若狭ネット

福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

大阪連絡先 dpnmz005@ kawachi.zaq.ne.jp
若狭ネット資料室(室長 長沢啓行)
e-mail: ngsw@ oboe.ocn.ne.jp
TEL/FAX 072-269-4561
〒591-8005 大阪府堺市北区新堀町2丁126-6-105
ニュース

若狭ネットニュース第153号を発行しました

 

若狭ネットニュース第153号(2015/2/5)を発行しました。(一括ダウンロードはこちら
巻頭言-川内原発と高浜原発の再稼働反対!原子力規制委員会との交渉成果をふまえ、関電の追及を!関西電力は脱原発で、電気料金の値下げをすべき!再値上げなんてとんでもない!
(1)3月3日公聴会での意見陳述例(その1)他社からの「受電なき電力購入費」を廃止し、自社の「発電なき原発維持費」を大幅削減し、電気料金値下げを!
(2)3月3日公聴会での意見陳述例(その2)脱原発と再生可能エネルギーの優先接続・優先給電・優先相互融通により、抜本的な普及促進を!
(3)3月3日公聴会での意見陳述例(その3)1340ガルの「M6.5の直下地震」に耐えられない高浜3・4号を廃炉にし、脱原発へ転換し電気料金を下げるべき!
(4)関西電力の電気料金値上げと原発再稼働に関する公開質問書(案)
(5)国民の声を無視した原発の再稼働とベースロード電源化を許すな!

上記(4)の公開質問状(案)への賛同団体・個人を募集しています。
第1次締切:2015年2月11日(関電へ提出)
最終締切:2015年2月末予定の関電交渉日
連絡先:若狭連帯行動ネットワーク
久保: TEL 072-939-5660  dpnmz005@kawachi.zaq.ne.jp
長沢 :TEL 072-269-4561  ngsw@oboe.ocn.ne.jp

関西電力の電気料金値上げと原発再稼働を許すな!公開質問状(案)の賛同団体・個人になってください

関西電力の電気料金値上げと原発再稼働を許すな!
一緒に公開質問状を出して追及しましょう!
公開質問状(案)の共同提出団体・個人になって下さい
高浜原発の再稼働なんてとんでもない
原発経営をやめれば電気料金は下げられます!

公開質問状(案)はこちら

left《関西電力の連続赤字の原因》
第1-原発依存の経営を頑強に続けたため
・止まったままの原発を維持、管理するため2665億円を費やす。
・原発再稼働のために改良工事費576億円を注ぎ込む。
・日本原電や北陸電へ「受電なき電力購入費」を払い続け、電気料金に転嫁し続けてきた。
約400億円も支払い続けている。
あわせて3600億円削減、電気料金値下げ可能!
原発をきっぱりとやめ、再生可能エネルギーへ転換を

《関西電力の連続赤字の原因》
第2-再生可能エネルギーの普及を遅らせ、高効率LNG 火力への転換を遅らせた。
公開質問書《案》の図1をみると
家庭用電気料金は、風力発電の23.76 円/kWh をはるかに超えている。
太陽光発電や間伐材バイオマス発電の34.56 円/kWh に近づく。
太陽光発電の買い取り価格は本年度30 ~ 32 円/kWh となり、関電の電気料金より安い。

zu図1.関西電力の家庭用電灯(従量電灯A)料金の値上げ申請単価と再生可能エネルギー買取価格の比較

関西電力は
原発依存の経営から手を引くべき!
再生可能エネルギー中心の経営に!
原発やめて電気料金の値下げをおこなうべき!

公開質問状(案)はこちら

共同提出団体・個人: 募集中第1次締め切り: 2月11日
最終締め切り2015年2月末予定の関電交渉日

1月16日交渉の一大成果を受け、原子力規制委員会へ申し入れ

1月16日交渉で、原子力規制委員会の論理が遂に破綻!
 1340ガルの地震動を全原発に取り入れよ!
 姶良カルデラ噴火への規制委対応策を示せ!

呼びかけ: 川内原発建設反対連絡協議会、川内つゆくさ会、反原発・かごしまネット、まちづくり県民会議、川内原発活断層研究会、東電福島原発事故から3年-語る会、さよなら原発:アクションいぶすき、原発ゼロをめざす鹿児島県民の会、かごしま反原発連合有志、原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、原子力資料情報室、若狭連帯行動ネットワーク(事務局担当)       
連絡先:〒583-0007 藤井寺市林5-8-20-401 久保方 TEL 072-939-5660  dpnmz005@kawachi.zaq.ne.jp
または 〒591-8005 堺市北区新堀町2丁126-6-105 若狭ネット資料室(長沢啓行室長)
TEL 072-269-4561  ngsw@oboe.ocn.ne.jp   http://wakasa-net.sakura.ne.jp/www/

原子力規制委員会への申し入れ
原子力規制委員会・規制庁との交渉記録(2015.1.16)
交渉のまとめ

2015年1月16日の原子力規制委員会との交渉では下記の通り、大きな成果を得ました。公開質問状への賛同団体・個人は100団体504個人に拡大しました。カンパも約18万円が集まりました。厚く感謝申し上げ、これからもご支援・ご協力のほど、よろしくお願い申しあげます。

