若狭ネット

福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

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ニュース

トリチウム汚染水海洋放出方針を撤回させよう!学習・討論会のご案内

トリチウム汚染水海洋放出方針を撤回させよう!学習・討論会
「宝の海」を汚すな!

テーマ1:トリチウム汚染水海洋放出は何が問題か
テーマ2:対政府交渉に向けて

日時:2022 年3 月19 日(土・休日)午後1 時半~4 時半
場所:ドーンセンター 中会議室(地下鉄谷町線&京阪線 天満橋駅 徒歩10 分)

共催:チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西
若狭連帯行動ネットワーク
ヒバク反対キャンペーン

呼びかけ(pdfはこちら)

昨年4 月、政府・東電は高濃度のトリチウムなどを含む放射能汚染水であるALPS 処理水の海洋放出の方針を決定しました。来年4 月から延々と30 年以上にわたって放出する計画です。そのために1 ㎞の海底トンネルをつくる等の工事に、6月にも着工しようと準備を着々と進めています。
また、被害を風評被害に限定し、安全・安心を強調し、政府を挙げて「あらゆる対策を行う」として「海洋放出決定」ありきで突き進んでいます。福島県漁連・全国漁連、生産者・観光業、福島県の自治体をはじめ多くの反対の声を聞く耳を持たず、一方的で強引なやり方であり許せるものではありません。漁業者との「重い約束」を破り、仕事場である豊かな海を汚す権利など誰にもありません。
私たちは、これまでも福島と全国の皆さんとともに、反対署名を広げ、政府交渉を重ねるなど、トリチウム汚染水の海洋放出に反対して取り組んできました。今回の学習討論会では、海洋放出の方針撤回を求める運動をさらに強めるために、海洋放出の問題点、反対の根拠を、福島での反対運動の様子も交えながら報告し、皆さんと議論を深めたいと思います。また来月に取り組む予定の政府交渉に向けて何が争点なのかを公開質問書(案)に基づいて議論したいと思います。
ふるってご参加下さい。

<共催>
チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西
若狭連帯行動ネットワーク
ヒバク反対キャンペーン
問合せ:072-253-4644(救援関西・猪又) cherno-kansai@titan.ocn.ne.jp

美浜原発の使用済燃料問題について関西電力へ公開質問状を提出し、マスコミへも経緯を説明しました。

関西電力森本孝社長様
2021年12月23日
【公開質問状】
美浜原発3号機の使用済燃料貯蔵に関する疑問点に対して説明する
福井県民・住民・有識者が参加できる説明会を開催してください
サヨナラ原発福井ネットワーク/若狭連帯行ネットワーク
(pdfはこちら)

貴社ホームページに掲載されているIR情報の中の経営方針には、「事業等のリスク」が列挙されています。「b.財務目標達成の観点(a)エネルギー事業」の「③原子力発電」には、以下の文言が掲載されています。

使用済燃料は、発電所内の使用済燃料プールで一定期間貯蔵したあと、再処理工場へ搬出します。万が一、プールが満杯になれば発電所を運転できなくなるため、計画的に搬出する必要があり、使用済燃料を一時的に貯蔵できる中間貯蔵施設を設置することで、将来にわたって発電所を安定的に運転できます。当社では、「使用済燃料対策推進計画」を策定し、福井県外の中間貯蔵施設について、2023年末までに計画地点を確定、2030年頃の操業開始に向けて取り組んでいます。

これまで福井県と交わしてきた中間貯蔵施設建設候補地の確定するという約束を、貴社は3度にわたり果たせずに来ました。しかし、さかのぼること24年前の1997年に、使用済燃料プールの容量拡大の了解願を提出するため、日本原電と福井県を訪れた際、2010年までに中間貯蔵施設建設を約束していました。IR情報には、1997年から中間貯蔵施設建設は福井県と約束が履行できていないということ(使用済燃料管理という困難な課題を抱えているということ)を、リスクとして株主に公正に伝えなければならないのではないでしょうか。
電力供給という社会的にも重要な役割を担う企業が、福井県と3度にわたり約束を守らなったことは一般常識では理解できません。約束を守らなかった時点で、原発の運転を停止するのが厳しい競争を生きる民間の一般常識です。原発の運転停止をしない上、私たちの疑問にも答えないのであれば、社会的な信頼はますます落ちていくことでしょう。
貴社がリスクとして認識している使用済燃料の容量について、公表されている資料をもとに調べたところ、貴社が福井県に説明している「美浜3号機は9年は燃料交換可能」という計算を裏付けるデータが見当たりません。つきましては、以下、貴社及び電気事業連合会の資料をもとに質問します。2週間以内に文書回答の上、公開の場で説明されるよう強く求めます。

*******

1.福井県に対し説明している「美浜3号機は9年は燃料交換可能」の根拠となるデータおよび計算方法を示してください。

2.美浜3号機の使用済燃料を「廃止措置計画中であり、かつ、新規制基準で引き上げられた新基準地震動などへの適合性審査を受けていない1・2号機の使用済燃料ピット」に貯蔵することは認められていないはずですが、それに相違ありませんか。もし、美浜3号機の使用済燃料を1・2号機ピットで保管することを想定されているのであれば、そのように想定できる根拠を教えてください。

