若狭ネット

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ニュース

川内原発審査書案に関する資料請求へ審査書決定直前に回答

7月29日に行われた川内原発に関する原子力規制委員会との交渉で、「事業者ヒアリングにおいて応力降下量を25.1MPaに引き上げた地震動評価を短周期側でもやっている」との発言を受けて資料請求したところ、下記の資料が提出されました

九州電力株式会社「川内原子力発電所 基準地震動の策定について(補足提出データ・資料)」,川内発電所1、2号機の地震等に係る新基準適合性審査に関する事業者ヒアリング(35),資料番号TC-C-064(2014.6.4)(pdfはこちら

ところが、これには短周期側の地震動評価結果がなく、長周期側の地震動評価結果しか掲載されていませんでした。しかも、短周期側では応力降下量を引き上げても地震動評価結果は変わらないという、とんでもない九州電力の主張が載っており、これを原子力規制庁がその間違いに気付かず、了承していたのではないかとの疑惑が持ち上がり、改めて追加の資料請求を8月12日付けで行いました。ところが、再三督促しても回答が引き延ばされ、ようやく提出されたのは9月9日、川内原発の審査書を了承した原子力規制委員会の会議の前日でした。あまりにひどい対応に唖然とします。下記に追加資料請求の内容原子力規制庁の回答回答へのコメントを記しておきます。

追加資料請求1.6月4日事業者ヒアリング(35)の九州電力資料TC-C-064(pdfはこちら)のp.17-18 で「短周期側領域では地震モーメントが変わっても、地震動評価結果は変わらない」としているが、これは、1997年5月13日鹿児島県北西部地震の本震地震動についてであって、検討用地震の地震動については当てはまらない。このような誤った九州電力の主張をヒアリングの場で原子力規制庁が「妥当と判断したのか、検討用地震については妥当でないと主張したのか」が議事概要からは読み取れない。いずれの判断をしたのかを明らかにされたい。また、妥当だと判断したのであれば、その科学的根拠を提出して頂きたい。

(説明)6月4日事業者ヒアリング(35)の九州電力資料TC-C-064のp.17には「要素地震と検討用地震の震源スペクトルの相対関係(イメージ)」図が描かれているが、この要素地震(1984年九州西側海域の地震)は元々 the Global CMT project の地震モーメント1.02×1017Nmを用いてアスペリティ応力降下量を21.02MPaとしており、菊地・山中(1997)とは無関係である。検討用地震の地震モーメントや応力降下量が1.58倍になったからといって、この要素地震の地震モーメントや応力降下量が1.58倍になることはありえない。確かに、1997年5月13日鹿児島県北西部地震の本震・余震の相対関係からアスペリティの応力降下量を導出しており、3つの余震のうちの一つを要素地震として本震の地震波形再現解析をしているため、本震の地震モーメントや応力降下量には無関係に地震波形が求められる。しかし、これは当該余震を要素地震とした場合の話であり、この本震・余震の相対関係は、市来断層帯市来区間など検討用地震とその要素地震(1984年九州西側海域の地震)の間には成立たない。にもかかわらず、検討用地震の応力降下量が1.58倍(15.9→25.1MPa)になったからと言って要素地震の応力降下量も1.58倍(21.02→33.2MPa)になるという必然性はない。

(原子力規制庁の回答)ご指摘の6月4日の九州電力資料TC-C-064で示されている、要素地震のパラメータを1.58倍にするという九州電力の考え方について事業者より説明を受けていますが、原子力規制庁としては、菊地・山中(1997)の地震モーメントを用いて設定したパラメータに基づく経験的グリーン関数法による評価結果が観測記録と概ね整合することから、菊地・山中(1997)の地震モーメントを用いた評価が妥当であると判断しています。
 Ss-1については、応答スペクトルに基づく地震動評価と断層モデルに基づく地震勤評価を行い、それらを包絡するように策定しており、その結果、Ss-1に対して短周期側は応答スペクトルによるものが、長周期側は理論的手法を併用した断層モデルによるものが支配的な影響であったことから、念のためthe Global CMT projectによる地震モーメントを用いて長周期側の影響について評価し、Ss-Lと同等レベルであることを確認しています。
 なお、短周期側の影響については、1997年5月13日鹿児島県北西部地震が2つの破壊領域を持つ地震であったことから、震源過程を詳しく解析した菊地・山中(1997)の地震モーメントの値に信頼性があり、the Global CMT projectのように1つの震源を想定して求めた地震モーメントの値で評価するのは適切ではないと考えております。

回答へのコメント:予想されたことだが、九州電力の説明を是としたのか非としたのかについては、やはり、無回答でした。しかし、「応力降下量を15.9MPaから25.1MPaへ引き上げても地震動評価結果は変わらない」という九州電力の主張は間違いであることを事実上認めたことになります。それにしても、なぜ、正面から間違いだと認めなかったのでしょうか?たぶん、事業者ヒアリングでは間違いに気付かなかったからではないかと推測されます。「念のためthe Global CMT project」による地震モーメントを用いて長周期側の影響について評価」したのであれば、なぜ、「念のため短周期側についても評価」しなかったのでしょうか?それをやると、まずいことになるからでしょうが、支離滅裂です。また、「短周期側の影響については・・適切ではない」というのであれば「長周期側でも適切ではない」とすべきではないでしょうか?首尾一貫しない回答です。この「回答」は個人が書いたものではなく、原子力規制庁の中で「整合性のある回答」になるよう良く議論して決めたものですが、「規制の虜」の状態から脱しえていないのではないでしょうか?