<2015.1.16原子力規制委員会との交渉のまとめ>
地震と火山の問題で、原子力規制委員会・規制庁の論理は遂に破綻しました。2015年1月16日の私たちとの交渉で、原子力規制委員会・規制庁は、次のように重大な事実を認めました。
地震については次の通りです。
(1)原子力安全基盤機構JNESによる「M6.0の縦ずれ断層による地震動評価結果の最大値」と北海道留萌支庁南部地震の観測記録とは大体合っており、地元説明会やパブコメでの回答で「(JNESのモデルでは)厳しい条件を設定」していると指摘したのは「書きすぎている可能性がある」。
(2)1340ガルの地震動評価は「超過確率を算出するために行った仮想的なモデルによる試算だから適用しない。」といいながら、「実際の発電所の評価などに適用すべきかどうか、地震のモデルとしての再現性という点で妥当かどうかを専門家も含めて改めて検討する必要がある。」
(3)「(JNESの)計算のモデル自体ではなくて、ここで出てきた超過確率自体が妥当かどうか、実際に現実とどのぐらい合っているかは正直に言って良くわからない。そういうこともあるので、確率論的な評価は日本では適用ができていない。」
(4)「地震動評価全体としての学術的な知見の蓄積とそれ自体の見直しみたいなやつというのはトータルでやっぱりどこかでやる必要はある。」
要するに、JNESによる地震動評価結果が留萌地震の観測記録と良く合っていることから、JNESのモデルが「仮想的」=非現実的だと決めつけるだけでは「1340ガルの地震動」を排斥しきれず、その基準地震動への適用可能性について改めて検討すべきであることを認めたのです。
火山については次の通りです。
(1)九州電力の示した「姶良カルデラに関する監視体制の移行判断基準(案)」において、地殻変動が通常の5~10倍になった時点でカルデラの活動だと判断されれば「対処準備・燃料体等の搬出等」で対応することになっているが、その時点で「60年以上の余裕がある」との九州電力の主張については、規制委員会として「評価していない。」「60年以上余裕があるかどうかはわからない。」
(2)九州電力の判断基準とは別に、「もっと早い段階で、マグマ供給率が変化してきた段階で、止めたり、燃料体を搬出していく」必要があり、「原子力規制委員会としても、ある程度の変化が観測された場合には運転停止命令を出したり、規制側からのアクションが必要だ。」「まず、事業者が対応するが、規制委員会としても必要な命令は出していく。」運転停止命令を出す時点で「5年の余裕があるかという具体的な数字での判断はしていない。」
(3)「マグマ供給率の変化がいくつになったら運転停止命令を出すとか、具体的な数字を規則として決めてしまうと、もっと早い段階から止めるべきものを見逃したりしてしまう可能性もあるので、そのときの状況に応じて判断していく必要がある。」
(4)「原子力規制委員会からどういうアクションを起こすかということについては、火山モニタリングチームで検討していく。」
結局、「姶良カルデラ噴火の可能性は十分小さい」と決めつけながら、運用期間中の噴火の可能性を否定できないのでモニタリングを行うけれども、九州電力の判断基準(=地殻変動が5~10倍になった時点で噴火まで60年以上の余裕がある)は甘すぎること、規制委員会として九州電力より早い段階で予兆かどうかを判断して運転停止命令を出すこと、しかし、その判断基準は現存せず、これから検討していくこと、しかも、運転停止命令を出す時点で5年の余裕があるかどうかは分からないことが明らかになったのです。
地震と火山に関する以上の内容は、昨年の川内原発の審査書には一切書かれておらず、鹿児島県内の地元説明会でも全く説明されていません。今回の交渉で初めて明らかにされた内容です。高浜3・4号の審査書案でも全く触れられていません。
「震源を特定せず策定する地震動」で検討対象にしている16の地震観測記録はここ十数年のものにすぎず、決定的に不足しており、それを補うためにはJNESの地震動評価結果を検討対象に入れるべきです。そもそも「震源を特定せず策定する地震動」では所在不明の伏在断層を対象にしており、震源断層を原発ごとに設定できないため「仮想モデル」になるのは当たり前です。「仮想モデル」だからという理由でJNESの地震動評価結果を無視するのは原子力規制委員会の良識を疑います。「M6.5の横ずれ断層による1340ガルの地震動」を全原発の基準地震動として採用すべきです。
姶良カルデラ噴火についても、原子力規制委員会は、九州電力による火山モニタリング態勢=「地殻変動が5~10倍になった時点で対応」では遅すぎる、その時点で「噴火まで60年以上の余裕があるかどうかはわからない」としながら、その訂正を求めず、基本設計をそのまま了承していたのです。保安規定の中にもそのまま書き込むことを黙認し、これとは別に原子力規制委員会としてもう少し早い段階で運転停止命令などを検討していくというのです。しかも、その判断基準は存在せず、あらかじめ決めることもしない。運転停止命令を出してから燃料搬出までに必要な5年以上の余裕が噴火までにあるかどうかも分からないというのです。「噴火対応の第一義的責任は九州電力にある」というのであれば、甘すぎると判断した「九州電力の噴火対応方針」の訂正を求めるべきです。そうしないのは、原子力規制委員会にも噴火対応の方針がなく、「できない」からです。この方針を作るには時間がかかりすぎ、いつまで経っても再稼働できないからです。とりあえず、川内原発を再稼働可能な状態にして、その安全は保証せず、地元には詳しく知らせず、再稼働が承認されるかどうかの判断には関与せず、噴火対応を別途検討していくというのが原子力規制委員会の今、現に取っている対応なのです。こんなことは許せません。
原子力規制委員会が地震と火山で今取っている対応は、福島第一3号炉のプルサーマル計画を推進するため貞観津波の評価を棚上げにした原子力安全・保安院時代の対応と全く同じです。フクシマを教訓とし、地に落ちた国民の信頼を回復したいのなら、地震と火山の審査をやり直すべきです。
以下では、もう少し詳しく報告します。
続きはこちらをご覧ください

原子力規制委員会との交渉は1月16日に決まりました!ぜひ、ご参加ください!

1月16日の原子力規制委交渉で基準地震動  とカルデラ噴火の審査やり直しを求めよう!
継続中の川内1・2号審査を中止せよ!高浜3・4号審査書(案)を撤回せよ!

呼びかけ: 川内原発建設反対連絡協議会、川内つゆくさ会、反原発・かごしまネット、まちづくり県民会議、川内原発活断層研究会、東電福島原発事故から3年-語る会、さよなら原発:アクションいぶすき、原発ゼロをめざす鹿児島県民の会、かごしま反原発連合有志、原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、原子力資料情報室、若狭連帯行動ネットワーク(事務局担当)

川内原発1・2号の審査はまだ終わっていません。原子炉設置変更(基本設計)許可に基づく工事計画(詳細設計)申請と保安規定変更申請が継続審査中です。高浜原発3・4号の審査書(案)は昨年12月17日に確定されましたが、1月16日まで意見募集中であり、川内原発と同様に審査は続きます。直下地震やカルデラ噴火に対する安全性は全く保証されていません。大飯3・4号等でも耐震安全性は保証されていません。
基準地震動については、「M6.5の直下地震で1340ガルの地震動に襲われる」ことが原子力安全基盤機構(現在は原子力規制庁へ統合)の解析で明らかになっており、これを無視するのは「福島原発で15.7mの津波を試算しながら無視した」のと同じです。
カルデラ噴火については、「60年以上前に余裕を持ってカルデラ噴火を予知できる」とする九州電力の主張には根拠がなく、田中俊一原子力規制委員長も予兆が出た段階では核燃料搬出は困難であることを認め、石棺のようにプールごと埋めてしまう方法を口走る始末です。
私たちは、昨年3月18日と7月29日に行った原子力規制委員会との交渉の成果を継承し、新たにカルデラ噴火の危険性を加えて、1月16日に3回目の交渉を行います。ぜひ、ご参加ください。(呼びかけ文のpdfはこちら

原子力規制委員会・原子力規制庁との交渉
日時:2015年1月16日(金)13:30~15:00
場所:参議院議員会館 101会議室(地下鉄丸ノ内線「国会議事堂駅前」下車歩5分、地図はこちら
参加希望者は通行証が必要ですので、事前に久保までご連絡下さい。当日は、参議院議員会館の荷物検査を経て、12時過ぎにロビーへ集合し、事前会合(12:30~13:30)からご参加下さい。
公開質問状はこちら

原子力規制委員会に対する紹介議員は、社会民主党の福島みずほ参議院議員にお願いしています。

公開質問状は2014年11月19日に提出しましたが、交渉前日まで賛同団体・個人の募集を継続し、交渉当日に改めて提出します。賛同団体・個人を広げて下さい。また、遠方からの交渉参加者には交通費の半額をめどにカンパしたいと思います。交渉成功のため、1口500円で何口でも結構ですのでカンパをお寄せ下さい。現在、10万円以上集まっていますが、まだ足りません。一層のご支援をお願いします。

