若狭ネット

福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

大阪連絡先 dpnmz005@ kawachi.zaq.ne.jp
若狭ネット資料室(室長 長沢啓行)
e-mail: ngsw@ oboe.ocn.ne.jp
TEL/FAX 072-269-4561
〒591-8005 大阪府堺市北区新堀町2丁126-6-105
ニュース
このエントリーをはてなブックマークに追加

ニュース

福島原発事故関連費および原発廃炉時の未償却資産の託送料金による回収に関する質問主意書と答弁書が出ました

福島みずほ参議院議員(社民党)が2017年12月8日、託送料金について下記の質問主意書を提出し、安倍首相から12月19日に下記答弁書が出されました。
予想通りの木で鼻をくくったような答弁ですが、下記の事実が明確になりました。
(1)東電パワーグリッドが「託送料金」(電気料金に含まれる送配電網利用料金のことで、この部分だけ2020年の発送電分離後も規制料金に留まり、一定の事業報酬が保証される)で得た「超過利潤」の大半を「廃炉等負担金」という名目の「費用」とみなし、それを差し引いて残る分だけを超過利潤額とみなすため、「事実上の超過利潤隠し」が行われること。
(2)託送料金の想定単価には含まれない「廃炉等負担金」が実績単価には費用として含まれるため、想定単価からの大幅なコストダウンが行われても、コストダウン分が「廃炉等負担金」に化けて費用として実績単価に加算されること。
(3)超過利潤累積額が一定水準を超えるか、託送料金の実績単価と想定単価の乖離率が-5%を超えて下がれば、託送料金を引き下げる決まりになっているが、(1)と(2)により、巨額の超過利潤が「廃炉等負担金」という費用名目で隠されるため、東電管内ではいつまで経っても託送料金が下がらないこと。
(4)福島第一原発の廃炉対策について「国は、必要な制度整備等を行うとともに、技術的難易度が高く、国が前面に立つ必要がある研究開発については、引き続き必要な支援を行う」としており、東電救済策と批判されない技術的難易度の高い研究開発しか国は支援しないこと。たとえば、汚染水対策の「凍土遮水壁」はこの理由で採択され、通常の土木工事による対策は不採択にされたように、東電を破産処理しなかったために廃炉汚染水対策が制限され続けること。
(5)福島事故による損害賠償費7.9兆円は交付国債で一旦賄われていますが、東電から特別負担金(毎年500億円程度、利益が多く出た2016年度は1,100億円)、東電を含む九電力会社から一般負担金(毎年1,630億円程度)として回収されているところ、後者の一般負担金は、規制料金契約者から電気料金の原価として回収されていますが、2020年度からは託送料金以外の規制料金が撤廃されます。他方、一般負担金「過去分」2.4兆円は2020年度から託送料金の原価に加算されて回収されますが、この託送料金への転嫁は一般負担金「過去分」に限られ、一般負担金そのものは将来にわたって託送料金に転嫁しないと内閣として確約したこと。
(6)廃炉会計制度が再稼働のための巨額の投資が未償却試算になった場合には廃炉後に回収できることを経産省が「理論的にはその通り」と認めた事実を否定しなかったことで事実上、内閣としても認めたこと。
以上の内容は、今後につながる大きな成果であり、福島事故関連費や原発コストの託送料金への転嫁を阻止するために今後も大いに活用していきたいと思います。

なお、福島事故関連費と原発コストを「電気の託送料金」に転嫁しないでくださいの全国署名は11月10日提出分から818筆増えましたので、経産省に追加提出しました。
2016年11月から1年間の累計で 3万9,707筆になりました。
ご協力を頂き、有り難うございました。この署名の力をバックに2020年度からの託送料金への転嫁を阻止するため運動を継続していきたいと思います。

質問主意書

答弁書

両者をまとめたもの

質問第42号
福島原発事故関連費および原発廃炉時の未償却資産の託送料金による回収に関する質問主意書
 右の質問主意書を国会法第74条によって提出する。
   平成29年12月8日
                            福島みずほ
  参議院議長 伊達 忠一 殿

福島原発事故関連費および原発廃炉時の未償却資産の託送料金による回収に関する質問主意書

 「原子力損害賠償・廃炉等支援機構法の一部を改正する法律」(以下「機構法改正法」という。)が平成29年5月17日に公布され、9月28日には「原子力損害賠償・廃炉等支援機構の廃炉等積立金管理等業務に係る業務運営並びに財務及び会計に関する省令」(以下「改正機構法省令」という。)および「電気事業法施行規則等の一部を改正する省令」(以下「電事法施行規則改正省令」という。)が公布されたが、その内容が民法および商法などの法律に違反する等の疑いがあるので、以下質問をする。

1 機構法改正法では、原子力損害賠償・廃炉等支援機構(以下「機構」という。) の管理する「廃炉等積立金」に「廃炉等実施認定事業者」たる東京電力が毎年必要な資金を積立てることとされ、改正機構法省令では、託送料金の営業費用に「廃炉等負担金」、営業利益に「廃炉等負担金収益」を計上することになっている。他方、託送料金が規制料金であることから、電気事業法第19条第1項の規定に基づき経済産業大臣が託送供給等約款等の変更の認可の申請命令を出せる場合として、「電気事業法に基づく経済産業大臣の処分に係る審査基準等」(平成12.05.29資第16号) の「第二 処分の基準」では、「託送供給等約款が、(中略)物価の大幅な変動や需要構成の著しい変化があるなど社会的経済的事情の変動により著しく不適当となり、公共の利益の増進に支障があると認められる場合」、「当期超過利潤累積額が一定水準額を超過している場合」、「補正後希離率が一定の比率(マイナス5パーセント)を超過している場合」が掲げられている。
 ところが、超過利潤のほとんどを営業費用の「廃炉等負担金」に計上させると、超過利潤累積額が一定水準額を超過することはなくなる。また、この「廃炉等負担金」は営業費用に計上されながら、託送料金を設定する際の原価、すなわち、「託送原価」には計上されないが、補正後乖離率の元になる補正後実績費用にこれを計上させると、補正後乖離率が一定の比率を超過することもなくなる。そうなれば、託送原価が大きく引き下げられても、託送料金が高止まりになり、東京電力管内の電力消費者には託送料金値下げで還元されない事態が永続することになるが、これに相違ないか。これは、託送供給で捻出した超過利潤を営業費用の「廃炉等負担金」として隠すことを可能にする、東京電力に対する行き過ぎた過剰な優遇策だと考えるが、このような事実上の「超過利潤隠し」につながる改正機構法省令を導入したことの是非について、政府の見解を明らかにされたい。

2 託送料金については、原価の3分の1強は減価償却費と修繕費であり、設備更新・改修費を過大に見積もって託送料金を高めに設定し、更新・改修工事を先送りにすれば、その分が超過利潤となる仕組みになっている。このことは、東京電力に関する経営・財務調査委員会報告(2011年10月3日) でも、現行の料金制度の下では、「料金原価のうち、固定費及び燃料費以外の可変費が、結果的に「適正な原価」より過大となっており、その分の利益を留保できる構造となっている」と指摘されているところである。ところが、発送電が分離される2020年度以降はこのような仕組みを利用することはできなくなり、高度成長期に巨額の投資を行った鉄塔・架線など送配電網の耐用年数が30年から50年で切れるため、送配電網の更新が待ったなしになる。たとえば、1960年代後半から大増設された鉄塔は、2015年末で24.8万基になるが、今の年1千基の更新ペースでは全更新に200年以上が必要となり、耐用年数の50年のサイクルで更新するには毎年5千基となり、現在の5倍以上の投資が不可欠である。
 こんな状況下で、福島第一原子力発電所の廃炉費の不足分6兆円を30年で積立てるための年2千億円の大半を託送料金で賄うのは無謀だと言える。東京電力が毎年度巨額の廃炉費を積立でなければならないことが同社の送配電網の更新を妨げる可能性について、政府の見解を明らかにされたい。

3 廃炉費の不足分6兆円の見積もりも、米国スリーマイル島原発炉心溶融事故の燃料デブリ取出・輸送費約10億ドルに基づき、燃料デブリ量が6倍、高線量環境による遠隔操作の必要性から5倍、30年聞から40年間の物価上昇で2倍、計60倍で約600億ドルと見なした結果にすぎない。機構による「東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2017」(2017年8月31日)によれば、気中・横アクセス方式による格納容器下部のデブリ取出も困難を極め、圧力容器内部のデブリは気中・上アクセスで行うしかないものの難度が高く、格納容器下部ペデスタル外のデブリ取出はさらに難度が高いとされている。燃料デブリ取出・輸送費に限っても6兆円をはるかに超える可能性が高く、全デブリ取出の可能性も不確かである。放射性廃棄物の最終処分費も確保しなければならず、これらの費用は、到底、東京電力だけで賄えるものとは言えない。辻棲合わせの弥縫策を撤回し、東京電力と国の福島第一原子力発電所事故に対する責任を明確にし、東京電力を破産処理し、株主や金融機関に債権放棄させた上で、国が前面に立って本格的な事故収束作業に取り組む以外にないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

