若狭ネット

福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

大阪連絡先 dpnmz005@ kawachi.zaq.ne.jp
若狭ネット資料室(室長 長沢啓行)
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TEL/FAX 072-269-4561
〒591-8005 大阪府堺市北区新堀町2丁126-6-105
ニュース

熊本地震を踏まえ川内1・2号の運転中止を求める原子力規制委交渉に賛同・参加を!

2016年熊本地震を踏まえ、川内1・2号の運転を中止し、再稼働認可を取り消せ!
5月中旬の原子力規制委交渉に賛同・参加を!

呼びかけ: 川内原発建設反対連絡協議会、川内つゆくさ会、反原発・かごしまネット、
まちづくり県民会議、川内原発活断層研究会、さよなら原発:アクションいぶすき、
原発ゼロをめざす鹿児島県民の会、かごしま反原発連合有志、原子力資料情報室、
若狭連帯行動ネットワーク(事務局担当)

2016 年熊本地震を踏まえた川内原発の基準地震動に関する公開質問状(案)

2016年熊本地震を踏まえ、川内1・2号の運転を中止し、再稼働認可を取り消せ!
5月中旬の原子力規制委交渉に賛同・参加を!

2016年熊本地震は4月14日、震度7の激震で始まりました。意外にも、この激震をもたらした地震はM6.5と小さく、南北方向に張力軸を持つ右横ずれ断層でした。防災科学研究所KiK-netの益城観測点KMMH16でましきは、地表で1,580ガルの非常に大きな地震動が観測されました。原発の基準地震動と比較可能な地下地震計でも、南北方向237ガル、東西方向178ガル、鉛直方向127ガル、3成分合成で260ガル程度の地震動が観測されました。これを原発の基準地震動と同じ「解放基盤表面はぎとり波」に換算すると、ほぼ2倍になり、それぞれ470ガル、350ガル、250ガル、3成分合成で520ガル相当になります。
この地震観測記録から、次のことが言えます。
(1)原子力安全基盤機構JNES(現在は原子力規制庁へ統合)による地震動解析結果との比較から、4月14日のM6.5の震源近傍では1,000ガルを超える地震動が襲った可能性が高い。
(2)同地震の益城観測点での地下地震観測記録はぎとり波は川内原発の基準地震動を応答スペクトルの一部で超えている。
(3)同はぎとり波の応答スペクトルはM7.3の市来断層帯市来区間(等価震源距離はほぼ同じ約14km)の耐専スペクトルを超えており、耐専スペクトルでは過小にすぎる。また、断層モデルによる地震動解析結果は耐専スペクトルの1/2~1/3にすぎず、大幅な過小評価になっている。
私たちはこれまで、JNESの解析結果に基づき、川内原発の直下でM6.5の直下地震が起これば、1,340ガルの地震動に襲われ、炉心溶融事故は避けられないと主張し、原子力規制庁もJNESの断層モデルの再現性について「専門家を入れて検討すべき」と認めていました。しかし、実際にはサボタージュされたままであり、今回の熊本地震はこのような原子力規制委員会の怠慢を事実でもって批判しているとも言えます。2016年熊本地震を踏まえ、原子力規制委員会は、川内1・2号の運転中止命令を出し、再稼働認可(設置変更許可)を取り消し、地震動評価手法を根本的に作り直し、基準地震動を作成し直すべきです。
私たちは、これまでの原子力規制委員会との交渉の成果を引き継ぎ、2016年熊本地震を踏まえて公開質問状を提出し、5月下旬(未定)に交渉を行う予定です。
日程が決まり次第、改めて交渉への参加呼びかけを出させて頂きますが、5月交渉を成功させるため、公開質問状への賛同団体・個人の拡大と1口500円で交通費カンパへの協力をお願いします。

公開質問状(案)への賛同団体・個人の募集は5月10日を第1次締め切りとし、交渉当日まで募集します。
賛同団体・個人を広げて下さい。質問項目への御意見もお寄せください。また、遠方からの交渉参加者には交通費の半額をめどにカンパしたいと思います。交渉成功のため、1口500円で何口でも結構ですのでカンパをお寄せ下さい。
連絡先:〒583-0007 藤井寺市林5-8-20-401 久保方TEL 072-939-5660 dpnmz005@kawachi.zaq.ne.jp
または〒591-8005 堺市北区新堀町2丁126-6-105 若狭ネット資料室(長沢啓行室長)
TEL 072-269-4561 ngsw@oboe.ocn.ne.jp http://wakasa-net.sakura.ne.jp/www/
カンパ振込先: 郵便振込口座番号00940-2-100687(加入者名:若狭ネット)

若狭ネットニュース第160号を発行しました。

若狭ネットニュース第160号を発行しました。

第160号(2016/4/26)(一括ダウンロード3.3Mb
巻頭言-2016年熊本地震の警告を受け止め、川内原発の運転中止を!
M6.5の地震による地震動が基準地震動を越えた!
震源近傍では1,000ガルを超え、クリフエッジを超えた可能性も!
(1)大津地裁と福岡高裁宮崎支部の真逆の仮処分決定が意味するもの~2016 年熊本地震の地震観測記録を教訓に加えて~ 大阪府立大学名誉教授 長沢啓行(2016年4月22日)

<巻頭言>
2016年熊本地震の警告を受け止め、川内原発の運転中止を!
M6.5の地震による地震動が基準地震動を越えた!
震源近傍では1,000ガルを超え、クリフエッジを超えた可能性も!

私たちは、4月14日に発生した2016年熊本地震を踏まえ、4月22日、福島みずほ社民党参議院議員を通して、原子力規制委員会に「川内原発の運転停止と基準地震動見直しを求める緊急申し入れ」を行いました。
続いて、鹿児島の市民団体や原子力資料情報室とともに、原子力規制委員会へ公開質問状を提出し交渉する予定です。これまでの交渉の成果を引き継ぎ、原子力規制委員会をさらに追い込み、川内原発の運転停止、再稼働認可の取り消し、基準地震動の根本的見直しを求め、徹底して追及してきたいと考えています。その際には、公開質問状へのご賛同、交渉へのご参加、交通費カンパへのご協力をお願いします。

熊本地震は、原発再稼働に警鐘

九州の熊本、大分を襲った2016年熊本地震は、「人間が造った原発をもう動かしてはならない」と、警告しています。原発の基準地震動(=運転中に見舞われると予想される最大規模の地震動)が過小にすぎると警鐘を鳴らしているのです。
私たちは、21年前の阪神・淡路大震災を契機に、地震と原発の問題に取り組み、「原発は短周期地震動に弱い」こと、「原発直下でM6.5の地震が起これば強い短周期地震動で炉心溶融事故が避けられない」こと、「原発の基準地震動があまりにも過小評価されている」ことを一貫して暴き続けてきました。
この20年間に起きた地震観測記録はそれを裏付けており、今回の熊本地震でも、私たちの指摘の正しさがますます明らかになっていると言えます。活断層や見えない伏在断層に切り刻まれた日本列島に原発を建てて動かすなど、とんでもないことなのです。

原子力規制委員会に川内原発の運転中止と再稼働認可取り消しを求めよう!

