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福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

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若狭ネットニュース第156号を発行しました

若狭ネットニュース第156号を発行しました

第156号(2015/7/27)(一括ダウンロード1.6Mb
巻頭言-原発重大事故の発生を前提とした
川内1・2号の8月再稼働を許すな!緊急時被ばく限度の引き上げ反対!
安倍政権による「憲法違反の戦争法案・原発再稼働」を阻止しよう!
(1)「戦争法案」反対集会に参加し、「緊急時被ばく限度引き上げ・再稼働反対全国署名」をとりました 原発重大事故を前提とした再稼働は許せません!
若狭ネット久保きよ子
(2)40年超運転・老朽原発を増やし、設備利用率90%で酷使する「長期エネルギー需給見通し」=ベストミックスを撤回せよ!
太陽光と風力の「接続可能量」を撤回し、再生エネを40%に!
発送電分離を早め、送電網の公的管理を!

緊急時作業被ばく限度引き上げ中止と原発再稼働中止を求める全国署名
署名呼びかけpdfはこちら署名用紙pdfはこちら)

政府は、「国策として原発を推進し福島原発事故を招いた責任」を省みず、重大事故が起きることを
前提に原発の再稼動を進めようとしています。
川内原発1・2 号機の審査書(案)作成後の昨年7月30 日、田中俊一原子力規制委員長は突然、「現
在、緊急作業時の被ばく線量限度を100 ミリシーベルトとして規制を行っているが、それを超えるよ
うな事故が起こる可能性を完全に否定することはできない」と被ばく限度引き上げをはじめ緊急時作業
に関する「見直し・検討」を提案しました。厚生労働省は5 月15 日から、原子力規制委員会は5 月21
日から、「緊急時に被ばく限度を250 ミリシーベルトに引き上げるための法令改定案」のパブコメを開
始し、原発再稼働を見込んで事態は急展開しています。
原発重大事故が起きれば、通常作業とはけた違いの被ばくが強要されます。緊急時作業被ばく限度の
250 ミリシーベルトへの引き上げは労働者の安全と健康を一層危険にさらします。原発労働者は「重大
事故を前提とする原発再稼働・原発維持の犠牲」に供されようとしています。これは労働者の人権蹂躙
であり、労働安全衛生法の労働者保護の法体系を破壊するものです。原発を再稼働しなければ、「重大
事故による破滅的な状況の回避のために高線量被ばくが必要になる」ことなどありません。
厚生労働省の検討会報告書では、福島原発事故の緊急作業で大量被ばくしその後通常被ばく業務から
離れている労働者について、2016 年4 月から通常被ばく業務従事を認め、合計して生涯1000 ミリシー
ベルトを超えないよう被ばく管理するとしています。大量被ばくした労働者に更なる被ばくを強要する
のではなく、被ばく労働以外の職場・生活を保障すべきです。
現在、福島原発では毎日7000 人もの労働者が動員され、被ばくが増え続けています。作業の安全確
保、被ばく低減、健康管理・生活保障、雇用条件の監視・是正指導を行うべきです。
申し入れ事項
1.緊急時被ばく限度を引き上げないこと。関連する法令改定作業を中止すること。
2.緊急時被ばくと通常被ばくによる、生涯1000 ミリシーベルト容認を撤回すること。福島原発事故
の緊急時作業で大量被ばくした労働者に被ばく労働以外の職場・生活を保障すること。
3.福島原発被ばく労働者の作業の安全確保、被ばく低減、健康管理・生活保障、雇用条件監視・是正
指導を行うこと。
4.原発を再稼働しないこと。再稼働認可を撤回し、適合性審査を中止すること。

署名呼び掛け:双葉地方原発反対同盟、フクシマ原発労働者相談センター、原水爆禁止日本国民会議、全国被爆2世団体連絡協議会、原子力資料情報室、川内原発建設反対連絡協議会、島根原発増設反対運動、原発いらん!山口ネットワーク、原発さよなら四国ネットワーク、原発はごめんだヒロシマ市民の会、反原子力茨城共同行動、若狭連帯行動ネットワーク、I 女性会議、原子力行政を問い直す宗教者の会、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西、ヒバク反対キャンペーン

<巻頭言>
原発重大事故の発生を前提とした
川内1・2号の8月再稼働を許すな!緊急時被ばく限度の引き上げ反対!
安倍政権による「憲法違反の戦争法案・原発再稼働」を阻止しよう!