追加資料請求2.7月29日の市民団体との話し合いの場で、原子力規制庁は検討用地震のアスペリティ応力降下量を25.1MPaとした場合の短周期側地震動について、長周期側と同様に計算してSs-1およびSs-Lより下にあることを確認していると回答したが、短周期側の地震動評価結果は6月4日事業者ヒアリング(35)の九州電力資料TC-C-064には存在しない。原子力規制庁が確認したと主張する地震動評価結果は実際には存在せず、間違った回答をしたのか、それとも、他に存在するのか。存在するのであれば、それを提出して頂きたい。

(原子力規制庁の回答)7月29日の会合において、短周期側についてもthe Global CMT project の地震モーメントに基づく地震動評価を行ったという趣旨の発言を原子力規制庁の担当者が行ったことについては、間違った回答であり、上記のとおり訂正させていただきます。

回答へのコメント:1への回答に合わせて、「間違った回答」だったと認め、発言を「訂正」しています。前半は正直で良いのですが、後半の「訂正」は、長周期側だけ「念のため」に地震モーメントを大きくして影響を評価し、短周期側は「適切ではない」という意味が不明です。

原子力規制委員会に1340ガルの地震動を取り入れさせよう

 7月29日の原子力規制委員会交渉を踏まえ、
「震源を特定せず策定する地震動」として1340ガルの地震動を取り入れさせよう!
地震動評価手法の抜本的再構築を求め川内原発の審査やり直しを求めよう!

呼びかけ: 川内原発建設反対連絡協議会、川内つゆくさ会、反原発・かごしまネット、まちづくり県民会議、川内原発活断層研究会、東電福島原発事故から3年-語る会、さよなら原発:アクションいぶすき、原発ゼロをめざす鹿児島県民の会、かごしま反原発連合有志、原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、原子力資料情報室、若狭連帯行動ネットワーク(事務局担当)

原子力規制委員会は7月16日、川内1・2号の審査書(案)を決定し、8月15日までの「科学的・技術的意見募集」を行っています。私たちは適合性審査をやり直し、川内原発の基準地震動を2倍以上へ大幅に引き上げるよう求めます。(pdfはこちら)

私たちは全国から賛同を集めて3月18日に原子力規制委員会と交渉しましたが、その後、「あれ以上の回答はできない」「審査中の内容については回答できない」との理由で2度も継続交渉を拒否されました。審査書(案)ができた段階で、ようやく、7月29日に約1時間の限定で交渉が実現したのです。公開質問状には100団体483個人の賛同を得、紹介議員である福島みずほ社民党参議院議員をはじめ、鹿児島、福井、静岡、新潟、関西、関東から40数名が参加し、原子力規制庁3名を追及しました。

原子力規制委員会(原子力規制庁)との交渉記録(pdfはこちら)

7月29日の話し合いを踏まえた川内1・2号審査書案に関する緊急申し入れ(pdfはこちら)

1340ガルの地震動を採用せよ

最大の争点になったのは、原子力安全基盤機構JNESが2001~2009年の報告書で算出していた地震動=「M6.5の横ずれ断層による震源近傍で1340ガルの地震動」(図1参照)を「震源を特定せず策定する地震動」として採用させるという点でした。
この1340ガルの地震動は川内原発の基準地震動620ガルの2倍以上であり、川内1・2号のクリフエッジ(炉心溶融事故へ至るギリギリの地震動:1号は1004ガル、2号は1020ガル(2014.8.6に「1220ガル」から修正))をはるかに超えます。これが「震源を特定せず策定する地震動」として採用されれば、川内原発は再稼働できないどころか、廃炉に追い込まれます。しかも、S波速度Vs=2600m/sという非常に固い地震基盤表面での地震動なので、川内原発の解放基盤表面(Vs=1500m/s)に換算すると更に大きくなるのです。しかも、これが「震源を特定せず策定する地震動」として採用されれば、全国一律に適用されるため、ほとんどの原発が「即アウト」になるでしょう。

注:川内2号のクリフエッジは元の基準地震動540ガルの1.89倍(1020ガル)でした。九州電力の資料からの転記ミスでした。謹んでお詫びし、訂正致します(2014年8月6日 若狭ネット資料室長 長沢啓行)

図1.横ずれ断層モデルM6.5による地震動評価結果(Vs=2600m/sの地震基盤表面上に設定した231評価点における各周期ごとに求めた地震動応答スペクトルの平均値,標準偏差,最大・最小値であり,特定の評価点での応答スペクトルではない.「最大値」は,「実効応力大」,「高周波遮断特性平均+標準偏差」の場合である)

だから、原子力規制庁もこれを採用しないための「理由」を探し出すのに必死でした。

最初に持ち出した理由は「(1)JNESの報告書は年超過確率曲線を求めるためのものであり、仮想の地盤での仮想の地震発生による地震動評価だ」という主張です。私たちは、「地震動評価結果が仮想のもので使い物にならないのであれば、その結果として得られる超過確率も役に立たないではないか」と批判しました。これには面食らったようです。

すると、規制庁は第2の理由を持ち出し、「(2)実効応力が大、高周波遮断特性が平均+標準偏差というかなり起こりにくいものを想定している」と難癖を付けました。そこで、私たちは「北海道留萌支庁南部地震M6.1の地震観測記録(図2参照)は、縦ずれ断層でM6.0の地震動の『最大値』でないと合わないが、留萌の地震はかなり起こりにくい地震動だと言うのか。」と反論しました。すると、見るからに動揺して「JNESの断層モデルが過小評価かも知れない」と言い出し、ついには「低い確率ではこういう地震も考えられる」と認めざるを得ませんでした。

ところが、第3の理由「(3)実際に起こった地震の観測記録についてはそれぞれのサイトの特性を踏まえたうえで、取り込む必要があるものについては取り込む。」とし、「M6.5で1340ガルの地震動は実際にはまだ起きていない」からと、取り込みを拒んだのです。私たちは「地震観測記録が不足しているからそれを補うためにJNESが断層モデルを使って地震動評価を行ったのであり、その結果、M6.5の震源近傍で1340ガルの地震動が発生すると分かったのだから採用すべきだ」と批判しました。結局、規制庁は実際に1340ガルの地震が起きない限り採用しないという態度を改めませんでした。福島第一原発重大事故の教訓を何ら真摯に受け止めようとしていないのです。これでは、「自然の後追い」です。これまで基準地震動が5回も乗り越えられましたが、自然が新たな基準地震動を乗り越えるのは時間の問題でしょう。それでは遅いのです。

図2.北海道留萌支庁南部地震M6.1に基づく川内原発の解放基盤表面はぎとり波および耐専スペクトル(内陸補正後、図中では「スペクトル距離減衰式(2002)」と記載)と縦ずれ断層モデル(地震発生層3~20km)による地震動評価結果の比較(M6.0)