2016年熊本地震は4月14日のM6.5の地震に始まりました。これは、いつ、どこで起きても不思議でない小さな地震でしたが、震度7の激震をもたらしたのです。震央距離11kmの益城(ましき)観測点では地上の地震計で1,580ガルの強震動が記録されましたが、これは地表近くの地層で地震動が増幅されているため、原発の基準地震動と直接比較することはできません。しかし、益城観測点には地下252mの地震基盤上に地震計が設置されていて、南北方向237ガル、東西方向178ガル、鉛直方向127ガル、3成分合成で260ガル程度の地震動が観測されています。これを原発の基準地震動と同じ「解放基盤表面はぎとり波」に換算すると、ほぼ2倍になり、それぞれ470ガル、350ガル、250ガル、3成分合成で520ガル相当になります。この地震波は川内原発の基準地震動と直接比較することができます。それが、図1です。この地震波と図1から、次のことが言えます。
(1)原子力安全基盤機構JNES(現在は原子力規制庁へ統合)による地震動解析結果との比較から、4月14日のM6.5の震源近傍では1,000ガルを超え、川内1・2号のクリフエッジ(1号1,004ガル、2号1,020ガル)を超える地震動が襲った可能性が高い。
(2)同地震の益城観測点での地下地震観測記録はぎとり波は図1のように川内原発の基準地震動を応答スペクトルの一部で超えています。
(3)同はぎとり波の応答スペクトルは図1のようにM7.3の市来断層帯市来区間(等価震源距離はほぼ同じ約14km)の耐専スペクトルを超えており、耐専スペクトルでは過小にすぎます。また、断層モデルによる地震動解析結果は耐専スペクトルの1/2~1/3にすぎず、大幅な過小評価になっています。
熊本地震の余震の震源は北東へ南西へと広がり続けており、九州地方では伏在断層を含めて震源断層に蓄積された歪みエネルギーが次々と断層運動で解放され続けているのです。M6.5の地震は、いつ、どこで、起きても不思議ではない小さな地震であり、川内原発周辺でいつ起きても不思議ではないのです。このような小さな地震で基準地震動を超える地震動が観測され、1,000ガルを超える可能性が明らかになったのですから、川内1・2号の運転を直ちに中止させ、再稼働認可(原子炉設置変更許可)を取り消すべきです。

masiki

図1.4月14日のM6.5の地震動はぎとり波と基準地震動Ss-1および市来断層帯市来区間の耐専スペクトル

関西電力は3月9日大津地裁決定を受け高浜原発を全基廃炉にせよ!

大津地方裁判所は3月9日、高浜原発3・4号の運転差し止めを決定しました。フクシマ事故発生から5年目に当り、フクシマをくり返さないことが改めて問われています。関西電力は、この際、高浜3・4号を廃炉にし、高浜1・2号の40年超運転申請を撤回し、高浜発電所を閉鎖すべきです。何となれば、高浜3・4号のクリフエッジはたった973ガル、M6.5の直下地震で1,000ガル超の地震動に襲われれば炉心溶融事故が避けられないからです。
大津地裁決定とは対照的に、福岡高裁宮崎支部は4月6日に川内原発1·2号の即時抗告を棄却しましたが、その8日後に起きた2016年熊本地震は、まさにこの決定への自然界からの厳しい批判ではないでしょうか。関西電力も熊本地震による警鐘に真摯に耳を傾けるべきです。

伊方3号の再稼働を中止し、基準地震動を見直せ

伊方3号では、4月19日の保安規定変更認可で再稼働審査手続きがすべて終了し、四国電力は7月下旬の再稼働を目指し、4月5日から使用前検査を受けていると伝えられています。しかし、熊本地震は伊方3号の危険性も改めて浮上させています。M6.5の直下地震が伊方を襲えば、伊方3号の855ガルのクリフエッジを軽く超えてしまいます。熊本地震を契機に再稼働を中止し、基準地震動を根本から見直すべきです。

廃炉問題から再稼働を見つめ直そう

原発再稼働を巡る動きが慌ただしくなっていますが、同時に、原発廃炉問題が急浮上しています。
すでに廃炉措置が実施された動力試験炉JPDR、廃炉段階に入っている東海原発(ガス炉)、ふげん(新型転換炉)、浜岡1・2号、40年運転の新規制で新たに廃炉段階に入った美浜1・2号、敦賀1号、島根1号、玄海1号、伊方1号(中国電力が3/25に発表)では、使用済核燃料をどうするのか、解体放射性廃棄物をどうするのか、労働者被曝を強いるのか、という深刻な問題が浮上しているのです。
すでに解体されたJPDRでさえ、放射能レベルの低いL3の一部が「試験埋設」されただけで、放射能レベルの高いL1、L2廃棄物2,100tは「保管廃棄」施設で保管中で、最終処分できない状態が長く続いています。
東海、ふげん、浜岡でも放射性廃棄物の行き場がないため「解体作業」が進まない状態です。ましてや、サイト内に溜まっている使用済核燃料は、行き場がありません。政府は高レベル放射性廃棄物の最終処分場を離島の地下や沿岸部の海底地下に埋設処分使用と目論んでいますが、火山・地震列島の日本に「科学的有望地」などあるはずがありません。
だとすれば、これ以上、負の遺産を生み出さないことが最善であり、これ以上、放射性廃棄物を生み出してはならないのです。原発を再稼働して動かせば動かすほど、使用済核燃料が生み出され、原子炉施設は汚染され、より多くの放射性廃棄物が生み出されます。このようなことは止めるべきです。この観点から、5月21日に大阪で、5月27日に福井で討論集会を開きます。
また、電源三法による地域買収構造が原発立地点を潤わせてきたと一般に信じ込まれていますが、事実は逆で、原発に頼らない周辺市町村の方が元気なのです。その実態を山崎隆敏さんが暴いてくれます。ぜひ、ご参加下さい。

原子力規制委員会への公開質問状に賛同して下さい!交渉に参加して下さい!交通費カンパを!

原子力規制委員会に対し、「2016年熊本地震を踏まえた川内原発の基準地震動に関する公開質問状」を5月10日に提出し5月下旬に交渉することを計画しています。別紙の公開質問状(案)への賛同団体・個人を募集しています。第1次締め切りは5月10日です。ぜひ、賛同団体・個人になってください。また、遠方からの参加者に交通費の半額を負担したく、一口500円で何口でもカンパをお願いします。力を合わせて川内原発の運転中止を勝ち取りましょう。

2016年熊本地震を踏まえ、原子力規制委員会へ緊急申し入れを行いました

2016年熊本地震を踏まえ、原子力規制委員会へ緊急申し入れを行いました
(後日、公開質問状を提出し、5月下旬に原子力規制委員会・原子力規制庁との交渉を設定します)