連絡先:〒583-0007 藤井寺市林5-8-20-401 久保方
TEL 072-939-5660  dpnmz005@kawachi.zaq.ne.jp
または〒591-8005 堺市北区新堀町2丁126-6-105 若狭ネット資料室(長沢啓行室長)
TEL 072-269-4561  ngsw@oboe.ocn.ne.jp  http://wakasa-net.sakura.ne.jp/www/

カンパ振込先: 郵便振込口座番号00940-2-100687(加入者名:若狭ネット)

小林勝氏の政府事故調ヒアリングでの証言によれば
震災の1年以上前に「津波が敷地高を超える」可能性を認識、貞観津波の評価を迫ると「その件は安全委員会と手を握っているから余計な事を言うな」、「余り関わるとクビになるよ」と恫喝

昨年12月25日に政府事故調査委員会のヒアリング記録が公開(3回目)されました。そこには、政府事故調中間報告では明示されていなかった重大な事実が記されていました。「15.7mの津波が福島第一原発を襲う恐れがある」ことは2008年6月までに東京電力社内で評価し、それを東電幹部が無視し続けたのですが、これに原子力安全・保安院がどのように対処したのかは不明でした。今回公開された証言記録でその一部が明らかになったのです。
実は、原子力安全・保安院は一枚岩ではなく、耐震性審査の実権を握るグループが、福島第一原発3号炉でプルサーマルを推進するため、耐震バックチェック時に貞(じよう)観(がん)津波の評価実施を拒絶し、貞観津波を評価すべきとするグループに恫喝をかけて黙らせていたのです。
当時「原子力発電安全審査課耐震安全審査室長」として耐震バックチェックに携わり、現在「原子力規制庁原子力規制部安全規制管理官(地震・津波安全対策担当)」である小林勝氏の証言によれば、次の通りです。
(1)原子力安全・保安院は福島第一原発5号機の耐震バックチェック中間報告に対する評価を2009年7月21日に終えた。当時議論になり始めていた貞観津波については、「調査研究成果を踏まえ、事業者がその成果に応じた適切な対応を取るべき」としたが、貞観津波そのものの評価はなされなかった。
(2)ところが、2010年2月16日に佐藤福島県知事が福島第一原発3号機のプルサーマル計画の条件付き受入れを決め、3月29日に直嶋正行経済産業大臣に「耐震安全性」「高経年化対策」「MOX燃料の健全性」という3条件の履行を申し入れ、同大臣の指示に基づき、1サイト1プラントの原則に反して特別に福島第一原発3号機に関する耐震バックチェック評価作業が開始された。
(3)小林室長や森山審議官らは、福島第一原発3号炉のバックチェック作業は1サイト1プラントの原則を踏みにじること、プルサーマル用MOX燃料装荷予定の2010年8月までの数ヶ月で結論を出すのは困難であることから反対していた。しかし、大臣指示でバックチェックが始まったことから、評価するのであれば、5号機で棚上げされた貞観津波の評価を行うべきであり、原子力安全委員会でも審議すべきだと主張したところ、小林室長は、上司である野口安全審査課長から「その件は、安全委員会と手を握っているから、余計な事を言うな。」と叱責され、当時ノンキャリのトップだった原広報課長から「あまり関わるとクビになるよ。」と恫喝された。
(4)結局、福島第一原発3号機のバックチェックでは、貞観津波の審議はなされず、5号機バックチェックで評価された地震・津波を対象に3号機の構造強度のチェックだけがなされ、MOX燃料装荷に間に合うよう、2010年7月26日に評価結果が出された。

川内原発1・2号でも、審査書(案)作成間際になって、原子力安全基盤機構による「M6.5の直下地震で1340ガルの地震動に襲われる」という解析結果が判明し、カルデラ噴火の予知は困難であり、「数ヶ月前などに予知できたとしても、人は避難できても原子炉停止から5年以上の冷却を要する核燃料は搬出できない」ことが明らかになっています。原子力規制委員会・規制庁は、再稼働を急ぐ政権におもねり、地震・火山の審査やり直しを拒否し、これらの審議を拒絶するのは、15.7mの津波の審議を拒絶した原子力安全・保安院のプルサーマル推進派と同じではないでしょうか。原子力安全・保安院時代の自己批判や反省が決定的に足りないのではないでしょうか。1月16日の交渉ではこの点を含めて徹底的に追及したいと思います。ぜひご参加ください。

(「呼びかけ文+証言録」などの詳細はこちら)

2015年1月原子力規制委員会との交渉に参加してください

原子力規制委員会との1月交渉の呼びかけ(pdfはこちら
継続中の川内1・2号審査を中止せよ!高浜3・4号審査書(案)を撤回せよ!
1月中旬の原子力規制委交渉で基準地震動とカルデラ噴火の審査やり直しを求めよう!

呼びかけ: 川内原発建設反対連絡協議会、川内つゆくさ会、反原発・かごしまネット、まちづくり県民会議、川内原発活断層研究会、東電福島原発事故から3年-語る会、さよなら原発:アクションいぶすき、原発ゼロをめざす鹿児島県民の会、かごしま反原発連合有志、原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、原子力資料情報室、若狭連帯行動ネットワーク(事務局担当)

