若狭ネット

福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

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10・26反原発デーの一環として関西電力本社へ申し入れました

10・26反原発デーの一環として関西電力本社へ申し入れました

10・26反原子力デーの一環として、全国各地で取り組まれている脱原発運動と連帯して、本日、関西電力本社へ申入れ行動を行いました。市民20名が駆けつけ、若狭連帯行動ネットワークをはじめ、ヒバク反対キャンペーン、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西、地球救出アクション97、STOP原子力★関電包囲行動、原発の危険性を考える宝塚の会などが申し入れ書を広報に手渡しました。
関西電力の広報は、この秋に交代したようで、これまでとは違い、非常に悪い対応でした。私たちは10月10日から広報と電話で7回以上事前折衝しましたが、ラチがあきません。「10月24日(金)午後4時から」にしてほしいと伝えると、「検討して返事します」と言いながら返事はなし。こちらから電話して、返事を督促すると、「24日はダメ」、「27日もダメ」で挙げ句の果てには「郵送してほしい」と言い出す始末でした。これまでは、曲がりなりにも約束したことは守ってきたのですが、今回は「返事をする」という約束を守らず、露骨に会いたくないとの姿勢を示し、遂には、「28日(火)午後4時半から5分間、申し入れ人は5名以内」という全くひどい条件を突きつけてきました。
私たちは開始時刻については了承しましたが、「5分で5名以内」という条件は到底のめないと伝えた上で、申し入れに臨みました。その結果、当日は、20名が関電本社ロビーに集まり、「5分で5名以内」は許せないという雰囲気がみなぎっていました。そのためか、広報は約束の午後4時半をすぎても姿を現さず、数分遅れで、電話連絡を取り合った本人ではなく別の人物が対応に出てきました。誠実さに欠ける対応とはこのことです。
5分遅れで申し入れを開始し、申し入れ文を読み上げている最中に、対応している広報の携帯電話が鳴り、「申し訳ない」との断りもなく電話に出て、対応打ち切りを宣言しました。仕方なく、申し入れ文を提出して、後日、公開質問状を出すから、次回は真摯に対応するようにと言い含めて終わりました。この間、約15分間でした。
「5分で5名以内」という条件は事実上撤回させましたが、これまでとは違う、余りにひどい対応に参加者は皆、怒り心頭でした。
申し入れ後に本社前で簡単な総括をしましたが、「5分で5名以内だと聞いたので、絶対に行かなくちゃと思ってきた」「これで、ますますやる気が出てきた」「次も頑張って来るぞ」という元気な声が寒風を吹き飛ばしてくれました。関西電力本社広報も、このような対応は逆効果だと早く気付くべきですね。こんな対応を続けて消費者の信頼をますます失えば、電力完全自由化の下でどうなるか、きっと思い知らされることでしょう。