2016年4月22日
原子力規制委員会委員長
田中 俊一 様

2016年熊本地震(4月14日M6.5の激震)を踏まえ,
川内原発の運転停止と基準地震動見直しを求める緊急申し入れ

若狭連帯行動ネットワーク(pdfはこちら

4月14日のM6.5の地震を皮切りに、16日にM7.3の本震が発生した2016年熊本地震は、震源の分布範囲を広げながら今なお続いています。
4月14日のM6.5の地震は、南北方向に張力軸を持つ右横ずれ断層でしたが、震度7の激震をもたらし、図1(左)のKiK-net益城観測点KMMH16では、地表で1,580ガルの非常に大きな地震動が観測されました。原発の基準地震動と関係の深い地下地震計では、南北方向237ガル、東西方向178ガル、鉛直方向127ガル、3成分合成で260ガル程度の地震動が観測されました。これを解放基盤表面はぎとり波に換算すると、ほぼ2倍になり、それぞれ470ガル、350ガル、250ガル、3成分合成で520ガル相当になります。
益城観測点の地下地震計は地下252m、S波速度Vs=2,700m/sの地震基盤に設置されており、川内原発の解放基盤表面(Vs=1,500m/s)より硬い岩盤だと言えます。他方、原子力安全基盤機構JNESはM6.5の右横ずれ断層で1,340ガルの地震動が生じると報告していますが、益城観測点と同等の地震基盤(Vs=2,600m/s)上に観測点を置いた評価になっており、震源断層との位置関係からは図1(右)の断層右斜め下300~400ガルの地点が益城観測点の位置に相当します。
したがって、益城観測点での南北方向470ガルはJNESによる地震動解析結果をやや上回ると言えますし、JNESの地震動解析結果からは、より震源断層に近いところで1,000ガルを超える強い地震動が発生した可能性が高いと言えます。川内原発のクリフエッジは1号で1,004ガル、2号で1,020ガルですので、これを超える地震動が川内原発に近い九州地方で実際に発生した可能性があると言えます。
このM6.5の地震は地表からはその存在を確認できないため、いつ、どこで起きるか分かりません。ましてや、2016年熊本地震は未だ収束せず、南方へも活発に活動範囲を広げています。川内原発のごく近辺でM6.5の地震がいつ起きても不思議ではありません。
また、南北方向470ガルの地震動は、川内原発の540ガルの基準地震動Ss-1(水平方向)より少し小さめですが、その応答スペクトルは図2のように周期0.2秒付近で一部超えています。基準地震動Ss-2についても、図示はしていませんが、周期0.08~0.3秒で超えています。つまり、川内原発の基準地震動を超える地震動が、しかも、M6.5のどこでも起こりうる小さな地震によって、川内原発周辺で実際に起きたことになります。
また、このSs-1は市来断層帯市来区間(M7.2,価震源距離Xeq=14.29km(基本ケース))の内陸補正なしの耐専スペクトルによって規定されていますが、この耐専スペクトルは約460ガルであり、益城観測点での地下地震観測記録はぎとり波はこれにほぼ等しく、図2のように周期0.1秒以上ではこれを上回ります。益城観測点はM6.5の地震との震央距離が11km、等価震源距離ではほぼ14kmになり、川内原発と市来断層帯市来区間の等価震源距離にほぼ等しいと言えます。つまり、M6.5の地震で、地震規模が1桁大きいM7.2の耐専スペクトルと同程度の地震動が観測されたことになり,M7.2の耐専スペクトルが過小にすぎることは明らかだと言えます。断層モデルによる地震動評価結果は耐専スペクトルの1/2ないし1/3にすぎず,最大加速度(水平方向)では300ガル弱にすぎません。益城観測点でのM6.5の地震観測記録はぎとり波はこれをはるかに超えています。
これらを踏まえ、緊急に下記のことを申入れます。真摯にご検討の上、英断されるよう強く期待します。

1.2016年熊本地震を踏まえると、M6.5の地震が川内原発周辺または直下で起きる可能性を否定できず、そ
の場合には川内原発のクリフエッジを超えて炉心溶融事故が起きる危険性もあることから、九州電力に対し、川内1・2号の運転中止を命令して下さい。

2.益城観測点のM6.5の地震に対する地下地震観測記録はぎとり波の応答スペクトルが川内1・2号の基準地
震動を一部超えることから、設置変更許可の前提が崩れたことは明らかであり、即刻、設置変更許可を取り消してください。

3.益城観測点の地下地震観測記録のはぎとり波によれば、今の耐専スペクトルや断層モデルによる地震動
評価では過小にすぎることが明らかであり、最近20年間の国内地震データに基づいて地震動評価手法を根本的に改定し、新しい地震動評価手法で基準地震動を策定し直してください。

以上

kumajisin

 

 

(図1の左図)

 

M65acc

 

 

(図1の右図)

 

 

 

 

 

図1.2016年熊本地震の前震M6.5、本震7.3と余震の震央分布(左図:KiK-net観測点▲を追記)および原子力安全基盤機構JNESによるM6.5の左横ずれれ断層による水平方向加速度分布(右図:最大値1340.4gal)(右横ずれの場合には上下を反転させた分布図になるため、左図の震央距離11kmの益城観測点KMMH16は右図では震源断層の右斜め下300~400ガルの地点に相当する)

masiki

 

 

 

 

 

 

 

 

図2.益城観測点KMMH16の地下地震観測記録のはぎとり波(2倍化)の擬似加速度応答スペクトルと川内1・2号の基準地震動Ss-1および耐専スペクトル(水平方向)の比較(防災研データから長沢が作成)

注:2016年4月22日に福島みずほ社民党参議院議員を通して原子力規制委員会へ提出しました。九州電力の4月21日
資料では市来断層帯市来区間の耐専スペクトルは約460ガルになっていましたので「約470ガル」から修正しました。この緊急申し入れの内容については、原子力規制委員会に公開質問状を提出して5月下旬に交渉する予定です。公開質問状(案)・交渉へのご賛同、ご参加、遠方からの参加者への交通費カンパをよろしくお願い致します。

大津地裁決定を受け、高浜原発全基廃炉・全原発再稼働阻止へ!

若狭ネットは2016年3月9日の大津地裁決定を受け、下記の緊急アピールを発し、本日、関西電力本社へ下記の申し入れを行いました。
リーフレットはこちら

大津地裁決定を受け、高浜原発全基廃炉・全原発再稼働阻止へ!

大津地裁は3月9日、高浜3・4号について運転差止の仮処分決定を出しました。これは福井地裁による大飯3・4号運転差止判決(2014.5.21)と高浜3・4号運転差止仮処分決定(2015.4.14)に続くものであり、運転中の原発に即時停止を命じた国内初の画期的な仮処分決定です。しかも、福井地裁での高浜3・4号運転差止仮処分決定が別の裁判官によって覆されてからわずか2ヶ月半後に再び運転差止命令を出したものであり、原告弁護団による不屈の裁判闘争に畏敬の念を抱くと共に、さまざまな圧力をはねのけた裁判官の勇気ある決定に敬意を表します。
大津地裁決定は、「万が一にも人格権が侵害される危険性」を直接審理の対象とはせず、原子力規制委員会による規制基準の不合理性や調査審議・判断過程の過誤・欠落を具体的に示したものでもありません。たとえ高浜3・4号に再稼働認可(設置変更許可)が出されていても、その合理性について関西電力が「主張及び疎明を尽くさなければ、その不合理性が事実上推認される」としたものです。とくに、仮処分では速やかに主張・資料提供が行われるべきところ、1年の審理期間にもかかわらず、終了直前まで資料が出されず、「提出資料によっても不明であるといわざるを得ない」状態だったとし、関西電力のずさんな「主張及び疎明」に憤慨しています。
では、関西電力が「主張及び疎明」を尽くせば、今回の決定を覆せるのでしょうか。そうとも言えません。「主張及び疎明」を尽くそうにもできない内容が含まれているからです。