川内原発1・2号の審査はまだ終わっていません。原子炉設置変更(基本設計)許可に基づく工事計画(詳細設計)申請と保安規定変更申請が継続審査中です。九州電力は11月末に申請書類不備を指摘され、来年(2015年)1月に補正申請を提出する予定です。10月の地元説明会等では、基準地震動やカルデラ噴火に関する根本的な問題点が次々と指摘され、11月には日本火山学会が規制基準見直しの提言を出しており、「基本設計認可を取り消して審査をやり直すべきである」ことがますます明らかになってきています。にもかかわらず、原子力規制委員会は来年1月にも川内1・2号の保安規定変更申請等を認可しようとしています。また、12月17日には高浜3・4号の審査書(案)を確定させ「来年1月16日までの意見募集」段階へ移りました。
基準地震動については、「M6.5の直下地震で1340ガルの地震動に襲われる」ことが原子力安全基盤機構(現在は原子力規制庁へ統合)の解析で明らかになっており、これを無視するのは「福島原発で15.7mの津波を試算しながら無視した」のと同じです。
カルデラ噴火については、「60年以上前に余裕を持ってカルデラ噴火を予知できる」とする九州電力の主張には根拠がなく、田中俊一原子力規制委員長も予兆が出た段階では核燃料搬出は困難であることを認め、石棺のようにプールごと埋めてしまう方法を口走る始末です。
川内1・2号の直下地震やカルデラ噴火に対する安全性は全く保証されていません。高浜3・4号も大飯3・4号も耐震安全性は保証されていません。今からでも遅くありません。審査やり直しの声を共に上げましょう。
私たちは、3月18日と7月29日に原子力規制委員会と交渉し、基準地震動の問題を追及してきました。その結果、1340ガルの直下地震の危険性などを具体的に暴き出すことができました。その成果を継承し、新たにカルデラ噴火の危険性を加えて、3回目の交渉を行うべく、11月19日に別紙の公開質問状を提出し、総選挙後の12月17日交渉を求めてきました。しかし、原子力規制庁は「その頃は作業のピークだ」として交渉応諾の返事をよこさず、7回目の督促でようやく「来年1月初めに応じる」との確約を得たのです。2015年1月5日に再度日程調整を行い、1月16日頃(未定)に交渉を行う予定です。
日程が決まり次第、改めて交渉への参加呼びかけを出させて頂きますが、1月交渉を成功させるため、公開質問状への賛同団体・個人の拡大と1口500円で交通費カンパへの協力をお願いします。
公開質問状は11月19日に提出しましたが、2015年1月16日頃(未定)の交渉日まで賛同団体・個人の募集を継続し、交渉当日に改めて提出します。賛同団体・個人を広げて下さい。また、遠方からの交渉参加者には交通費の半額をめどにカンパしたいと思います。交渉成功のため、1口500円で何口でも結構ですのでカンパをお寄せ下さい。
連絡先:〒583-0007 藤井寺市林5-8-20-401 久保方TEL 072-939-5660 dpnmz005@kawachi.zaq.ne.jp
または〒591-8005 堺市北区新堀町2丁126-6-105 若狭ネット資料室(長沢啓行室長)
TEL 072-269-4561 ngsw@oboe.ocn.ne.jp http://wakasa-net.sakura.ne.jp/www/
カンパ振込先: 郵便振込口座番号00940-2-100687(加入者名:若狭ネット)

川内・高浜・大飯原発の基準地震動と川内原発の火山に関する公開質問状(2014年11月19日提出)

若狭ネットニュース第152号(2014/12/19)(一括ダウンロードはこちら
巻頭言-川内原発再稼働阻止!高浜原発審査書案撤回!地震と火山の審査をやり直せ!
(1)原子力規制委員会の有識者会合で改めて敦賀2号直下の破砕帯を「活断層」と認定 関西電力は、日本原電に支払っている「基本料金」を打ち切るべき
(2)「食と農でつなぐ 福島から」(岩波新書1497、定価780円)を読んで 久保きよ子
(3)福島第一原発を視察して・・・深刻化し顕在化する「溶融燃料塊と汚染水」の危険 長沢啓行(大阪府立大学名誉教授)

若狭ネットニュース第152号を発行しました

若狭ネットニュース第152号(2014/12/19)を発行しました。(一括ダウンロードはこちら
巻頭言-川内原発再稼働阻止!高浜原発審査書案撤回!地震と火山の審査をやり直せ!
(1)原子力規制委員会の有識者会合で改めて敦賀2号直下の破砕帯を「活断層」と認定 関西電力は、日本原電に支払っている「基本料金」を打ち切るべき
(2)「食と農でつなぐ 福島から」(岩波新書1497、定価780円)を読んで 久保きよ子
(3)福島第一原発を視察して・・・深刻化し顕在化する「溶融燃料塊と汚染水」の危険 長沢啓行(大阪府立大学名誉教授)

原子力規制委員会との1月交渉の呼びかけ
継続中の川内1・2号審査を中止せよ!
高浜3・4号審査書(案)を撤回せよ!
1月中旬の原子力規制委交渉で基準地震動とカルデラ噴火の審査やり直しを求めよう!(pdfはこちら)

呼びかけ: 川内原発建設反対連絡協議会、川内つゆくさ会、反原発・かごしまネット、まちづくり県民会議、川内原発活断層研究会、東電福島原発事故から3年-語る会、さよなら原発:アクションいぶすき、原発ゼロをめざす鹿児島県民の会、かごしま反原発連合有志、原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、原子力資料情報室、若狭連帯行動ネットワーク(事務局担当)

川内・高浜・大飯原発の基準地震動と川内原発の火山に関する公開質問状(2014年11月19日提出)(pdfはこちら

原子力規制委員会に11月19日付で公開質問状を提出し交渉に応じるよう求めています

私たちは原子力規制委員会・規制庁と2014年3月18日に第1回目、7月29日に第2回目の交渉を持ち、大飯3・4号、高浜3・4号、川内1・2号の基準地震動の抜本的引き上げを求めてきました。しかし、納得できる十分な回答は得られませんでした。その後の川内原発審査書案パブリックコメントへの回答や鹿児島県での説明会における回答等でも科学的根拠のある説明が一切なされず、到底納得できません。
また、著名な火山学者らが姶良カルデラ噴火の危険性を警告し、日本火山学会が11月初めに秋季大会を開いて「火山影響評価ガイドの見直しを求める提言」を発表し、姶良カルデラ噴火に関する審査結果の見直しを迫っています。かつて活断層評価をめぐって地震調査研究推進本部と原子力ムラとの間で生じた意見対立を想起させます。
最新の知見を取り入れるべき原子力規制委員会がこれらを無視し続けることは極めて異常なことであり、看過できません。
そこで、私たちは第3回目の交渉を求めて、11月19日に公開質問状(pdfはこちらからダウンロードして下さい)を提出しました。その直後に衆議院が解散され、12月14日に投票日となりましたので、選挙後の12月17日に交渉日を設定し、原子力規制庁の担当者と折衝しています。
ところが、担当者は「審査で多忙であり、12月17日の頃は作業のピークになっている可能性があり、1週間前でなければ確答できない」との返事でした。確かに、川内1・2号の保安規定等の審査や高浜3・4号の審査書案作成などが重なって作業が多いことは事実です。しかし、まさに、これらの問題に対して公開質問状を提出しているのですから、それにまともに対応しない方がおかしいのです。

しかし、交渉そのものを拒否してきてはいないので、粘り強く折衝したいと思います。というのも、3月18日の交渉が余りにひどかったので再交渉を求めたときには「あれ以上の回答はできない」と交渉を拒否され、5月に2回目の交渉を求めた際には「審査中の内容については回答できない」と拒否されました。そこで、7月29日の2回目の交渉では審査会合で扱われていない「原子力安全基盤機構の解析した1340ガルの地震動を基準地震動に取り入れる」ように求めて交渉に応じさせ、今回は「1340ガルを取り入れない理由」を問い詰め、「姶良火山噴火に関する田中委員長や島﨑委員の発言」について問い質すことにしたため、これまでのようには交渉を拒否できないはずです。原子力規制委員会や原子力規制庁の見解を問い質しているのですから、回答できない方がおかしいのです。

