チェルノブイリ事故37年、福島事故12年を迎えた2023年4月26日、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西主催の「チェルノブイリ原発事故37年の集い~チェルノフイリとフクシマを経てまだ原発?!~」で採択された集会決議の関電本社提出行動に合わせて、若狭ネットも申し入れ(pdfはこちら)を行いました。
2023年4月26日
関西電力株式会社取締役 代表執行役社長 森 望 様
チェルノブイリ事故37年、福島事故12年を迎え
公開説明会の開催と脱原発・再エネ優先への転換を求めます
若狭連帯行動ネットワーク
本日4月26日は、旧ソ連のチェルノブイリ原発重大事故から37年に当たり、福島第一原発炉心溶融事故発生から12年になります。私たちは貴社に対し、カルテル・顧客情報不正閲覧問題に関する公開説明会の開催を求め、また、老朽原発延命・新型炉共同開発の原発依存経営から転換するよう強く申し入れます。
貴社が原発依存経営を始めてから、もう半世紀になります。この間、貴社による原発推進の利権構造が暴かれ、電力市場独占を維持するためのカルテル締結で公正取引委員会から独占禁止法違反に認定され、顧客情報不正閲覧問題で経済産業省から業務改善命令が出されるなど、腐朽・腐敗が極限に達しています。貴社は、金品受領の「森山案件」で、3年前にも業務改善命令を受けています。当時、「約3.6億円の不正還流はあったが、不正発注、高値発注は絶対になかった。」と弁明した矢先に、原発推進派の高浜町議の事業失敗を救済するための土砂処分・土地賃借等での高値発注が暴かれてもいます。これらに関与していないと思われた森本孝副社長が2020年春に新社長へ抜擢され、どん底に落ちたコンプライアンス(法令遵守)の立て直しを託されましたが、森本氏は2018年10月~2020年10月のカルテル事件の中心人物でした。森本氏は副社長時代に他電力管内での営業縮小を決めた首脳会議に名を連ね、自ら他電力に伝え、社長就任後もカルテルを継続していたのです。他方では、新電力から顧客を取り戻すため、子会社の関西電力送配電のもつ顧客データを不正閲覧し、営業に活かしていました。しかも、カルテルがばれそうになると、自ら主導した不正を公正取引委員会へ密告(自主申告)し、自社だけは巨額の課徴金を免れたのです。世間で、貴社は「不祥事の総合商社」と呼ばれています。私たちは、カルテル・顧客データ不正閲覧問題について、貴社が率先して公開説明会を開き、膿を出し尽くすよう強く求めます。
岸田政権はGX基本方針で原発回帰へ踏み出し、40年で原則廃炉の40年ルール撤廃法案を成立させようとしています。しかし、原発再稼働・40年超運転による利潤追求を続けていては、老劣化による故障・事故を頻発させる一方、事故原因の究明を切り上げての運転再開、次の定検までのひび割れ放置の強硬運転、異常発見時の無理な運転継続や異常対策等が不完全なままでの運転再開前倒しなどで、予想外の危険な事態を招き、福島事故を繰り返すことになりかねません。
原発依存経営から脱却し、原発利権構造を一掃し、再エネ推進のクリーンな経営に転換すべきです。
以上を踏まえ、次のことを強く申し入れます。公益事業者として真摯に対応してください。
1.カルテル問題と顧客情報不正閲覧問題について、公開説明会を開いてください。「送配電会社の所有権分離」と「発電会社の所有権分離」を断行し、新電力との公平な競争環境を保障してください。
2.国内最古かつ原子炉圧力容器の中性子脆化が最も進んで危険な高浜1・2号の6・7月再稼働(並列)計画を断念し、美浜3号と共に40年超運転を中止し、廃炉にしてください。
3.配管のひび割れや蒸気発生器細管の減肉など老劣化の進む高浜3・4号と大飯3・4号を廃炉にしてください。
4.むつ市への使用済燃料中間貯蔵押しつけを断念し、使用済燃料をこれ以上生み出さないでください。 「2023年末に中間貯蔵地を公表できない場合には高浜1・2号と美浜3号の運転を中止する」との貴社の4度目の約束を守ってください。大飯3・4号再稼働の条件であった「2020年末の期限」など、これまで3回も期限を守れなかった責任をとり、大飯3・4号と高浜3・4号も運転しないでください。
5.高浜3・4号でのプルサーマルを即刻中止し、大飯原発にプルサーマルを広げないでください。
プルトニウム利用を断念し、これ以上、MOX燃料の発注・輸送・輸入をしないでください。
3,100ページに及ぶ申請書の落丁・記載漏れや核物質防護監視妨害など技術的能力のない日本原燃への出資をやめ、六ヶ所再処理工場の閉鎖を求めてください。
6.敦賀2号直下断層のデータ無断書換えや1,000箇所以上の審査資料記載ミスなど技術的能力のない日本原子力発電への出資をやめ、約180億円の基本料金契約を破棄し、敦賀2号の廃炉を求めてください。
7.「福島賠償費・原発関連費の今年度分約288億円(一般負担金「過去分」156億円/年と廃炉円滑化負担金132億円/年)」を託送料金に加算して回収するのをやめ、電気料金を下げてください。
8.取替や廃炉による美浜・大飯・高浜原発の蒸気発生器33基をはじめ給水加熱器や核燃料輸送・貯蔵用キャスクなど大型放射性廃棄物の輸出、海外での溶解・再利用の計画を断念し、密閉管理し続けてください。
9.老朽原発の延命や革新軽水炉SRZ-1200の共同開発を断念し、原発依存の経営方針を「脱原発・脱石炭」、「再エネ拡大・優先接続・優先給電」へ大転換してください。
以上
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