3.美浜3号機の使用済燃料ピットの管理容量について、電気事業連合会は「管理容量は、原則として『貯蔵容量から1炉心+1取替分を差し引いた容量』。なお、運転を終了したプラントについては、貯蔵容量と同じとしている。」(電気事業連合会「使用済燃料貯蔵対策の取組強化について(「使使用済燃料は、発電所内の使用済燃料プールで一定期間貯蔵したあと、再処理工場へ搬出します。万が一、プールが満杯になれば発電所を運転できなくなるため、計画的に搬出する必要があり、使用済燃料を一時的に貯蔵できる中間貯蔵施設を設置することで、将来にわたって発電所を安定的に
運転できます。当社では、「使用済燃料対策推進計画」を策定し、福井県外の中間貯蔵施設について、2023年末までに計画地点を確定、2030年頃の操業開始に向けて取り組んでいます。用済燃料対策推進計画」)」,2021年5月25日)としていますが、貴社は「貯蔵容量から1炉心を差し引いた容量」と変更したと伺っています。これは事実ですか、事実であるとすれば、なぜ、そのような変更を行ったのですか。電気事業連合会の定義の場合には、使用済燃料貯蔵量が管理容量を超えた時点で満杯の判断になりますが、貴社の場合に同様の運用をすると、1炉心分の空き容量がピット内に存在しない状態となり、「実用発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則」第26条に違反することになります。貴社は、独自に定義した「管理容量」をどのように運用しているのですか。

4.電気事業連合会の「使用済燃料貯蔵対策の取組強化について(「使用済燃料対策推進計画」)」(2021年5月25日)の添付資料2の表では、美浜発電所の使用済燃料について、2021年3月末時点で、1炉心70tU、1取替分20tU、管理容量620tU、使用済燃料貯蔵量470tUと記載されています。
この場合の管理容量は質問3に引用した電気事業連合会の定義によるものであり、管理容量=貯蔵容量―1炉心であり、管理容量の余裕は、管理容量-貯蔵量=150tUとなります。これより燃料交換可能回数=管理容量の余裕÷1取替分=150tU÷20tU=7.5回となり、「運転期間13ヶ月、定期検査期間3ヶ月と仮定」すると10年に相当します。貴社の主張される9年間燃料交換可能との主張はこのような計算に基づくと思われますが、いかがですか。ただし、電気事業連合会の管理容量には、美浜3号機の管理容量だけでなく、美浜1・2号機の管理容量(廃止措置中なので貯蔵容量そのもの)が含まれており、美浜1・2号機ピットの余裕が含まれていますので、このような計算を行うことは、質問2の違反行為が前提になります。

5.高浜3・4号機にはすでに使用済MOX燃料がそれぞれ8体と4体、計12体が発生して貯蔵中であり、また、それぞれ20体と16体、計36体が装荷中です。さらに、高浜4号用の新MOX燃料16体が2021年11月17日に仏から輸送・搬入されましたが、今後も、2017年発注済の高浜3号機用16体の輸送が続き、2020年1月31日に発注した32体など、MOX燃料が仏から輸送され続け、結果として使用済MOX燃料が高浜原発ピットの中に増え続けます。使用済MOX燃料の場合には、使用済ウラン燃料とは異なり、崩壊熱が下がりにくく、乾式貯蔵が可能な2kW/tU程度まで下がるのに、使用済ウラン燃料で10年のところ、使用済MOX燃料では90年かかります。1kW/tU程度まで下げるには、使用済ウラン燃料で50年のところ、使用済MOX燃料では300年もかかるのです。これでは、高浜3・4号が廃炉になった後も、使用済MOX燃料を搬出できず、事実上「永久貯蔵」に等しい状態になるのではありませんか。貴社は、この問題をどのように解決しようとしているのですか。

6.福井県原子力安全対策課を介して貴社に対話の機会をもつように依頼したところ、貴社の原子力事業本部広報グループから対応する旨の連絡が11月末に入りました。ところが、「人数は3名に制限、写真、録音、動画撮影はダメ」とのことでした。これでは、関西電力の説明を直接聞きたい市民が参加できないばかりか、録音なしでは発言内容の証拠が残らないため、責任を持って市民へ正確に知らせることもできません。本来であれば、このような重要な問題について、貴社が率先して、県民への公開説明会を開くべきであり、人数制限の緩和と録音が許されない現状では、私たちが貴社との対話に応じることはできません。この上は、福井県主催の公開説明会開催を求めた
いと考えていますが、その場合、貴社はその場に出て、キチンと県民に説明する意思はあるのでしょうか。
以上

美浜原発の使用済燃料貯蔵の問題を追及してください
報道各位
2021年12月23日
サヨナラ原発福井ネットワーク/若狭連帯行動ネットワーク
(pdfはこちら)

12月23日、別紙の質問状を関西電力に送付しました。今年は、運転開始から40年を超える美浜3号機が再稼働されました。美浜3号機には、使用済燃料プールの容量に関する疑問があり、福井県原子力安全対策課と交渉を過去3回(4月13日、7月2日、10月27日)行ってきました。その交渉において、県からも「関西電力に直接尋ねてほしい」と回答を受け関西電力に尋ねましたが、密室での記録をとることを認めず、人数も3人までで、「(事前に渡した)質問に対する説明」しか行わないというものです。県との交渉で、杉本知事も「(県民の疑念に対して)関西電力には説明する責任がある」と
考えているいうことです。美浜3号機の使用済燃料貯蔵に関する疑問と、このような関西電力の姿勢を質すため、12月23日に関西電力に送付した次第です。県にも関西電力に対し、疑念払しょくのための説明会実施を強く要請するよう申し入れを行います。
以下、これまでの経緯を簡単にまとめます。