4 電事法施行規則改正省令により、一般負担金「過去分」約2.4兆円の託送料金による回収の手続きが定められた。
 一般負担金「過去分」約2.4兆円は、1966年度から2010年度に規制料金として回収し損なった一般負担金の総額約31.8兆円から、2011年度から2019年度の一般負担金小売回収分約1.3兆円を控除した額である。その内訳は、経済産業省が私に提出した資料(2017年4月6日)によれば、東京電力0.8兆円、大手電力1.4兆円、新電力0.24兆円であり、建前上は、5.4兆円から7.9兆円へと2.5兆円増えた損害賠償費の追加分(以下「損害賠償費追加分」という。) である東京電力1.1兆円、大手電力1.0兆円、新電力0.24兆円とは別のものである。しかし、新電力が負担する損害賠償費0.24兆円は、新電力の一般負担金「過去分」0.24兆円と符合しており、実際には、一般負担金「過去分」約2.4兆円が損害賠償費追加分2.5兆円の補填に使われることは明らかである。東京電力が負担する損賠償費追加分1.2兆円は、特別負担金0.67兆円と一般負担金0.53兆円で構成されることから、東京電力の一般負担金「過去分」0.8兆円を補填すると、東京電力の一般負担金はマイナス0.27兆円になり、「追加」どころか「0.27兆円の減額」になる。大手電力でも同様に、損害賠償費追加分1.0兆円を一般負担金「過去分」1.4兆円で補填すると、「0.4兆円の減額」になる。このように、一般負担金「過去分」は、新電力に新たな負担を課し、東京電力と大手電力の負担を軽減するものといえるが、これに相違ないか。それとも、一般負担金「過去分」は一般負担金「追加分」を補填するものではなく、一般負担金「追加分」とは別に徴収される一般負担金であって今後の原発事故に対応する目的に使われるものという位置づけなのか。政府の見解を明らかにされたい。仮に後者であれば、なぜ、新電力の損害賠償費追加分と一般負担金「過去分」が0.24兆円で符合しているのか、説明されたい。

5 一般負担金は、原子力損害賠償・廃炉等支援機構法(以下「機構法」という。)により、原子力事業者が機構へ納付する義務を負っており、電力消費者に負担義務はないが、原子力事業者と契約した電力消費者が支払う電気料金には原発の発電原価の1つとして盛り込まれている。経産省は、公益的課題に対応するものと経産大臣が判断すれば、2020年度以降も規制料金であり続ける託送原価に本来なら発電原価に入れるべき原価の1部を入れることができると電気事業法を拡大解釈し、原発由来の電気を受電しない新電力契約者からも一般負担金「過去分」を託送原価として回収しようとしている。電事法施行規則改正省令により、従来の一般負担金は「みなし小売電気事業者特定小売供給約款料金算定規則」の営業費「原賠・廃炉等支援機構一般負担金」とされ、一般負担金「過去分」は「一般送配電事業託送供給等約款料金算定規則」の営業費「賠償負担金相当金」とされているが、前者は発電原価であり、原子力事業者と契約した電力消費者からのみ回収されるが、後者は託送原価であり、原発の電気を受電しない新電力契約者からも回収される。発電原価と託送原価を合わせると電気料金の原価になるが、前者の発電原価は2020年4月から完全自由料金になって原価の安定回収が保証されなくなる一方、後者の託送原価は規制料金として安定した回収が保証される。一般負担金「過去分」は、本来、従来の一般負担金と同様に原子力事業者が発電原価として回収すべきものであるにもかかわらず、原発由来の電気を受電しない新電力契約者からも回収し、結果として、東京電力と大手電力の負担軽減を確実にするためのものになっていると言えるが、それに相違ないか。政府の見解を明らかにされたい。

6 商法第502条は「次に掲げる行為は、営業としてするときは、商行為とする。」とし、同条第3号で「電気又はガスの供給に関する行為」を掲げているが、経産省は「規制料金制度の下にある電気事業は普通の一般的な事業とは異なる」旨主張している。電気事業法による規制を受ける電気事業といえども、それが営業としてなされるときには商法によって規制されることは法的に明白であり、原発由来の電気を受電しない新電力契約者に原発のコストを電気料金として請求することは、商法第一条第2項に定められた商慣習に反しており、商法違反だと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
 経産省は、一般負担金「過去分」については「公益的課題に対応するため、全ての消費者が広く公平に負担すべき費用」である旨主張する一方、従来の一般負担金についてはこのような主張をしていない。この主張の差について、経産省は、一般負担金「過去分」は、1966年度から2010年度当時の規制料金制度の下では合理的に見積もられた費用以外を原価に算入することは認められていなかったが、合理的に見積もることができるようになった時点で過去にさかのぼって算出した額を原価に算入することは元来問題ない旨主張しているが、これは、以下のように民法違反および商法違反の疑いがある。
 民法第173条は「次に掲げる債権は、2年間行使しないときは、消滅する。」とし、同条第一号で「生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価に係る債権」を掲げていることから、一般負担金「過去分」に関する債権はすでに消滅しており、過去に原子力発電の電力で受益をしていた電力消費者から一般負担金「過去分」を回収することには法的根拠がない。また、合理的に見積もることができるようになった時点で原価に算入するとしても、過去の電力消費者に対してではなく、これから原子力事業者と契約する電力消費者に対してのみ、その料金の原価に算入することができるものである。一般負担金「過去分」は「原発のコスト(発電原価)」であり、原発の電気とは無関係な新電力契約者に対して「託送原価」として課すのは、商慣習に従うべきと定めた商法第1条違反である。過去に原子力事業者から受電せず今後も受電しない電力消費者に対しても、一般負担金「過去分」が託送料金として2020年度から40年間にわたって徴収され、その割合が今後ますます増えていくことが理不尽であることは明白である。このように、一般負担金「過去分」の託送料金による回収には民法違反、商法違反の疑いがあるという点について、政府の見解を明らかにされたい。
 また、損害賠償費については、「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」(2013年12月20日閣議決定) で5.4兆円とされ、「原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針」(2016年12月20日閣議決定) では7.9兆円程度へ増額修正されている。2016年4月に電力の小売が全面自由化されたが、損害賠償費の増額修正後も、従来の一般負担金は規制料金の発電原価に計上されたままであり、自由料金の託送原価には計上されておらず、今後もこのままの予定である。ところが、一般負担金「過去分」は、合理的に見積もることができるようになった時点で直ちに規制料金の発電原価に計上されるべきところ、そうはされず、2020年度以降、託送原価に計上される。合理的に見積もることができるようになった時点で原価に算入するのであれば、2016年度から規制料金の発電原価として計上するのが筋だが、なぜ、そうしないのか、具体的な説明がない。確実に回収するためというのであれば、従来の一般負担金も同様のはずであり、一般負担金「過去分」だけが、なぜ、例外扱いされるのか、説明がつかない。これに関する政府の見解を明らかにされたい。

7 電事法施行規則改正省令により、廃炉会計制度に基づく廃炉原発6基(美浜1・2号、敦賀1号、島根1号、伊方1号、玄海1号)の廃炉費積立不足金・未償却資産0.18兆円(2015年度末)についても、託送料金による回収の手続きが定められた。この廃炉会計制度は、原発が廃炉になった時点で特別損失として計上すべき「廃炉費積立不足金」と「未償却資産」を廃炉後十年間で定額回収できるようにする制度である。2015年以降廃炉になった6基の原発にこれが適用され、廃炉費積立不足金252億円と未償却資産1540億円の合計1792億円(2015年度末)が、原子力事業者の原発コスト(発電原価)に計上され、規制料金契約者から回収されている。ただし、自由料金契約者から回収できる保証はない。2020年度以降は、「廃炉円滑化負担金」として託送原価に算入され、原子力事業者とは無縁の新電力契約者からも回収されようとしている。廃炉会計制度は、2013年の導入当初は廃炉費積立不足金を回収することが主目的であるかのように見えたが、2015年改正後は未償却資産の回収に重点が移された。このことは廃炉となった6基の例からも明白であり、今回の電事法施行規則改正省令で廃炉費積立期間が50年から40年に短縮されたため、40年運転終了時点またはそれ以降に廃炉にする原発では未償却資産の回収が唯一の目的になったのであり、廃炉会計制度は「原子力事業者の未償却資産を廃炉後に回収する制度」だと言っても過言ではない。
 経産省は「(廃炉時の特別損失計上で)事業者の合理的な廃炉判断が歪んだり、円滑な廃炉の実施に支障を来し、原発依存度の低減が進まないといった懸念に対応するため」に廃炉会計制度を設けたと主張しているが、電力会社にとっては、適合性審査に合格するため対策工事費に投じた巨額の投資を40年または60年の運転期間内に回収し利益を出せるかどうかが事業経営における第一の判断基準であり、廃炉会計制度は再稼働後の電力需要減や事故等で廃炉を余儀なくされた場合でも巨額の投資を回収できるようにするための保険となっている。廃炉になった6基の原発はいずれも小型で古いため、第一の判断基準に基づき投資効果がないと判断されて廃炉にされたのであり、廃炉会計制度が廃炉を促したとは言えない。逆に、投資効果があると判断されれば、廃炉会計制度が保険となって、再稼働や40年超運転のための巨額の投資が安心して行われることになる。その結果、経産省の主張とは逆に、原発への依存度を維持し、または高める方向に働いている。巨額の投資後に早期に廃炉にしても投資のほとんどを廃炉後に回収できるという点について、経産省は11月10日の託送料金に関する私たちとの意見交換会で「理論的にはその通りだ」と認めたが、政府の見解を明らかにされたい。
 実際のところ、42基の原発の未償却資産は2015年度末で約2.5兆円、再稼働に向けた工事費は9電力・日本原電・Jパワーで計3兆8280億円に膨らみ(朝日新聞2017年7月8日)、40年超運転をめざして美浜3号(1650億円、同朝日新聞) と高浜1・2号(2160億円、福井新聞2016年9月9日) の対策工事も2019~20年度竣工予定で進められている。その結果、未償却資産は約6兆円に膨らむが、これらの原発が今後早期に廃炉になっても、廃炉会計制度で確実に回収できるようになる。これでは、原発依存度低減のための廃炉会計制度とはもはや言えないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