十二分に余裕をもった規制基準の策定が不可欠

たとえば、「過酷事故対策」では、福島第一原発事故の主原因を津波だとして良いかは不明であり、徹底した原因究明を行って安全確保対策を講じるという姿勢がないとすれば、「そもそも新規制基準策定に向かう姿勢に非常に不安を覚える」と批判し、十二分な余裕を持たせることの重要性を次のように指摘しています。「災害が起こる度に『想定を超える』災害であったと繰り返されてきた過ちに真摯に向き合うならば,十二分の余裕をもった基準とすることを念頭に置き,常に,他に考慮しなければならない要素ないし危険性を見落としている可能性があるとの立場に立ち,対策の見落としにより過酷事故が生じたとしても,致命的な状態に陥らないようにすることができるとの思想に立って,新規制基準を策定すべきものと考える。債務者の保全段階における主張及び疎明の程度では,新規制基準及び本件各原発に係る設置変更許可が,直ちに公共の安寧の基礎となると考えることをためらわざるを得ない。」事故原因の徹底究明や十二分に余裕のある規制基準の策定は、関西電力が「主張及び疎明」を尽くそうとしてもできない要求なのです。

十二分に余裕をもった基準地震動の策定が必要

また、「耐震性能」では、現段階の科学技術力で最大限の調査をやっても「断層の連動」を否定することも「断層の末端」を確定することもできなかったのだから、断層の連動や長めの想定をしたからといって安全余裕をとったとは言えないとし、また、耐専スペクトルと実際の観測記録との間に乖離があることから、耐専スペクトルが「起こりうる地震動の応答スペクトルの最大値」に近いものであるかどうか疑問が残るとしています。つまり、十二分に余裕をもった基準地震動を策定し直す必要があるとしているのです。

フクシマ事故の「結果(現状)」も徹底究明すべき

決定は、国家主導の避難計画とそれを視野に入れた幅広い規制基準を求め、電力会社にも避難計画を含めた安全確保対策に意を払うよう求めていますが、福島第一原発事故の原因だけでなく結果(現状)についても徹底究明する姿勢が不可欠です。福島では5年後の今なお9.7万人が避難生活を余儀なくされ、震災関連死は2031人に達し、直接死を超えて増え続けています。5年間の事故処理作業に動員された労働者と累積被曝線量は緊急事態10ヶ月間の2.4倍になり、増え続けています。被災者や労働者の人格権を侵害しない避難計画や安全確保対策などありえません。フクシマを繰り返さないことを担保できないのであれば運転を差し止めるべきです。
私たちは、関西電力に対し、大津地裁決定を受け入れ、高浜3・4号を廃炉にすること、高浜1・2号を含め高浜・美浜・大飯の全原発を廃炉にすることを求めます。全国の闘う仲間と連帯して、大津地裁決定を踏まえ、川内原発の運転停止と全原発の再稼働中止を求め、脱原発へ前進したいと思います。

2016年3月11日
関西電力株式会社 取締役社長 八木 誠 様

フクシマ事故から5年、フクシマをくり返さないため
大津地裁決定を受け入れ、高浜3・4号を即刻廃炉にしてください

若狭連帯行動ネットワーク

大津地方裁判所は3月9日、高浜原発3・4号の運転差し止めを決定しました。貴社は運転中の高浜3号を停止し、高浜4号の再稼働作業を中止せざるを得なくなりました。くしくも、本日はフクシマ事故発生から5年目に当り、フクシマをくり返さないことが改めて問われています。この際、高浜3・4号を廃炉にし、高浜1・2号の40年超運転申請を撤回し、高浜発電所を閉鎖するよう求めます。
フクシマ事故は5年後の今なお収束せず、10万人近くが今なお厳しい避難生活を余儀なくされ、その大半が仮設住宅や借上住宅で不安な毎日を送っています。震災関連死は3月10日現在2031人に達し、直接死1604人をはるかに超え、悲しいことに今なお増え続けています。事故直後の緊急事態に動員された労働者は約2万人、累積ヒバク線量は240人Svに上りますが、5年間の事故収束・汚染水対策で労働者数も累積ヒバク線量も2.4倍に増えています。その中から白血病で労災認定を受けた労働者がすでに出ています。
被災者と事故処理労働者の基本的人権が様々な形で侵害されています。「フクシマをくり返さないため、もう原発は止めるべきだ」という教訓を改めて確認すべきです。
大津地裁決定は、フクシマ事故の原因究明は不十分であり、これを意に介さない貴社と原子力規制委員会の「姿勢に非常に不安を覚える」と指弾し、「災害が起こる度に『想定を超える』災害であったと繰り返されてきた過ちに真摯に向き合う」ことを強く求めています。その上で、貴社の「主張及び疎明の程度では新規制基準及び設置変更許可が直ちに公共の安寧の基礎となると考えることをためらわざるを得ない」と断じています。1年間の十分な審議期間があったにもかかわらず、原子力規制委員会による設置変更許可を御旗に掲げ、裁判所に十分な資料を提供せず、説明も尽くさない貴社の不遜な態度についても、厳しく批判しています。
貴社の想定では安全を担保するには不十分とした上で、事故が起きれば、滋賀県の住民もヒバクし、琵琶湖が汚染され近畿地方の飲み水に影響が出るとする主張が正しく受け止められたのです。
貴社は、1年以上私たちとの面談を拒否し続けていることを謝罪し、私たちが昨年2月12日に提出した「関西電力の電気料金値上げと原発再稼働に関する公開質問状」に改めて真摯に回答すべきです。
私たちは、大津地裁決定を受け、フクシマ5年を期して、改めて申し入れます。
1.「フクシマ事故をくり返してはならない」という国民過半数の熱い思いを代弁した大津地裁決定を受け入れ、高浜3・4号の再稼働を断念し、廃炉にしてください。
2.高浜1・2号の40年超運転申請を撤回し、高浜発電所を閉鎖してください。
3.美浜3号の40年超運転申請を撤回し、美浜発電所を閉鎖してください。
4.電力自由化を機に、原発依存経営から脱皮し、再生可能エネルギーを軸とした経営に転換してください。

若狭ネットニュース第159号を発行しました

若狭ネットニュース第159号を発行しました。

第159号(2016/2/24)(一括ダウンロード1.7Mb
巻頭言-フクシマ事故から5年— 事故は収束せず、責任とらせず
東京電力を破産処理し、国の責任で事故処理・賠償を!
フクシマを繰り返すな!
高浜3・4号の再稼働を中止せよ!川内1・2号を止めよ!
「原則40年」を遵守し、高浜1・2号、美浜3号を廃炉に!
負の遺産=使用済核燃料をこれ以上生み出すな!
使用済核燃料中間貯蔵施設反対!計画を撤回せよ!
(1)2016年2月18日 美浜1・2号と敦賀1号の廃止措置計画提出に際しての声明
解体・撤去・放射性廃棄物埋設処分ではなく、長期密閉管理による廃止措置へ転換せよ!
使用済核燃料は再処理せず、超長期に隔離管理し、原発再稼働を中止して、これ以上生み出すな!
若狭連帯行動ネットワーク
(2)今こそ原発依存財政からの脱却を
山崎たかとし

<巻頭言>
フクシマ事故から5年— 事故は収束せず、責任とらせず
東京電力を破産処理し、国の責任で事故処理・賠償を!
フクシマを繰り返すな!
 高浜3・4号の再稼働を中止せよ!川内1・2号を止めよ!
 「原則40年」を遵守し、高浜1・2号、美浜3号を廃炉に!
 負の遺産=使用済核燃料をこれ以上生み出すな!
 使用済核燃料中間貯蔵施設反対!計画を撤回せよ!

