若狭ネット

福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

大阪連絡先 dpnmz005@ kawachi.zaq.ne.jp
若狭ネット資料室(室長 長沢啓行)
e-mail: ngsw@ oboe.ocn.ne.jp
TEL/FAX 072-269-4561
〒591-8005 大阪府堺市北区新堀町2丁126-6-105
3.9万の反対署名をバックに、経産省を徹底追及!

3.9万の反対署名をバックに、経産省を徹底追及!

福島事故関連費など8.6兆円の託送料金への転嫁反対署名にかかる11.10第3回経産省交渉の報告

3.9万の反対署名をバックに、経産省を徹底追及!
40年超運転を促す廃炉会計 — 「理論的には」そうなる!
一般負担金「過去分」は、一般の商取引とは違って、商法によらず
公益的であれば、何でも、託送料金に入れられる!
廃炉費6兆円は超過利潤を費用と見なして託送料金高止まりに!

 呼びかけ:若狭連帯行動ネットワーク(事務局)、双葉地方原発反対同盟、原発の危険性を考える宝塚の会、日本消費者連盟関西グループ、関西よつ葉連絡会、安全な食べものネットワーク オルター、サヨナラ原発福井ネットワーク、福井から原発を止める裁判の会、吹夢キャンプ実行委員会、福島の子供たちを守ろう関西、さよなら原発神戸アクション、さよならウラン連絡会、おかとん原発いらん宣言2011、原発ゼロ上牧行動、STOP原子力★関電包囲行動、とめよう原発!!関西ネットワーク、さよなら原発なら県ネット、地球救出アクション97、ヒバク反対キャンペーン、さよなら原発箕面市民の会、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西、環境フォーラム市民の会(豊中)、科学技術問題研究会、さかいユニオン、大阪自主労働組合、社民党福島県連合、フクシマ原発労働者相談センター、日本消費者連盟、原子力資料情報室

連絡先:若狭ネット資料室(長沢室長)
〒591-8005 堺市北区新堀町2丁126-6-105
TEL 072-269-4561  ngsw@oboe.ocn.ne.jp

2017.11.10経産省への署名提出・交渉のまとめ

2017.11.10経産省交渉の記録

  3.9万の署名をバックに経産省を徹底追及!

福島事故関連費8.6兆円の託送料金への転嫁に反対して、私たちは11月10日、反対署名5,561筆を第四次提出し、市民19名で経産省を追及しました。昨年11月に始めた署名は累計3万8,889筆に達し、これを背に徹底追及しました。その結果、今後の運動につながるいくつかの成果を引き出しました。(映像はhttps://www.youtube.com/watch?v=IhPN-W43XAg

40年超運転を促す廃炉会計:理論的にはその通り

第1に、未償却の原発資産を廃炉後10年で回収できる廃炉会計制度が「40年超運転」を促していることについて「理論的にはその通りだ」と認めさせました。関西電力は高浜1・2号や美浜3号などに数千億円もの巨額の対策費を注ぎ込んで数年後の再稼働を目指していますが、電力シェアが減って収益を見込めず再稼働を断念しても、廃炉後に投資額を回収できる制度になっているのです。経産省はそれが「趣旨ではない」と言いつつも、今回初めて、「理論的にはその通りだ」と認めました。「40年超運転」を促す廃炉会計制度は即刻撤回すべきです。

閣議決定と経産相判断で商法違反も違反にならず

第2に、この廃炉会計制度は原発の電力を買わない新電力契約者からも回収する制度であり、商取引のない商品(原発の電気)の費用を他の電源による電気の託送料金に加算して回収するものであり、明らかに商法違反ですが、経産省は、「普通の一般的な事業とは異なり、公益的課題に対応すると最終的に判断すれば経産省令で託送料金に入れられる」、「閣議決定されたエネルギー基本計画に原子力依存度低減の方針があり、廃炉会計制度はこれに沿ったもの」、「これに尽きるので、これ以上の回答は難しい」と開き直ったのです。これでは、たとえ商法違反であっても、公益的だと経産大臣が判断すれば商取引に無関係の費用でも託送料金に入れられることになります。新電力契約者を欺くこのような廃炉会計制度は撤回すべきです。

一般負担金「過去分」の新電力への請求は違法

第3に、一般負担金「過去分」についても、民法によって2年を超える過去の債権は請求できず、今後の原発料金で回収するとしても原発とは無縁の新電力契約者から回収するのは商法違反ですが、経産省は「一般的な商取引の話はしていない」、「規制料金の中での話だ」と居直り、「過去には合理的に算定できなかった規制料金を託送料金で回収するものであり、経産大臣が最終的に判断すれば料金に入りうる」と開き直ったのです。商法では「電気の供給を営業としてするときは商行為とする」と明記されているにもかかわらず、経産省は「電気事業の規制料金では民法や商法に違反するような料金請求であっても省令で行える」かのように言い張るのです。明らかに民法違反、商法違反であり、一般負担金「過去分」の託送料金への転嫁は撤回すべきです。