8 廃炉会計制度による原発の未償却資産は、明らかに原子力事業者のコストであり、託送料金で認められている「離島のユニバーサルサービス」のような公益的なものではない。また、廃炉会計制度は原発依存度を低減させるどころか、原発依存度を維持、または高める方向に作用しており、公益的課題に対応するとは言いがたい。しかし、経産省は、電気事業は普通の一般的な事業とは異なり、「公益的課題に対応すると最終的に判断すれば経産省令で託送料金に入れられると電気事業法に規定されている」、「閣議決定されたエネルギー基本計画に原子力依存度を低減していく方針が書かれており、廃炉会計制度はこれに沿った公益的課題であり、託送料金に転嫁できる」、「これに尽きるので、これ以上の回答は難しい」と開き直った主張をしている。たとえ、公益的課題に対応すると判断したとしても、原発の電気を受電しない電力消費者から原発の未償却資産を託送料金の原価に算入して回収するのは明らかに商慣習に従うべきと定めた商法第一条に違反しており、経産大臣には商法違反の料金請求を認める権限はないはずであるが、政府の見解を明らかにされたい。
 さらに、経産省の主張に基づけば、「原発推進」や「原発新増設」を閣議決定すれば、公益的課題に対応するためと称して、原発建設費・改修費等の減価償却費など原発コストを際限なく託送料金の原価に算入することも可能になるが、政府の見解を明らかにされたい。
 右質問する。

答弁書第42号
 内閣参質195第42号
  平成29年12月19日
                     内閣総理大臣 安倍晋三
   参議院議長 伊達忠1殿
 参議院議員福島みずほ君提出福島原発事故関連費および原発廃炉時の未償却資産の託送料金による回収に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

参議院議員福島みずほ君提出福島原発事故関連費および原発廃炉時の未償却資産の託送料金による回収に関する質問に対する答弁書

1及び2について
 今般の事故炉廃炉の確実な実施に関する措置により、東京電力ホールディングス株式会社の福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)の廃炉に要する資金を確実に確保するため、東京電力パワーグリッド株式会社は、電力の安定供給の確保のために必要な設備投資等を行った上で、廃炉に充てるための資金の確実な支出を確保するため収支計算において廃炉等負担金を費用として計上することとしていると承知している。また、東京電力パワーグリッド株式会社が、合理化により捻出した廃炉等負担金の額を上回る合理化を行った場合には、当該合理化により生じた額は、電気事業法(昭和39年法律第170号)に基づく託送供給等に係る料金(以下「託送料金」という。)を含む託送供給等約款の変更に関する経済産業大臣の命令に当たっての判断のための算定基礎となることに変わりはない。

3について
 福島第一原発事故に係る対応については、「原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針」(平成28年12月20日閣議決定。以下「基本指針」という。)において、「国民負担を最大限抑制しつつ、福島の再生と電力の安定供給を両立させる」、「原則として、東京電力グループ全体で総力を挙げて責任を果たしていくことが必要である」及び「国は、必要な制度整備等を行うとともに、技術的難易度が高く、国が前面に立つ必要がある研究開発については、引き続き必要な支援を行う」としているとおりである。

4から6までについて
 基本指針に記載されているとおり、「福島第一原発の事故前には確保されていなかった分の賠償の備えについてのみ、広く需要家全体の負担」として、電気事業法に基づき、合理的に算定される額を、託送料金の原価に含むことができることとしたものである。

7及び8について
 廃炉会計制度は、原発依存度の低減というエネルギー政策の基本方針を実現するため、財務的な理由により、事業者の合理的な廃炉判断をゆがめたり、円滑な廃炉の実施に支障を来すことのないよう、措置している制度である。
 また、お尋ねのような仮定の御質問にお答えすることは差し控えたい。

3.9万の反対署名をバックに、経産省を徹底追及!

福島事故関連費など8.6兆円の託送料金への転嫁反対署名にかかる11.10第3回経産省交渉の報告

3.9万の反対署名をバックに、経産省を徹底追及!
40年超運転を促す廃炉会計 — 「理論的には」そうなる!
一般負担金「過去分」は、一般の商取引とは違って、商法によらず
公益的であれば、何でも、託送料金に入れられる!
廃炉費6兆円は超過利潤を費用と見なして託送料金高止まりに!

 呼びかけ:若狭連帯行動ネットワーク(事務局)、双葉地方原発反対同盟、原発の危険性を考える宝塚の会、日本消費者連盟関西グループ、関西よつ葉連絡会、安全な食べものネットワーク オルター、サヨナラ原発福井ネットワーク、福井から原発を止める裁判の会、吹夢キャンプ実行委員会、福島の子供たちを守ろう関西、さよなら原発神戸アクション、さよならウラン連絡会、おかとん原発いらん宣言2011、原発ゼロ上牧行動、STOP原子力★関電包囲行動、とめよう原発!!関西ネットワーク、さよなら原発なら県ネット、地球救出アクション97、ヒバク反対キャンペーン、さよなら原発箕面市民の会、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西、環境フォーラム市民の会(豊中)、科学技術問題研究会、さかいユニオン、大阪自主労働組合、社民党福島県連合、フクシマ原発労働者相談センター、日本消費者連盟、原子力資料情報室

連絡先:若狭ネット資料室(長沢室長)
〒591-8005 堺市北区新堀町2丁126-6-105
TEL 072-269-4561  ngsw@oboe.ocn.ne.jp

2017.11.10経産省への署名提出・交渉のまとめ

2017.11.10経産省交渉の記録

  3.9万の署名をバックに経産省を徹底追及!

福島事故関連費8.6兆円の託送料金への転嫁に反対して、私たちは11月10日、反対署名5,561筆を第四次提出し、市民19名で経産省を追及しました。昨年11月に始めた署名は累計3万8,889筆に達し、これを背に徹底追及しました。その結果、今後の運動につながるいくつかの成果を引き出しました。(映像はhttps://www.youtube.com/watch?v=IhPN-W43XAg

40年超運転を促す廃炉会計:理論的にはその通り

第1に、未償却の原発資産を廃炉後10年で回収できる廃炉会計制度が「40年超運転」を促していることについて「理論的にはその通りだ」と認めさせました。関西電力は高浜1・2号や美浜3号などに数千億円もの巨額の対策費を注ぎ込んで数年後の再稼働を目指していますが、電力シェアが減って収益を見込めず再稼働を断念しても、廃炉後に投資額を回収できる制度になっているのです。経産省はそれが「趣旨ではない」と言いつつも、今回初めて、「理論的にはその通りだ」と認めました。「40年超運転」を促す廃炉会計制度は即刻撤回すべきです。

閣議決定と経産相判断で商法違反も違反にならず

第2に、この廃炉会計制度は原発の電力を買わない新電力契約者からも回収する制度であり、商取引のない商品(原発の電気)の費用を他の電源による電気の託送料金に加算して回収するものであり、明らかに商法違反ですが、経産省は、「普通の一般的な事業とは異なり、公益的課題に対応すると最終的に判断すれば経産省令で託送料金に入れられる」、「閣議決定されたエネルギー基本計画に原子力依存度低減の方針があり、廃炉会計制度はこれに沿ったもの」、「これに尽きるので、これ以上の回答は難しい」と開き直ったのです。これでは、たとえ商法違反であっても、公益的だと経産大臣が判断すれば商取引に無関係の費用でも託送料金に入れられることになります。新電力契約者を欺くこのような廃炉会計制度は撤回すべきです。

一般負担金「過去分」の新電力への請求は違法

第3に、一般負担金「過去分」についても、民法によって2年を超える過去の債権は請求できず、今後の原発料金で回収するとしても原発とは無縁の新電力契約者から回収するのは商法違反ですが、経産省は「一般的な商取引の話はしていない」、「規制料金の中での話だ」と居直り、「過去には合理的に算定できなかった規制料金を託送料金で回収するものであり、経産大臣が最終的に判断すれば料金に入りうる」と開き直ったのです。商法では「電気の供給を営業としてするときは商行為とする」と明記されているにもかかわらず、経産省は「電気事業の規制料金では民法や商法に違反するような料金請求であっても省令で行える」かのように言い張るのです。明らかに民法違反、商法違反であり、一般負担金「過去分」の託送料金への転嫁は撤回すべきです。

託送料金高止まりと停電事故を招く廃炉費6兆円

第4に、今の託送料金制度では、超過利潤累積額が一定水準額(=平均帳簿価額×事業報酬率で、東電PGでは現在1,278億円)を超えるか、原価の乖離率(=実績費用/想定原価-1)が-5%(年710億円の原価引き下げ相当)を超えて下がるかの条件を満たせば、託送料金を引き下げねばならず、これらの基準を大幅に変更しない限り、福島原発廃炉費6兆円捻出のための年2,000億円近い超過利潤は捻出できません。経産省は、省令改正で「廃炉等積立金」の原資を捻出するため営業費用に「廃炉等負担金」を設け、超過利潤からこの分を差し引くことで超過利潤を過小算定する仕組みを導入し、一定水準額を「事実上無制限」にするのと同じ効果を生み出しており、このままでは託送料金引き下げ機会を失うため、その対策を検討中だと吐露しました。ところが、この「廃炉等負担金」は営業費用ではあっても託送料金の原価としては規定されていないため、「廃炉等負担金」を除く原価の乖離率で-5%を超えれば託送料金を引き下げねばならず、超過利潤を捻出できなくなるということには気付いていませんでした。超過利潤累積額の一定水準額を無制限にし、乖離率を-15%程度に緩和しない限り、年2,000億円近い廃炉等積立金の原資を「超過利潤」として生み出すことはできません。今回の交渉で、これらの矛盾点が改めて明らかになり、小手先の省令改正では託送料金が高止まりにならざるを得ないこと、送配電網の巨額の更新が待ったなしの差し迫った状況であることも重なって、託送料金による廃炉費6兆円の捻出は早晩破綻せざるを得なくなるであろうこと、無理をすれば送配電網の更新が滞り、停電の頻発が避けられなくなることも見えてきました。こんな「託送料金高止まりによる廃炉費6兆円の無理な回収」は撤回すべきです。

2020年4月施行を撤回させよう!