行き場のない使用済み燃料問題は、脱原発後も将来にわたり禍根が長く残る問題であり、私たちの眼前に突き付けられている誰も否定することのできない重い命題です。周知のように、使用済み燃料の県外搬出先が決まらないなら再稼働は認められないというのが歴代知事の主張です。県外へ押し付ける姿勢が決して正しいとは思えませんが、そのことも含め使用済み燃料についての県民的議論が、原発の安全性の議論の前に必要だろうと私たちは考えています。

4月以降、県との質疑や福島みずほ国会議員事務所を介しての規制庁への質問を重ねる中で、関電が、美浜3号のプール(ピット)の余裕容量を水増し算定している事実が見えてきました。関西電力は、美浜3号機の稼働が9年であると福井県に説明していますが、その根拠が不明なため関西電力や電気事業連合会の資料をもとに調べたところ、関電は美浜と大飯で廃止措置中の原発のプール余裕を稼働原発の管理容量として算定し、燃料交換可能回数を大幅に水増ししていることが見えてきました。それがもっとも顕著なのが美浜3号です。
美浜3号は、平成26年(2014)の時点では、再稼働してもプールの余裕容量があと1,6回の交換しかできない状態になっていました。そこで関電は平成27~28年にかけ、3号プールに保管してあった1・2号機の使用済み燃料を1・2号プールに戻し、余裕容量を広げたのです。この事実は、公開されている文書「美浜1・2号機の廃止措置計画認可申請書」にも書かれておらず、私たちが質疑を重ねる中ではじめて明らかになりました。
そもそも廃止措置中の原子炉プール(美浜1・2号プール)へ使用済み燃料を戻すようなことをしたのは美浜3号だけです。伊方原発でもそのようなことはしていません。本来、美浜3号プールで保管していた1・2号の使用済燃料は、再処理施設、中間貯蔵施設へ輸送するまでは3号プールで管理するものとされていました。さらに、1・2号プールは引き挙げられた基準地震動の適合性審査も受けていません。耐震性の脆弱な1・2号プールにわざわざ戻すなど非常識なことを関電はしてきたのです。この状態で美浜3号の60年運転期限近くまで長期保管し続けることになります。
開催電力のホームページにあるIR情報には以下の文言が掲載されています。

使用済燃料は、発電所内の使用済燃料プールで一定期間貯蔵したあと、再処理工場へ
搬出(…)万が一、プールが満杯になれば発電所を運転できなくなるため、計画的に
搬出する必要があり、使用済燃料を一時的に貯蔵できる中間貯蔵施設を設置すること
で、将来にわたって発電所を安定的に運転できます
IR情報>経営方針>事業等のリスク>2.当社グループのリスク管理状況
https://www.kepco.co.jp/ir/policy/risk/index.html

上記の認識の上で、どのような管理を行うつもりなのかはリスク管理としても重要な問題であり、IR情報にあるように、株主の利益とも関連づくものです。
私たちは、この美浜3号のプールの余裕容量の水増し算定と、基準地震動の適合性審査も受けていない1・2号プールに使用済み燃料を保管し続ける危険、この二つの問題を今後も追及し続けるつもりです。報道の皆さんも、ぜひともこの問題を追及してください。
以上

脱原発福島県民会議など8団体による「ふくしまのこの海を汚すな!」のリーフレットができました–ご活用ください!

福島事故以降、甲状腺がん治療など医療保障をはじめ政府交渉を担ってきた8団体が、ALPS処理水[トリチウム汚染水]の海洋放出方針の撤回を求め、リーフレットを作成しました。
「原発のない福島を!県民大集会」呼びかけの署名を拡げるため、これを活用してください。

リーフレット「ふくしまのこの海を汚すな!」

政府交渉よびかけ8団体:脱原発福島県民会議、双葉地方原発反対同盟、原水爆禁止日本国民会議、原子力資料情報室、全国被爆2 世団体連絡協議会、原発はごめんだ!ヒロシマ市民の会、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西、ヒバク反対キャンペーン

<若狭ネットからの呼びかけ>

「トリチウム汚染水海洋放出」方針の再検討・撤回を求める!
福島県民大集会から提起された署名運動にご協力下さい!

政府と東京電力は、2023年春からトリチウム汚染水(ALPS処理水)を海洋放出しようとしています。

福島県では、県漁連をはじめ農林水産業者が一斉に反対の声を上げ、市町村議会も反対、撤回、懸念の意見書を採択しています。全漁連も「絶対反対」を貫いています。

「原発のない福島を!県民大集会」実行委員会は2020年に「放出反対」の署名を呼びかけ、45万超の署名を集め、政府と東電に放出の方針決定をしないように求めました。
しかし、当時の菅政権は2021年4月13日、福島県民と国民の反対の声を無視して「海洋放出」の方針を決定し、2023年春からの実施に向けて準備を進めています。
「海洋放出」方針決定後も、福島県漁連や農林水産業者の「絶対反対」の姿勢は不変です。「何としても方針決定を撤回させよう」と、「原発のない福島を!県民大集会」実行委員会は7月に「海洋放出方針の再検討(撤回)を求める署名」を提起し、全国に協力を呼びかけています。毎奇数月に集約されています。
コロナ禍ですが、皆さんの一層のご協力をお願いします。

福島からの署名呼びかけ(pdf)

署名用紙(pdf版word版)

若狭ネット第186号を発行:トリチウム汚染水海洋放出は「恩を仇で返す」もの!敷地境界線量1mSv/年超での海洋放出は法令違反!CO2削減のための原発推進は国民に新たな犠牲を強いるもの!