2011年3月11日のフクシマ事故から5年になります。
炉心溶融事故を起こした福島第一原発1~3号の溶融燃料は依然として行方知れずのまま、崩壊熱を出し、放射能汚染水を生み出し続けています。1号の格納容器下部滞留水中にロボットを投入する予定でしたが、水中の堆積物が多すぎて視界不良になるため断念。2号では格納容器配管入口付近を除染しても100mSv/h以下へ下がらずロボット投入を断念しています(河北新報2016.1.29)。今年度中の格納容器内調査実施が危うい状態です。
放射能汚染水は依然として溜まり続け、増え続けています。2月下旬現在、建屋内に汚染水約8.3万トン、タンク内に約79万トンの処理水が溜まっています。ここには、セシウムとストロンチウム以外の放射能が大量に含まれる中間処理水=「Sr処理水」など約18万トンが含まれます。約61万トンの多核種除去設備ALPSでもトリチウムは除去できず、その処理水約61万トンにも約1千兆ベクレルものトリチウムが高濃度に含まれています。

放射能汚染水は減るどころか増えている

東京電力は、昨年9月にサブドレンの汲上げ開始、昨年10月に海側遮水壁の閉合、昨年11月に陸側凍土遮水壁の全凍結管建込完了と順調にいっているかのように主張しています。しかし、事態は逆に悪化しています。サブドレン開始で建屋侵入水は400トン/日レベルから半減しましたが、海側遮水壁を閉じた途端に、地下水位が海側で上がり、地下水の放射能汚染度が高まったため(原因不明)、汲上げた地下水を建屋へ移送せざるをえなくなり、建屋汚染水が400~800トン/日へ急増しています。溶融燃料冷却用の注入水約300トン/日を入れると、汚染水は700~1100トン/日に増えています。ところが、ALPS処理水を溜める溶接タンクの増設が間に合わないため、ALPS処理量を増やせず、増え続ける「Sr処理水」をフランジ型タンクに貯蔵しようとしています。フランジ型タンクは汚染水漏洩事故を起こしたため解体・撤去中でしたが、それをやめて再利用しようというのです。本来なら、「Sr処理水」のALPS処理を増やしてその処理水をフランジ型タンクへ貯蔵すべきところ、より危険な「Sr処理水」のフランジ型タンク貯蔵量を増やすというのです。東電には安全優先の発想が欠けているのです。
東電は陸側凍土遮水壁による凍結を始めようとしていますが、問題だらけです。第1に、建屋海側の凍結管は6ヵ所あるトレンチ上部で止まっており、トレンチの下は凍結できません。そのため、地下水が急流となってここから流れ出し、流速が増えて砂岩が押し流される恐れが出ています。第2に、地下水上流に当たる建屋山側の試験凍結では、地下水位が急激に低下するため建屋から滞留水が流出する恐れが明らかになっています。そのため、建屋海側から先行凍結して建屋山側を段階的に凍結する案が検討されています。建屋海側を先行凍結させたときに地下水の放射能汚染度が高まれば、サブドレン水を建屋へ移送しなけらばならず、建屋汚染水を減らすどころか、逆に増やすことになりかねません。

事故避難者約9.9万人、関連死2020人

フクシマ事故による避難者は2月23日現在約9.9万人(福島県内5.55万人、県外4.33万人)、その大半は仮設住宅や借上住宅で不安な毎日を送っています。帰還困難区域の2.4万人、居住制限区域の2.3万人はより長期の避難が避けられないでしょう。震災関連死は2020人に達し、直接死1604人をはるかに超え、悲しいことに今なお増え続けています。被災者の基本的人権が様々な形で侵害されています。
自主避難者への損害賠償を命じる判決が2月18日に全国初めて京都地裁で出されました。避難者を勇気づけるものです。国と東電の事故責任を厳しく問い、原子力被災者を救済し、健康手帳を交付させ将来の健康保障を勝ち取らねばなりません。

事故処理労働者が白血病で労災認定

事故収束作業で被曝した労働者は昨年末で4.62万人、集団被曝線量は585人Svです。事故発生から12月末の収束宣言までの1.96万人、240人Svと比べて、人数・被曝量共に約2.4倍に増えています。この中から、遂に、白血病にかかった労働者が現れ、昨年10月に労災認定を受けています。彼の累積被曝線量は19.8mSv(うち福島第一原発で15.7mSv)でした。政府は20mSv未満なら安全として避難者を汚染地に帰還させようとしていますが、とんでもないことです。公衆の被曝線量限度1mSv/年を下回るまで、帰還を強要すべきではありません。また、政府はこの4月から緊急時被曝限度を250mSvへ引上げ、再稼働した原発の重大事故に備えようとしています。フクシマを繰り返すことを前提としたこのような緊急時被曝限度引き上げと原発再稼働を許してはなりません。

東電を破産処理し、国の責任で事故処理と賠償を

東京電力は原油価格下落によって大もうけをする一方、賠償費をけちり、除染費支払いを滞納し、除染廃棄物処理を自治体と国に任せて知らんぷりを決め込み、まるで他人事のように事故処理作業を行い、労働者に被曝を強要し、危険手当等のピンハネを黙認しています。事故が収束していないのに、東電は柏崎刈羽原発の再稼働を狙い、福島第二原発の廃炉をしぶっています。国も、東電を事実上救済しながら、「うまく行くかどうかわからない工事だから国費を出せる」という理由で、通常の土木工事=東電救済策ではなく、陸側凍土遮水壁という危険な難工事を東電にやらせています。こんな東電と国の無責任体制では、もはや、事故を収束させることも、被災者への賠償を公平に行い、住民を被曝から守り、必要な除染を実施させることもできません。今からでも遅くありません。東京電力を破産処理し、金融機関を含めて事故の責任を取らせるべきです。原発を推進してきた国の責任を明らかにし、しがらみのない抜本的な事故処理と被災者救済を行うべきです。
原発を再稼働させながらフクシマ対策を行うことなどできません。欺瞞です。東電を破産処理しても賠償には全く影響しません。今でも、賠償・除染費はその全額が9兆円の交付国債から出されており、電力消費者が電気料金で返済し続けているのですから。

高浜3・4号の再稼働を中止し、1・2号を廃炉に

関西電力は、今年に入り、高浜3・4号の再稼働を進めてきました。その矢先の2月20日、高浜4号で汚染水が漏れ、作業が中断しました。関電は、弁のボルト締め付けが一様でなく一部で弱かったのが原因だとしていますが、これに限らず、長期停止後の原発には思わぬ事故がつきものです。ましてや、M6.5の伏在断層が高浜原発直下で動けば、1,340ガルの地震動が襲うことになり、炉心溶融事故が避けられません。関電は、この問題をはじめ私たちの公開質問状に全く回答せず、逃げ回っています。
関西電力は「40年廃炉」の原則に反して、高浜1・2号と美浜3号の再稼働を目指しています。原子力規制委員会は当初、難燃ケーブルへの全量取替を求めていましたが、1・2号全長約1300kmの6割を取替えるだけで、「施工が困難な4割はケーブルと収納トレーをまとめて防火シートで覆う」ことを容認したのです。電力は余っており、高浜1・2号の40年廃炉原則を曲げる必要性は何もなく、肝心の「特例措置が必要な理由」は不明なままです。これまでに関電が注ぎ込んだ対策費は5,279億円(高浜1~4号3,881億円、大飯3・4号108億円、美浜3号1,290億円)、当初の11基2,850億円の2倍近くに膨れ上がっています。万が一廃炉になっても、廃炉後に電気料金から10年間で回収できる会計制度ができたからです。この制度は廃炉を促すために作られたはずですが、実際には電力の無責任な原発延命投資を助長しているのです。このような無責任な延命策を許さず、高浜1・2号と美浜3号を廃炉に追い込みましょう。