交渉日は流動的ですが、決まり次第、郵送やホームページで連絡しますので、ぜひ交渉にご参加ください。

10・26反原発デーの一環として関西電力本社へ申し入れました

10・26反原子力デーの一環として、全国各地で取り組まれている脱原発運動と連帯して、本日、関西電力本社へ申入れ行動を行いました。市民20名が駆けつけ、若狭連帯行動ネットワークをはじめ、ヒバク反対キャンペーン、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西、地球救出アクション97、STOP原子力★関電包囲行動、原発の危険性を考える宝塚の会などが申し入れ書を広報に手渡しました。
関西電力の広報は、この秋に交代したようで、これまでとは違い、非常に悪い対応でした。私たちは10月10日から広報と電話で7回以上事前折衝しましたが、ラチがあきません。「10月24日(金)午後4時から」にしてほしいと伝えると、「検討して返事します」と言いながら返事はなし。こちらから電話して、返事を督促すると、「24日はダメ」、「27日もダメ」で挙げ句の果てには「郵送してほしい」と言い出す始末でした。これまでは、曲がりなりにも約束したことは守ってきたのですが、今回は「返事をする」という約束を守らず、露骨に会いたくないとの姿勢を示し、遂には、「28日(火)午後4時半から5分間、申し入れ人は5名以内」という全くひどい条件を突きつけてきました。
私たちは開始時刻については了承しましたが、「5分で5名以内」という条件は到底のめないと伝えた上で、申し入れに臨みました。その結果、当日は、20名が関電本社ロビーに集まり、「5分で5名以内」は許せないという雰囲気がみなぎっていました。そのためか、広報は約束の午後4時半をすぎても姿を現さず、数分遅れで、電話連絡を取り合った本人ではなく別の人物が対応に出てきました。誠実さに欠ける対応とはこのことです。
5分遅れで申し入れを開始し、申し入れ文を読み上げている最中に、対応している広報の携帯電話が鳴り、「申し訳ない」との断りもなく電話に出て、対応打ち切りを宣言しました。仕方なく、申し入れ文を提出して、後日、公開質問状を出すから、次回は真摯に対応するようにと言い含めて終わりました。この間、約15分間でした。
「5分で5名以内」という条件は事実上撤回させましたが、これまでとは違う、余りにひどい対応に参加者は皆、怒り心頭でした。
申し入れ後に本社前で簡単な総括をしましたが、「5分で5名以内だと聞いたので、絶対に行かなくちゃと思ってきた」「これで、ますますやる気が出てきた」「次も頑張って来るぞ」という元気な声が寒風を吹き飛ばしてくれました。関西電力本社広報も、このような対応は逆効果だと早く気付くべきですね。こんな対応を続けて消費者の信頼をますます失えば、電力完全自由化の下でどうなるか、きっと思い知らされることでしょう。

若狭連帯行動ネットワークの申し入れ文はこちら

2014年10月28日

関西電力 取締役社長
 八木 誠 様

2014年反原子力デーに際して関西電力への申し入れ 

若狭連帯行動ネットワーク  

 原発なしの今夏、電力供給は、全く支障ありませんでした
 貴社の今夏需給実績報告では、2010年と比べ平均で約310万kWも減っています。最大電力需要は2,670万kWで、夏前の5月16日時点での関電予想より、約200万kW減でした。原発がなくても電力を安定供給できるのです。企業や自治体も、貴社との契約を打ち切り、新電力に切り替える動きが拡がり、今年4月1日からの4カ月間で1,598件、約33万kWが契約解除されています。
 電力全面自由化を目前にして貴社は、東京電力に対抗して、首都圏での電力販売を拡大しようとしていますが、その電気料金は原発を抱える貴社自身の電気料金より「安い」のはどういうわけでしょうか。「原発の発電単価は安い」と言いながら、電力自由化の下では、原発の電気を高めの「基準価格」で買い取るよう要求していますが、こんな手前勝手な対応は許せません。
 貴社の経営は最悪であり、停止原発の維持・管理費がかさみ、3年連続赤字でした
 フクシマ事故後、貴社の純資産は、3年間で8千億円にまで減少し、実質的な純資産は3千億円程度にとどまると見られます。純資産はすでに資本金(4900億円)を下回るレベルにまで毀損し、このままでは、4年連続赤字になり、債務超過も視野に入れざるをえない危機的状況にあります。通常なら不採算部門で危険極まりない原発部門を切り捨てるべきところ、あろうことか、フクシマ事故を顧みず原発の早期再稼働を求め、それができなければ電気料金の再値上げを求めるという、とんでもないことを言い出しています。
 こうなった原因は原発依存の貴社の頑迷な経営方針にあります。停止原発の維持・管理費がかさむためです。
 私たちは、電力再値上げも、原発再稼働も拒否します。すべての原発を廃炉にし、再処理をやめ、電気料金を下げるべきです。
 さらに、貴社は、日本原電と北陸電力に運転停止中の敦賀原発と志賀原発に対する「電気料金」を受電していないのに3年以上支払い続けてきました。この「受電なき電力購入費」は日本原電に対して3年間で1千億円近くになります。しかも、敦賀2号は、原子力規制委員会が直下に活断層があると判断しており、発電できない状態に陥っているではありませんか。このような支払いはやめるべきです。
 美浜1~3号、高浜1・2号、大飯1・2号を廃炉にすべき
 9月6日の新聞は「美浜2基廃炉検討」と大きく報じました。美浜1・2号は元より、美浜3号を含め、高浜1・2号、大飯1・2号についても即刻廃炉を求めます。
 高浜3・4号、大飯3・4号の基準地震動の再評価を見直し、再稼働申請を撤回すべき
 震源を特定せず策定する地震動として「M6.5の直下地震による1340ガルの地震動」を取り入れ、高浜3・4号と大飯3・4号の基準地震動を抜本的に大きくすべきです。
 5月21日の福井地裁判決は、貴社に大飯3・4号の運転差し止めを命じました。「大きな自然災害や戦争以外で,この根源的な権利(人格権)が極めて広汎に奪われるという事態を招く可能性があるのは原子力発電所の事故のほかは想定し難い。かような危険を抽象的にでもはらむ経済活動は,その存在自体が憲法上容認できないというのが極論にすぎるとしても,少なくともかような事態を招く具体的危険性が万が一でもあれば,その差止めが認められるのは当然である。」との司法判断を貴社は否定するのでしょうか。
 また、日本学術会議の9月19日報告では、使用済核燃料や高レベル放射性廃棄物の保管問題を議論する際には「現在世代で解決困難な不可逆的な決定をしてしまった『現在世代の責任』を真摯に反省することが必要である。」と断じています。この責任を少しでも感じているのであれば、使用済み核燃料をこれ以上増やさず、原発再稼働を撤回すべきではありませんか。
  電力自由化対策として、送配電網を分離し、公共化を図るべき
 原発に頼る余り、非効率な老朽石油火力をそのまま温存させ、高効率火力への設備更新を怠り、再生可能エネルギーの普及を妨害してきました。2016年から始まる電力自由化に向け、誰でもが送配電網を共有化でき、発電事業に参入できるように公平化を図るべきだと考えます。
 私たちは、貴社に対し、以下のことを強く要求します。
(1) 日本原電と北陸電力との電力購入基本契約を改訂し、3年以上続く「受電なき電力購入費」を撤廃してください。これに相当する分の電気料金を引き下げてください。
(2) 40年超運転の美浜1・2号、2016年7月に40年超運転と見なされる高浜1・2号、2016年度に40年超運転となる美浜3号、35年超運転で老朽化した大飯1・2号を即刻廃炉にしてください。これによって浮いてくる原発の維持・管理費相当分の電気料金を引き下げてください。
(3) 貴社の原発の基準地震動に「M6.5の直下地震による1340ガルの地震動」を取り入れ、これに沿った耐震安全性を確保できない限り運転を再開しないでください。
(4) 「現在世代で解決困難な不可逆的な決定をしてしまった『現在世代の責任』を真摯に反省」し、これ以上使用済核燃料を生み出さないでください。使用済核燃料中間貯蔵施設立地計画を中止し、再処理・プルサーマル計画を中止してください。
(5) 電力自由化の下での「基準価格」導入など原発優遇策を求めるのはやめてください。
(6) 発送電分離と送配電網の公的管理に応じ、再生可能エネルギーの普及=接続量拡大に協力してください。
以上