安倍政権は、集団的自衛権行使のための戦争法案を衆議院で7月16日強行採決し、原発重大事故の発生を前提とした川内1・2号の再稼働を8月10日にも強行しようとしています。いずれも憲法違反の暴挙であり、安倍政権の暴走を許してはなりません。
戦争法案は、集団的自衛権による戦争行為を行うための法案であり、日本国憲法にある「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」との前文に違反し、第九条の「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」との条項に違反します。今年は、敗戦70年、被爆70年です。日本軍国主義による侵略戦争と植民地支配を深く反省し、原爆投下を招いた国家の責任を認め、二度と再び同じ過ちを繰り返さないための措置を講じるべきときです。にもかかわらず、新たな戦争への道を掃き清めるための戦争法案を強行採決することは断じて許せません。参議院審議を大衆行動で包囲し、廃案に追い込みましょう。
原発再稼働は、重大事故の発生を前提としており、人格権を万が一にも侵害する可能性があり、憲法違反です。福井地裁による2014年5月の大飯3・4号運転差止判決や2015年4月の高浜3・4号運転差止仮処分判決では、「人格権は憲法上の権利であり、我が国の法制下においてはこれを超える価値を他に見出すことはできない。」「これを侵害する具体的危険が万が一でもあれば原発の運転の差し止めが認められる」と明確に断言しています。国内の原発はすべて止まったままであり、節電が進み電力不足が生じることはなく、7月の世論調査でも国民の過半数が再稼働に反対しています。にもかかわらず、重大事故の発生を前提として原発を再稼働させることは、万が一にも人格権を侵害する可能性のある憲法違反行為です。原子力規制委員会は川内1・2号、高浜3・4号、伊方3号の再稼働を認可していますが、いつどこで起きても不思議でないM6.5の直下地震による1,340ガルの地震動には耐えられないことを認めながら、それを基準地震動に取り入れようとはしていません。憲法違反の川内1・2号再稼働を即刻中止すべきです。
安倍政権による暴走を許さず、憲法違反の戦争法案と原発再稼働を共に葬り去りましょう。これらはいずれも根は一つです。戦争法案反対の街頭行動は若者による新たなうねりをもたらしています。再稼働反対の闘いをこのうねりと結びつけ、安倍政権の暴挙を阻止する闘いとして拡大させましょう。

侵略戦争・原爆災害とフクシマ事故を反省せよ

広島・長崎の原爆被害者は、自らの辛い体験に基づいて、核の非人道性を世界に訴え、「過去の補償・現在の保障・未来の保証」を求め、原爆医療法(1957年)による被爆者健康手帳の交付を皮切りに被爆者の健康・生活保障を一歩一歩勝ち取って来ました。村山政権下で「被爆者援護法」(1995年)を勝ち取りましたが、被爆70年の今なお放射線障害をはじめ肉体的・精神的苦痛に苛まれて続けています。原爆症認定の壁は依然として高く、健康手帳保持者18.4万人(2015.3)中、認定・手当受給者は5%に満たないのが現状です。侵略戦争が招いた原爆投下であるにもかかわらず、日本政府は今なお国家補償に基づく被爆者援護をしていません。侵略戦争の責任と原爆災害を招いた責任を反省し、すべての被爆者を全面救済し、被爆国として核の非人道性を世界に訴え、核廃絶に向かって核軍縮を求める諸国の先頭に立つべきです。被爆70年の今が、その最後のチャンスかもしれません。集団的自衛権行使に踏み込むなどもってのほかであり、戦争法案を直ちに廃案にし、平和憲法に立ち返るべきです。
フクシマ事故被災者は、極度に放射能汚染された古里から避難を余儀なくされ、4年後の今なお11万人強の福島県民が県内外で仮の生活を強いられています。震災関連死は1,942人(2015.7)に上り、直接死1,604人を超え増え続けています。原爆症認定基準では「爆心から約3.5km以内(約1mSv以上の被ばく)でガン・白血病・副甲状腺機能亢進症が認定」されることになっていますが、フクシマでは「20mSv/年以下なら帰還すべき」という方針が「福島復興」の名の下に進められようとしています。政府の原子力災害対策本部は6月12日、帰還困難区域(50mSv/年以上)を除き、居住制限区域(20~50mSv/年)を含めて2017年3月までに避難指示を解除し、「帰還」と「支援打切」をセットで強行しようとしています。一層のヒバクを強要する「帰還」政策は撤回し、自主避難者を含めて被災者支援を拡充すべきです。
福島県による「県民健康調査」で子どもの甲状腺検査が進められ、すでに15人がガンまたは疑い有(うち5人が手術を受けがんと確定)と診断されています。さらに、1300人を超える子どもたちが、半年または1年後に保険診療による経過観察が必要と診断されています。これまで自費だった19歳以上の甲状腺ガン治療費は、運動の成果として国費でまかなわれるようになりましたが、健康手帳の交付など将来の健康保障は手つかずのままです。フクシマ事故をもたらした責任は東京電力とそれを支えた株主・金融資本にあり、原発を推進してきた政府にあります。その責任をとらせるため東電を破産処理し、国の責任で被災者の健康・生活保障を行うべきです。