美浜1・2号敦賀1号の廃炉計画に際しての声明

関電と日本原電は2月12日、美浜1・2号と敦賀1号の廃炉計画を原子力規制委員会に申請し、地元へ説明しました。解体・撤去による廃止措置は深刻な労働者被爆と行く先のない膨大な量の放射性廃棄物を生み出します。私たちは解体・撤去ではなく、長期密閉管理を軸とした廃止措置に転換するよう求めます。詳しくは、2月18日付けで声明をまとめましたので、そちら(4~19頁)をご覧下さい。
原発廃炉で、行き先のない使用済核燃料の問題が再浮上します。原発を再稼働させる限り、使用済核燃料はさらに生み出されます。次世代に負の遺産を増やし続けることはもはや許されません。現世代にできるのは直ちにこれを止めることです。
関電は11月20日、「2020年ごろまでに使用済核燃料中間貯蔵施設の立地点を決め、2030年ごろの操業を目指す」と発表しましたが、これは廃炉とは無関係で、使用済核燃料をピットから移動させなければ、新燃料との交換ができず、再稼働させた原発の運転を続けられないからです。断じて許してはなりません。

フクシマを繰り返さないため、3月~4月の連続行動で、原発再稼働阻止の闘いを強めよう

私たちはフクシマ事故5年の3月11日、「福島を忘れない関電本店前抗議スタンデイング」の呼びかけに応え、参加します。3月13日「さよなら原発関西アクション」(大阪市中央公会堂)・「御堂筋パレード」に参加し、全国の仲間と連帯して闘います。
4月3日には、チュルノブイリ・ヒバクシャ救援関西などと一緒に「チェルノブイリ30年・フクシマ5年国際シンポジウム」を大阪で開きます。チェルノブイリやフクシマを繰り返さないため、現地の声を聞くことが重要です。私たちは、「フクシマ事故を二度と招いてはならない!豊かな国土とそこに根を下ろした生活を奪うな!子どもたちの未来を守ろう!再稼働阻止まで最後まで闘う!」を合い言葉に闘います。憲法違反の「戦争法」と「原発再稼働」に反対する運動を結びつけ、安倍政権をさらに追い込んでいきましょう。

美浜1・2号と敦賀1号の廃止措置計画提出に際しての声明

2016年2月18日
美浜1・2号と敦賀1号の廃止措置計画提出に際しての声明

解体・撤去・放射性廃棄物埋設処分ではなく、長期密閉管理による廃止措置へ転換せよ!
使用済核燃料は再処理せず、超長期に隔離管理し、原発再稼働を中止して、これ以上生み出すな!

若狭連帯行動ネットワーク

美浜1・2号と敦賀1号の廃止措置計画が原子力規制委員会へ提出されました。そこでは、原子炉の解体・撤去と放射性廃棄物の埋設処分・再利用が計画されています。
私たちは、原子炉解体が深刻な労働者被曝をもたらし、廃棄物埋設処分・再利用が新たな放射能汚染をもたらすことを危惧し、また、埋設処分場も見つかり得ないことから、原子炉を解体せず長期間密閉管理することを軸にした廃止措置計画へ転換するよう求めます。
また、使用済核燃料は再処理が計画され、再処理までの中間貯蔵施設の立地も画策されていますが、再処理は燃料棒に内包されている厖大な放射能をガスや液体など拡散しやすい形態で解放し処理するため、深刻な日常的放射能汚染と壊滅的な放射能災害をもたらす危険があります。
さらに、原発再稼働で使用済核燃料を生み出し続ける現状では、使用済核燃料の中間貯蔵施設立地点はもとより高レベル放射性廃棄物の最終処分場も見つかり得ないため、使用済核燃料の超長期の隔離管理を求めます。
このような、危険な使用済核燃料をこれ以上生み出さないことが先決であり、原発の再稼働を即刻中止することを求めます。
使用済核燃料の中間貯蔵施設は、原発再稼働で出てくる使用済核燃料の搬出先となり、原発再稼働を促進するものに他ならないため、「暫定保管」を含めて、その立地に反対します。
廃止措置に伴う使用済核燃料は再処理せず、崩壊熱の高い数十年間は原発サイト内でプール貯蔵と乾式貯蔵で十分な安全性を確保して隔離管理し続け、日本全体で脱原発に転換した後に国民的合意の下、どこで、どのように隔離管理し続けるかを決定するよう求めます。

全文はこちら

4月3日「チェルノブイリ30年・フクシマ5年・国際シンポジウム」への賛同と参加のお願い

今年は、チェルノブイリ原発事故から30年、フクシマ(福島第一)原発事故から5年の節目の年にあたります。原発再稼働に突っ走る安倍政権の動きを止めるべく、原発事故による放射能災害の実態を直視することの重要さが改めて増しています。
若狭ネットは、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西やヒバク反対キャンペーンなどとともに、実行委員会を作り、4月3日に下記の国際シンポジウムを開きます。
国際シンポジウムへの皆さんの賛同(団体・個人)と参加をよろしくお願いいたします。

チェルノブイリ30年・フクシマ5年・国際シンポジウム
チェルノブイリ・フクシマを繰り返すな
事故被害者の補償と人権の確立に向けて
フクシマを核時代の終わりの始まりに
国際シンポジウム開催へのご協力とご参加をお願いします。

チェルノブイリ30年・フクシマ5年・国際シンポジウム

(pdf版はこちらからダウンロードしてください)

 日時:2016年4月3日(日)午前10時~午後4時30分  
 場所:大阪府教育会館(たかつガーデン)8Fたかつ(東中)
 近鉄上本町駅から徒歩3分(TEL 06-6768-3911)

プログラム
I部 チェルノブイリとフクシマを結んで:午前10時~
<基調報告>
シンポジウム実行委員会 振津かつみ

<チェルノブイリからの報告>
ジャンナ・フィロメンコ さん 「移住者の会」代表(ペラルーシ)
パーベル・ブドビチェンコ さん「ラディミチ~チェルノブイリの子どもたちのために」元代表(ロシア)

 (昼食休憩:午後1時半再開)

<フクシマからの報告>
 馬場 有 さん 福島県浪江町町長
 秋葉 信夫 さん 「フクシマ原発労働者相談センター」事務局長(いわき)

<討論(シンポジウム形式)>

II部 チェルノブイリ・フクシマを繰り返させないために:午後3時半~
<特別報告>
広島、長崎、福井から

<討論>
<シンポジウム・アピール提案、討論、採択>

主催:「チェルノブイリ30年・フクシマ5年—国際シンポジウム実行委員会」
[実行委員会構成団体:チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西/ヒバク反対キャンペーン/ 若狭連帯行動ネットワーク/原発の危険性を考える宝塚の会/地球救出アクション97/科学技術問題研究会]

賛同カンパにご協力下さい!