脱原発団体と消費者団体の29団体で昨年11月に呼びかけた「福島事故関連費と原発コストを『電気の託送料金』に転嫁しないで下さい」の署名運動は今回で一旦、幕を下ろします。皆さんからの署名とカンパへのご協力とご支援に厚く感謝申し上げます。署名数は1年という短期間に3万8,889筆、署名カンパも39.9万円に達しました。今年2月の交渉は経産省のドタキャンで署名提出だけに終わりましたが、これに屈せず、交渉日の候補をこちらが指定するのではなく「2週間の幅で経産省に決めさせる」やり方で3回の交渉を実現させてきました。計4回の署名提出・交渉の呼びかけ、まとめと記録、3種類のカラーチラシの発行で署名運動を広げてきました。
3.9万筆の署名と3回の経産省交渉で得た成果を踏まえ、今後も運動を継承し発展させていきたいと思います。なぜなら、8.6兆円の託送料金への転嫁は「2020年4月施行」であり、福島原発廃炉費6兆円の捻出策については未だ検討段階にあるからです。また、放射能汚染と原子力災害は世代を超えて続き、福島事故は未だ収束していないからです。これからも損害賠償費や廃炉費見積もりは膨れあがり、さまざまな矛盾と軋轢を生み出すことでしょう。そのたびに、私たちは原点に立ち返り、東電と国のフクシマ事故の責任を追及し、原発推進の東電を支えた株主と金融機関の責任を問い、電力消費者と国民への負担転嫁を許さない闘いを粘り強く進めていきたいと思います。そのために、この運動で明らかにした成果をもう少し詳しく整理しておきます。

託送料金の不都合な真実

一般負担金「過去分」は民法・商法違反

一般負担金「過去分」は東電・電力の負担軽減に
一般負担金は原子力事業者に納付義務
託送料金による「過去分」回収は商法・民法に違反

福島廃炉費6兆円で託送料金高止まりと送電網更新阻害

「託送料金高止まり」のための託送料金引下げ基準
「超過利潤」を「営業費用」に取り込む省令改定
「補正後乖離率の一定の比率」を-15%程度に?
東電優遇の「超過利潤隠し」を許すな!
送配電網の更新を妨げる廃炉費6兆円の捻出

廃炉会計制度は原発再稼働と40年超運転を促す

未償却原発資産の廃炉後回収が唯一の目的に
廃炉会計制度は3.8兆円の巨額投資の保険
閣議決定と経産大臣の判断で託送料金に

2017.11.10経産省への署名提出・交渉のまとめ

2017.11.10経産省交渉の記録

11・10交渉で「託送料金への原発コスト転嫁」の違法性を追及し、経産省令の撤回を求めよう!

福島事故関連費と原発コストを「電気の託送料金」に転嫁しないでください!
11・10交渉で「託送料金への原発コスト転嫁」の違法性を追及し、経産省令の撤回を求めよう!

呼びかけ:若狭連帯行動ネットワーク(事務局)、双葉地方原発反対同盟、原発の危険性を考える宝塚の会、日本消費者連盟関西グループ、関西よつ葉連絡会、安全な食べものネットワークオルター、サヨナラ原発福井ネットワーク、福井から原発を止める裁判の会、吹夢キャンプ実行委員会、福島の子供たちを守ろう関西、さよなら原発神戸アクション、さよならウラン連絡会、おかとん原発いらん宣言2011、原発ゼロ上牧行動、STOP原子力★関電包囲行動、とめよう原発!!関西ネットワーク、さよなら原発なら県ネット、地球救出アクション97、ヒバク反対キャンペーン、さよなら原発箕面市民の会、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西、環境フォーラム市民の会(豊中)、科学技術問題研究会、さかいユニオン、大阪自主労働組合、社民党福島県連合、フクシマ原発労働者相談センター、日本消費者連盟、原子力資料情報室

(呼びかけと公開質問状のpdfはこちら)

原発コスト8.6兆円の託送料金(電気の送配電線利用料金)への転嫁に反対する運動は重要な局面に来ています。損害賠償費のうち一般負担金「過去分」2.4兆円と原発廃炉費不足分等0.2兆円を託送料金へ転嫁するための経産省令は、パブコメを経て、9月28日に公布(官報掲載)されましたが、施行は2年半先の2020年4月1日です。廃炉費6兆円を回収するための「託送料金を高止まりにする基準」はまだ示されていません。
経産省のこれまでの論理は破綻しています。民法によれば「商品の代価に係る債権」は2年で消滅します。フクシマ事故損害賠償費の一般負担金「過去分」2.4兆円は、「1966~2010年の電気料金不足分」として算定されていますが、これを「債権」として回収するのは民法違反です。
「過去に原発の電気で恩恵を受けた皆さんに払って頂きたい」という経産省の理屈は通用しません。その商取引はずっと前に終わっていて、債権もすでに消滅しているのですから。
この2.4兆円は、電力会社が今後の原発原価に組み入れて電気料金で回収する以外にないのです。
原発を持たない新電力の託送料金に計上して回収するのは商法違反です。廃炉費不足金も含めて、「原発の電気を使わない電力消費者」に原発コストを請求するのは商法違反です。法律違反の経産省令は断じて認められません。
反対署名をさらに積み上げ、経産省を徹底追及し、撤回を求めましょう。
私たち29団体は6月28日、3万3,328筆の反対署名を提出し、追及しました。
その後も署名は増え、10月21日現在、3万8,563筆に達しています。
11月10日には署名を第4次提出し、署名に託された思いを背に、経産省を追い詰め、撤回を迫ります。ぜひ、ご参加下さい。
お手元の署名は至急、下記集約先へ送って下さい。

経済産業省への署名提出と関連する交渉
日時:2017年11月10日(金)13:30~14:30
場所:参議院議員会館B104会議室(地下)
(地下鉄丸ノ内線「国会議事堂駅前」下車歩5分)

参加希望者は事前に久保までご連絡下さい。当日は、参議院議員会館の荷物検査を経て、12時すぎにロビーへ集合し、事前会合(12:30~13:30)からご参加下さい。

紹介議員は、社会民主党の福島みずほ参議院議員にお願いしています。

 

遠方からの交渉参加者に交通費の半額をめどにカンパしたく1口500円で何口でも結構ですのでカンパをお寄せ下さい。(ただ今、カンパ残金は5万円余です。)
署名集約先:〒583-0007 藤井寺市林5-8-20-401 久保方
       TEL 072-939-5660 dpnmz005@kawachi.zaq.ne.jp
カンパ振込先: 郵便振込口座番号00940-2-100687
       (加入者名:若狭ネット)

 

若狭ネットニュース第168号を発行しました

第168号(2017/10/23)(一括ダウンロード2.4Mb
巻頭言-国民負担による東電救済と国の責任逃れを許すな!
11・10署名提出・交渉で、経産省に「福島事故関連費等8.6兆円の託送料金への転嫁」撤回を迫ろう!
(1)高レベル放射性廃棄物の地層処分反対!
原発再稼働をやめ、これ以上使用済核燃料を生み出すな!
(2)福島第一原発廃炉のための技術戦略プラン2017と中長期ロードマップにみる
原発重大事故によるすさまじい原子炉破壊と極めて高い放射線環境
東電に柏崎刈羽原発の運転資格はあるか? このリスクを冒しての原発再稼働を許せるか?

10月26日は「反原子力デー」です。今年も、関西電力本社へ申し入れに行きましょう!

日時:2017年10月26日午後4時
場所:関西電力本社ロビーに10分前に集合(大阪、四つ橋線「肥後橋」下車、歩10分)
呼びかけ:若狭連帯行動ネットワーク

関西電力株式会社 取締役社長 岩根 茂樹 様
10・26反原子力デーに際しての申し入れ 
若狭連帯行動ネットワーク

<巻頭言>

福島事故関連費8.6兆円の託送料金への転嫁反対

昨年11月から29団体の呼びかけで始めた「福島事故関連費と原発コストを『電気の託送料金』に転嫁しないでください!」の署名はいよいよ大詰めを迎えました。8.6兆円のうち、損害賠償費一般負担金「過去分」2.4兆円と原発廃炉費積立不足金・未償却資産の6基分0.2兆円を託送料金へ転嫁するための経産省令は9月28日に公布されましたが、その施行は2020年4月1日です。これについては、民法・商法違反の新たな重大な事実と矛盾が判明しましたので、これを徹底追及すれば、まだ撤回させられます。また、廃炉費不足分6兆円を捻出するための「東電管内の託送料金を高止まりにする基準」はまだできていません。送配電網の更新が今の5倍に増えるこの数十年間に託送料金を高止まりにするのは無謀です。これらの矛盾点を徹底追及し、2020年からの「8.6兆円の託送料金への転嫁」の撤回を求めましょう。そのため、11月10日には経産省への第4次署名提出・交渉を行います。ぜひ、ご参加下さい。10月23日現在、署名数は累計で3万8,583筆に達しています。「10月末第4次締切り」で進めている現在の署名は今回、最終提出します。お手元の署名は、交渉日に間に合うよう、11月8日までに署名集約先(1ページの久保宛)まで送って下さい。

福島事故関連費21.5兆円の国民負担を許すな!

