2013年8月26日
日本原子力発電株式会社 社長 濱田康男 様
浦底断層と敦賀2号原子炉直下の破砕帯に関する公開説明会について開催拒否への抗議と再度の開催申入れ
若狭連帯行動ネットワーク
私たちは6月19日付けで「浦底断層と敦賀2号原子炉直下の破砕帯に関する公開質問状」を貴職に提出し、「2週間以内の文書回答と口頭での説明会開催」を求めていましたが、日本原子力発電敦賀本部より8月23日、「説明会は開催しない」との回答を受けました。このような対応は言語道断であり、貴職の不誠実な対応に強く抗議し、ここに改めて公開説明会の開催を求めます。
貴社は、私たちの公開質問状に対し、6月28日付けで敦賀地区本部長名による文書回答を寄せ、「2週間以内の文書回答」の求めに応じられました。この点は、私たちも高く評価し、他の電力会社も貴社の姿勢にならうべきだと思いました。その際、「口頭での説明会」については「6月末までに地質調査を終えて最終報告を準備しなければならないため、8月以降まで待ってほしい」とのことでした。私たちは、「説明会を開催する方向で検討している」と善意に解釈し、7月25日に福井県知事へ申し入れ、8月9日には敦賀市長へ申し入れ、盆明けには貴社の説明会に臨む準備を進めていました。ところが、今回、貴社の一方的な理由により「説明会開催を拒否する」との回答を受けました。一旦は説明会を開催すると約束しながら、今になって開催を拒否するということは断じて許せません。
貴職は、原子力規制委員会による5月22日の決定、すなわち、「敦賀2号炉原子炉建屋直下を通るD-1破砕帯は、後期更新世以降の活動が否定できないものであり、耐震指針における『耐震設計上考慮する活断層』であると考える。」との有識者会合報告書の了承に異を唱え、「規制権限を行使する規制当局として、誠に不適切であり、当社として断じて受け入れることはできない。」とのコメントを一方的に出しています。これに先立つ5月15日には有識者会合の委員個人宛に「厳重抗議」なる文書を提出し、恫喝まがいの政治的圧力をかけています。私たちの公開質問状による「抗議撤回」要求にも「撤回するつもりはございません」と居直っています。これら一連の貴社の対応は、かつての原子力ムラによる原子力規制への介入を想起させずにはおきません。貴職は原子力規制委員会に対して「不誠実」だと非難していますが、私たちへの説明会拒否回答は「不誠実」な対応ではないのでしょうか。
私たちは、貴社が活動性の高い浦底断層を最近まで活断層だと認めてこなかったことに不信感をもっており、貴社の技術的能力や時間のかかる対応にも強い疑問を持っています。敷地内の破砕帯が活断層または副断層、あるいは浦底断層の活動に伴って動く可能性について、貴社が本当に科学的に判断できるのかどうかについて疑問をもっています。先の公開質問状はそれを質すためのものです。しかし、貴社の文書回答は極めて不十分なものであり、私たちは口頭で説明を聞き、疑問点について直接問い質したいと考えています。 ここに、改めて申入れます。
「浦底断層と敦賀2号原子炉直下の破砕帯に関する公開説明会」を速やかに開催してください。
以上