原子力規制委員会・規制庁は「新しい知見をどんどん取り入れていく」とうそぶいていますが、すでにある知見=JNESの報告書(JNESが規制庁に統合された今では規制庁の報告書)を取り入れようとしていません。M6.5の横ずれ断層が川内原発の極近傍で発生すれば1340ガルの地震動が襲う可能性があります。活断層とは違って、地表に姿を現さない、これほど小さな地震については事前に予測するのは不可能です。M6.5の見えない小さな地震による1340ガルもの地震動の発生を警告する評価結果が規制庁の手元にあるのに、それを無視しようとしているのです。こんな理不尽なことは許せません。

1340ガルの地震が原発直下で発生することを想定し、サイトの特性を考慮して解放基盤表面はぎとり波に換算するのは容易です。「震源を特定して策定する地震動」では活断層から震源断層を仮想して断層モデルで地震動評価が行われ、基準地震動が策定されています。これとM6.5の1340ガルの地震動評価との間に、一体どのような差があるというのでしょうか。「震源を特定せず策定する地震動」として1340ガルの地震動を取り入れさせましょう。

アスペリティ応力降下量25.1MPaで審査していた

第2の論点は、断層モデルによる地震動の過小評価でした。実は、1340ガルの地震動を算出したJNESの断層モデルは通常のレシピとは異なり、地震動評価結果を左右するパラメータの値が通常より2~3割大きく設定されていたのです。これは国内の地震データを重視した結果でしたが、規制庁は、基本的なところを理解できないまま、とんちんかんな回答に終始しました。この論点については、時間がなくて追及できませんでしたが、九州電力の断層モデルについて、ひとつ重要なことが判明しました。

私たちは、九州電力が設定した「1997年5月13日鹿児島県北西部地震のアスペリティ平均応力降下量15.9MPa」は小さすぎ、これをそのままM7.2~7.5の活断層による地震動評価に用いるのは過小評価だと批判し、図3のように断層モデルによる地震動評価結果が耐専スペクトルの1/2~1/3に留まっているのはそのためであり、25.1MPaに設定し直すべきだと主張してきました。規制庁は表向き、これを全面拒否してきたのですが、実は、ヒアリングという裏の審査でこっそり、アスペリティ平均応力降下量を25.1MPaにして計算させていたのです。しかも、長周期側だけを重視し、甑断層帯甑区間や市来断層帯甑海峡中央区間などを対象にしており、図3の市来断層帯市来区間は対象外だと思われます。その結果、基準地震動Ss-1やSs-Lより小さいことをヒアリングで確認したと主張しているのですが、とんでもありません。私たちは、アスペリティ応力降下量を25.1MPaとした断層モデルを「基本モデル」として、そこから不確実さを考慮して、応力降下量の1.5倍化も検討すべきだと主張してきたのです。「15.9MPaの基本モデル」のままで、その不確実さの考慮として25.1MPaを検討せよと主張したのではありません。

25.1MPaの地震動評価結果を公表させ、市来断層帯市來区間についても25.1MPaで地震動を計算させ、これを基本モデルとして地震動評価をやり直すように求めましょう。そうすれば、断層モデルによる地震動評価結果も耐専スペクトルに接近し、0.1秒付近など一部では、基準地震動Ss-1を超えることは間違いないでしょう。

図3.市来断層帯市来区間の耐専スペクトルと断層モデルによる地震動評価結果の比較

耐専スペクトルは震源近傍では過小評価

第3の論点は、耐専スペクトルが震源近傍で過小評価になっていることについてです。JNESは2ページ目の図2を示し、縦ずれ断層による地震動評価結果を耐専スペクトルと比較して、等価震源距離で20km程度離れた「平均値」ではほぼ同等だとする一方、震源近傍では耐専スペクトルは断層モデルの1/2~1/5にすぎず、過小評価になっていることを示唆していたのです。規制庁もこれを認め、耐専スペクトルを作った日本電気協会が見直しを進めていることを明らかにしました。また、JNESを統合した規制庁でも、研究部門で地震動の研究を引き続き続けたいとの意向を表明しています。
つまり、耐専スペクトルは震源近傍ないし、等価震源距離10km程度の近距離では地震動を過小評価することを規制庁自身が認めているのです。そうであるなら、最近20年間の地震観測記録を取り込むと同時に、JNES報告書などに基づき、断層モデルによる地震動評価結果で震源近傍の観測記録の不足を補い、耐専スペクトルを再構築すべきです。そうすれば、川内原発の市来断層帯市来区間(M7.2、等価震源距離14.29km)の耐専スペクトルも、より大きくなるのは必至です。また、耐専スペクトルには図4のように「倍半分」の偶然変動によるバラツキがありますので、「余裕」を持たせるため、さらに2倍に引き上げるべきです。そうすれば、川内原発の基準地震動は現在の2倍以上、1000ガル以上へ大幅に引き上げざるを得ないでしょう。

図4.国内外の内陸地殻内地震による震源近傍の観測記録(M6.0~8.1, Xeq=6~33km, 水平51記録, 上下14記録)の耐専スペクトル(内陸補正有)との残差(バラツキ) (細線:各地震観測記録に対する残渣,太い赤実線:残差の平均,やや太い青実線:平均からの「倍半分」の差)

事故が起こる可能性は否定しない

最後の論点は、川内原発の安全は担保されていないという点です。田中委員長は「安全とは申し上げない」と何度も公言し、規制庁も「事故が起こる可能性は否定しない」と回答しています。鹿児島からの参加者は「安全を保証できないのにどうして地元自治体に報告できるのか」と規制庁に迫りました。また、規制庁は「安全目標をクリアできているかどうかは審査しておらず確認していない」としていますが、「鹿児島県知事は住民への避難説明会で、100万炉年に1回の安全目標があるという資料を示しており、おかしい」と指摘しています。原子力規制委員会は「安全」を保証せず、事業者に安全の第一義的責任を転嫁し、政府は「安全のお墨付き」を原子力規制委員会に求め、自らは再稼働の判断をしない。九州電力は国に「再稼働の合意形成」を求める。こんな無責任な原発再稼働は断固として阻止しましょう。

