若狭ネット

福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

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4月22日 電気料金値上げ問題で関西電力本社と交渉

4月22日 電気料金値上げ問題で関西電力本社と交渉

電気料金値上げと原発の維持・管理費の関係について、4月22日午後4時から、37名参加の下、関電本社2階ホールで回答を得ました。関西電力は当初、ホールで立ったまま回答しようとしましたが、私たちはイスを要求。関電側が「最低限の数」と言いながら、全員分を用意しました。
今回の交渉は、42団体・1個人の連名で提出した質問書に沿って、2月8日(約35名)、3月1日(約30名)に続く3回目であり、5月1日電気料金値上げ実施直前の交渉になりました。3回続けて最大の焦点になったのは、敦賀1・2号や志賀2号への「受電なき電力購入費」(申請額額466億円/年)や関電の停止中原発の維持・管理費等(11基で約3000億円弱/年)を電気料金から削ることでした。これを削れば、値上げの必要がなくなるからです。しかし、関電広報部は、社内原子力事業本部の作成した回答文を手渡すことなく、一方的に読み上げるだけに終始しました。
敦賀1・2号や志賀2号との電力購入契約については、「発電所の運営・維持管理に必要な費用等の基本料金と、燃料費など発電量に応じて変動する従量料金から成る原価ベースの電気料金を支払うことを約しております」とこれまでと同じ回答でした。契約では「長期停止の場合には基本料金の負担について別途4社で協議する」ことになっていますが、その確認をするという約束すら果たさず、「協議」したかどうかも答えないのです。敦賀・志賀原発の維持・管理費を「受電なき電力購入費」で負担できなければ、自社の停止原発の維持・管理費も電気料金でまかなえなくなることがわかっているからでしょう。
大飯3・4号の運転継続や高浜3・4号の再稼働を前提にしていることはもってのほかですが、3年間停止を想定している美浜1・2・3号など7基の原発についても、維持・管理費はもとより、2.9%の事業報酬をもたらす資産(レートベース)と見なしているのです。これについては、「高経年化対策に加え、さらなる安全性向上対策等の実施を計画し、再稼働に向けた準備を進めているところであります。よって原価算定期間以降には稼働するものと想定しておりまして」と長期停止予定の原発の維持管理費や資産としての報酬を電気料金に計上して何が悪いと言いたげです。「原発偏重」経営の失敗を棚上げにし、それを継続し続けることを当然の権利のように主張し、電力消費者に値上げを強要しているのです。反省の色などかけらもありません。
停止中の原発の人件費・減価償却費・点検改修費については社内努力で捻出すべきと迫ると、「当社原子力発電所につきましては原価算定期間中の稼働を見込まない7プラントについては廃止するとは考えておりません」と、値上げによる庶民の苦しみをよそに、社会全体に甘えようとする「自己中」な態度を露わにしました。
また、事業報酬については、「資金調達コストであり、利益ではない」とごまかしながら、他方では「適正な利潤」だと正当化しています。しかし、資産額の2.9%で計算された事業報酬は、1360億円(申請額)と巨額であり、うち約300億円/年が今後3年間使う当てのない核燃料や原発の資産に対する「事業報酬」なのです。これがなぜ「適正」だと言えるのでしょうか。
さらに、廃炉の可能性が高い日本原電の敦賀原発が実際に廃炉になった場合に廃炉費用等を誰が負担するのかという点については、「今後早期の再稼働を期待している」と返答を避けました。「回答になっていない」と迫ると、「廃炉費用は積み立てているので・・・」と実態を知らないのです。「積立金では足らないでしょ」と追及すると「足りないですか?」「早期の再稼働を期待しておりますので・・・」と、支離滅裂。
原発直下の活断層問題で敦賀原発の廃炉が見え始めた今、「受電なき電力購入費」や原発廃炉費を巡って早晩、電気料金問題が再燃するのは必至です。これまでの交渉の成果をベースに関西電力の傲慢な姿勢を徹底的に追及していきましょう。そして、一日も早く全原発を閉鎖へ追い込み、再生可能エネルギーを普及させ、脱原発社会へ進みましょう。(詳しくは若狭ネット143号参照

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