福島事故関連費は21.5兆円に達しましたが、その大半は電気料金や税金で国民に転嫁されようとしています。国は「東電救済にはしない」と言いながら、また、「損害賠償費は東京電力と大手電力が相互扶助で負担し、廃炉費は東電が捻出する」と巧妙に見せかけて、実は、そのほとんどすべてを国民に転嫁する仕組みが着々と作られ、実施されてきました。
ところが、福島事故関連費が11.5兆円から21.5兆円へ倍増し、2020年度には発送電分離で電気料金の「総括原価方式」がなくなりますので、この仕組みも変更を余儀なくされています。そこで、目をつけられたのが「託送料金」(送配電網利用料金)です。託送料金については2020年度以降も「総括原価方式」による規制料金が残りますので、これを悪用し、損害賠償費の一部を託送料金の「原価」に潜り込ませたり、東電管内の託送料金を高止まりにして東電の送配電事業者に超過利潤が出やすい仕組みを作って廃炉費を捻出させようというのです。私たち29団体が署名で撤回を求めている仕組みがこれです。
この仕組みは、5月に策定された東電再建計画=「新々・総合特別事業計画」の根幹に位置づけられ、「福島第一原発の廃炉のための技術戦略プラン2017」(原子力損害賠償・廃炉等支援機構,2017.8.31)や「福島第一原発の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」(廃炉・汚染水対策関係閣僚会議,2017.9.26)の前提である廃炉費捻出の根幹をなしています。逆に言えば、今回の仕組みができれば、東電も国も事故の責任を全くとらないまま、国民負担による東電救済が淡々と進められてしまいます。あろうことか、東電は柏崎刈羽原発の再稼働で福島第一原発の廃炉費をさらにカバーし、低迷する株価を過去最高レベルまで引き上げ、国の支配から脱却しようとしているのです。

矛盾だらけ法律違反の経産省の主張

私たちは、これまでに3月と6月に経産省と交渉し、今回の仕組みが法律違反であり、託送料金の原則に反することを明らかにし、撤回を求めてきました。
その成果の上に、今回の交渉では、新たに明らかになった事実や矛盾点に基づいてさらなる追及を行います。公開質問状で示した概略は以下の通りです。

その①:損害賠償費一般負担金「過去分」2.4兆円は、東京電力など電力会社に納付義務があり、電力消費者にはない!

「過去分」2.4兆円を託送料金に転嫁するのは、商法違反・民法違反です。
1966~2010年の電気料金に計上すべきだったとする一般負担金「過去分」の請求は、すでに完了した商取引であり、「過去に原発の電気を使ったのだから払ってください」とする債権取り立て請求は成り立たちません。民法ではこのような債権は2年で消滅します。過去に原価算定を誤っていたとしても、それは「過去の債権」としてではなく、「これからの原発の原価」に計上して回収すべきものです。他の商品では通常、そのように扱われています。
経産省も、「元来、合理的に算定できない時点では回収していなかったものも、費用の発生が明らかになった時点で、その時点の料金原価として算入するという考え方を採って」いるとしているのですから、一般負担金「過去分」の請求は、「債権の回収」ではなく、これから原発の電気を購入する消費者に請求すべきです。にもかかわらず、原発をもたない新電力と契約した電力消費者からも託送料金の原価に計上して回収するのは商法違反です。
また、損害賠償費は5.4兆円から7.9兆円へ2.5兆円増えていますが、当初の一般負担金(5.4兆円から東電の特別負担金を除く)は電気料金の原価として原発の電気を買う消費者から回収される一方、今回の一般負担金「過去分」2.4兆円は託送料金の原価として原発の電気を買わない消費者から回収されるという食い違いが生じています。どちらも、これまで通りに、電気料金の原価として原発の電気を買う消費者から回収すべきです。そうでなければ、新電力契約者は、これまでの一般負担金については支払う必要がないのに、「過去分」については支払う義務を課せられることになります。
実は、損害賠償費の増分2.5兆円は、東電に1.2兆円(特別負担金0.67兆円、一般負担金0.53兆円)、大手電力に1.0兆円(一般負担金)、新電力に0.24兆円(一般負担金)が割り振られています。つまり、一般負担金の増分は合計1.8兆円ですが、一般負担金「過去分」2.4兆円は、これより0.6兆円多いのです。
この分が、東電と大手電力の当初の一般負担金を軽減する仕組みになっているのです。何と姑息な!
そもそも、損害賠償費を電気料金の原価として回収するのも、おかしな話です。事故を起こした東電に責任をとらせて、東電を破産処理し、東電役員による私財提供や株主・金融機関の債権放棄を行わせれば、現状でも9兆円相当の資金を捻出できます。
これを損害賠償費や廃炉費にあて、不足分を累進課税で賄えばすっきりするのです。

その②:福島原発廃炉費6兆円は、東電管内の「託送料金」高止まりで回収、これでは「今の5倍以上かかる古い送配電網の更新」ができなくなる!

経産省は、「実際に託送料金が高止まりしないための措置を講じる予定です」としています。しかし、東電管内の託送料金を高止まりにしないと、廃炉費6兆円に相当する2千億円程度の超過利潤を毎年捻出することは不可能です。
鉄塔・架線など耐用年数が50~30年の送配電網の更新は待ったなしです。鉄塔は2015年末で24.8万基になります。今の年1千基の更新ペースでは全更新に200年以上もかかってしまいます。50年サイクルで更新するには毎年5千基、今の5倍増にしなければ追いつきません。託送料金は2倍にも跳ね上がる可能性があり、廃炉費を毎年2000億円レベルで捻出するのは不可能です。
廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議で9月26日に了承された「東京電力HD福島第一原発の廃止措置に向けた中長期ロードマップ」(第4回改訂版)では、1~3号使用済核燃料取出が3、4年繰り延べられ、第3期(燃料デブリ取出開始~廃止措置完了)も開始時期がずれ込み、期間が長引くのは避けられません。燃料デブリ取出・輸送費に限っても6兆円をはるかに超える可能性が高く、全デブリ取出の可能性も不確かです。

その③:廃炉費積立不足金等は、電力会社のコストなのに原発を持たない新電力からも「託送料金」で回収するのは筋違い!

廃炉会計制度による廃炉費積立不足金と廃炉時未償却資産は、現在、原子力事業者の原発コストに計上され、新電力契約者からは回収されていません。
しかし、2020年度以降、新電力契約者からも回収されます。この原発コストは、「すべての消費者から広く公平に負担すべきとする制度」に含めること自体おかしいのです。託送料金に転嫁すべきものではありません。
廃炉会計制度は、高浜1・2号や美浜3号のように巨額の対策工事費を投じて再稼働できなかった場合や再稼働後早期に廃炉になった場合に、未回収資産を回収できる制度となります。
これでは、事実上、40年超運転を促し、「合理的な廃炉判断を歪め、円滑な廃炉の実施に支障を来している」ことになり、許せません。

原発再稼働の前に福島第一原発の現実を見よ!

福島事故関連費は現時点で21.5兆円ですが、放射能汚染と原子力災害は続いており、福島第一原発の廃炉作業も今まさに進行中であり、「収束」などしていません。中長期ロードマップや技術戦略プランをみれば、炉心溶融事故を起こし破壊された福島第一原発の現状はすさまじいものであり、汚染水対策も燃料デブリ取出も困難を極めています。この現実を踏まえれば、損害賠償・除染費等はさらに膨れあがり、廃炉費も天井知らずになる可能性があります。それだけではありません。福島第一原発1~3号のプールに残る燃料取出や原子炉圧力容器を貫通して格納容器へ落下した燃料デブリの取出は、極めて高い放射線のため、技術的にも難度が高く、事故発生時の緊急時作業を超える労働者被曝が避けられないのです。
たとえば、4号の貯蔵プールにあった使用済燃料はすでに取り出され、総被曝線量は約1人シーベルトでした。その作業環境は1時間あたりマイクロシーベルト単位でしたが、1~3号では、1時間あたりミリシーベルト単位、1千倍もの高線量での作業が強いられます。事故時の緊急時作業従事者1.96万人の2011年3~12月の総被曝線量が240人シーベルトですので、これと同等、もしくはこれ以上になる可能性があるのです。福島第一原発では2011年3月11日の事故発生時から2017年6月までの労働者総被曝線量は659人シーベルトに達しており、緊急時作業従事者の総被曝線量240人シーベルトの2.7倍にもなっています。プール燃料取出から燃料デブリ取出に進めば、一体どれだけの労働者被曝がもたらされるのでしょうか。恐ろしくなります。後のページで述べるように、技術的にも燃料デブリを取出すのは困難を極め、不可能に近いとも言えます。これほどの深刻な原子炉破壊が現にもたらされているのです。
ひとたび重大事故を起こせば、取り返しのつかない原子力災害がもたらされるだけでなく、破壊された原発の収束作業も高線量被曝が伴い、技術的にも不可能に近い。「避難計画があれば安心」、「ベントを設置すれば大丈夫」とはいかないのです。