緊急のお願いに応えていただき、ご協力ありがとうございました。
公開質問状への賛同団体・個人は 100団体、483個人
たった 1週間で 運動カンパが約19万円集まりました。
7月29日の交渉に参加された鹿児島、新潟、福井、関西からの参加者の交通費半額程度に約11万円、印刷・郵送代(2回)に約9万円で不足分は若狭ネットで負担しました。「原子力規制庁は地震動を過小評価するな!原発再稼働阻止!」の声を届け、脱原発の運動をさらに力強く盛り上げていきましょう!お互いがんばっていきましょう! (若狭ネット 久保)

反原発学習会「川内原発の再稼働を阻止するために」のご案内(pdfはこちら)
日時:8月23日(土) 午後1時半~4時半
場所:市民交流センターひがしよどがわ(JR新大阪駅下車、北西へ5分)
主催:若狭連帯行動ネットワーク

 

8月1日に原子力規制委員会へ緊急申し入れを提出

2014年8月1日
原子力規制委員会委員長
田中 俊一 様

7月29日の話し合いを踏まえた川内1・2号審査書案に関する緊急申し入れ
(pdfはこちら)

原子力規制委員会・規制庁と私たちとの7月29日の話し合いは非常に実り大きいものでした。そこで明らかになったことを踏まえ、緊急に以下の内容を申入れます。真摯にご検討くださるようお願い申し上げます。

1.原子力安全基盤機構JNESが2001~2009年の報告書で算出していた地震動=「M6.5の横ずれ断層による震源近傍で1340ガルの地震動」(図1参照)を「震源を特定せず策定する地震動」として取り入れてください。

(説明) JNESの報告書は、2006年の耐震指針改定時に「震源を特定せず策定する地震動」として採用された加藤ら(2004)の「上限レベル」における元データが極めて少なく、他の地震データを除外した「予め予測できる」とする根拠も薄弱であったことから、地震観測記録の不足を断層モデルによる地震動評価で補充するため、また、参照すべき年超過確率曲線(ハザード曲線)を導出するために行われたものでした。規制庁は当初、「仮想の地盤での仮想の地震発生による地震動評価」だと主張していましたが、その地震動評価が仮想のもので使い物にならないのであれば、その結果として得られる超過確率も使えないことになり、矛盾します。また、アスペリティ応力降下量と高周波遮断特性について「平均±σ」のバラツキを考慮していますが、これはごく普通に起こりうる範囲内のゆらぎにすぎず、「極めて起こりにくい特殊な例」ということにはなりません。規制庁も、最後には「低い確率ではこういう地震も考えられる」と認められました。ところが、「この地震動は実際にはまだ起きていない」という理由で取り込みを拒む一方、「実際に起こった地震の観測記録についてはそれぞれのサイトの特性を踏まえたうえで、取り込む必要があるものについては取り込む。」とされました。これでは、「自然の後追い」です。これまで基準地震動が5回も乗り越えられましたが、自然が新たな基準地震 動を乗り越えるのは時間の問題でしょう。それでは遅いのです。福島第一原発重大事故の教訓を何ら真摯に受け止めようとしない姿勢です。M6.5の見えない小さな地震による1340ガルもの地震動の発生を警告する評価結果が規制庁の手元にあるのですから、それを無視しないでください。「震源を特定して策定する地震動」でも、実際には起きていない仮想の地震について地震動評価をしているのですから、同様に扱うべきです。

図1.横ずれ断層モデルM6.5による地震動評価結果(Vs=2600m/sの地震基盤表面上に設定した231評価点における各周期ごとに求めた地震動応答スペクトルの平均値,標準偏差,最大・最小値であり,特定の評価点での応答スペクトルではない.「最大値」は,アスペリティ実効応力「大」,高周波遮断特性「平均+標準偏差」の場合である)

2.川内1・2号の周辺活断層による地震動評価について、「アスペリティ平均応力降下量25.1MPa」を「基本ケース」とし、その上で、断層上端や応力降下量などの不確かさを考慮するようにやり直してください。

(説明) 九州電力は1997年5月13日鹿児島県北西部地震の地震モーメントを数ある数値の中で最も小さい値にしてアスペリティ平均応力降下量を15.9MPaと設定しています。しかも、この未飽和断層に対する評価結果をそのままM7.2~7.5の飽和断層に用いています。その結果、図2のように断層モデルによる地震動評価結果が耐専スペクトルの1/2~1/3に留まっています。私たちは、要素地震の地震モーメントにthe Global CMT project の値を採用しているのだから、1997年5月13日鹿児島県北西部地震の地震モーメントにも同機関による値を採用し、アスペリティ平均応力降下量を25.1MPaに設定すべきだと主張してきました。規制庁は表向き、これを全面拒否しながら、ヒアリングの場でこっそり、25.1MPaのケースを計算させていました。規制庁は長周期側の地震動の確認だと主張していますが、このような姑息な対応をやめ、アスペリティ応力降下量を25.1MPとする断層モデルを「基本ケース」として、さらに不確実さを考慮するように地震動評価をやり直してください。

図2.市来断層帯市来区間の耐専スペクトルと断層モデルによる地震動評価結果の比較

3.耐専スペクトルを早急に再構築し、新たな耐専スペクトルで地震動評価をやり直してください。

(説明) JNESは図3のように、縦ずれ断層による地震動評価結果を耐専スペクトルと比較して、等価震源距離で20km程度離れた「平均値」ではほぼ同等だとする一方、震源近傍(図3の「最大値」)では耐専スペクトルは断層モデルの1/2~1/5にすぎないことを示しています。規制庁もこれを認め、耐専スペクトルを作った日本電気協会が見直しを進めていることを明らかにしました。JNESを統合した規制庁でも、研究部門で地震動の研究を引き続き続ける意向です。そうであればなおさら、最近20年間の震源近傍の地震観測記録を取り込み、JNES報告書などで震源近傍での観測記録の不足を補い、耐専スペクトルを再構築し、審査をやり直すべきです。その際、耐専スペクトルには「倍半分」の偶然変動によるバラツキを考慮して、2倍の「余裕」を持たせるべきです。

図3.北海道留萌支庁南部地震M6.1に基づく川内原発の解放基盤表面はぎとり波および耐専スペクトル(内陸補正後、図中では「スペクトル距離減衰式(2002)」と記載)と縦ずれ断層モデル(地震発生層3~20km)による地震動評価結果の比較(M6.0)