若狭ネット第186号を発行しました。

第186号(2021/12/10)(一括ダウンロード6.2Mb
巻頭言–「トリチウム汚染水海洋放出」の方針決定を撤回せよ!
政府は脱炭素・脱原発のエネルギー政策へ大転換せよ!
関電役員贈収賄事件の大阪地検「不起訴処分」は許さない!
1. 福島県漁連は地下水流入抑制のため「サブドレン排水同意に苦渋の決断」・・・「恩」を「仇」(トリチウム汚染水の海洋放出)で返す東京電力と政府は許せない!
2. 敷地境界線量実測値が1mSv/年を超えている現状でトリチウム汚染水を海洋放出するのは法令違反である!
3. CO2削減に名を借りた原子力推進は、原子力災害の受忍と高い建設費の負担を国民に強いるもの! SMR開発は英・米・仏の核軍事力開発と一体!
4. 大阪地検による関電役員不起訴は許せない!皆で検察審査会へ申立てよう!

「トリチウム汚染水海洋放出」方針の再検討・撤回を求める!
福島県民大集会から提起された署名運動にご協力下さい!

政府と東京電力は、2023年春からトリチウム汚染水(ALPS処理水)を海洋放出しようとしています。

福島県では、県漁連をはじめ農林水産業者が一斉に反対の声を上げ、市町村議会も反対、撤回、懸念の意見書を採択しています。全漁連も「絶対反対」を貫いています。

「原発のない福島を!県民大集会」実行委員会は2020年に「放出反対」の署名を呼びかけ、45万超の署名を集め、政府と東電に放出の方針決定をしないように求めました。
しかし、当時の菅政権は2021年4月13日、福島県民と国民の反対の声を無視して「海洋放出」の方針を決定し、2023年春からの実施に向けて準備を進めています。
「海洋放出」方針決定後も、福島県漁連や農林水産業者の「絶対反対」の姿勢は不変です。「何としても方針決定を撤回させよう」と、「原発のない福島を!県民大集会」実行委員会は7月に「海洋放出方針の再検討(撤回)を求める署名」を提起し、全国に協力を呼びかけています。毎奇数月に集約されています。
コロナ禍ですが、皆さんの一層のご協力をお願いします。

福島からの署名呼びかけ(pdf)

署名用紙(pdf版word版)

美浜3号の使用済燃料問題等で福井県へ申し入れ・交渉を行ないました(10月29日U-tube画像をアップしました)

2021年10月27日14:00~15:15、福井県庁会議室にて、サヨナラ原発福井ネットワークと若狭連帯行動ネットワークによる福井県原子力安全対策課への申し入れ(下記参照:pdfはこちら交渉資料はこちら)・交渉を行いました。

U-tubeの画像ができました!下記をクリックしてご覧ください。
県民・住民の原発に対する疑問に答えてください(2021.10.27 福井県庁101会議室)

以下では、その概要と経緯を記します。

————————-
2021年10月27日
福井県知事 杉本達治様

県民・住民の原発に対する疑問に答えてください

サヨナラ原発福井ネットワーク/若狭連帯行動ネットワーク

 国のエネルギー基本計画案が示され、現在、パブリックコメントを踏まえた見直しが行われています。この計画案は、菅前首相が打ち出した2050年にCO2排出をゼロにするという方針のもと、今後の再生可能エネルギーと原発のあり方を示すものとして注目されています。しかし、原発に関しては、誰もが実現不可能だと認める目標値=2030年電源構成の「20~22%程度」を掲げる一方で原発の依存を低減させるとしているという矛盾したものです。その矛盾を指摘されていながらも、今回も同じ目標値を掲げているのは、日本政府が原発に関わる問題を解決するつもりがないという表明だと受け止めざるを得ません。したがって、福井県をはじめとする原発立地自治体は、こうした政府方針の矛盾と無責任な姿勢を認識した上で、今後の対応を考えなければなりません。

核燃料サイクル政策の破綻と矛盾が行き場のない使用済み燃料問題を派生させていることは誰の目にも明らかです。私たちは、したがって原発を動かすべきではないと知事に対し繰り返し訴えてきました。今年7月2日に行った公開質問状に対する県の回答は以下の通りでした。

1 質問:関電・美浜3号機の燃料の交換可能年数の計算は関電が主張する9年ではなく、4回(4回×16ヶ月/12ヶ月=5.3年)ではないか。具体的な算定根拠を出させるべきではないか。県民の 安全を守る県の立場上、しっかりと確認する必要があるのではないか

県・原安課回答:関電がそう言っている。関電に説明責任がある。容量は、規制委員会の方で 確認していると考える

2 要請:関電に説明責任があるという県の考えを実行すること。燃料交換の算定根拠など、関電が私たち県民や住民、有識者と対面する「説明の場」を設けることを県が関電に要請すること

以上に集約されます。特に2については、私たちに対する県の回答に沿ったものです。
つきましては、7月の交渉をふまえ、知事の考えをお尋ねします。

質問1 7月の交渉から3か月経ちましたが県から回答がありません。早急にご回答ください。

質問2 杉本知事になって以来、県との交渉で「関電にきいてください」という返答が目立ちます。関電は私たち市民との対面での交渉を拒否しています。私たちの質問の内容は、県民や住民の安全を守らなければならない立場の県も把握しておくべき内容です。能天気に「関電にきいてください」と私たちに返答している場合ではありません。この点をどのようにお考えですか。