託送料金高止まりと停電事故を招く廃炉費6兆円

第4に、今の託送料金制度では、超過利潤累積額が一定水準額(=平均帳簿価額×事業報酬率で、東電PGでは現在1,278億円)を超えるか、原価の乖離率(=実績費用/想定原価-1)が-5%(年710億円の原価引き下げ相当)を超えて下がるかの条件を満たせば、託送料金を引き下げねばならず、これらの基準を大幅に変更しない限り、福島原発廃炉費6兆円捻出のための年2,000億円近い超過利潤は捻出できません。経産省は、省令改正で「廃炉等積立金」の原資を捻出するため営業費用に「廃炉等負担金」を設け、超過利潤からこの分を差し引くことで超過利潤を過小算定する仕組みを導入し、一定水準額を「事実上無制限」にするのと同じ効果を生み出しており、このままでは託送料金引き下げ機会を失うため、その対策を検討中だと吐露しました。ところが、この「廃炉等負担金」は営業費用ではあっても託送料金の原価としては規定されていないため、「廃炉等負担金」を除く原価の乖離率で-5%を超えれば託送料金を引き下げねばならず、超過利潤を捻出できなくなるということには気付いていませんでした。超過利潤累積額の一定水準額を無制限にし、乖離率を-15%程度に緩和しない限り、年2,000億円近い廃炉等積立金の原資を「超過利潤」として生み出すことはできません。今回の交渉で、これらの矛盾点が改めて明らかになり、小手先の省令改正では託送料金が高止まりにならざるを得ないこと、送配電網の巨額の更新が待ったなしの差し迫った状況であることも重なって、託送料金による廃炉費6兆円の捻出は早晩破綻せざるを得なくなるであろうこと、無理をすれば送配電網の更新が滞り、停電の頻発が避けられなくなることも見えてきました。こんな「託送料金高止まりによる廃炉費6兆円の無理な回収」は撤回すべきです。

2020年4月施行を撤回させよう!

脱原発団体と消費者団体の29団体で昨年11月に呼びかけた「福島事故関連費と原発コストを『電気の託送料金』に転嫁しないで下さい」の署名運動は今回で一旦、幕を下ろします。皆さんからの署名とカンパへのご協力とご支援に厚く感謝申し上げます。署名数は1年という短期間に3万8,889筆、署名カンパも39.9万円に達しました。今年2月の交渉は経産省のドタキャンで署名提出だけに終わりましたが、これに屈せず、交渉日の候補をこちらが指定するのではなく「2週間の幅で経産省に決めさせる」やり方で3回の交渉を実現させてきました。計4回の署名提出・交渉の呼びかけ、まとめと記録、3種類のカラーチラシの発行で署名運動を広げてきました。
3.9万筆の署名と3回の経産省交渉で得た成果を踏まえ、今後も運動を継承し発展させていきたいと思います。なぜなら、8.6兆円の託送料金への転嫁は「2020年4月施行」であり、福島原発廃炉費6兆円の捻出策については未だ検討段階にあるからです。また、放射能汚染と原子力災害は世代を超えて続き、福島事故は未だ収束していないからです。これからも損害賠償費や廃炉費見積もりは膨れあがり、さまざまな矛盾と軋轢を生み出すことでしょう。そのたびに、私たちは原点に立ち返り、東電と国のフクシマ事故の責任を追及し、原発推進の東電を支えた株主と金融機関の責任を問い、電力消費者と国民への負担転嫁を許さない闘いを粘り強く進めていきたいと思います。そのために、この運動で明らかにした成果をもう少し詳しく整理しておきます。

託送料金の不都合な真実

一般負担金「過去分」は民法・商法違反

一般負担金「過去分」は東電・電力の負担軽減に
一般負担金は原子力事業者に納付義務
託送料金による「過去分」回収は商法・民法に違反

福島廃炉費6兆円で託送料金高止まりと送電網更新阻害

「託送料金高止まり」のための託送料金引下げ基準
「超過利潤」を「営業費用」に取り込む省令改定
「補正後乖離率の一定の比率」を-15%程度に?
東電優遇の「超過利潤隠し」を許すな!
送配電網の更新を妨げる廃炉費6兆円の捻出

廃炉会計制度は原発再稼働と40年超運転を促す

未償却原発資産の廃炉後回収が唯一の目的に
廃炉会計制度は3.8兆円の巨額投資の保険
閣議決定と経産大臣の判断で託送料金に

2017.11.10経産省への署名提出・交渉のまとめ

2017.11.10経産省交渉の記録

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