若狭ネットニュース第151号を発行しました

若狭ネットニュース第151号(2014/10/13)を発行しました一括ダウンロード2.89Mb

10月24日(金)に予定していた「反原子力デー 関西電力へ申し入れ行動」は、関西電力との折衝の結果、「10月28日(火)午後4時30分から」へ変更になりました。

巻頭言-九電の川内原発再稼働反対!地震と火山の審査をやり直せ!関電の高浜・大飯原発再稼働反対!現地の闘いと連帯して、1基たりとも再稼働を許すな!

(1)川内原発の地震と火山の審査をやり直せ!

<巻頭言>
川内原発の審査は終わっていない

川内原発の審査はまだ終わっていません。原子力規制委員会は9月10日に川内原発の審査書を確定させましたが、地震と火山の未解決問題が急浮上しています。

M6.5の直下地震で1340ガルの地震動が

地震問題では、この3月に原子力規制庁へ統合された原子力安全基盤機構が「M6.5の直下地震で1340ガルの地震動が原発を襲う」ことを2004年に報告しており、これを基準地震動に取り入れるかどうかが問われています。「1340ガルの地震動」は、川内原発で炉心溶融事故に至るギリギリの地震動=クリフエッジ(川内1号で1004ガル、2号で1020ガル)を超えます。従って、これを基準地震動に取り入れれば、川内原発は再稼働どころか廃炉を余儀なくされるでしょう。川内原発だけでなく全国のほとんどの原発がそうなるでしょう。ことの重大さに気付いた原子力規制庁は「仮想のモデルによる計算値だ」とか、「1340ガルの地震動は実際にはまだ観測記録として存在しない」とか、「1340ガルの地震動が川内原発を襲う確率は小さい」とかの理屈をつけて無視しようとしています。これでは、福島第一原発で15.7mの津波の可能性を計算しながら、全く同じ理由で無視した東京電力幹部やそれを容認した原子力安全・保安院と同じではないでしょうか。福島第一原発重大事故の教訓を踏みにじるのでしょうか。断じて許せません。

大飯3・4号運転差し止め訴訟の福井地裁判決(2014年5月21日)では、「大きな自然災害や戦争以外で、この根源的な権利(人格権)が極めて広汎に奪われるという事態を招く可能性があるのは原子力発電所の事故のほかは想定し難い。かような危険を抽象的にでもはらむ経済活動は、その存在自体が憲法上容認できないというのが極論にすぎるとしても、少なくともかような事態を招く具体的危険性が万が一でもあれば、その差止めが認められるのは当然である。」と断じています。「確率が小さいから人格権を侵害しても良い」という論理は成立たないのです。

姶良カルデラ噴火で川内原発は「立地不適」

火山問題では、「姶良(あいら)カルデラ噴火の予兆を捉えてから原子炉を止め核燃料を運び出す準備を始める」という九州電力の方針が妥当かどうかが問われています。その具体的内容が保安規定に記載される必要があり、田中俊一原子力規制委員長は10月1日の記者会見で「公開の場で議論されるよう」検討すると約束しています。川内1号の保安規定は10月8日に提出されましたが、2号の保安規定はまだ未提出で、10月中の予定です。その公開審査はこれからであり、福島第一原発事故をはるかに超える破局的な原子力災害が予想されるため、地元は元より国民的レベルでの公開討論会や公開説明会の開催が不可欠です。

御嶽山では、予知できないまま、9月27日正午前に突然、水蒸気噴火が起こり、登山者55名が死亡、69名が負傷、10月10日現在なお8名が行方不明です。菅官房長官は「今回は水蒸気(噴火)であるので、その予測は極めて難しい」(9月29日)と発表しましたが、マグマ噴火でも国内経験では早くて数日前にしか分からず、それも観測体制を整備して火山ごとに噴火情報を蓄積しない限り不可能なのが実態です。破局的なカルデラ噴火の場合には2~3ヶ月前から小規模噴火や火山性地震などの予兆が観測された例はありますが、5年以上も前に予兆を検出できた例はありません。この「5年」というのは、「原子炉を停止した後も核燃料を冷やし続ける必要があり、崩壊熱が十分下がり放射線量が少なくなり、輸送容器に入れて運び出せるようになるまでに5年以上が必要だ」ということです。

川内原発から約40kmの姶良カルデラが破局的噴火を起こせば、5~20分で川内原発に500℃程度の高温火砕流が層厚50cm以上で流れ込み、運転員は全員即死、原子炉や使用済核燃料貯蔵プールはコントロール不能に陥り、数日後にはチェルノブイリ事故をはるかに超える厖大な放射能が放出され、日本全国に極めて深刻な放射能災害がもたらされます。九州電力の「予兆を検出してから核燃料の搬出準備を始める」という方針では、姶良カルデラ噴火に対応できません。「5年以上前に予兆を検出できる」という科学的・現実的根拠がない以上、川内原発は「立地不適」にすべきです。

原子力規制庁に迫る住民の再稼働反対の声

鹿児島県では、10月9日から川内原発30km圏内の5会場(薩摩川内市9日、日置市10日、阿久根市14日、さつま町15日、いちき串木野市20日)で原子力規制庁による説明会が開かれています。鹿児島県は当初、薩摩川内市で2回、いちき串木野市で1回の計3回、人数限定で終えようとしましたが、鹿児島市長、日置市長、阿久根市議会が地元開催の要望書を提出し、5会場へ広げられた経緯があります。
これは、姶良市議会の「県民の安全が担保されない拙速な川内原発1・2号機の再稼働を認めない」決議(昨年10月)、出水市議会の「再稼働への対応は慎重に行うべきである」との県知事への意見書採択(昨年11月)、垂水・阿久根両市議会でも同様の決議が続き、今年9月末には日置(ひおき)・いちき串木野両市議会が再稼働の同意が必要な「地元扱い」を求める意見書を可決、出水市が周辺6市町首長による「地元」の範囲に関する協議を呼び掛けるなど隣接市町での活発な動きを反映しています。また、「実効性のある避難計画がない中での再稼働は反対」とする署名が6月末に15,464筆、いちき串木野市民の過半数に達するなど住民の反対の声も高まっています。