若狭連帯行動ネットワークの申し入れ文はこちら

2014年10月28日

関西電力 取締役社長
 八木 誠 様

2014年反原子力デーに際して関西電力への申し入れ 

若狭連帯行動ネットワーク  

 原発なしの今夏、電力供給は、全く支障ありませんでした
 貴社の今夏需給実績報告では、2010年と比べ平均で約310万kWも減っています。最大電力需要は2,670万kWで、夏前の5月16日時点での関電予想より、約200万kW減でした。原発がなくても電力を安定供給できるのです。企業や自治体も、貴社との契約を打ち切り、新電力に切り替える動きが拡がり、今年4月1日からの4カ月間で1,598件、約33万kWが契約解除されています。
 電力全面自由化を目前にして貴社は、東京電力に対抗して、首都圏での電力販売を拡大しようとしていますが、その電気料金は原発を抱える貴社自身の電気料金より「安い」のはどういうわけでしょうか。「原発の発電単価は安い」と言いながら、電力自由化の下では、原発の電気を高めの「基準価格」で買い取るよう要求していますが、こんな手前勝手な対応は許せません。
 貴社の経営は最悪であり、停止原発の維持・管理費がかさみ、3年連続赤字でした
 フクシマ事故後、貴社の純資産は、3年間で8千億円にまで減少し、実質的な純資産は3千億円程度にとどまると見られます。純資産はすでに資本金(4900億円)を下回るレベルにまで毀損し、このままでは、4年連続赤字になり、債務超過も視野に入れざるをえない危機的状況にあります。通常なら不採算部門で危険極まりない原発部門を切り捨てるべきところ、あろうことか、フクシマ事故を顧みず原発の早期再稼働を求め、それができなければ電気料金の再値上げを求めるという、とんでもないことを言い出しています。
 こうなった原因は原発依存の貴社の頑迷な経営方針にあります。停止原発の維持・管理費がかさむためです。
 私たちは、電力再値上げも、原発再稼働も拒否します。すべての原発を廃炉にし、再処理をやめ、電気料金を下げるべきです。
 さらに、貴社は、日本原電と北陸電力に運転停止中の敦賀原発と志賀原発に対する「電気料金」を受電していないのに3年以上支払い続けてきました。この「受電なき電力購入費」は日本原電に対して3年間で1千億円近くになります。しかも、敦賀2号は、原子力規制委員会が直下に活断層があると判断しており、発電できない状態に陥っているではありませんか。このような支払いはやめるべきです。
 美浜1~3号、高浜1・2号、大飯1・2号を廃炉にすべき
 9月6日の新聞は「美浜2基廃炉検討」と大きく報じました。美浜1・2号は元より、美浜3号を含め、高浜1・2号、大飯1・2号についても即刻廃炉を求めます。
 高浜3・4号、大飯3・4号の基準地震動の再評価を見直し、再稼働申請を撤回すべき
 震源を特定せず策定する地震動として「M6.5の直下地震による1340ガルの地震動」を取り入れ、高浜3・4号と大飯3・4号の基準地震動を抜本的に大きくすべきです。
 5月21日の福井地裁判決は、貴社に大飯3・4号の運転差し止めを命じました。「大きな自然災害や戦争以外で,この根源的な権利(人格権)が極めて広汎に奪われるという事態を招く可能性があるのは原子力発電所の事故のほかは想定し難い。かような危険を抽象的にでもはらむ経済活動は,その存在自体が憲法上容認できないというのが極論にすぎるとしても,少なくともかような事態を招く具体的危険性が万が一でもあれば,その差止めが認められるのは当然である。」との司法判断を貴社は否定するのでしょうか。
 また、日本学術会議の9月19日報告では、使用済核燃料や高レベル放射性廃棄物の保管問題を議論する際には「現在世代で解決困難な不可逆的な決定をしてしまった『現在世代の責任』を真摯に反省することが必要である。」と断じています。この責任を少しでも感じているのであれば、使用済み核燃料をこれ以上増やさず、原発再稼働を撤回すべきではありませんか。
  電力自由化対策として、送配電網を分離し、公共化を図るべき
 原発に頼る余り、非効率な老朽石油火力をそのまま温存させ、高効率火力への設備更新を怠り、再生可能エネルギーの普及を妨害してきました。2016年から始まる電力自由化に向け、誰でもが送配電網を共有化でき、発電事業に参入できるように公平化を図るべきだと考えます。
 私たちは、貴社に対し、以下のことを強く要求します。
(1) 日本原電と北陸電力との電力購入基本契約を改訂し、3年以上続く「受電なき電力購入費」を撤廃してください。これに相当する分の電気料金を引き下げてください。
(2) 40年超運転の美浜1・2号、2016年7月に40年超運転と見なされる高浜1・2号、2016年度に40年超運転となる美浜3号、35年超運転で老朽化した大飯1・2号を即刻廃炉にしてください。これによって浮いてくる原発の維持・管理費相当分の電気料金を引き下げてください。
(3) 貴社の原発の基準地震動に「M6.5の直下地震による1340ガルの地震動」を取り入れ、これに沿った耐震安全性を確保できない限り運転を再開しないでください。
(4) 「現在世代で解決困難な不可逆的な決定をしてしまった『現在世代の責任』を真摯に反省」し、これ以上使用済核燃料を生み出さないでください。使用済核燃料中間貯蔵施設立地計画を中止し、再処理・プルサーマル計画を中止してください。
(5) 電力自由化の下での「基準価格」導入など原発優遇策を求めるのはやめてください。
(6) 発送電分離と送配電網の公的管理に応じ、再生可能エネルギーの普及=接続量拡大に協力してください。
以上

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