4.田中委員長が鹿児島県民や薩摩川内市民に直接、審査書案を説明し、地元住民の声を聞いてください。

(説明) 田中委員長は「安全とは申し上げない」と何度も公言し、規制庁も「事故が起こる可能性は否定しない」と回答しています。9月29日の話し合いに鹿児島から参加した方は「安全を保証できないのにどうして地元自治体に報告できるのか」と規制庁に迫りました。また、規制庁は「安全目標をクリアできているかどうかは審査しておらず確認していない」としていますが、「鹿児島県知事は住民への避難説明会で、100万炉年に1回の安全目標があるという資料を示しており、おかしい」と指摘しています。原子力規制委員会は「安全」を保証せず、事業者に安全の第一義的責任を転嫁し、政府は「安全のお墨付き」を原子力規制委員会に求め、自らは再稼働の判断をしません。九州電力は国に「再稼働の合意形成」を求めています。こんな無責任な状態で川内原発が再稼働へ突き進むのは誰もがおかしいと疑問を呈しています。川内原発の審査書案を決定した最高責任者として、田中委員長自ら地元へ説明に出向き、地元住民の声を聞き、直接対話すべきです。
以上

添付資料:原子力規制委員会(原子力規制庁)との交渉記録(pdfはこちら)

呼びかけ団体:川内原発建設反対連絡協議会、川内つゆくさ会、反原発・かごしまネット、まちづくり県民会議、川内原発活断層研究会、東電福島原発事故から3年-語る会、さよなら原発:アクションいぶすき、原発ゼロをめざす鹿児島県民の会、かごしま反原発連合有志、原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、原子力資料情報室、若狭連帯行動ネットワーク(事務局担当)

賛同団体・個人(2014.7.28現在100団体、483個人)

原子力規制委員会との7/29交渉にご参加ください

交渉の記録とまとめはこちらをご覧ください

川内1・2号の審査書案をぶっつぶせ!
7月29日(火)午後1時から参議院議員会館で
原子力規制委員会との緊急交渉に参加を!

呼びかけ: 川内原発建設反対連絡協議会、川内つゆくさ会、反原発・かごしまネット、まちづくり県民会議、川内原発活断層研究会、東電福島原発事故から3年-語る会、さよなら原発:アクションいぶすき、原発ゼロをめざす鹿児島県民の会、かごしま反原発連合有志、原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、原子力資料情報室、若狭連帯行動ネットワーク(事務局担当)

原子力規制委員会は7月16日、川内1・2号の審査書(案)を決定し、8月15日まで科学的・技術的意見を募集しています。田中委員長は「新基準への適合はみているが、安全とは私は申し上げないと何度も言ってきた。」と記者会見!実際に、地震動は過小評価され、川内1・2号の耐震安全性は全く保証されていません。
ところが、原子力規制委員会・規制庁は私たちとの3月18日の交渉で「沈黙」したあげく、その後は「審査中の内容については答えられない」と逃げ回っています。規制基準の審査ガイドで参照するよう指示されている原子力安全基盤機構の報告書では1340ガル、川内1・2号の基準地震動620ガルの2倍以上の地震動が算定されています。これを基準地震動に組み込むよう求めましょう。この報告書に関する質問なら規制庁も回答せざるを得ません。何しろ、原子力安全基盤機構はこの3月に原子力規制庁へ統合されたのですから。このままでは地震で炉心溶融事故が再び起きる恐れがあります。私たちは、3月18日の交渉を継続・発展させ、3月24日の要請書、福井地裁判決を受けた5月23日の緊急公開質問状に続き、地震動評価手法の抜本的見直しを原子力規制委員会に求めます。ぜひ、公開質問状への賛同団体・個人の拡大に協力してください。そして、交渉に参加して下さい。

原子力規制委員会・原子力規制庁との交渉
日時:2014年7月29日(火)13:00~14:00
場所:参議院議員会館102会議室
(地下鉄丸ノ内線「国会議事堂駅前」下車歩5分)(地図はこちら)

参加希望者は通行証が必要ですので、事前に久保までご連絡下さい。当日は、参議院議員会館の荷物検査を経て、12時過ぎにロビーへ集合し、事前会合(12:20~12:50)からご参加下さい。

原子力規制委員会に対する紹介議員は、社会民主党の福島みずほ参議院議員にお願いしています。

交渉参加呼びかけ文pdfはこちら
川内1・2号の審査書案を受けた地震動評価等に関する公開質問状pdfはこちら
参考資料:「1000ガル超の「震源を特定せず策定する地震動」がなぜ採用されないのか」大阪府立大学名誉教授 長沢啓行pdfはこちら

公開質問状は7月22日に提出しましたが、7月28日正午まで賛同団体・個人の募集を継続し、29日の交渉当日に改めて提出します。公開質問状への賛同団体・個人を広げて下さい。そして、7月29日の原子力規制委員会との交渉に参加して下さい。遠方からの交渉参加者には交通費の半額をめどにカンパしたいと思っています。交渉を成功させるため、1口500円で何口でも結構ですので引き続きカンパをお寄せ下さい(なお、「3・18交渉で頂いたカンパ」の残額約4万円とその後に頂いたカンパ約10万円は今回の交渉で使わせて頂きます)。

公開質問状への賛同団体・個人を募集中:最終締め切りは2014年7月28日正午

連絡先:〒583-0007 藤井寺市林5-8-20-401 久保方TEL 072-939-5660 dpnmz005@kawachi.zaq.ne.jp
または〒591-8005 堺市北区新堀町2丁126-6-105 若狭ネット資料室(長沢啓行室長)
TEL 072-269-4561 ngsw@oboe.ocn.ne.jp http://wakasa-net.sakura.ne.jp/www/

カンパ振込先: 郵便振込口座番号00940-2-100687(加入者名:若狭ネット)

 

若狭ネットニュース第150号を発行しました

若狭ネットニュース第150号(2014/7/12)を発行しました一括ダウンロード30.9Mb

巻頭言-大飯3・4号運転差止め「福井地裁判決」を全国へ!川内1・2号をはじめ全原発の再稼働を阻止しよう!
関西電力は「原発依存による3年連続赤字」=経営失敗を深く反省しろ! 原発再稼働を断念し、脱原発へ転換し、電気料金を下げよ!