賛同カンパ:個人一口1,000円、団体一口2,000円
(複数口大歓迎)
カンパ振込先:郵便振替:00910−2—32752
口座名:チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西
「チェルノブイリ30年・フクシマ5年・国際シンポ、賛同カンパ」と明記して下さい。

連絡先:「チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西」事務局
〒591-8021 堺市北区新金岡町1-3-15-102 猪又方
TEL:072-253-4644, E-mail:cherno-kansai@titan.ocn.ne.jp

<呼びかけ>
まもなくチェルノブイリ事故30年・フクシマ事故5年を迎えます。チェルノブイリとフクシマの原発重大事故は、国境を越える広範な地域を放射能で汚染し、何百万人もの市民と労働者に被ばくを強いています。事故の被害は長期にわたり、人々の命や健康のみならず、生活全体、さらに社会・経済・文化等にも及び、生命権・健康権、生活権をはじめ様々な「人権」が侵害されています。

フクシマ事故は世界に大きな衝撃を与えました。核と人類は共存できないことをあらためてしめしました。事故後、ドイツをはじめ多くの国々は脱原発と再生可能エネルギーの推進へと政策を転換しました。しかし、日本政府と電力・原子力産業は、脱原発に向かう世界の流れに逆行し、重大事故が起こることを前提に全国の原発再稼働を強行し、また原発輸出を進めようとしています。

原発重大事故を、これ以上繰り返させてはなりません!日本の原発再稼働をやめさせ、脱原発、再生可能エネルギーへの転換を政府に要求します。そして、東電はもちろんのこと、国策として原発を推進し重大事故を招いた国の責任を厳しく問い、事故被害者への補償と人権の回復・確立に向けて進まなければなりません。さらに、核のない未来を目指し行動を強めなければなりません。

このような思いを同じくする皆さんとともに、私たちは「チェルノブイリ30年、フクシマ5年」の節目に、「国際シンポジウム」を大阪で開催します。

「国際シンポジウム」では、チェルノブイリとフクシマの被災地からゲストを迎え、チェルノブイリ事故30年とフクシマ事故5年の被害者の体験に学び、「重大事故をこれ以上繰り返させてはならない」という思いをより多くの人々に伝えていきたいと思います。さらに、ふたつの事故とその被害の普遍性と、歴史的・社会的背景による特殊性を理解し被害者の補償と人権の確立・回復をめざす運動の前進に繋いでいきたいと考えます。また、ふたつの原発重大事故の被害者どうしが出会い、交流と連帯を深めるきっかけにしたいと思います。

「国際シンポジウム」では、原発重大事故をこれ以上繰り返させないために、脱原発と再生可能エネルギーへの転換、ヒバク反対、被害者支援等に具体的に取り組んでいる、各地の皆さんからの報告やアピールも受け、連帯を深め、運動を強め拡げていきたいと思います。そして「フクシマを核時代の終わりの始まりに」することをめざし、さらに進んでいきましょう。

私たちは「3.11」以降、「フクシマを核時代の終わりの始まりに」を合い言葉に、多くの皆さんとともに、脱原発・再稼働反対、住民や労働者への被ばくの強要反対、フクシマ原発事故被害者との連帯・支援に、全力で取り組んできました。同時に、「脱原発から非核未来を探る」「核被害者の人権の確立・回復をめざす」、「フクシマとヒロシマ・ナガサキを結び、非核・放射線教育、平和・人権教育を進める」等々をテーマに、シンポジウムや学習会にも取り組んできました。これまでの運動の経験とネットワークをこれからの運動に活かすためです。ヒロシマ・ナガサキ70年から、チェルノブイリ30年・フクシマ5年に当り、このような活動と議論をさらに深め、これからの運動の力にしていきたいと思います。

「国際シンポジウム」開催に、ぜひご協力、ご参加下さい!

ジャンナ・フィロメンコさんのプロフィール

  image4 「移住者の会」代表(ペラルーシ)
チェルノブイリ原発から北西40kmのベラルーシ共和国ゴメリ州ナローブリア出身。事故当時、夫と幼い二人の息子と暮らしていた。ナローブリアは高汚染地(福島の「避難区域」と同レベル)だったが、ソ連政府は一般市民も「生涯350ミリシーベルトまでは許容される」(注)との施策をとり、人々は住み続けた。住民運動の結果、「チェルノブイリ法」(1991年)が制定され、同地区は「移住対象地域」となり、首都ミンスクの集合住宅の権利を得て家族で移住。慣れない都会で「ゼロからのスタート」だった。同じような境遇の人々が次第に連絡を取り合い「移住者の会」を結成。
「事故15周年」(2001年)に「救援関西」の招聘で来日。欧州各地でも体験を語り「核はコントロールできず、使ってはならない。誤りを繰り返さないで」と訴えている。

[注:国際放射線防護委員会(ICRP)の当時の一般公衆の被ばく限度が年5ミリシーベルトで、その70年分で「生涯350ミリシーベルト」とされた。]

パーベル・ブドビチェンコ さんのプロフィール

image1「ラディミチ~チェルノブイリの子どもたちのために」元代表(ロシア)
チェルノブイリ原発から北東170km離れたロシア共和国の高汚染地、ブリヤンスク州ノボツィプコフ市在住。人口約4万人の同市は、「チェルノブイリ法」(1991年)制定後も、財政的理由などから移住政策が進まず、住民の多くは汚染地に住み続ける選択を強いられた。1987年、当時、教鞭を取っていた学校の生徒たちと共に、高齢者や障がい者の支援ボランティア活動を始めた。それが基になり、NGO「ラディミチ—チェルノブイリの子どもたちのために」を創設。「ラディミチ」は、子どもたちの保養キャンプ、甲状腺検診、住民に放射線リスクを知らせる「チェルノブイリ情報センター」など、10以上のプログラムに取り組んでいる。
「事故25周年」(2011年4月)に原水禁の招聘で来日。「人類は、チェルノブィリとフクシマの共通の経験から出発し、新しい目で世界を見直さなければならない」と、各地で訴えた。

馬場 有 さんのプロフィール

image2福島県浪江町町長
浪江町議、町議会議長、福島県議を経て、2007年12月より現職。「協働のまちづくり」の理念の下、町民が主体的に参画するまちづくりを本格的にスタートさせようとした矢先に東日本大震災が発生。直後から対策本部を設置し、その後町役場津島支所、二本松市役所東和支所、福島県男女共生センターと、次々と事務所の移動を強いられる中、一貫して事務スペースで職員と寝食をともにし、捜索や避難の対応にあたる。現在もなお続く避難指示の中、「どこに住んでいても浪江町民」を実現すべく、避難生活支援やふるさとの再生のため陣頭指揮にあたっている。また「未曾有の原発災害の被害者となった浪江だから訴えることができる『原発エネルギーに依存しない社会』を体現する町づくりを先陣切って世界に示したい」とメッセージを発信。
浪江町は現在、二本松市内の仮設庁舎に大部分の機能を移転中だが、2013年4月より浪江町本庁舎での一部業務を再開。町内の道路・上下水道などインフラ復旧、また復興公営住宅や医療施設、教育機関などの整備を進め、帰町に備えている。また、町民の健康診断と甲状腺検診、内部被ばく検査を毎年実施し、「放射線健康管理手帳」を全町民に交付(2012年)。「東京電力福島第一原発事故の賠償・責任の当事者である国に対し、原発事故被災者の医療費の恒久的な無料化」を要求。

