若狭ネット

福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

大阪連絡先 dpnmz005@ kawachi.zaq.ne.jp
若狭ネット資料室(室長 長沢啓行)
e-mail: ngsw@ oboe.ocn.ne.jp
TEL/FAX 072-269-4561
〒591-8005 大阪府堺市北区新堀町2丁126-6-105
日本原電が6月28日、公開質問状へ文書回答

日本原電が6月28日、公開質問状へ文書回答

 

日本原電は6月28日、若狭ネットの6月19日付公開質問状に対し文書回答を行いました。関西電力が一貫して文書回答を拒否している中で、日本原電が「2週間以内」という期限を守って文書回答してきたこと自体は高く評価できます。しかし、回答の中身は以下の通り、ひどいものです。日本原電は、「7月中は原子力規制委員会への報告書を作成するため、交渉日(口頭説明・質疑の日)を遅らせてほしい」と依頼してきましたので、7月末以降になると予想されます。日本原電との交渉に参加希望の方は事前にご一報ください。

✧ ✧ ✧

平成25年6月28日

若狭連帯行働ネットワーク 殿

日本原子力発電株式会社 敦賀地区本部長

公開貸間状へのご回答について

 浦底断層と敦賀2号原子炉直下の破砕帯に関する公開質問状(平成25年6月19日)につきまして、別添の通りご回答いたします。  なお、原子力規制委員会による敦賀発電所敷地内破砕帯評価に関する当社見解は、当社ホームページに掲載しておりますのでご参照下さい。

以 上

別 添

「浦底断層と敦賀2号原子炉直下の破砕帯に関する公開質問状」へのご回答について

ご質問1-1  日本原子力発電は活断層であることを認めず、審査段階でポーリング調査の結果が「意図的な解釈」だと問題にされ、2005年に原子力安全・保安院から試掘溝調査を指示され、「活発に動いている第1級の活断層」だと判明したとのことです。この審査段階で問題にされたボーリング調査の解釈は「専門家がやったとすれば犯罪に当たる」と言われるほどの判断だったようですが、それに間違いありませんか。

ご回答1-1  当社は、平成16年3月に、敦賀発電所3,4号機増設のための原子炉設置変更許可申請を行い、その審査の過程の平成17年2月、旧原子力安全・保安院(以下「旧保安院」という。)より、最近の文献等を踏まえ、敦賀発電所の敷地周辺の活断層に係るデータを一層拡充することによって安全審査に万全を期すために追加調査の指示を受けました。これを踏まえて、当社として最新の調査手法も用いて詳細な追加調査を実施し、平成20年3月に報告書を提出しております。

 旧保安院における審査内容について当社はお答えする立場にありません。

ご質問1-2  日本原子力発電が浦底断層を活断層だと認めるに至った経緯を具体的に説明してください。

ご回答1-2  平成17年2月の旧保安院からの追加調査指示に基づき、浦底断層に関する詳細なトレンチ調査を行い、その結果、約3万年前~約4,000年前の地層が浦底断層により変位・変形を受けていることが確認されたことから、その結果を平成20年3月に報告しています。

ご質問1-3  なぜ活断層だと自主的に判断できなかったのか、その理由について自社内で当然分析していると思いますが、その理由を説明してください。

ご回答1-3  浦底断層の評価については.敦賀発電所3,4号機の当初申請では2箇所のボーリング地点での群列ボーリング調査により評価できるものとしておりましたが、詳細なトレンチ調査結果により、新たな調査結果が得られたことから評価を見直したものです。

ご質問1-4  二度と同じ過ちを繰り過さないためにどのような措置をとったのか説明してください。

ご回答1-4  当社は常にその時点で最新の知見を反映すること等により、発電所の安全性・信頼性向上に努めてまいります。

ご質問2  ボーリング調査結果の意図的な解釈によって浦底断層を活断層ではないと見誤っていたことの反省が、敷地内破砕帯調査において、どのように生かされたのか、生かす努力をどのように行ったのか、具体的に説明してください。

ご回答2  当社としては、その都農、最新の調査手法、知見に基づく取り組みを行っており、今回の破砕帯調査においても、科学的なデータを得るための詳細な調査を進めております。

ご質問3  なぜ、5月までにデータを揃えることができなかったのか、その理由を説明してください。

ご回答3  敦賀発電所敷地内破砕帯の活動性評価に係る追加調査につきましては、平成24年4月に実施された旧保安院による現地調査での専門家による指摘を踏まえ、平成24年5月に追加調査計画を取りまとめ、調査に取り組んでおりました。

 しかしながらトレンチや大深度調査抗における調査に時間を要していること等から調査計画を平成25年6月末まで延長することを決め、平成25年2月に原子力規制委員会にご報告しております。また、3月には原子力規制委員会の有識者会合において、それまでにまとめられた調査結果についてご説明しております。

 6月末に調査を終了し、とりまとめた上で最終報告書を提出することは原子力規制委員会に再三に亘り報告しております。

ご質問4  原子力規制委員会有識者会合の個人宛に送った「厳重抗議」なる5月15日付文書は不穏当であり、不適切です。公に謝罪し、撤回すべきだと私たちは考えますが、いかがですか。

ご回答4  有識者会合の各委員への厳重抗議につきましては,有識者会合におけるこれまでの検討が、公平、公正さを欠いた議事運営により行われ、また、結論が客観的な事実やデータに基づいた科学的な判断となっていないことをこれまで再三に亘り問題視してきたにも拘わらず、先般報告書がまとめられました。

 当社としては、先般の報告書が当社の名誉及び信用、さらには事業の運営に重大な係りを持つものであるとともに、原子炉等規制法の規制権限の行使の一環で行われているものであることから、憲法で権利を保障されている事業者として当然のこととして問題点を指摘し抗議したもので、撤回するつもりはございません。

ご質問5-1  現時点で敦賀原発が廃炉になるとした場合、原子力施設解体引当金総見積額不足分(2012年度末)は敦賀2号で237億円、敦賀1号で38億円、東海第二で137億円、合計414億円になり、原発・核燃料資産簿価を特別損失計上した場合には、982億円の債務超過になり、日本原子力発電は破産することになります。その際には、浦底断層が活断層であることを意図的に隠してきた経営費任が問われることになりますが、一体どのように対処するつもりですか。

ご回答5-1  浦底断層が活動した場合の地盤変位については解析により検討し、発電所の重要施設の安全性に問題がない事を確認し、平成21年3月31日「敦賀発電所1,2号機耐震安全性評価結果 中間報告改定版」を旧保安院に提出しています。

 また、敦賀発電所2号機下にある破砕帯が活断層ではないということは、当社が行っている科学的な調査により確信しておりますので、当社としては敦賀発電所2号機の再稼動を目指しており、廃炉にするつもりは毛頭ございません。

ご質問5-2  敦賀原発の使用済核燃料について、その貯蔵・処理処分問題についてどのように対処するつもりですか。

ご回答5-2  敦賀発電所の使用済燃料については、適正な期間冷却の後、再処理工場等に搬出する予定です。

以上

このエントリーをはてなブックマークに追加

« »