(1)電力会社の経営危機は「原発依存」の結果にすぎない!「原発再稼働」や「電気料金値上げ」なんて、とんでもない!

(2)電力全面自由化に向け、電気事業法は改正されたけれど・・・電力独占・政府一体になった「原発優遇策」を許すな!電力独占を解体し、発送電分離を!

(3)1000 ガル超の「震源を特定せず策定する地震動」がなぜ採用されないのか
大阪府立大学名誉教授 長沢啓行

注:川内2号のクリフエッジは1,220ガルではなく1,020ガルでした。読者の方のご指摘で、原典からの転記ミスであることが判明しました。謹んでお詫びし、訂正致します。ニュース小論も訂正しております。(2014.8.6若狭ネット資料室長 長沢啓行)

大飯3・4号の運転差し止めを命じる福井地裁判決を受け、原子力規制委員会に緊急要請文を提出

福井地裁は5月21日、関西電力に対し大飯3・4号の運転差し止めを命じる判決を言い渡しました。

憲法上の権利である人格権に基づく司法判断であり、たとえ、その下位にある原子炉等規制法や原子力規制委員会による規制基準・審査ガイドなどが満たされていても、人格権を広汎に奪うことになる原発事故の具体的危険性が万が一にもあれば、運転差し止めが認められるという画期的なものです。

原子力規制委員会による「規制基準」は「原発重大事故は起こりうる」との大前提に立っており、30km圏内をUPZに指定するなど何十万人、何百万人もの国民の命を危険にさらし、人格権を奪う可能性を前提にしています。

原子力規制委員会で現在審査中の原発では、電力会社は「電力会社の経済的利益」を人格権より優先させ、経済的に成立つ範囲内での耐震性の確保で済ませるため、基準地震動を過小に設定しようとしています。

そこで、私たちは、福井判決を受け、5月23日、原子力規制委員会に緊急要請文を提出しました。

呼びかけ団体: 川内原発建設反対連絡協議会、川内つゆくさ会、反原発・かごしまネット、まちづくり県民会議、川内原発活断層研究会、東電福島原発事故から3年-語る会、さよなら原発:アクションいぶすき、原発ゼロをめざす鹿児島県民の会、かごしま反原発連合有志、原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、原子力資料情報室、若狭連帯行動ネットワーク(事務局担当)
賛同団体・個人: 2014.5.23現在 88団体、416個人(「5月15日付緊急公開質問状(5月23日一部修正)」に記載)

緊急要請文はこちら 緊急公開質問状はこちら 呼びかけはこちら
(なお、5月15日に提出した公開質問状には一部誤りがありましたので修正しました。その説明はこちら

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2014年5月23日
原子力規制委員会委員長
田中 俊一 様

大飯3・4号運転差し止めの5.21福井地裁判決を受け、川内1・2号等の地震動評価やり直しと公開質問状への至急回答を求めます

福井地裁は5月21日の判決で、大飯3・4号の運転差し止めを命じました。同判決ではこれまでに安全規制当局の定めた基準地震動を超える地震動が4原発で5回も相次いだ事実を重視し、「過去における地震の記録と周辺の活断層の調査分析という手法に基づきなされたにもかかわらず、被告の本件原発の地震想定だけが信頼に値するという根拠は見いだせない」と指弾しています。さらに「新規制基準への適合性や原子力規制委員会による新規制基準への適合性の審査の適否という観点からではなく、(1)の理に基づく裁判所の判断が及ぼされるべきこととなる。」つまり、「人格権は憲法上の権利であり、また人の生命を基礎とするものであるがゆえに、我が国の法制下においてはこれを超える価値を他に見出すことはできない。」「大きな自然災害や戦争以外で、この根源的な権利が極めて広汎に奪われるという事態を招く可能性があるのは原子力発電所の事故のほかは想定し難い。かような危険が抽象的にでもはらむ経済活動は、その存在自体が憲法上容認できないというのが極論にすぎるとしても、少なくともかような事態を招く具体的危険が万が一にでもあれば、その差し止めが認められるのは当然である。」と断じているのです。原子力規制委員会としてはこの判決を重く受け止めるべきであり、あらゆる可能性を考慮して、考え得る限りの最大規模の地震・津波を想定すべきところ、地震動評価については、私たちが公開質問状で何度も提起しているように、最近20年間の地震観測記録があるにもかかわらず、電力会社の経済的利害に基づく「理屈」によって、過小に設定されています。
従来の原発推進機関から独立した原子力規制委員会として、今回の判決を受けて襟を正し、私たちの緊急公開質問状に誠意ある回答を求めます。とくに、川内1・2号については、「基準地震動は策定済み」であるかのように報道されていますが、下記の緊急要請項目にあるとおり、過小設定になっています。5月15日付「川内1・2号の地震動評価等に関する緊急公開質問状」(5月23日一部修正)と合わせて、至急回答の場を設定して頂くよう強く求めます。

(1) 川内1・2号で活断層による地震の震源パラメータを設定する際、九州電力は1997年5月13日鹿児島県北西部地震の地震モーメントとして菊地・山中(1997)による 0.90×10^18Nm(MW5.9) を用いていますが、原子力規制庁がすでに資料収集しているように、the Global CMT project は1.42×10^18Nm(MW6.0)、九州大学理学部島原地震火山観測所(1997)は1.2×10^18Nm(MW6.0)、F-Netは1.22×1018Nm(MW6.0)、さらに、気象庁CMT解では2.17×10^18Nm(MW6.2)となっており、九州電力はこのうち一番小さい値を用いていることを確認して下さい。
なお、菊地・山中(19979)による地震モーメントの値は2つの断層による地震モーメントの総和であることを元データに基づいて確認しましたので、5月19日付で先に提出した緊急要請書の(1)を上記のとおり修正いたします。

(2) 川内1・2号の断層モデル(経験的グリーン関数法)による地震動評価に際して、九州電力は、要素地震の応力降下量21.02MPaを the Global CMT project による地震モーメントで算出しており、1997年5月13日鹿児島県北西部地震の応力降下量についても、過小評価を避けるため the Global CMT project による地震モーメントを用いれば、今の15.9MPaから25.1MPaへ約1.6倍になることを確認して下さい。

(3) 周辺活断層の震源パラメータにおけるアスペリティ平均応力降下量を少なくとも25.1MPaに設定し直して、川内1・2号の断層モデルによる地震動評価を一からやり直してください。

(4) 5月21日の福井地裁判決を真摯に受け止め、本緊急要請項目および5月15日付緊急公開質問状への回答を受ける交渉の場を可能な限り速やかに設定して下さい。

川内1・2号の地震動過小評価について原子力規制委員会に緊急公開質問状を提出するも、回答拒否!緊急の抗議・要請文を提出!緊急公開質問状への賛同をお願いします!

