関西電力本社へ下記の共同申し入れを行いました。
関西電力広報部は対応を拒否したため、代わりに関西電力総務部が申し入れ文を受け取りました。関西電力本社広報部による私たち市民グループとの面談拒否は、2015年2月の公開質問状への回答拒否・面談拒否以来6年以上続いています。公益事業者として、断じて許せない対応です。
(申し入れpdfはこちら)
2021年10月26日
関西電力株式会社取締役・代表執行役社長
森本 孝 様
10・26反原子力デー 関西電力への申し入れ
<共同提出団体>
原発の危険性を考える宝塚の会
地球救出アクション97
ヒバク反対キャンペーン
若狭連帯行動ネットワーク
チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西
貴社は24年前から「できない空約束」を繰り返し、原発の延命を続けています。約束破りが当たり前の企業なのでしょうか。貴社は24年前の1997年、栗田福井県知事(当時)に「2010年までに中間貯蔵施設を建設する」と約束し、原発の使用済燃料プール増強計画を受け入れさせました。行き場のない使用済燃料の問題は1990年代半ばから焦眉の課題になっていましたが、貴社は実に24年前から空約束を繰り返してきたのです。昨年には「2020年内に中間貯蔵施設の候補地を示す」との福井県との3度目の約束を破り、原発延命工事を進め、原発を強引に再稼働し、使用済燃料を生み出し続けています。本当に企業の信頼を取り戻したいのならば、中間貯蔵施設の立地を断念し、使用済燃料をこれ以上生み出さないため、原発の運転を止めるべきです。
さらに、貴社は運転開始から40年を超えた美浜3号を7月に国内で初めて再稼働させましたが、10月23日には特定重大事故等対処施設の設置期限切れによる停止を余儀なくされました。わずか3ヶ月とは言え40年超運転の実績作りを優先させたのは言語道断であり、強く抗議します。美浜3号の使用済燃料ピットには廃止措置中の美浜1・2号の使用済燃料150体が保管されていましたが、これを2016年度にこっそり移送して、3号の燃料交換が4回までできるようにしています。ところが、貴社は「9年間は燃料交換が可能だ」と虚言を張っています。「1・2号機ピットの空き容量の3号用への転用」や「技術基準違反まがいの管理容量の定義変更」をしなければこのようなことは実現できず、福井県原子力安全対策課も私たちの主張を認め、市民に説明する場を持つよう貴社へ申入れています。貴社は、この疑問に真摯に応えるべく、公開説明会を開くべきです。
貴社の存亡に係わる「役員らによる金品受領問題」は、公表から2年がたちます。「風通しの良い会社になる手応えは感じている」と貴職は言いますが、果たしてそうでしょうか。社内外に不信感を募らせる貴社の不祥事が後を絶たないのはなぜでしょうか。たとえば、貴社は敦賀市道工事費名目で2018年度から敦賀市へ6.3億円を寄付し続けていますが、森山氏に係る金品受領事件を二度と繰り返さないため、立地自治体等への寄付金など一切の金品授受をやめるべきです。また、貴社は、昨年末から年初にかけ卸電力市場への売り入札量を意図的に減らしてスポット価格を暴騰させ、他方では、中部電力等とカルテルを結んで料金引き下げを妨害していました。このような電力市場での支配力行使を謝罪し、今後、新電力との相対取引や再エネ接続を妨害しないと約束し、業務優先、ルール軽視の体質を見直すべきです。
フクシマの原発重大事故は、原発がひとたび重大事故を起こせば、放射能汚染は広範囲・長期にわたり取り返しのつかないこと、そして事故の収束・廃炉作業は困難を極めることを示しています。大飯3号スプレー配管のひび割れ問題では、国の定期検査が廃止されたのを契機に、貴社はひび割れ放置運転を目論みましたが、原子力規制委員会から待ったをかけられ、配管取替えを余儀なくされています。安全性より企業利益を優先させる姿勢が何度も繰り返されているのは、貴社の企業体質が全く変わっていないからではありませんか。
まずは全ての原発の運転を停止し、処理処分のできない使用済燃料を今以上に増やさないことが先決です。これ以上、子々孫々に重大な負の遺産を押し付けないでください。今、貴社の為すべきことは、原発再稼働に血道を上げることではなく、「利益優先」「安全軽視」の体質から脱却し、「脱原発」「脱石炭」へ大転換し、再生可能エネルギーを推進することです。そのことが失った信頼を回復し、貴社の生き残る唯一の道です。
貴社は2015年2月以降、私たち市民からの公開質問状への回答も面談も拒否し続けていますが、私たちはこれに強く抗議し、公開質問状への回答と面談に応じるよう求めると共に、以下の通り、原発依存経営を抜本的に見直すよう強く申し入れます。公益事業者として責任ある態度で真摯に検討し対応されるよう求めます。