若狭ネット

福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

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10.26反原子力デーに際して、関電本社へ申し入れを行いました

10.26反原子力デーに際して、関電本社へ申し入れを行いました

10月26日は全国一斉に反原発行動を行う「反原子力デー」です。
そもそもの始まりは、60年前の1963年10月26日、日本原子力研究所(現「日本原子力研究開発機構」)の動力試験炉JPDRで日本初の原子力発電に成功したこと。原子力ムラは、この日を「原子力の日」として、全国各地で原子力推進のイベントを繰り広げていました。これに対抗するため、原水禁運動と全国各地の反原発市民運動が連携して1977年10月26日、第1回「反原子力の日」の全国一斉行動に取り組んだのです(原子力資料情報室編「原子力市民年鑑」巻末年表)。今年は47回目になりますが、私たちも毎年かかさず、関西電力本社への一斉申し入れ行動に取り組んできました。

関西電力は、八木誠社長時代に、2015年2月公開質問状への回答を拒否し、面談も拒否して以降、8年以上、私たち市民グループとの面談を拒否し続けています。
今回も、2週間前に関西電力本社広報へ電話で「10月26日午後1時に申し入れるので受け取るように」と依頼しましたが、面会を拒否されたため、予告通りに関西電力本社へ押しかけました。しかし、広報は出てこず、総務が代わりに申し入れや抗議文を受け取りました。

今回の申し入れ行動では、若狭連帯行動ネットワーク、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西、ヒバク反対キャンペーン、地球救出アクション97、原発の危険性を考える会の5団体が申し入れ文を提出し、さらに、姫路から駆けつけて来られた「上関に原子力施設はいらない兵庫の会」が抗議文を手渡しました。

この「異常」状態は、8年以上続いていますが、私たちは決してくじけません。関西電力が公益事業者としての責任を果たし、市民との対話路線へ復帰するまで、とことん、粘り強く、押しかけ続けます。

申し入れpdfはこちら

2023年10月26日

関西電力株式会社 取締役代表執行役社長 森 望 様

10・26反原子力デーに際して、関西電力への申し入れ

若狭連帯行動ネットワーク

貴社は、10月10日、福井県に「使用済燃料対策ロードマップ」を提示し、「2023年末に使用済燃料中間貯蔵施設の立地点を県外に確定できなければ、美浜3号、高浜1・2号の運転を止める」との約束を守れなかったことには一切触れず、六ヶ所再処理工場のフル操業や仏への搬出量積増しなど実現不可能な搬出計画をさも代替案であるかのように示し、あろうことか福井県内原発サイトでの乾式貯蔵も検討するとしています。これは明らかに貴社の約束違反です。カルテル問題で問われた貴社の公益事業者としての適格性が改めて問われています。福井県との4度目の約束違反を目前にして、立ち止まり、約束違反を率直に認め、直ちに美浜3号と高浜1・2号の運転を停止すべきです。
再稼働を進める中、使った燃料を冷やす使用済燃料ピットが満杯に近づいており、高浜原発は3回、大飯原発は4回、美浜原発は5回の燃料交換で満杯になるため、これらを超えての燃料交換はできず、運転停止を余儀なくされます。貴社は6月12日の記者会見で、高浜・大飯原発の満杯年をそれぞれ4.6年と5.8年と発表していますが、これは使用済燃料ピット内に1炉心分の空きのない違法運転を前提としたものであり、実際には3.8年と5.1年にすぎません。このような違法運転を前提とした試算は国民を欺くものであり、即刻撤回・修正すべきです。
貴社は、8月2日、中国電力と共同で、山口県上関町での中間貯蔵施設建設に向けた調査を実施すると発表しましたが、調査は来春までかかり、建設計画が上関町民や周辺自治体・山口県に受け入れられるとは限りません。地域の住民を分断し、地域生活を破壊するのはもうやめるべきです。「2030年に中間貯蔵施設を操業させる」というロードマップは、残り7年では実現不可能であり、断念し、ロードマップ自体を撤回すべきです。
高浜原発では、トラブルが相次いでいます。高浜4号では原子炉内で核分裂反応を抑える制御棒が落下、電気ケーブルの接続不良で原子炉が自動停止。3号でも昨年7月以降、テロ対策施設の部品不備など、運転上の制限からの逸脱が4件も相次ぎました。原子力規制委員会は今年8月23日、3号の追加検査を決め、高浜原発全体の根本原因の特定など再発防止に向けた改善計画を11月末までに報告するよう指示しています。まさに、貴社の原発は危険な状態にあると認識すべきであり、高浜3・4号40年超運転申請(4月25日)を撤回すべきです。
原発再稼働・40年超運転による利潤追求を続けていては、老劣化によるトラブル・故障・事故を頻発させ、次の定検までのひび割れ放置の強硬運転、異常発見時の無理な運転継続や異常対策等が不完全なままでの運転再開前倒しなどで、予想外の危険な事態を招き、福島事故を繰り返すことになりかねません。一層大量の使用済核燃料を生み出し、次世代に重い「負の遺産」を残します。
原子力は夢のある産業ではなく、若者が将来を夢見ることのできない産業へと転落しています。脱炭素・脱原発の社会に寄与する産業こそ若者に夢を与える産業です。にもかかわらず、貴社は、原発再稼働を最優先させ、目指すべき社会の実現を遠ざけているのです。
以上を踏まえ、次のことを強く申し入れます。公益事業者として自覚した上で、真摯に対応してください。

1.「使用済燃料対策ロードマップ」を撤回し、「2023年末に使用済燃料中間貯蔵施設の立地点を県外に確定できなければ、美浜3号、高浜1・2号の運転を止める」との約束を遵守してください。運転開始40年を超えたこれらの原発を3基とも廃炉にしてください。

2.制御棒落下、配管のひび割れ放置や蒸気発生器細管の減肉など老劣化の進む高浜3・4号と大飯3・4号を廃炉にしてください。

3.むつ市や上関町への使用済燃料中間貯蔵押しつけを断念し、使用済燃料をこれ以上生み出さないでください。

4.プルサーマルを即刻中止してください。プルトニウム利用を断念し、これ以上、MOX燃料の発注・輸送・輸入をしないでください。

5.取替や廃炉による美浜・大飯・高浜原発の蒸気発生器33基をはじめ給水加熱器や核燃料輸送・貯蔵用キャスクなど大型放射性廃棄物の輸出、海外での溶解・再利用の計画を断念し、密閉管理し続けてください。

6.「送配電会社の所有権分離」と「発電会社の所有権分離」を断行し、新電力との公平な競争環境を保障してください。

7.老朽原発の延命や革新軽水炉SRZ-1200の共同開発を断念し、原発依存の経営方針を「脱原発・脱石炭」、「再エネ拡大・優先接続・優先給電」へ大転換してください。

8.原子力発電所の廃止措置においては、放射能で汚染された原子炉建屋等施設・構造物、機器・配管等の早期の解体撤去は行わず、そのまま密閉管理し、100年程度の安全貯蔵期間をとってください。

以上

 

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