質問3 基準地震動変更に伴う新規制基準への適合性審査も補強工事もなされていない美浜1・2号機プールでの、使用済み燃料の長期間保管を県は認めているのですか。

質問4 使用済みMOX燃料はプールで90年以上冷却しなければ乾式キャスクに入れられません。県は、高浜が最終処分地になることを承知で高浜3・4号機の稼働を認めておられるのですか。
———————-

<質問1と2に関する質疑概要>
市民側:美浜町の関西電力原子力事業本部広報グループに、最近、電話で「対面での話し合いの場を開く」よう求めたところ、「できません」と拒否され、「なぜできないのか」と聞いたところ、「それはお答えできません」との対応だった。また、前日の10月26日反原子力デーに関西電力本社へ文書による共同申し入れ(pdfはこちら)を行ったところ、関西電力本社広報部は対応せず、総務部が代わりに受け取った。関西電力本社では、2015年2月の公開質問状への回答拒否・面談拒否以降、6年以上にわたり、この状態が続いている。福井県原安課としても関西電力に市民との対話に応じるよう厳しく求めるべきだ。今日のような話し合いの場に関西電力広報部等の社員を同席させて回答させるのもミニマムとしてあってよいが、どうか。

原安課:関電に市民側との話し合いの場をもつよう再度求めます。

市民側:原安課は美浜3号の燃料交換可能回数について関電の主張を認めているのか?

原安課:計算の前提条件が違うと思われるが、関西電力から我々が聞いた限りでは不審な点はない。関西電力の前提条件は、(1)原発7基がすべて普通に稼働して、六ヶ所再処理工場への搬出がない、(2)プールの空き容量を年平均取替え回数で算出している、の二つだが、これに基づく燃料交換は9年可能という数値については確認していない。数値は関西電力に確認してください。

市民側:以前に、原安課から、美浜3号の燃料は5.5万MWD/tの高燃焼度燃料に代わっているから、取替燃料は52体より少ないとの指摘があったので、調べたところ、2008年から136体装荷されていて、2022年10月には48体装荷する予定だとされていて、計184体になる。1炉心分157体を超えており、関電の説明でも高燃焼度燃料で「使用済燃料発生量を約10%低減することができる」(2002年6月21日)とされている。つまり、燃料交換回数が約10%増える程度に過ぎず、4回の燃料交換可能回数が7~8回に増えるわけではない。9年になるはずがない。

原安課:燃料交換可能回数は前提条件によって変わるので、福井県は関西電力に「県外へ搬出してください」ということを求めています。「②美浜1・2号ピットは3号と共用ではないのに、1・2号ピット余裕102体分を美浜3号用と想定している。」および「③『管理容量』の定義を『貯蔵容量-炉心燃料-1取替分』から『貯蔵容量-炉心燃料』へ変更している。」については、関電に確認してみます。

<質問3に関する質疑概要>
原安課:原子力規制委員会が廃止措置計画の認可時に「美浜1・2号機のプールで使用済燃料を保管する」としたことを確認しています。長期保管を認めているわけではありません。

市民側:廃止措置計画では2035年度末までに使用済燃料を搬出するとなっているが、それまでの長期間保管を認めているということですね?

原安課:そうです。長期保管を認めるということではなく、原子力規制委員会が認めた範囲内で保管されることを認めています。

<質問4に関する質疑概要>
市民側:使用済MOX燃料はすでに高浜3・4号で計12体発生しており、永久貯蔵になる恐れがある。この使用済MOX燃料の搬出先はどこか示されていますか?

原安課:それはありません。だから、経産省に早く示せと言っています。関電には特には言っていないが、「県外搬出」の中に含まれている。使用済MOX燃料の再処理の実績は「ふげん」(新型転換炉)でもあります。

市民側:ふげんのは燃焼度が低く、軽水炉の使用済MOX燃料とは比較にならない。全然違うものだ、話にならない。

<簡単な経緯の説明>

美浜3号の使用済燃料に関しては、美浜1・2号の廃止措置計画認可申請書の第8-1表に「美浜3号ピットには、2015年9月現在、美浜1・2号の使用済み燃料150体が保管されている」との記載があったこと、美浜3号機の適合性審査で新基準地震動の見直し(750ガルから993ガルへ引上げ)で美浜3号のピット貯蔵容量が1,118体から809体へ減ったこと、そのため、美浜3号ピットの空き容量が38体しかなくなり、燃料交換可能回数は0.7回(1取替分52体の0.7)しかなくなったことが契機となりました。

関西電力が公開質問状への回答も面談も拒否していることから、福井県や原子力規制委員会に公開質問状を提出して交渉した結果、次のことが明らかになりました。

①新基準地震動(750ガル→993ガル)対応工事で、美浜3号ピット貯蔵容量が1,118→809体へ減ったため、3号貯蔵中の1・2号使用済燃料150体を2016年度に1・2号へ移し、余裕を38体から188体へ増やしたのです。これで、燃料交換可能回数は3.6回に増えたのですが、関西電力は9年間は燃料交換が可能だと主張しています。

「なぜ、そうなるのか」を調べたところ、電気事業連合会の資料等から次の疑いが明らかになったのです。

②美浜1・2号ピットは3号と共用ではないのに、1・2号ピット余裕102体分を美浜3号用と想定している。これで、燃料交換可能回数が3.6回から5.6回へ増えます。ところが、2021年7月2日の交渉で、福井県原安課は「これは認められていない」と認めたのです。

