返さないため、子孫に負の遺産=使用済燃料をこれ以上増やさないため、乾式貯蔵の導入をやめ、原発の再稼働を中止すべきです。
以上を踏まえ、次のことを強く申し入れます。28年前、1997年6月の福井県知事との約束以来、過去5回も約束違反を繰り返しながら、「使用済燃料プール貯蔵容量増強」、「プルサーマル実施」、「大飯3・4号再稼働」、「老朽3炉再稼働」などを強行してきたことを真摯に反省し、誠意をもって対応されるよう求めます。
1.「使用済燃料対策ロードマップ見直し」を撤回し、サイト内乾式貯蔵施設設置計画を撤回して下さい。むつ市や上関町への中間貯蔵計画を撤回して下さい。
2.イギリスのプルトニウム政策転換を機に、プルサーマルを中止し、再処理・プルトニウム利用政策の転換を政府に求めて下さい。
3.貴社の原発7基は、50年超1基、40年超3基、30年超3基と老朽化しており、福島事故を繰り返す危険が高まっています。これら老朽原発の延命を断念し、原発依存の経営方針を改め、「脱原発・脱石炭」、「再エネ拡大・優先接続・優先給電」へ大転換してください。
4.美浜1・2号と大飯1・2号の廃止措置を100年程度の密閉管理へ転換して、主な汚染源であるコバルト60の減衰を待ち、行き先のない放射性廃棄物の大量発生を防ぎ、クリアランス未満の放射性廃棄物の一般廃棄物扱いをやめてください。

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