秋葉 信夫 さんのプロフィール

image3「フクシマ原発労働者相談センター」事務局長(いわき)
フクシマ原発事故は、未だ収束していない。30~40年とも言われる廃炉作業に携わる労働者は、80万人を動員したチェルノブイリ事故を遥かに凌ぐと言われ、将来的な労働力不足、過酷な労働条件と被ばく労働による健康被害が懸念されている。雇用形態、労働条件、被ばくと健康管理など、様々な問題が生じているが、収束・廃炉・除染作業に従事する労働者は、解雇や不利益を恐れてどこにも相談できずに悶々としている。そのような労働者に寄り添う「かけこみ寺」をつくろうと、2015年2月に、いわき市で「フクシマ原発事故労働者相談センター」が設立された。センターでは、相談事業、企業、行政・国への要請や交渉などに取り組むと同時に、福島第二第原発廃炉を求め、脱原発を目指している。
秋葉さんは、元自治労いわき市職労委員長。センターの事務局長を勤め、労働者からの相談に対応している。

若狭ネットニュース第158号を発行しました

第158号(2015/12/24)(一括ダウンロード2.45Mb
巻頭言-高浜3・4号運転差止命令撤回に厳重抗議!原発再稼働阻止と使用済核燃料貯蔵施設立地反対を結合して闘おう!もんじゅ廃炉!原子力政府予算大幅削減!
(1)原子力政府予算を大幅削減せよ!電源三法廃止!「もんじゅ」廃炉!日本原子力研究開発機構を解体せよ!
(2)高レベル放射性廃棄物の地層処分反対!「総量管理」を!原発再稼働をやめ、これ以上使用済核燃料を生み出すな!
(3)関西電力の主張を丸呑みし、誤認した「高浜3・4号運転差止命令撤回」決定 大阪府立大学名誉教授長沢啓行

関西電力本社へ「10・26反原子力デーに際しての申し入れ」を提出

10・26反原子力デーの一環として、私たちは10月23日(金)午後4時から関西電力本社へ申し入れ行動を行いました。市民側参加者は14名で、関西電力広報部は1名が出てきましたが、一方的に「5名で5分以内」との条件を付け、警備員3名が少し離れて警戒する中、ロビーで私たちの申し入れを受け取りました。前回までは、「広報部ではなく庶務から1名が出てきて対応する」という異常事態でしたが、今回は広報部が出てこざるを得なくなったのでしょう。しかし、「5名で5分以内」の一方的な条件を押しつけて、部屋を取らずにロビーで申し入れを受け取り、回答もしないという、公益事業を担う電力会社とは到底思えない異常な対応でした。申し入れは、若狭ネットに続き、チェルノブイリ救援関西とヒバク反対キャンペーンが行いました。

2015年10月23日
関西電力株式会社 取締役社長 八木 誠様

10・26反原子力デーに際しての申し入れ(pdfはこちら

若狭連帯行動ネットワーク

貴社は、電気料金値上げに関する私たちとの話し合いを8ヶ月以上拒み続けてきました。 しかし、貴社の「関西電力グループレポート2015」(CSR行動原則「企業の社会的責任」)を見れば、貴社の社会的責任を高々に謳っています。言っていることと、実際にやっていることが明らかに矛盾しています。
私たちは2015年2月12日に賛同39団体500個人で「関西電力の電気料金値上げと原発再稼働に関する公開質問状」を提出しました。賛同は52団体、5,265個人に増えています。社会的責任を謳うのであるならば、面談も回答も8か月以上拒否したままであることを謝罪し、公開質問状に改めて真摯に回答すべきです。
フクシマ事故以降、貴社の経営は、原発依存の経営を頑強に続けたため、4年連続赤字になりました。私たちが警鐘してきた通りになったのです。にもかかわらず、赤字のツケを電力消費者に転嫁するのは間違いです。原発に頼った経営失敗であり貴職はまずその責任をとるべきではないでしょうか。
「原発をやめれば、年間3600億円の原発の維持管理費が浮いて電気料金を下げられる」という私たちの主張の正しさは、美浜1・2号と敦賀1号の廃炉でコストを実際に削減できたという事実で証明されました。「廃炉に伴うコスト削減額を消費者に還元する」ことを条件として電気料金値上げが承認され、貴社も「精査し消費者に還元する」と約束していたにもかかわらず、いまだにコスト削減額を明らかにせず、還元もしていません。共同通信によれば、2014年度には「電力9社が、稼働している原発がなかったのに、原発の維持、管理のため計約1兆4千億円を使っていた」と報じられています。金食い虫の原発を廃炉にすれば、それに応じて電気料金を値下げできるのです。
原発再稼働は「2030年に総発電電力量の22~20%の原発比率達成」を掲げる政府のエネルギー計画の一環ですが、これは、老朽原発の40年超運転を増やし、オンライン検査で定期検査期間を短縮させ、原発の長期連続運転で平均設備利用率を90%以上へ引き上げる政策と一体のものです。経済産業省は、米国でスリーマイル島原発炉心溶融事故の後、米原子力規制委員会NRCが規制緩和をして原発の平均設備利用率を90%以上へ引き上げを日本でも導入しようと目論んでいます。フクシマ事故を顧みない、このような無謀な原発再稼働と強硬運転は断じて容認できません。
原発を再稼働すれば、使用済核燃料が生み出されます。使用済核燃料中間貯蔵施設は、問題を先送りするだけであり、根本解決にはなりません。これ以上の使用済核燃料を生み出さないことが最も重要であり、使用済核燃料中間貯蔵施設計画そのものも、撤回すべきです。
昨年5月21日の大飯3・4号運転差止判決に続き、福井地裁は今年4月14日、高浜3・4号の運転差止仮処分命令を出しました。貴社は異議申立をしていますが、企業の社会的責任を謳うのであれば、仮処分命令に真摯に従い、原発再稼働を断念すべきです。
貴社は、省エネと再生可能エネルギー中心の未来型電力会社に転換すべきです。原発の再稼働を断念し、全原発を即刻廃炉にし、来年度からの電力小売り全面自由化に備えるべきです。発送電分離を早め、送配電網の全国的統合・公的管理化に協力し送配電網整備・再生可能エネルギーの優先拡大を図るべきです。
10・26反原子力デーに際して、以下の項目を改めて申入れます。貴社が本来あるべき社会的責任を果たすため、真摯に回答されるよう強く求めます。
1.美浜1・2号だけでなく、2016年7月に40年超運転と見なされる高浜1・2号、2016年12月に40年運転の美浜3号、35年超運転で老朽化した大飯1・2号を即刻廃炉にしてください。
2.福井地裁による昨年5月の大飯3・4号運転差止判決および今年4月の高浜3・4号の運転差止仮処分命令に従い、高浜3・4号炉と大飯3・4号炉の再稼働を断念し、再稼働申請を撤回して下さい。
3.美浜1・2号と敦賀1号の廃炉に伴うコスト削減額を明らかにし、電気料金を値下げして下さい。
4.使用済核燃料中間貯蔵施設の立地計画を撤回して下さい。プルサーマルなど再処理・プルトニウム利用計画から全面的に撤退して下さい。
5.発送電分離と送電網の全国的統合・公的管理化に協力し、省エネと再生可能エネルギー中心の未来型電力会社に転換して下さい。
以上

若狭ネットニュース第157号を発行しました

第157号(2015/10/16)一括ダウンロード14.5Mb
巻頭言-憲法違反の原発再稼働反対!戦争法撤回!これからが正念場、徹底して闘おう
(1)東電救済のための国費投入を許すな!東電を解体し、抜本的な事故対策を!原発再稼働と使用済核燃料貯蔵能力拡大のための自治体買収拡充を許すな!もんじゅ廃炉!RETF解体!プルトニウム利用政策維持予算を全面削減せよ!
(2)高浜・大飯仮処分審尋で裁判官に地震動過小評価を説得して 大阪府立大学名誉教授 長沢啓行