3.18交渉で原子力規制委員会(原子力規制庁)はずさんな回答に終始
2回目(3.31)交渉を要請するも 「別段変わった返答はできない」と拒否
原子力規制委員会に厳重抗議し、引き続き、地震動評価手法の至急見直しを求めよう
呼びかけ:原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、原子力資料情報室、 若狭連帯行動ネットワーク(事務局担当)
原子力規制委員会は3月13日の本会議で川内1・2号を「模範原発」として選定し、今月内にも「審査書案」を作成しようとしています。私たちは、川内1・2号に関する追加質問(pdf文書はこちら)を急遽加え、3月18日に原子力規制委員会と交渉し、大飯3・4号、高浜3・4号および川内1・2号の地震動過小評価を批判し、基準地震動の大幅引き上げを求めました。紹介議員である福島みずほ社民党参議院議員をはじめ市民側は鹿児島、島根、福井、静岡、大阪、兵庫、奈良、東京、埼玉等から31名が参加し、原子力規制委員会の事務局である原子力規制庁から2名が出席して回答しました。最初に、3月18日現在77団体・361個人の賛同を得た公開質問状(pdf文書はこちら)を賛同リストと共に改めて提出し、約2時間にわたって追及しました。(交渉のまとめはこちら)
しかし、別紙交渉記録(pdf文書はこちら)のように、公開質問状に則した具体的な回答は全くなく、門切り型の切り捨て御免というような回答でした。仕方なく、交渉の場でひとつ一つ具体的に追及したところ、原子力安全委員会の時代に検討された重要事項を全く引き継いでおらず、地震動評価手法に関する基礎知識にも乏しい有様で、回答できずに沈黙する状態が相次ぎました。長い沈黙の後で「知りませんでした」「仰る中身は理解しました」と言いながら、図表を用いた具体的な追及によってすでに破綻した前言を、お経を唱えるかのように繰り返し、騒然たる非難を浴びながら、全く反省の色が見られませんでした。約束の1時間半を大幅に超えたので、「今度は地震動評価手法に精通して責任を持って回答できる人に出席してももらい、2回目の交渉を早急にやろう」と提案し、「持ち帰って検討する」ことになりました。そこで、翌日付で「3月31日に再度の詳細回答」を公開質問状への賛同団体(3月19日現在78団体・365個人)連名で求めたところ(pdf文書はこちら)、数時間後には「前回の集会で申し上げたとおりで、別段変わった返答はできない。」「当該原発は審査中でもあり、途中段階では具体的なことはこれ以上回答できない。」と、拒否してきたのです。
地震動評価手法の根幹に関わる質問に全く回答できず、その妥当性が根底から揺らいでいるのに、再交渉を拒否し、これまで通りの過小評価を続けようとしているのです。言語道断です。原子力規制委員会(原子力規制庁)は、審査書案作成段階で再交渉に応じると、地震動評価手法の根本的欠陥が一層明らかにされ、川内1・2号の審査書案を作成できなくなることを恐れているのかも知れません。なおさら、ひどい話です。原子力規制委員会は、福島第一原発重大事故から一体どのような教訓を引き出したのでしょうか。地震による強震動で原発が耐えられず炉心溶融事故が再び起きてもかまわないとでも思っているのでしょうか。
私たちは3月24日、原子力規制委員会に厳重抗議するとともに、7項目に及ぶ「地震動評価手法の至急見直し」を具体的に提示し、その検討結果を後日説明するよう求めました(pdf文書はこちら)。これをベースに、原子力規制委員会による地震動過小評価を許さない闘いを継続・拡大し、地震動評価手法の抜本的再構築を求め、地震に耐えられない原発の閉鎖を求めていきたいと思います。1基たりとも再稼働を許さないため引き続きご支援、ご協力をお願いします。
今回の公開質問状には3月20日現在で全国から78団体、373個人の賛同を得ました。また、カンパも約37万円集まり、遠方からの参加者に交通費半額支援もできました。厚くお礼申し上げます。闘いは続きます。原子力ムラの復活を許さず、再稼働阻止から「原発ゼロ」=脱原発へ共に進みましょう。
「3月24日付け原子力規制委員会への厳重抗議・申し入れ」はこちら
「3月18日の原子力規制委員会交渉のまとめ」はこちら
「3月18日の原子力規制委員会交渉記録」はこちら
「交渉記録に出てくる図表」はこちら