エネルギー基本計画を見直し、脱原発への転換を

原発を再稼働する前に、原発重大事故の架空のリスクを弄するのではなく、現に目の前にある、フクシマ事故がもたらした深刻な現実を直視すべきではないでしょうか。このような現にある原子力災害と破壊された原発を放置したまま、さらなる重大事故のリスクを冒すのは無謀としか言いようがありません。
フクシマ事故を契機として、ドイツ政府は原発回帰から脱原発政策へ転換し、欧米では再生可能エネルギーへ一斉にシフトしています。ところが、日本政府は、原発を重要なベースロード電源と位置づけ、原発の再稼働をプッシュし、「2030年に原子力22~20%」の目標を変えようとはしていません。それどころか、2050年の長期計画では原発新増設の余地を残そうとしています。そればかりか、パリ協定の趣旨に反して、石炭火力もベースロード電源と位置づけて設置を認め、26%にまで増やし、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを20~22%に留めておこうとしています。時代遅れのエネルギー政策にしがみついているのです。
その根底には、フクシマ事故を引き起こした東電を免罪し、救済し、そのことを通じて、国が責任逃れを画策していることにあります。その意味では、東電と国のフクシマ事故の責任を徹底して問うことが根本的に大事だと言えます。

高レベル放射性廃棄物の地層処分反対!

経産省は「科学的特性マップ」を7月に公開し、全国各地で説明に明け暮れています。しかし、どの自治体も「高レベル放射性廃棄物の深地層処分」を受け入れようとはしていません。むしろ、拒否声明や拒否決議が相次いでいます。「高レベル放射性廃棄物を生み出しながら、その処分先を探すというやり方は間違っている」と日本学術会議が指摘して久しいですが、政府は一貫してこの提言を拒み、あくまで処分先を作って、そこへドンドンと運び込むことを狙っています。これでは誰も納得できないでしょう。
厄介ものの処分場ができれば、「厄介ものをドンドン生み出して処分場へ送り込む」という政策が野放しになります。「厄介ものを出さない」という政策が打ち出されない限り、この問題は解決に向けて一歩も進まないのです。
幸か不幸か、六カ所再処理工場は適合性審査が中断され、竣工は先送りになりました。高速増殖炉「もんじゅ」における日本原子力研究開発機構と同様に、建設主の日本原燃も余りにもずさんな管理をしていて、注意しても直らない状態だったからです。高速増殖炉「もんじゅ」を廃炉にし、プルトニウムが過剰に蓄積し、かつての「再処理の意義」が失われている今、脱再処理へ転換すべきです。
国民の過半数が原発再稼働に反対であり、原発なしでも電力は余っています。原発を再稼働すれば、行き先のない使用済燃料が次々と生み出され、負の遺産として蓄積されます。このような現世代の無責任な政策はやめるべきです。使用済燃料を含めて高レベル放射性廃棄物の深地層処分を行うことが現世代の責任なのではなく、高レベル放射性廃棄物の元になる使用済燃料そのものを生み出さないことこそが現世代の責任なのです。

これ以上、使用済み燃料を増やすな!

原発のプール内の使用済燃料を「安全のために乾式キャスク貯蔵へ早く移すべきだ」という議論があります。これは科学的に間違っています。原子炉から取出された使用済燃料は崩壊熱が高く、プールで冷やすしかありません。5~10年ほど冷却すれば2~3kW/tU程度に下がって、プールの水が抜けても自然冷却できるようになりますが、この状態にならないと乾式キャスク貯蔵へは移行できないのです。欧米では、プールの管理容量に近づいたら、十分冷えた使用済燃料から乾式キャスク貯蔵へ移行させています。つまり、燃料交換用にプールを空けるために乾式キャスク貯蔵が使われているのです。5~10年冷却後の2~3kW/tUは「成人の発熱量約2W/kg(体重)」と同程度です。このレベルまで下がれば、プール冷却と乾式キャスク貯蔵とで冷却失敗事故のリスクは大差ありません。「安全のため」ではなく「プールを空けるため」に乾式キャスク貯蔵が利用されていることを忘れてはいけません。
生み出された使用済核燃料や高レベル放射性廃棄物による放射能汚染の危険性は何万年も続き、火山・地震国である日本では、たとえ地下深くに埋設しても、忘れた頃に生活環境へ浸出してくるのは避けられません。可能な限り安全な形で隔離管理し、見える形で次世代へ引き継いでいく以外にないのです。何よりもまずやるべきことは、使用済核燃料をこれ以上生み出さないこと、原発の再稼働を中止することです。

 

経産省に「託送料金への原発コスト転嫁反対」の公開質問状を提出

本日(2017年10月5日)、「託送料金への原発コスト転嫁反対」署名提出に際しての公開質問状を経産省へ提出しました。
衆議院選挙(10月10日公示、22日投票)が急に入ったため、署名の提出・交渉は11月初旬になりますが、パブリックコメントへの回答を踏まえて下記の公開質問状を提出し、11月10日までの経産省の都合良い日を選ぶように求めています。
署名は6月28日の提出以降も増え続けており、10月5日現在累計3万6千筆強に達しています。
10月31日が第4次締切ですので、今回の署名提出・交渉に間に合うよう、早めに久保(連絡先は署名用紙に記載)までお送り下さい。

呼びかけ団体:若狭連帯行動ネットワーク(事務局)、双葉地方原発反対同盟、原発の危険性を考える宝塚の会、日本消費者連盟関西グループ、関西よつ葉連絡会、安全な食べものネットワーク オルター、サヨナラ原発福井ネットワーク、福井から原発を止める裁判の会、吹夢キャンプ実行委員会、福島の子供たちを守ろう関西、さよなら原発神戸アクション、さよならウラン連絡会、おかとん原発いらん宣言2011、原発ゼロ上牧行動、STOP原子力★関電包囲行動、とめよう原発!!関西ネットワーク、さよなら原発なら県ネット、地球救出アクション97、ヒバク反対キャンペーン、さよなら原発箕面市民の会、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西、環境フォーラム市民の会(豊中)、科学技術問題研究会、さかいユニオン、大阪自主労働組合、社民党福島県連合、フクシマ原発労働者相談センター、日本消費者連盟、原子力資料情報室
(事務局連絡先:〒591-8005 堺市北区新堀町2丁126-6-105 若狭ネット資料室 長沢啓行)

2017年10月5日
経済産業大臣 世耕 弘成 様

「託送料金への原発コスト転嫁反対」署名提出に際しての公開質問状

(公開質問状のpdfはこちら)

私たちは、「福島事故関連費と原発コストを『電気の託送料金』に転嫁しないでください」の署名3万3,328筆(累計)を6月28日に第3次提出し、担当職員と意見交換しました。その後、電気事業法施行規則改定案と廃炉等積立金管理業務省令案が提示され、1ヶ月間のパブリックコメントを経て、9月15日に回答が出されました。しかし、回答の内容は新味に乏しく、説得力に欠け、到底納得できません。また、廃炉費6兆円を捻出するための「託送料金高止まりの基準」は未だに示されていません。「福島事故関連費と原発コストの託送料金による回収」に反対する声は着実に広がっており、署名はその後も続々と集まってきています。つきましては、署名を第4次提出し改めて意見交換したく、ここに今回のパブコメ回答を踏まえた公開質問状を提出致します。署名提出・意見交換の日時については、衆議院議員選挙も考慮して10月30日~11月10日の間で、担当者出席のうえ十分質疑可能な午後1時半~3時とし、経済産業省の方でご指定ください。

<質問事項>

1.損害賠償費一般負担金「過去分」について
(1)商法違反・民法違反ではないか?
商法第502条三項には「電気又はガスの供給に関する行為」を「営業としてするときは、商行為とする。」と記され、民法第173条には「次に掲げる債権は、二年間行使しないときは、消滅する。」と記され、その第一項に「生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価に係る債権」とあります。1966~2010年の電気料金に計上すべきだったとする一般負担金「過去分」の請求は、当時の代金に基づきすでに完了した商取引に関するものであり、「当時の代金の未収分に関する債権」はそもそも存在しませんが、仮に未収分に係る債権が存在していたとしても消滅しています。そこで質問します。

(1a)一般負担金「過去分」を当時の電気料金の未収分=債権として回収するのは明らかに商法違反および民法違反だと私たちは考えますが、いかがですか。

(1b)過去の電気料金の過小算定が後日判明し、その分をそれ以降の電気料金に算入すること自体は許容されると言えます。ただし、一般負担金「過去分」の場合には、電気料金原価の中の原発コストの増分として回収すべきであり、託送料金の中に「ユニバーサル料金」と見なして算入するのは、原発の電力を受電しない消費者(商取引のない消費者)に原発のコストを強制的に負担させるものであり、商法違反だと私たちは考えますが、いかがですか。

(1c)施行規則パブコメ回答No.79では、「規制料金の下では、一般的な商取引のように将来に追加的な費用が発生するリスクを勘案し、あらかじめその費用を回収することは認められておらず、料金の算定時点で現に発生している費用等、合理的に見積もられたもののみを原価に算入することを認めるという運用を行ってきました。このため、元来、合理的に算定できない時点では回収していなかったものも、費用の発生が明らかになった時点で、その時点の料金原価として算入するという考え方を採っており、今回の措置に御指摘の問題があるとは考えておりません。」としています。この回答でも「その時点の料金原価として算入する」としており、「債権の回収」という考え方を取っていません。これは上記質問(1a)には「イエス」と回答し、質問(1b)の「電気料金原価の中の原発コストの増分として回収すべき」という点については「イエス」と回答するものだと私たちは考えますが、いかがですか。