川内1・2号の地震動過小評価問題で「九州電力が引用論文を曲解して地震動を過小評価していた」という重大な事実が判明しました。そこで、私たちは、3月18日の交渉の継続として、新たに鹿児島・川内の9つの市民団体に呼びかけ団体へ加わって頂き、5月15日に原子力規制委員会宛に緊急公開質問状を提出しました。(記載内容のうち菊地・山中(1997)論文の評価についてミスがあり、5月23日のブログで訂正しましたので、詳しくはこちらをご覧ください

呼びかけ団体:川内原発建設反対連絡協議会、川内つゆくさ会、反原発・かごしまネット、まちづくり県民会議、川内原発活断層研究会、東電福島原発事故から3年-語る会、さよなら原発:アクションいぶすき、原発ゼロをめざす鹿児島県民の会、かごしま反原発連合有志、原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、原子力資料情報室、若狭連帯行動ネットワーク(事務局担当)

ところが、その事務局である原子力規制庁が「審査中の案件に関する質問には答えられない」と主張し、翌日に回答を拒否してきたのです。私たちへの回答拒否は3月に続き(3月24日に抗議申し入れ:詳しくはこちら)、今回で2度目です。原子力ムラから独立するのは当然だとしても、国民の安全を確保する立場でありながら国民の声を聞かないというのは一体どういうことでしょうか。しかも、川内1・2号の耐震性に関する重大な疑惑が持ち上がっているというのに・・・

私たちは、やむなく緊急の抗議・要請文を提出しました(緊急要請文はこちら)。

川内1・2号の審査書(案)ができ次第、この緊急要請文への対応と先に提出した緊急公開質問状への回答を求めていく予定です。この公開質問状は3月18日の交渉を継承していますので、現段階で84団体・380個人の賛同を得ていますが、次回交渉に向けて、さらに賛同団体・個人を増やしていきたいと思います。交通費カンパも、1口500円で何口でもお願いします。

5月19日緊急抗議・要請文および緊急質問状への賛同呼びかけ(こちらからダウンロードしてください

5月15日緊急公開質問状(こちらからダウンロードしてください

緊急公開質問状添付資料(こちらからダウンロードしてください:「画像エラー」が出たら再読み込みしてください

 

若狭ネットニュース第149号を発行しました

若狭ネットニュース第149号(2014/5/11)を発行しました(一括ダウンロード6.8Mb)( (2)の補足資料

巻頭言-現地と連帯し、川内1・2号の再稼働を許すな!九州電力による地震動過小評価を暴き、追及しよう!
大飯3・4号、高浜3・4号の「再稼働」申請取り下げと美浜原発の即時廃炉を関西電力に求めよう!

(1)チェルノブイリ事故28年に際して4月25日に関電へ申し入れ、
関電は2月24日付追加質問にあわてて電話回答、しかし・・・

(2)川内1・2号の耐震安全性は保証されていない  (補足資料)
大阪府立大学名誉教授 長沢啓行

 

注:川内2号のクリフエッジは1,220ガルではなく1,020ガルでした。読者の方のご指摘で、原典からの転記ミスであることが判明しました。謹んでお詫びし、訂正致します。ニュース小論も訂正しております。(2014.8.6若狭ネット資料室長 長沢啓行)

 

 

原子力規制委員会が再交渉を拒否!厳重抗議し、地震動評価手法の至急見直しを申し入れ

3.18交渉で原子力規制委員会(原子力規制庁)はずさんな回答に終始
2回目(3.31)交渉を要請するも 「別段変わった返答はできない」と拒否

原子力規制委員会に厳重抗議し、引き続き、地震動評価手法の至急見直しを求めよう

呼びかけ:原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、原子力資料情報室、 若狭連帯行動ネットワーク(事務局担当)

原子力規制委員会は3月13日の本会議で川内1・2号を「模範原発」として選定し、今月内にも「審査書案」を作成しようとしています。私たちは、川内1・2号に関する追加質問(pdf文書はこちら)を急遽加え、3月18日に原子力規制委員会と交渉し、大飯3・4号、高浜3・4号および川内1・2号の地震動過小評価を批判し、基準地震動の大幅引き上げを求めました。紹介議員である福島みずほ社民党参議院議員をはじめ市民側は鹿児島、島根、福井、静岡、大阪、兵庫、奈良、東京、埼玉等から31名が参加し、原子力規制委員会の事務局である原子力規制庁から2名が出席して回答しました。最初に、3月18日現在77団体・361個人の賛同を得た公開質問状(pdf文書はこちら)を賛同リストと共に改めて提出し、約2時間にわたって追及しました。(交渉のまとめはこちら

しかし、別紙交渉記録(pdf文書はこちら)のように、公開質問状に則した具体的な回答は全くなく、門切り型の切り捨て御免というような回答でした。仕方なく、交渉の場でひとつ一つ具体的に追及したところ、原子力安全委員会の時代に検討された重要事項を全く引き継いでおらず、地震動評価手法に関する基礎知識にも乏しい有様で、回答できずに沈黙する状態が相次ぎました。長い沈黙の後で「知りませんでした」「仰る中身は理解しました」と言いながら、図表を用いた具体的な追及によってすでに破綻した前言を、お経を唱えるかのように繰り返し、騒然たる非難を浴びながら、全く反省の色が見られませんでした。約束の1時間半を大幅に超えたので、「今度は地震動評価手法に精通して責任を持って回答できる人に出席してももらい、2回目の交渉を早急にやろう」と提案し、「持ち帰って検討する」ことになりました。そこで、翌日付で「3月31日に再度の詳細回答」を公開質問状への賛同団体(3月19日現在78団体・365個人)連名で求めたところ(pdf文書はこちら)、数時間後には「前回の集会で申し上げたとおりで、別段変わった返答はできない。」「当該原発は審査中でもあり、途中段階では具体的なことはこれ以上回答できない。」と、拒否してきたのです。

