若狭ネット

福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

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10・26反原子力デーに際して、関西電力本社へ申し入れ行動を行いました

10・26反原子力デーに際して、関西電力本社へ申し入れ行動を行いました

10・26反原子力デーの全国各地の取組みと連帯しながら、10月24日、若狭ネットの呼びかけで、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西、ヒバク反対キャンペーン、地球救出アクション97、原発の危険性を考える宝塚の会とともに、関西電力本社へ申し入れ行動を行いました。
関電広報は2015年以降、公開質問状への回答を拒否し、面談にも応じず、申し入れ文すら受け取りに出てこず、関電総務の職員が代わりに受け取ってきましたが、今回は広報職員が出てきて受け取りました。参加した5団体からそれぞれ申し入れ文を読み上げるなどしながら提出し、社長に手渡すよう依頼しました。
若狭ネットの申し入れ文のpdfはこちら

2025年10月24日
関西電力株式会社取締役 代表執行役社長 森 望 様
<10・26反原子力デーに際して、関西電力への申し入れ>
福井県を「核の墓場」にしないで! 乾式貯蔵と美浜原発リプレースの計画を撤回せよ!
若狭連帯行動ネットワーク

 貴社の原発内プールには空きスペースがほとんどなく、あと2~3回(高浜1~4号は平均2回、大飯3・4号は2~3回、美浜3号は3回)の燃料交換後にプールが満杯となり、その次の定検時には燃料交換できず、全原発の運転停止を余儀なくされます。六ヶ所再処理工場は、日本原燃の技術的能力不足と耐震設計評価の壁にぶつかり、設計工事認可の審査が遅れ、竣工時期が28回目の延期になる可能性が高まっています。仮に竣工しても「プルトニウム回収量がプルサーマルによる消費量を超えない」程度にしか操業が認められないため、10%程度の操業に留まり、貴社のプール内の使用済燃料を六ケ所にはほとんど搬出できません。福井県外への中間貯蔵などいまだに公表すらできていません。「使用済MOX燃料再処理実証研究のための仏搬出」は高浜原発での満杯時期を4年程度遅らせる意味しかありません。貴社の「使用済燃料対策ロードマップ」は既に破綻しています。ロードマップを撤回し、すべての原発の運転を止め、使用済燃料=負の遺産をこれ以上増やすのをやめるべきです。
貴社は「プール貯蔵より乾式貯蔵の方が安全だ」と主張していますが、大嘘です。乾式貯蔵できるのはプールで10年以上冷やされた「空冷可能な使用済燃料」であり、燃料溶融事故の原因となる「ホットな使用済燃料」は乾式貯蔵できません。乾式貯蔵には次のような危険性があります。①乾式キャスクの放射線遮蔽能力には限界があり、周辺での被ばくの危険があること、②容器の耐用年数は50年程度しかなく、経年劣化による放射能放出の危険があること、③乾式貯蔵でプールが空けば、燃料交換できて老朽原発の寿命延長が可能になり、原発重大事故の危険が高まること、④原発稼働でホットな使用済燃料がプールへ供給され続け、プール水喪失による燃料溶融事故の危険性が高止まりすること、などです。
貴職は8月25日、新たな拠金制度、すなわち、信託銀行に基盤財源として150億円を設け、毎年、「50億円を基準に前年度の原発稼動率と燃料価格に比例して算定される資金」を追加拠出する制度を発表しています。しかし、この制度では、仮に、プールが満杯になったとき、乾式貯蔵で空いたスペースを使えなければ、燃料交換できず、原発は運転停止を余儀なくされ、追加拠出金もゼロになります。つまり、福井県や立地町に、追加拠出金にありつくためには、「乾式貯蔵で空いたスペースを使わない」という貴社の約束を反故にしようとする圧力が働くことになります。これは、実にあくどい巧妙な脅しではありませんか。
 貴職は7月22日、美浜原発リプレース(建替)のための地質調査開始を発表しています。リプレース用の原発は「SRZ1200」という120万kWの革新軽水炉とされていますが、三菱重工が関西・九州・四国・北海道の4電力と共同開発中で、未だに基本設計の段階にあり、新規制基準に適合するかどうかもわからない状態です。詳細設計ができないため、建設費を見積ることもできない状態ですが、既設原発では安全対策費を含めても平均7~8千億円程度のところ、革新軽水炉(米AP1000や仏EPR)では1基2~3兆円にもなっており、SRZ1200でも1兆数千億円ないし2兆円にもなるでしょう。貴職は、原発とは無縁の新電力契約者を含めてすべての電力消費者から巨額の投資を確実に回収できる仕組み(長期脱炭素電源オークションの大改定)を政府に作らせ、さらに、国による債務保証制度などの事業環境整備を求めています。それは、子や孫の世代にさらなる経済的負担だけでなく、原発重大事故の危険や使用済燃料などの核のゴミを押し付けることになるでしょう。このような美浜原発リプレース計画は撤回すべきです。
 10.26反原子力デーに際して、以下の項目を申し入れますので、真摯にご対応下さい。

1.「使用済燃料対策ロードマップ見直し」(2025/2)を撤回し、「2023年末の期限までに中間貯蔵施設の計画地点を確定できない場合には、その後確定できるまでの間、美浜3号機、高浜1・2号機の運転は実施しない」との2021年3月の貴社の福井県への約束を遵守して下さい。
2.美浜・大飯・高浜原発サイト内への乾式貯蔵施設設置計画を直ちに撤回してください。むつ市中間貯蔵施設の共同利用計画や上関町への中間貯蔵施設立地計画を断念してください。
3.老劣化の進む高浜3・4号と大飯3・4号を廃炉にし、使用済燃料をこれ以上生み出さないでください。美浜原発りプレース計画を断念し、原発依存の経営方針を改め、「脱原発・脱石炭」、「再エネ拡大・優先接続・優先給電」へ大転換してください。
4.イギリスのプルトニウム政策転換を教訓として、プルサーマルを即刻中止してください。プルトニウム利用を断念し、これ以上、MOX燃料の発注・輸送・輸入をしないでください。
5.美浜1・2号と大飯1・2号の廃止措置を100年程度の密閉管理へ転換して、主な汚染源であるコバルト60の減衰を待ち、行き先のない放射性廃棄物の大量発生を防ぎ、クリアランス未満の放射性廃棄物の一般廃棄物扱いをやめてください。

以上

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