また、マスコミへの関西電力広報部の話によれば、次のような事実も出てきました。

③「管理容量」の定義を「貯蔵容量-炉心燃料-1取替分」から「貯蔵容量-炉心燃料」へ変更している。これで燃料交換可能回数は1回程度増えますので、②と合わせると燃料交換可能回数は6.6回になり、13ヶ月運転+3ヶ月定検のサイクルを想定すると、8,8年に相当します。関西電力の9年の根拠は②と③を想定しているからではないかという強い疑惑が明らかになったのです。

しかし、この③も、福井県原安課との交渉で、技術基準違反となることが判明しました。
平成二十五年原子力規制委員会規則第六号「実用発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則」には次の記載があります。

(燃料取扱設備及び燃料貯蔵設備)
第二十六条 通常運転時に使用する燃料体又は使用済燃料(以下この条において「燃料体等」という。)を取り扱う設備は、次に定めるところにより施設しなければならない。
2 燃料体等を貯蔵する設備は、次に定めるところにより施設しなければならない。
三 燃料体等を必要に応じて貯蔵することができる容量を有するものであること。

この第三号から運転停止時に炉心燃料をすべて貯蔵できるようにプール(又はピット)を運用することが義務付けられています。仮に、
管理容量=貯蔵容量-炉心燃料-1取替分
を超えて燃料交換をして再稼働した場合には「1取替分」の一部が使用済燃料で
占められますが、炉心燃料分は空いています。
しかし、管理容量の定義を変更して
管理容量=貯蔵容量-炉心燃料
とした場合に、この「管理容量」を超えて燃料交換するためには、炉心燃料の1・2サイクル後の使用済燃料(炉心燃料の2/3程度を占めます)を装荷した後に新燃料(残り1/3程度を占めます)を装荷すれば再稼働できますが、炉心燃料分の空きは存在しないことになります。つまり、技術基準違反になるのです。

④電気事業連合会資料の記載値では、数値を丸めているため、丸め誤差を利用して、燃料交換可能回数を6.6回から7.5回(10年)へ延ばしています。

第6回使用済燃料対策推進協議会(2021年5月25日)
資料2 使用済燃料貯蔵対策の取組強化について(「使用済燃料対策推進計画」)

この資料2の中の「添付資料2」の表から下記が読み取れます。

関西電力 美浜 2021年3月末時点(tU)
1炉心 1取替分 管理容量※2 使用済燃料貯蔵量
 70    20   620      470

※2:管理容量は、原則として「貯蔵容量から1炉心+1取替分を差し引いた容量」。なお、運転を終了したプラントについては、貯蔵容量と同じとしている。

管理容量の620tUは「※2」のように、美浜1・2号の管理容量を貯蔵容量に等しいと見なして、つまり、美浜3号用にも使える管理容量として、算出されています。
この管理容量から使用済燃料貯蔵量(美浜1・2号も含む)を差し引くと、余裕150tU(=620-470)が出てきます。1取替分は20tUですので、燃料交換可能回数は150÷20=7.5回となり、これが関電のいう9年分の主張を裏付けるものだと言えますが、ここには、②の美浜1・2号の空き容量を美浜3号用に使うという前提があります。

美浜3号では2008年から高燃焼度燃料を使用していますが、これによる使用済燃料発生量の低減は約10%程度に過ぎず、燃料交換可能回数を約10%増やすにすぎません。3.6回が約4,0回へ増える程度で、大差はありません。

以上より、関西電力は「美浜3号は9年間、燃料交換可能だ」と主張していますが、その根拠を示しておらず、福井県も具体的に確認しようとしていません。私たちの評価では、②と③を想定しない限り、実現不可能です。仮に、これらを想定しているとすれば、法令違反を平気でやる電力会社だということが明確になり、美浜3号を含め全原発の即時停止を求める大きな根拠になると思います。

これに加えて、1・2号ピットでの使用済燃料貯蔵期限は2035年度末であるのに対し、3号の60年運転期限が2036年12月であり、8ヶ月しか差がありません。にもかかわらず、3号は基準地震動引上げに伴う建屋基礎補強工事とラック取替工事が行われているのに、1・2号では新規制基準適合審査は一切受けておらず、補強工事もなされていません。
伊方では廃炉になった1・2号から3号へ使用済燃料が速やかに搬出される計画ですが、そうすると3号ピットが満杯になるため乾式貯蔵施設がサイト内に設置されつつあります。(本来は、3号も満杯になれば運転を断念すべきであり、乾式貯蔵は設置すべきではありません。)
廃炉になった美浜1・2号ピットが補強もされないまま美浜3号の60年運転期限相当まで長期間使用され続けるのは極めて異常です。これも今回の交渉で追及しましたが、引き続き大きな課題だと言えます。

10・26反原子力デーに際して関電本社へ共同申しれを行いました

関西電力本社へ下記の共同申し入れを行いました。
関西電力広報部は対応を拒否したため、代わりに関西電力総務部が申し入れ文を受け取りました。関西電力本社広報部による私たち市民グループとの面談拒否は、2015年2月の公開質問状への回答拒否・面談拒否以来6年以上続いています。公益事業者として、断じて許せない対応です。
申し入れpdfはこちら

2021年10月26日
関西電力株式会社取締役・代表執行役社長
森本 孝 様

10・26反原子力デー 関西電力への申し入れ

<共同提出団体>
  原発の危険性を考える宝塚の会
  地球救出アクション97
  ヒバク反対キャンペーン
  若狭連帯行動ネットワーク
  チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西