10月9日、10日の説明会では、「リスクをゼロにすることはできない」とする原子力規制庁に「住民は絶対の安全を求める」と迫るなど、本質的な問いかけが行われています。主催者の鹿児島県(9日のみ薩摩川内市も共催)は映像中継を拒み(後日録画公開)、9日の参加者を抽選で決め(1,345名の希望者から302名が外れる)、質問時間を30分延長しただけで打ち切るなどひどい運営をしました。残る3会場でも住民による再稼働反対の声は一層大きくなるでしょう。
川内原発の審査は終わっていません。火山モニタリングに関する保安規定の公開審議を契機に、公開討論会や公開説明会の開催を求め、地震と火山の審査をやり直すよう原子力規制委員会に求めていきましょう。

再生可能エネルギーの接続を拒否し原発再稼働?

九州電力は9月25日から太陽光発電など再生可能エネルギーの送電網への接続を数ヶ月間中断すると発表しました。太陽光発電設備認定容量が今年5月末に1,782万kWに達し、今年7月末時点で接続済が約390万kW、接続申請中が約870万kW、残り約520万kWは未申請です。接続申請をすべて認めると約1260万kWになり、低需要期のピーク需要約800万kWを超え、今後申請される未申請分も加えると昨年夏期ピーク需要約1,600kWすら超えるためというのが「理由」です。発電容量に対する実際の出力率は3割程度なので、太陽光発電だけでピーク需要を超えるという主張はオーバーですが、九州電力管内では太陽光発電認定容量が関東の1,934万kWに次いで多いのは事実であり、関西(519万kW)の3倍以上です(スマートジャパン2014.9.25)。送電網を独占管理している九州電力は、本来、自主的に再生可能エネルギーの接続条件を整備すべきところ、それを怠り、送電網への接続を拒否するというあってはならない手段で自社の利益を守ろうとしているのです。再生可能エネルギーが急増すれば、電力供給過剰になり、原発再稼働を急ぐ根拠もなくなります。九州電力にとっては、それが一番怖いのでしょう。

この問題を解決するには、発送電分離と送電網の公的管理が不可欠です。そうすれば、原発を接続する余地はなくなるのですから。

原発なしの今夏、電力供給は、全く支障なし

電気事業連合会の10月10日発表によれば、今年上半期(4~9月)の発受電電力量(速報)は電力10社で前年同期比3.9%減、東日本大震災以降4年連続で前年実績を下回り、10社ともマイナスでした。気温低下もありますが、一番の理由は節電が深く浸透していることです。

関西電力の今夏需給実績報告では、7月1日~8月22日を2010年と比べれば、平均で約310万kW、約12%も減っています。最大電力需要は2,670万kWでした。夏前の5月16日時点での関電予想は2,873万kWでしたので、約200万kW減でした。

原発を再稼働しなくても電力を安定供給できることは明らかです。関電の高い電気料金に対抗して、企業や自治体が、関電との契約を打ち切り、新電力に切り替える動きも加速しています。たとえば、今年4月1日からの4カ月間で1,598件、約33万kWが契約解除されています。

他方では、電力全面自由化を目前にして電力会社間での競争が激化しています。関西電力は、東京電力に対抗して、首都圏での電力販売を拡大しようとしています。宮城県仙台市に約300億円をかけて石炭火力11.2万kWを新設し、2017年運転開始をめざしています。また、マンション向け中央電力と資本提携し、首都圏でオフィスビル向けなど大口顧客に電力を販売しようとしています。これらの電気料金は原発を抱える関西電力自身の電気料金より「安い」のです。また、「原発の発電単価は安い」と言いながら、電力自由化の下では、原発は生き残れないので高めの「基準価格」で買い取るよう要求しています。
何という矛盾でしょうか。

停止原発の維持・管理費がかさみ、3年連続赤字

フクシマ事故が起こるまでには、1兆4900億円あった関西電力の純資産は、3年間で8100億円にまで減少しました。そのなかには、将来の利益を見越して計上している繰延税金資産が5000億円含まれており、実質的な純資産は3100億円程度にとどまると見られます。つまり、実質的な純資産はすでに資本金(4900億円)を下回るレベルにまで毀損しているのであり、このままの状況が続けば、4年連続赤字になり、債務超過も視野に入れざるをえない状況です。

こうなった原因は原発にあります。関西電力は原発比率が高いため、停止原発の維持・管理費がかさむのです。そのため、関西電力は「再度の値上げか、原発再稼働か」というあり得ない対比で電力消費者に恫喝をかけようとしています。

私たちは、電力再値上げも、原発再稼働も拒否します。すべての原発を廃炉にし、再処理をやめ、電気料金を下げるべきです。原発を再稼働させるために9電力と日本原電を合わせると、原発の安全対策費に2兆2千億円以上、停止原発の維持・管理費に年間約1兆5千億円、電源開発促進税に年間約3,500億円、止まったままの原発に投入し続けているのです。無駄以外の何物でもありません。

さらに、関西電力は、日本原電と北陸電力に運転停止中の敦賀原発と志賀原発に対する「電気料金」を受電していないのに3年以上支払い続けています。この「受電なき電力購入費」は日本原電に対して3年間で1千億円近くになります。しかし、敦賀2号は、原子力規制委員会が直下に活断層があると判断しており、それが確定すれば、このような支払いは根拠を失います。

美浜1~3号、大飯1・2号、高浜1・2号を廃炉に!

9月6日の新聞は「美浜2基廃炉検討」と大きく報じました。原子力規制委員会の規制基準では、原則40年運転で廃炉になります。特例として20年間延長が認められるためには、原子炉圧力容器などの「特別点検」や大規模改修など数千億円規模のコストがかかります。老朽炉は出力が小さく、投資に見合う利益が得られないため、関西電力は地元に配慮し、言葉を濁しながら様子を見ています。

たとえば、岩根茂樹関電副社長は9月8日、福井県庁で会見し、「美浜1、2号機のように運転開始から40年以上たつ原発の運転期間を延長する場合、審査申請期限が2015年4~7月に迫っている。申請前に特別点検をするということもあり、どういう対応をしていくか検討している段階。」「万が一廃炉になった場合、地域の経済雇用に影響を与えないように、例えば(国の)交付金がどうあるべきかということを含め、われわれも汗をかいていきたい」と述べています。

私たちは、美浜1~3号は元より、老朽化した高浜3・4号、大飯3・4号についても即刻廃炉を求めます。

川内原発の審査書で浮上した地震と火山の問題はすべての原発に共通した重要課題です。姶良カルデラ噴火による川内原発破壊の危険は国民的課題だとも言えます。川内原発再稼働阻止の現地の闘いと固く結びつき、高浜3・4号や大飯3・4号をはじめ全国の原発再稼働阻止の闘いと結合して、脱原発へ進みましょう。

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川内原発再稼働反対!原子力規制委員会・規制庁に説明会で問いただそう

 原子力規制委員会・規制庁に説明会で問いただそう

(pdfリーフレットはこちら)

問①「規制基準を満たしていても安全は保証できない」、「重大事故の発生を前提に自分たちの責任で原発再稼働の是非を判断しろ」と?