地震動評価手法の根幹に関わる質問に全く回答できず、その妥当性が根底から揺らいでいるのに、再交渉を拒否し、これまで通りの過小評価を続けようとしているのです。言語道断です。原子力規制委員会(原子力規制庁)は、審査書案作成段階で再交渉に応じると、地震動評価手法の根本的欠陥が一層明らかにされ、川内1・2号の審査書案を作成できなくなることを恐れているのかも知れません。なおさら、ひどい話です。原子力規制委員会は、福島第一原発重大事故から一体どのような教訓を引き出したのでしょうか。地震による強震動で原発が耐えられず炉心溶融事故が再び起きてもかまわないとでも思っているのでしょうか。

私たちは3月24日、原子力規制委員会に厳重抗議するとともに、7項目に及ぶ「地震動評価手法の至急見直し」を具体的に提示し、その検討結果を後日説明するよう求めました(pdf文書はこちら)。これをベースに、原子力規制委員会による地震動過小評価を許さない闘いを継続・拡大し、地震動評価手法の抜本的再構築を求め、地震に耐えられない原発の閉鎖を求めていきたいと思います。1基たりとも再稼働を許さないため引き続きご支援、ご協力をお願いします。

今回の公開質問状には3月20日現在で全国から78団体、373個人の賛同を得ました。また、カンパも約37万円集まり、遠方からの参加者に交通費半額支援もできました。厚くお礼申し上げます。闘いは続きます。原子力ムラの復活を許さず、再稼働阻止から「原発ゼロ」=脱原発へ共に進みましょう。

「3月24日付け原子力規制委員会への厳重抗議・申し入れ」はこちら
「3月18日の原子力規制委員会交渉のまとめ」はこちら
「3月18日の原子力規制委員会交渉記録」はこちら
「交渉記録に出てくる図表」はこちら

 

川内1・2号の地震動評価に関する追加質問を原子力規制委員会に提出しました

「川内1・2号の地震動評価に関する追加質問」(pdfはこちら)を3月17日付で原子力規制委員会に提出しました。原子力規制委員会とは明日交渉ですので、3月5日に66団体・221個人の賛同で共同提出した公開質問状とともに回答を求めます。原子力規制委員会との3月18日の交渉にぜひご参加ください。(詳しくは下記をご覧ください。)

再稼働に向けた審査が基準地震動を巡って白熱する中、原子力規制委員会への公開質問状を3月5日、66団体・221個人の賛同で提出しました。その後も賛同が増えています。3月17日まで賛同団体・個人を受け付け、交渉日に改めて提出しますので、よろしくお願いします。また、原子力規制委員会との交渉は3月18日に決まりました。ぜひ、ご参加ください。 (公開質問状+賛同・団体個人リストはこちら)(3月18日の交渉と公開質問状への賛同の呼びかけはこちら

呼びかけ: 原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、 原子力資料情報室、若狭連帯行動ネットワーク(事務局担当)

高浜3・4号の地震動評価で断層モデルは耐専スペクトルの1/2~1/3 耐専スペクトルも岩手・宮城内陸地震を反映せず、過小評価

原子力規制委員会に地震動評価法の抜本改定を求めよう! 公開質問状の賛同団体・個人になって下さい! 3月18日午後1時半から参議院議員会館で原子力規制委員会との交渉に参加を!

原子力規制委員会は基準地震動・基準津波の確定と航空機墜落等による大規模損壊時の対策の3条件を満たす原発を「模範」として選定し「審査書案」を作成しようとしています。あろうことか、政府・与党の中からも再稼働をプッシュする発言が相次いでいます。ちょっと待って下さい!原発の地震動評価はあまりにもずさんです。このままでは地震で炉心溶融事故が再び起きる危険があります。私たちは以下のことを原子力規制委員会に求め、交渉します。ぜひ、公開質問状に賛同し、交渉に参加して下さい。

(1) 高浜3・4号の断層モデルによる地震動評価結果は、国内地震観測記録に基づく耐専スペクトルと比べて1/2~1/3の過小評価になっています。耐専スペクトルも2008年岩手・宮城内陸地震など震源近傍の国内地震観測記録が反映されていません。過去20年間の国内地震記録に基づいて耐専スペクトルや断層モデルを抜本的に構築し直し、基準地震動を大幅に引き上げるべきです。

(2) 高浜3・4号および大飯3・4号については、基準地震動をそれぞれ1000ガル以上および1500ガル以上へ大幅に引き上げるべきです。他の原発についても同様に基準地震動を大幅に引き上げるべきです。

原子力規制委員会との交渉 日時:2014年3月18日(火)13:30~15:00 場所:参議院議員会館102会議室 (地下鉄丸ノ内線「国会議事堂駅前」下車歩5分 地図はこちら参加希望者は通行証が必要ですので、事前に久保までご連絡下さい。当日は、参議院議員会館の荷物検査を経て、12時過ぎにロビーへ集合し、事前会合(12:30~13:20)からご参加下さい。 原子力規制委員会に対する紹介議員は、社会民主党の福島みずほ参議院議員にお願いしています。公開質問状は3月5日に66団体・221個人の賛同で第一次提出しましたが、3月17日まで募集を継続し、18日の交渉当日に改めて提出します。公開質問状への賛同団体・個人になって下さい。そして、3月18日の原子力規制委員会との交渉に参加して下さい。遠方からの交渉参加者には交通費の半額をめどにカンパしたいと思っています。交渉を成功させるため、1口500円で何口でも結構ですのでカンパをお寄せ下さい。

公開質問状への賛同団体・個人を募集中: 第2次締め切りは2014年3月17日正午

連絡先:〒583-0007 藤井寺市林5-8-20-401 久保方TEL 072-939-5660 dpnmz005@kawachi.zaq.ne.jp または〒591-8005 堺市北区新堀町2丁126-6-105 若狭ネット資料室(長沢啓行室長) TEL 072-269-4561 ngsw@oboe.ocn.ne.jp

カンパ振込先: 郵便振込口座番号00940-2-100687(加入者名:若狭ネット)