貴社は24年前から「できない空約束」を繰り返し、原発の延命を続けています。約束破りが当たり前の企業なのでしょうか。貴社は24年前の1997年、栗田福井県知事(当時)に「2010年までに中間貯蔵施設を建設する」と約束し、原発の使用済燃料プール増強計画を受け入れさせました。行き場のない使用済燃料の問題は1990年代半ばから焦眉の課題になっていましたが、貴社は実に24年前から空約束を繰り返してきたのです。昨年には「2020年内に中間貯蔵施設の候補地を示す」との福井県との3度目の約束を破り、原発延命工事を進め、原発を強引に再稼働し、使用済燃料を生み出し続けています。本当に企業の信頼を取り戻したいのならば、中間貯蔵施設の立地を断念し、使用済燃料をこれ以上生み出さないため、原発の運転を止めるべきです。

さらに、貴社は運転開始から40年を超えた美浜3号を7月に国内で初めて再稼働させましたが、10月23日には特定重大事故等対処施設の設置期限切れによる停止を余儀なくされました。わずか3ヶ月とは言え40年超運転の実績作りを優先させたのは言語道断であり、強く抗議します。美浜3号の使用済燃料ピットには廃止措置中の美浜1・2号の使用済燃料150体が保管されていましたが、これを2016年度にこっそり移送して、3号の燃料交換が4回までできるようにしています。ところが、貴社は「9年間は燃料交換が可能だ」と虚言を張っています。「1・2号機ピットの空き容量の3号用への転用」や「技術基準違反まがいの管理容量の定義変更」をしなければこのようなことは実現できず、福井県原子力安全対策課も私たちの主張を認め、市民に説明する場を持つよう貴社へ申入れています。貴社は、この疑問に真摯に応えるべく、公開説明会を開くべきです。

貴社の存亡に係わる「役員らによる金品受領問題」は、公表から2年がたちます。「風通しの良い会社になる手応えは感じている」と貴職は言いますが、果たしてそうでしょうか。社内外に不信感を募らせる貴社の不祥事が後を絶たないのはなぜでしょうか。たとえば、貴社は敦賀市道工事費名目で2018年度から敦賀市へ6.3億円を寄付し続けていますが、森山氏に係る金品受領事件を二度と繰り返さないため、立地自治体等への寄付金など一切の金品授受をやめるべきです。また、貴社は、昨年末から年初にかけ卸電力市場への売り入札量を意図的に減らしてスポット価格を暴騰させ、他方では、中部電力等とカルテルを結んで料金引き下げを妨害していました。このような電力市場での支配力行使を謝罪し、今後、新電力との相対取引や再エネ接続を妨害しないと約束し、業務優先、ルール軽視の体質を見直すべきです。

フクシマの原発重大事故は、原発がひとたび重大事故を起こせば、放射能汚染は広範囲・長期にわたり取り返しのつかないこと、そして事故の収束・廃炉作業は困難を極めることを示しています。大飯3号スプレー配管のひび割れ問題では、国の定期検査が廃止されたのを契機に、貴社はひび割れ放置運転を目論みましたが、原子力規制委員会から待ったをかけられ、配管取替えを余儀なくされています。安全性より企業利益を優先させる姿勢が何度も繰り返されているのは、貴社の企業体質が全く変わっていないからではありませんか。

まずは全ての原発の運転を停止し、処理処分のできない使用済燃料を今以上に増やさないことが先決です。これ以上、子々孫々に重大な負の遺産を押し付けないでください。今、貴社の為すべきことは、原発再稼働に血道を上げることではなく、「利益優先」「安全軽視」の体質から脱却し、「脱原発」「脱石炭」へ大転換し、再生可能エネルギーを推進することです。そのことが失った信頼を回復し、貴社の生き残る唯一の道です。

貴社は2015年2月以降、私たち市民からの公開質問状への回答も面談も拒否し続けていますが、私たちはこれに強く抗議し、公開質問状への回答と面談に応じるよう求めると共に、以下の通り、原発依存経営を抜本的に見直すよう強く申し入れます。公益事業者として責任ある態度で真摯に検討し対応されるよう求めます。

1.美浜3号、高浜1号および高浜2号の40年超運転を断念し、廃炉にしてください。

2.配管のひび割れや蒸気発生器細管の減肉など老劣化の進む高浜3・4号と大飯3・4号を廃炉にしてください。

3.むつ市への使用済燃料の中間貯蔵押しつけを断念し、使用済燃料をこれ以上生み出さないでください。

4.高浜3・4号でのプルサーマルを即刻中止し、大飯原発にプルサーマルを広げないでください。プルトニウム利用を断念し、MOX燃料の輸入を中止してください。六ヶ所再処理工場の閉鎖を日本原燃に求めてください。

5.2020年10月から貴社送配電網の託送料金に加算している「福島損害賠償費・原発関連費約300億円(一般負担金「過去分」156億円/年と廃炉円滑化負担金140億円/年)」を撤回し、貴社の利益で賄ってください。

6.原発依存の経営方針を「脱原発・脱石炭」へ大転換し、「再エネ推進・新電力との共生」を進めてください。

以上

若狭ネット号外を発行:「トリチウム汚染水海洋放出」方針を撤回させよう!福島県民大集会提起の署名を広げ、東電と政府に鉄槌を!

若狭ネット号外を発行しました。(一括ダウンロード:4.6Mb

「トリチウム汚染水海洋放出」方針を撤回させよう!
福島県民大集会提起の署名を広げ、東電と政府に鉄槌を!

