2023年11月20日午後1時半~3時40分頃、福井県庁1階会議室で、福井県原子力安全対策課と交渉し、10月16日に提出していた公開質問状に基づき、関西電力が「2023年末までに中間貯蔵施設立地点を公表できない場合には美浜3号と高浜1・2号の運転を停止する」という約束を破ったにもかかわらず、それが4度目の約束違反であるにもかかわらず、それを容認し、3基の原発の運転停止を求めなかった福井県知事の責任を追及しました。
同交渉は、サヨナラ原発福井ネットと若狭ネットの呼びかけで、福井と関西から8名が参加し、新聞記者も数名が取材しました。
原子力安全対策課からは、吉田参事と内園主任の二人が対応し、公開質問状への回答は主に吉田参事が行い、質問項目6の関西電力による使用済燃料ピット満杯年の法令違反を前提とした過大算定については内園主任が回答しました。
「関電の『使用済燃料対策ロードマップ』受入れに関する公開質問状」に関する福井県交渉の映像(2023.11.20 福井県庁)
関電の「使用済燃料対策ロードマップ」受入れに関する公開質問状(2023年10月16日)
県原子力安全対策課の回答は、質問項目1には「国において確実に実施してもらう、国の責任で対応していくものと考える」、項目2には「仏での再処理実証計画に応じて必要があれば、積増しが検討される」、項目3には「国が前面に立って進め、関電が実行するよう指導する」、項目4には「現在も県外搬出を求めている、サイト内乾式貯蔵については事前了解願いが出れば総合的に考えていく」、項目5には「搬出量が決まっていない点は不十分だが、社長自ら先頭に立って進める、西村大臣は前面に立って進めると明言したので、全体として理解し、3基の運転継続を了解した」と、マスコミで報道された内容から一歩も出ませんでした。
項目6では、関西電力の主張をそのまま繰り返す説明に留まり、「使用済燃料プールに1炉心分の空きのない違法運転」や「廃炉になった美浜1・2号のプールの空きを美浜3号用に使う違法利用」に基づく過大算定である証拠を目の前に突きつけられ、うろたえながらも、「ご指摘の点は持ち帰って共有する」と言い逃れようとするなど、違法運転を前提とした過大算定を見抜けず、関電の説明に「納得」し「追認」してきた原子力安全対策課の責任を認めようとはしませんでした。このような姿勢で本当に職責を果たせるのでしょうか。
私たちは「2023年末までに中間貯蔵施設立地点を公表する」との関電の約束を守れない以上、3基の運転を停止すべきだと迫りましたが、聞く耳もたずでした。
質問項目1~5の内容はロードマップの実現可能性に関するものなので、その破綻は、すでにほぼ明らかではあるものの、実施できるかどうかはロードマップに記されたそれぞれの項目の期限が近づけば、一層明らかになるでしょう。私たちはこれからも追及の手を緩めず、継続して福井県の責任を追及し続けます。あわせて、質問項目6の違法運転を前提にした満杯年の過大算定についても、関西電力は元より原子力安全対策課の責任を含めて、今後も追及していきたいと思います。
交渉の最後の場面では、老人ホームからタクシーで駆けつけた参加者の一人が、「元福井県職員だから、参事や主任の立場はわかる、この場で指摘されたことを知事などに進言できるかどうかが問われている」と、自らの体験から切々と語られ、大きな拍手が起きました。
くわしくは、上の映像をご覧ください。