(1d)結局、原発コストを「料金原価」として回収すべきところ、今回の「電気事業法施行規則」改定案では、託送料金の「ユニバーサル料金」として「商取引のない消費者にも負担させる」ことになっており、明らかに商法違反だと私たちは考えますが、いかがですか。もし、商法違反ではないと主張するのであれば、原発コストの一部である一般負担金「過去分」を「ユニバーサル料金」として託送料金へ転嫁できるという法的根拠を示して下さい。
私たちの資料請求への経産省回答(2017.4.6)では、「託送料金については、電気事業法上、送配電網の維持・管理にかかる費用などに加え、離島の発電費用を含むユニバーサルサービス料金など、『全ての消費者が広く公平に負担すべき費用』を含めることができる制度となっております。」「今回の議論は、あくまで今後の託送料金の原価にどのような費用の算入を認めるかというものであり、何らか商法上の問題が生じるとは考えておりません。」とされていますが、電気事業法には「離島ユニバーサルサービス調整制度」の規定はあるものの、公租公課とは異なる原発コストのような個別の料金原価をユニバーサル料金として託送料金に原価として計上できるという規定は存在せず、法的根拠のない無理な拡大解釈だと私たちは考えますが、いかがですか。

(1e)「過去分」以外の一般負担金(5.4兆円の損害賠償金のうち東電の負担する特別負担金以外のもの)はこれまで通り、原子力事業者の原発コストの中に計上され、「託送料金以外の電気料金」として回収され、新電力契約者からは今後も回収されません。他方、一般負担金「過去分」2.4兆円については託送料金に計上され、2020年度以降、40年にわたって、新電力契約者からも回収されます。つまり、新電力契約者は、原子力事業者に現在課されている一般負担金については支払う必要がなく、一般負担金「過去分」については支払う義務を課せられることになります。ところが、一般負担金も一般負担金「過去分」も「その時点での料金原価」であり、両者に料金原価としての差異はありません。両者を回収法において区別できるという法的根拠を説明して下さい。

(2)一般負担金「過去分」2.4兆円は、東電と大手電力の負担軽減に使われるのでは?
第6回東京電力改革・1F問題委員会(2016.12.9)参考資料では、損害賠償費が5.4兆円から7.9兆円へ2.5兆円増えています。そのため、新たな負担分として、東京電力に1.2兆円(特別負担金0.67兆円と一般負担金0.53兆円)、大手電力に一般負担金1.0兆円、新電力に一般負担金0.24兆円が課されています。ところが、特別負担金の増分0.67兆円を除く一般負担金の増分は約1.8兆円弱であり、一般負担金「過去分」2.4兆円はこれより0.6兆円強も多いのです。この分が当初の損害賠償費5.4兆円のうち一般負担金約4.1兆円(東電1.4兆円と大手電力2.7兆円)の減額=負担軽減に使われるのではないかと私たちは疑っています。そこで質問します。

(2a)私たちの資料請求への経産省回答(2017.4.6)では、一般負担金「過去分」2.4兆円の割当は、東電約0.8兆円、大手電力約1.4兆円、新電力0.24兆円となっており、これらは2020年度以降、託送料金として新電力契約者を含む全消費者(沖縄電力管内を除く)から回収され、この割合で東電と大手電力に譲渡されます。新電力のシェアが想定の10%から増えて、新電力分の0.24兆円を超えても、その超過分は東電と大手電力にそれぞれの管内での託送料金に含まれますので、事実上、東電と大手電力への譲渡金額はほとんど変わらないと考えられます。すると、東電は1.4兆円から0.53兆円増額のところ、0.3兆円弱の減額(=0.53兆円-0.8兆円)、大手電力は2.7兆円から1.0兆円増額のところ、約0.4兆円の減額(=1.0兆円-1.4兆円)になります。これに相違ありませんか。

(2b)施行規則パブコメ回答No.25では、「2011年の機構法制定当時、同法に基づく一般負担金について、規制料金が続くことを前提に電気料金に転嫁し、消費者から広く薄く公平に回収するということを決定しました。しかし、自由化の進展に伴って新電力への切り替えが進んでいることを受けて、『福島を支える』という観点や、新電力へ切り替えた方々を含め原子力の電気を広く消費者が利用していた実態があること等も勘案し、消費者間の公平性の観点から、託送制度を利用した、公平な回収措置を講じることといたしました。」としています。しかし、質問(2a)で指摘したように、一般負担金「過去分」の託送料金としての回収によって、東電と大手電力の一般負担金はそれぞれ0.3兆円弱と約0.4兆円が減額され、新電力だけが新たに0.24兆円を負担させられます。「公平な回収措置」の結果、東電や大手電力を優遇し、新電力に新たな負担を強いる結果になっていますが、それに相違ありませんか。

(2c)東北電力の東通1号と女川3号、東京電力の柏崎刈羽1号と福島第二原発3・4号、北陸電力の志賀2号、日本原電の敦賀・東海については複数の電力会社で「共同開発」(各電力会社の供給力に算入して受電・購入契約を締結)しており、複数の一般送配電事業者を通って送電されるため、託送料金が複数課され、一般負担金「過去分」も複数課されることになります。このようなケースについて、施行規則パブコメ回答No.28では「当該原子力発電事業者から受電していた旧一般電気事業者の供給区域に応じて、各一般送配電事業者に按分されることになります。」としていますが、これは100万kWを1/2ずつ受電する場合、一般負担金「過去分」の100万kW相当分を1/2ずつ一般送配電事業者に按分するという意味だと私たちは考えますが、いかがですか。
これらの複数の一般送配電事業者を経由して送電される場合、それぞれに対して託送料金が発生し、その都度、一般負担金「過去分」が回収されるため、一般負担金「過去分」の過剰な回収になるのではありませんか。このような矛盾は一般負担金「過去分」を託送料金で回収するところから来るものであり、一般負担金「過去分」を託送料金で回収するのではなく、これまで通り、新電力には課さず、小売事業者の電気料金として回収すべきだと私たちは考えますが、いかがですか。

(3)そもそも、東電を破産処理すべきでは?
今回のパブコメ意見でも、その多くが、東電の責任で損害賠償すべきであり、それが不可能なら東電を破産処理し、東電役員、株主、金融機関にも私財提供や債権放棄などで責任をとらせ、国会で十分議論すべきだと指摘しています。そこで質問します。

(3a)施行規則パブコメ回答No.8では「仮に東電を破綻させ、法的整理を行った場合、破綻処理により資産を売却しても多額の売却益を見込めない」としていますが、東電役員による私財提供や株主・金融機関の債権放棄を行わせれば、現状でも9兆円相当の資金を捻出できると私たちは考えますが、いかがですか。

(3b)施行規則パブコメ回答No.8では続けて「東電が将来の収益をもって責任を果たすべき廃炉・汚染水対策や賠償の費用相当が国民負担となります。また、国が出資した東電株も無価値化するため、結果的に国民負担が増加することとなります。」としていますが、今回の電気事業法施行規則改定案と廃炉等積立金管理業務等省令案などは、以下の通り、東電救済のために8.6兆円を託送料金へ転嫁する「国民負担」の仕組みそのものだと私たちは考えますが、いかがですか。
一般負担金「過去分」2.4兆円は、納付義務のある原子力事業者が自らの経営努力で賄うべきであり、託送料金を介して、納付義務のない電力消費者から強制的に回収し、また、原発とは無縁な新電力契約者からも回収するのは新たな「国民負担」そのものだと私たちは考えますが、いかがですか。
これらを立替えるための13.5兆円の交付国債(損害賠償7.9兆円、除染4兆円、汚染土等中間貯蔵施設1.6兆円)は銀行からの借金で運用されており、その利子は一般会計から賄われています。2016年度の利払いは132億円に上り、これまでに325億円、今年度予算で400億円が利払勘定(原子力損害賠償支援資金)に追加され、累計725億円に上ります。本来、東電破産処理で債権放棄させるべき金融機関であるにもかかわらず、損害賠償資金等貸付で儲けさせるのは新たな「国民負担」の仕組みの結果だと私たちは考えますが、いかがですか。しかも、政府は帰還困難区域の除染費等(今年度事前調査費で309億円、累計数兆円に上る)を東電に求償せず、税金で賄う方針ですが、これも新たな「国民負担」だと私たちは考えますが、いかがですか。
廃炉費不足分6兆円は、東電が自らの責任で賄うべきであり、それが不可能なら東電を破産処理し金融機関等の債権放棄で9兆円程度を回収し、不足分は原発で潤った原子力メーカーや電力多消費企業等への課税や富裕層中心の累進課税で賄うべきです。にもかかわらず、東電管内での託送料金高止まりの特別措置や柏崎刈羽原発再稼働などによって捻出しようとするのは新たな「国民負担」そのものだと私たちは考えますが、いかがですか。
廃炉会計制度に関する原発コスト0.2兆円は、関西・中国・四国・九州の各電力と日本原電がこれまで通り電気料金から賄うべきであり、託送料金を介して強制的に回収し、また、原発とは無縁な新電力との契約者からも回収するのは新たな「国民負担」そのものだと私たちは考えますが、いかがですか。