労働者の緊急時被ばく限度引き上げを許すな

川内1・2号の運転再開は原発重大事故の発生を前提にしています。2014年7月に川内1・2号の審査書が確定(再稼働認可)した直後に労働者の緊急時被ばく限度を100mSvから250mSvへ引き上げる検討が開始されました。フクシマ事故を「教訓」に、重大事故発生現場へ突入させる被曝要員を事前に確保し、どこまで被曝させてもよいかを決めておこうというのです。何という「教訓」なのでしょう。本来ならフクシマ事故を繰り返さないため再稼働を認めないことが最大の教訓なのではないでしょうか。250mSvの放射線被曝は広島原爆の爆心から1.7kmの直爆線量であり、急性放射線障害が免れません。厚生労働省は「重篤な、または永久に続く急性放射線障害でなければよい」というとんでもない立場に立とうとしています。労働安全衛生法では「労働災害」を防ぐことを目的としており、「重篤でない労働災害は許される」という特例を設けるのは法律違反であり、憲法第二十五条に保障された「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を侵害し、憲法違反です。このような特例を設けなければ成り立たない労働現場は認めないという立場を打ち出すべきです。
川内1・2号の再稼働と同様に、緊急時被ばく限度引き上げも切迫しています。この秋までに改定法令を公布し、来年4月施行が目論まれています。16団体の呼びかけで5月末から「緊急時作業被ばく限度引き上げ中止と原発再稼働中止を求める全国署名」を展開しており、6月30日には4,322筆の署名を提出し、111団体連名による再申し入れを行い、政府を追及しました。8月末には第3次集約を行い、署名をバックに緊急時被ばく線量の引き上げ・再稼働中止を迫りたいと思います。戦争法案廃案・原発再稼働中止の闘いと結合して、ご協力をお願いします。

原発再稼働を中止しベストミックスを撤回せよ

安倍政権は、長期エネルギー需給見通し=2030年のエネルギー・ベストミックスを確定させました。そこでは、電源構成比を「原発22~20%」「再生可能エネルギー22~24%」とし、「再生可能エネルギーの最大限の拡大」等により、原発については「可能な限り依存度を低減することを見込む」としています。
しかし、実際には震災前の原発44基(福島第一・第二原発10基を除き、廃炉5基を含む)と建設中3基が震災前30年の平均設備利用率で動くことを想定した原発容量の枠取りを行い、その上で太陽光・風力発電の「接続可能量」を設定し、これを超える太陽光等の接続は認めるが「無制限の出力制限」を課すというとんでもない法令が今年1月に施行されています
これでは、原発の「最大限の拡大」と再生可能エネルギーの「可能な限りの抑制」ではないでしょうか
しかも、「原発22~20%」は40年超運転の老朽原発をできるだけ増やし、これを中心に設備利用率を90%に引き上げて酷使するという、恐るべき原発強硬運転が想定されているのです。そのため、米原子力規制委員会NRCが1979年のスリーマイル島原発重大事故の後で実施し、当時50~60%に低迷していた設備利用率を90%以上へ引き上げた例にならい、日本でも安全目標を導入し確率論的リスク評価を適合性審査の中へ正式に取り込み、大胆な規制緩和を図ろうとしています。原子力規制委員会の「発足3年以内の見直し」を今年9月に控え、これを利用して規制委を内閣府へ移管させ、原子力規制行政への政権の影響力を強めようと画策しています。これでは、フクシマ事故再発の危険が一層高まります。
ベストミックスの危険な原発推進策を暴露し、川内1・2号、高浜3・4号、伊方3号と相次ぐ原発再稼働の動きを阻止し、ベストミックスを撤回させましょう。そのため、戦争法案廃案の闘いと原発再稼働阻止・緊急時被ばく限度引き上げ中止の闘いを結合して進め、安倍政権による憲法違反の暴走を食い止めましょう。

電力自由化に向けた原発優遇策の導入反対

来年(2016年)度から電力の小売りが自由化され、一般家庭でも自由に電力会社を選択できるようになります。しかし、再生可能エネルギーは「接続可能量」で抑制され、2020年の発送電分離までは送電網は電力会社に有利に運用されます。それでも、原発は電力自由化の下では生き残るのが困難なため、政府と電力会社は一体となって原発優遇策を導入してきました。原発廃炉時に計上すべき電力会社の特別損失を廃炉後に電気料金から回収できる廃炉会計制度がそれです。さらに、今年度内に、①再処理事業の認可法人化、②原子力損害賠償制度の有限責任化、③廃炉会計制度による電気料金の託送料金化、④「基準価格」による原発用「固定価格買取制度」の導入など、とんでもない原発優遇策が目白押しです。このような原発優遇策の導入には断固反対しましょう。再生可能エネルギーの拡充を図るには、「接続可能量」を全面撤回させ、発送電分離を早めさせ、送電網の全国統一の中立的な公的管理を実現させねばなりません。これらを原発再稼働反対、緊急時被ばく限度引き上げ中止の闘いと結合して求めていきましょう。

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