原子力規制委員長は「世界最高水準の規制基準を満たしているが、安全は保証できない」と言います。原発の再稼働は、皆が重大事故の発生をリスクとして受け入れることが条件になっているのです。

問②規制庁報告にある「M6.5の直下地震による1340ガルの地震動」を取り入れないのは「15.7mの津波を仮想の計算」だと無視したのと同じでは?

原子力規制庁は自分たちが試算した「1340ガルの地震動」を「仮想の計算値であり、まだ観測されていない」から無視すると主張しています。福島の教訓を自ら踏みにじり、同じ過ちを冒すのでしょうか。

問③「耐専スペクトル」は近距離で地震動を過小評価する欠陥があり、日本電気協会で見直し中なのに、古いまま適用していいの?

原子力規制庁は、川内原発の基準地震動を定めるための「耐専スペクトル」が近距離では過小評価になることを認め、見直し中だと言っています。過小評価の古い手法をそのまま使うのは許せません。

問④九州電力による「断層モデル」を使った地震動評価では、耐専スペクトルの1/2~1/3で使い物になりません。このまま使っていいの?

九州電力が用いた断層モデルでは耐専スペクトルの1/2~1/3の地震動評価になっていますが、原子力規制庁は、「手法が違うからいい」と言います。これほど違っても「いい」というのは非常識です。

問⑤姶良カルデラの噴火は事前にわかるの? たとえ、事前に分かって私たちは避難できても、原発や使用済核燃料はすぐには避難できないじゃない! 火砕流で炉心溶融事故が起き、避難先で放射能災害に見舞われたり、ふる里がひどく汚染されて立ち入れなくなったりするんじゃない?

原子力規制庁は、カルデラ噴火にモニタリングで対処できると言いますが、「できない」方法で「できる」と言うのは無責任。核燃料は5年ほど冷やさないと熱が冷めず容器に入れて運び出すのは無理。

問⑥福島では3年半後も、溶融燃料塊から放射能が溶けだし、年に15万トンも汚染水が出続けています。いつになったら、皆が「ヒバクのない普通の生活」に戻れるの? 川内原発でひとたび重大事故が起きたら、避難途中や避難先でヒバクし、結局、ふる里に戻れないんじゃないの? 「その危険を覚悟して再稼働を認めろ」って、ひどすぎない?

原子力規制庁は「重大事故のリスクを覚悟して再稼働を認めるかどうかは自分たちで判断しなさい」と!しかも、250km圏まで被災するのに、隣接住民でさえ「判断に参加できない」なんてひどすぎる。
原発がなくても電気は余っています。電力会社など自分たちの私利私欲のため、不要な原発を無理矢理動かそうとするのは許せません。川内原発の再稼働をやめさせ、命と健康とふる里を売り渡さず、子や孫に誇れる「安全で普通の生活」を引き継ぎましょう。

川内原発の再稼働反対!地震動は過小評価されている - 直下の「見えない伏在断層」が動けば、炉心溶融事故は避けられない!

 

川内原発の再稼働などもってのほかです。九州電力の設定した基準地震動は甘すぎ、原子力規制委員会・原子力規制庁の審査はズサンすぎます。
「見えない伏在断層」が川内原発の直下で動けば、炉心溶融事故が避けられません。
原子力安全基盤機構JNESは10年前にそれを裏付ける報告を出していました。すなわち、「M6.5の直下地震が起こると震源近傍で1340ガルもの地震動」がもたらされ、川内原発で炉心溶融事故に至るギリギリの地震動=クリフエッジ(1号:1004ガル、2号:1020ガル)を超えるというのです。

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JNESは今年3月に原子力規制庁へ統合されましたので、規制庁もこのことはよく知っています。ところが、規制庁はこれを基準地震動に反映させようとはしていません。「仮想の計算値だ」と無視しようとしています。
これでは福島第一原発事故から何も学ばなかったことになります。事故前に15.7mの津波を評価した際、東京電力幹部らは「仮想の計算値だ」と無視しました。これと同じ過ちを繰り返すのでしょうか。

「見える活断層」による地震動=市来断層帯市来区間M7.2の地震動も正しく評価すれば、クリフエッジを超える!

「見えない伏在断層」に加え、「見える活断層」による地震動についても過小評価されています。たとえば、川内原発の南にある市来断層帯市来区間M7.2による地震動を正しく評価すれば、クリフエッジを超えることは明らかです。
実は、地震動を評価する手法には、「耐専スペクトル」と「断層モデル」の2通りがあり、いずれにも問題があります。
耐専スペクトルは、日本国内で観測された地震データに基づいて平均的な応答スペクトルを求めるものです。しかし、地下岩盤の地震計で1078ガル(上部地層をはぎとる基準地震動の考え方で評価すると約2000ガルに相当)の地震動を記録した2008年岩手・宮城内陸地震など最近20年間のデータが反映されていません。原子力規制庁によれば、耐専スペクトルを作った日本電気協会で現在、見直し作業が進められているといいます。
今の耐専スペクトルは古すぎるのです。
急いで、耐専スペクトルを作り直し、最新の方法で地震動を評価し直すべきでしょう。
また、耐専スペクトルは平均的な地震動を求めるものであり、実際には、図2のように、2倍以上のバラツキがあります。これも地震学界の常識です。新しい耐専スペクトルで評価し直し、2倍のバラツキを考慮すれば、図3のように、「クリフエッジを超える地震動が川内原発を襲う」と言えるのです。原子力規制庁は、これをなぜ直視しないのでしょうか。

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断層モデルによる地震動評価は耐専スペクトルの1/2~1/3にすぎない!欠陥だらけの断層モデルを根本的に見直すべき!

断層モデルによる地震動評価は、コンピュータ計算によるものですが、震源断層の特性を正しくモデルに組み込まないと過小評価になります。
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実際、市来断層帯市来区間M7.2の場合には、図4のように、断層モデルによる地震動は耐専スペクトルの1/2~1/3にすぎません。原子力規制庁は「評価手法が違うから違ってもいい」と言いますが、これでは使い物にならないでしょう。
地震動は震源断層の固着域の特性値(「応力降下量」という)が大きいと大きくなります。九州電力はこれを小さく設定して地震動を過小評価しているのです。私たちがこのことを指摘すると、原子力規制庁は、「非公開のヒアリングで応力降下量を大きくした結果も評価している」と回答しました。そこで、資料請求したところ、図5が出されたのですが、肝心の「固有周期の短い領域での地震動評価結果」が描かれていません。規制庁は「先の発言は間違いだった」と言い訳をしましたが、こんなずさんな審査でいいのでしょうか。