2.福島原発廃炉費について
(1)託送料金高止まりによる利潤確保ではないか?
廃炉等積立金パブコメ回答No.7では「託送料金の値下げ命令の対象としない東京電力パワーグリッドについては、本基準とは別途、託送料金を高止まりさせないための措置を講じる予定です」とし、廃炉等積立金パブコメ回答No.16では「託送料金が高止まりすることがないよう、東電に対しては、福島事故関連の資金を捻出するのみにとどまらず、消費者還元も生み出すような最大限の合理化を求めることとし、また実際に託送料金が高止まりしないための措置を講じる予定です」としています。しかし、東電管内の託送料金を高止まりにしないと、廃炉費6兆円に相当する2千億円程度の超過利潤を毎年捻出することは不可能です。そこで質問します。

(1a)廃炉等積立金管理業務等省令案では、託送料金の営業費用に「廃炉等負担金」、営業利益に「廃炉等負担金収益」を項目として挙げることにしていますが、これらは託送料金の原価ではなく、廃炉等積立金パブコメ回答No.7でも認めているように、この省令案だけでは託送料金から廃炉費6兆円を回収することはできません。託送料金を高止まりにさせるためには、「電気事業法に基づく経済産業大臣の処分に係る審査基準等」(20170605資第46号)の「第2 処分の基準」「(14)第19条第1項の規定による託送供給等約款等の変更の認可の申請命令」を出す基準を変更する必要があります。現在は、「(1)託送供給等約款が、物価の大幅な変動や需要構成の著しい変化があるなど社会的経済的事情の変動により著しく不適当となり、公共の利益の増進に支障があると認められる場合、(2)当期超過利潤累積額が一定水準額を超過している場合、(3)補正後乖離率が一定の比率(マイナス5パーセント)を超過している場合」が列挙されていますが、この基準をどのように変えるつもりですか。具体的に説明して下さい。その際、他の送配電事業とは別に、東京電力パワーグリッドだけに特別な巨額の超過利潤取得を認めること(事実上の東電による独占価格の設定)が許されるという法的根拠を示して下さい。
廃炉等積立金パブコメ回答No.16にある「実際に託送料金が高止まりしないための措置」とは上記基準の変更を指しているのですか。それとも、他の「措置」があるのなら、それを具体的に説明して下さい。

(1b)これほど重大な基準の改定が国民の目の届かないところで秘密裏に行われるのは許せません。基準変更の議論はいつ、どこで行われ、変更案の国民への提示はいつ、どのように行われる予定ですか。電力・ガス取引監視等委員会などで検討される予定はあるのですか。それとも、経産省内だけで一方的に決められるのですか。パブコメ意見の多くで指摘されているように、原発コスト8.6兆円の託送料金による回収については、国会の場で慎重に議論すべきだと私たちは考えますが、いかがですか。

(2)今の5倍が必要な送電網更新を妨げないか?
託送料金の原価の大半は減価償却費であり、鉄塔・架線など耐用年数が50~30年の送配電網の更新が待ったなしです。鉄塔は1960年代後半から大増設され、2015年末で24.8万基になりますが、今の年1千基の更新ペースでは全更新に200年以上もかかってしまいます。50年サイクルで更新するには毎年5千基、今の5倍増にしなければ追いつきません。この減価償却費急増を考慮すれば託送料金は2倍にも跳ね上がる可能性があり、廃炉費を毎年2000億円レベルで捻出するのは不可能に近いといえます。無理をすれば送配電網の更新が繰り延べされ、送配電トラブルが頻発し、大停電が起きる可能性もあります。このような現状で、廃炉費6兆円を託送料金で賄うのは無謀です。そこで質問します。

(2a)耐用年数ベースで送配電網を更新する場合、託送料金に占める減価償却費がどの程度増えると経産省は試算しているのですか。

(2b)送配電網の5倍以上のペースでの更新を考慮した場合、託送料金は実際に値上がりし、さらに毎年2千億円相当の超過利潤を捻出するには託送料金の高止まりが避けられないのではありませんか。そうならないという保証は一体どこにあるのですか。

(3)廃炉費は6兆円をはるかに超えるのでは?
廃炉費不足金6兆円は、米国スリーマイル島原発炉心溶融事故の燃料デブリ取出・輸送費約10億ドルに基づき、燃料デブリ量が6倍、高線量環境による遠隔操作の必要性から5倍、30~40年間の物価上昇で2倍、計60倍で約600億ドルと見なした結果です。原子力損害賠償・廃炉等支援機構による「東京電力HD福島第一原発の廃炉のための技術戦略プラン2017」(8.31)によれば、気中・横アクセス方式による格納容器下部のデブリ取出も困難を極め、圧力容器内部のデブリは気中・上アクセスで行うしかないものの難度が高く、格納容器下部ペデスタル外のデブリ取出はさらに難度が高いとされています。廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議で9月26日に了承された「東京電力HD福島第一原発の廃止措置に向けた中長期ロードマップ」(第4回改訂版)では、1~3号燃料プールからの使用済核燃料取出が3年繰り延べられ、第3期(燃料デブリ取出開始~廃止措置完了)も開始時期がずれ込み、期間が長引くのは避けられません。燃料デブリ取出・輸送費に限っても6兆円をはるかに超える可能性が高く、全デブリ取出の可能性も不確かです。そこで質問します。

(3a)6月28日の私たちとの意見交換では、福島第一原発の放射性廃棄物処分費を含めた廃炉費について「現時点で総額いくらかかるのか見積もりを示すことは困難です」と回答されましたが、政府は燃料デブリ取出・輸送費だけで廃炉費不足分を6兆円と見積り、毎年2千億円を30年間かけて積立てることを想定しています。つまり、廃炉費不足分が6兆円を超えることは当然のこととして、廃炉に伴う放射性廃棄物処分費は第3期に移ってから東電が計画を策定し見積もるものと理解してよろしいでしょうか。

(3b)廃炉費不足分が6兆円を超えた場合、その分も託送料金高止まりによる超過利潤(事実上の独占利潤)で賄う予定だと理解してよろしいでしょうか。

3.廃炉に関する会計制度について
(1)原発コストはユニバーサルサービス料金か?
廃炉会計制度による廃炉費積立不足金と廃炉時未償却資産は、現在、原子力事業者の原発コストに計上され、規制料金契約者には「託送料金以外の電気料金」として回収され(自由料金契約者の電気料金から回収できる保証はない)、新電力契約者からは回収されていませんが、2020年度以降、新電力契約者からも回収されます。この原発コストは、託送料金におけるユニバーサルサービス料金とは無関係であるにもかかわらず、託送料金の原価として計上されようとしています。そこで質問します。

(1a)廃炉会計制度による原発コストは、「廃炉円滑化負担金」として託送料金の原価に算入されようとしていますが、施行規則パブコメ回答No.85では「電気事業法上、送配電網の維持・管理にかかる費用等に加え、ユニバーサル料金等『全ての消費者が広く公平に負担すべき費用』を含めることができる制度」の「趣旨に照らし」という以上の説明がありません。原発コストをなぜ「ユニバーサル料金」として「託送料金の原価」に計上できるのか、その法的根拠を電気事業法に沿って具体的に説明して下さい。

(1b)施行規則パブコメ回答No.82では、「ユニバーサル料金等」とは無関係に、「原発依存度の低減、廃炉の円滑な実施といったエネルギー政策の目的を達成するために必要な例外的な措置」だとしていますが、このような例外的な措置を導入できるという電気事業法上の法的根拠を説明して下さい。
すでに「使用済燃料再処理等既発電費」等が託送料金の原価に計上されていますが、2019年度で終わります。これも「例外的な措置」だったはずであり、今回も「例外的な措置」だというのなら、例外が通例になってしまうと私たちは考えますが、いかがですか。そうならない法的制限措置があるというのであれば、その法的規定を具体的に説明してください。

(2)廃炉になっても未償却資産を回収できる?
施行規則パブコメ回答No.82では「廃炉会計制度は、自由化により競争が進展した環境下においては、廃炉に伴って一括して巨額な費用が生じることにより、事業者の合理的な廃炉判断が歪んだり、円滑な廃炉の実施に支障を来し、原発依存度の低減が進まないといった懸念に対応するため、規制料金による費用の着実な回収を前提として措置したもの」だとしていますが、事実は違います。廃炉会計制度が導入されてから廃炉になった6基はいずれも小型で最も古い設計であり、巨額の対策工事を行っても投資効果に乏しいと判断された結果にすぎません。現に、高浜1・2号と美浜3号ではそれぞれ2千~3千億円もの工事費を注ぎ込んで40年超運転を行おうとしています。そこで質問します。

(2a)廃炉会計制度は、高浜1・2号や美浜3号のように巨額の対策工事費を投じて再稼働できなかった場合や再稼働後早期に廃炉になった場合に、未回収資産を回収できる制度と化しており、事実上、40年超運転を促し、「合理的な廃炉判断を歪め、円滑な廃炉の実施に支障を来している」と私たちは考えますが、いかがですか。

(2b)廃炉費は運転開始40年で回収する方針に変更されたため、廃炉費積立不足金は今後ほぼ発生せず、廃炉時未償却資産だけが対象になります。これは電力会社の原発に限ってその資産回収を支援する制度にほかなりません。このような制度を導入できるという電気事業法上の法的根拠はないと私たちは考えますが、いかがですか。もし、法的根拠があるというのなら、それを具体的に説明して下さい。
以上

› more