菅政権は2021年4月13日、「福島第一原発トリチウム汚染水海洋放出」の基本方針を決定し、2年後の実施に向けた準備を進めています。この方針決定は当初、昨年10月末に計画されていましたが、海洋放出反対署名が短期間に44万筆超(昨年11月初)も集約され、4~10月に7回開催された「関係者の御意見を伺う場」でも反対意見が非常に強かったため、延び延びになっていたのです。

今回の方針決定は、余りにも唐突で強引であり、署名や関係者の反対意見に込められた福島県民と国民の声を踏みにじるものです。この暴挙に対し、福島県漁連をはじめ農林水産業者が直ちに一斉に、改めて反対の声を上げ、36市町村議会も反対、撤回、懸念の意見書を相次いで採択しています。全国漁業連合会も「絶対反対」を貫いています。この緊迫した事態を受け、7月には「原発のない福島を!県民大集会」実行委員会が海洋放出方針の再検討(撤回)を求める署名を提起し、全国に協力を呼びかけました。昨年の44万海洋放出反対署名に続く第2弾の署名呼びかけです。

7月26日には脱原発福島県民会議など8団体が「トリチウム汚染水海洋放出方針決定」の撤回を求めて対政府交渉を行いました。ところが、政府は聞く耳を全く持たず、8月24日に「当面の対策」を取りまとめ、東京電力もこれに呼応して8月25日に「検討状況」を公表したのです。

私たちは、
(1)「関係者の理解なし」の海洋放出は言語道断、
(2)ロンドン条約にも国内法(線量告示)にも違反、
(3)「30~40年海洋放出継続」より「高濃度水埋設・低濃度水100年保管」を、
(4)東電と政府は事故責任を認め、汚染水対策破綻を謝罪せよ、
(5)農林水産業の再生をこれ以上妨害しない事故処理策を、
との観点から、改めてトリチウム汚染水海洋放出に反対し、海洋放出方針の撤回を求め、緊急署名に全面的に協力します。
国民の心情とかけ離れた菅政権の「説明なき政策押しつけ」をこれ以上許してはなりません。皆さんもぜひご協力ください。

福島からの署名呼びかけ(pdf)

署名用紙(pdf版word版

若狭ネット第185号を発行–トリチウム汚染水海洋放出」方針の再検討・撤回署名運動に協力を!第六次エネルギー基本計画(素案)を斬る!

第185号(2021/8/3)(一括ダウンロード12Mb
巻頭言–「トリチウム汚染水海洋放出」方針の再検討・撤回を求める!
福島県民大集会から提起された署名運動にご協力下さい!
2050年カーボンニュートラルに向け、第六次エネルギー基本計画(素案)を斬る!
1.「2030年温暖化ガス46%削減、2050年カーボンニュートラル」に向け、
脱原発・脱石炭で「2030年発電電力量再エネ50%、2050年再エネ100%」をめざせ!
2.削られた「原発新増設、リプレース、新型炉開発」の復活を許すな!
福島事故を繰り返す前に、脱原発へ転換せよ!
3.太陽光・風力拡大にはゾーニングと送電接続支援・系統整備がカギ
4.石炭火力はCCSやアンモニア混焼などで延命させず、早期廃止を!

「トリチウム汚染水海洋放出」方針の再検討・撤回を求める!
福島県民大集会から提起された署名運動にご協力下さい!

菅政権は4月13日、福島県民と国民の反対の声を無視して「福島原発トリチウム汚染水の海洋放出」を決定し、2年後の実施に向けた準備を進めています。福島県では、県漁連をはじめ農林水産業者が一斉に反対の声を上げ、36市町村議会が反対、撤回、懸念の意見書を採択しています。全漁連も「絶対反対」を貫いています。7月には「原発のない福島を!県民大集会」実行委員会が海洋放出方針の再検討(撤回)を求める署名を提起し、全国に協力を呼びかけました。皆さんのご協力をお願いします。

福島からの署名呼びかけ(pdf)

署名用紙(pdf版word版

チェルノブイリ事故35年・福島事故10年に際して関電本社へ共同申しれを行いました

4/26チェルノブイリ原発重大事故から35年、フクシマ原発重大事故から10年に際して、関西電力本社へ下記の共同申し入れを行いました。
(新型コロナ感染症の「緊急事態宣言」下でもあり、今回は共同提出かつFAX送信としました。)
申し入れpdfはこちら

2021年4月26日
関西電力株式会社取締役・代表執行役社長
森本 孝 様

4/26 チェルノブイリ原発重大事故から35年、フクシマ原発重大事故から10年
関西電力への申し入れ

<共同提出団体>
原発の危険性を考える宝塚の会
さよならウラン連絡会
地球救出アクション97
ヒバク反対キャンペーン
若狭連帯行動ネットワーク
チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西

 今日、4月26日でチェルノブイリ原発重大事故から35年が経ちます。3月11日には東京電力福島第一原発重大事故から10年が経ちました。
 チェルノブイリ事故による放射能汚染と被ばくのために、多くの人々が、それまでの「普通の生活」、心身の健康と命を奪われました。また、移住を強いられた事故被害者は、事故後35年経ってもなお、「心の痛み」や「故郷への断ち難い思い」を抱いています。そして、核の「平和利用」の原発と軍事利用の核兵器のいずれについても、核被害をこれ以上繰り返さないため、「たとえどんなに辛くとも、自分や家族の長年にわたる被害の体験を世界中の人々に語り続けます。」と決意を述べています。事故から何年経とうとも「チェルノブイリの「黒い傷跡」は消えることはありません。被災地では今も放射能汚染が続き、人々は放射能と隣り合わせの生活を強いられています。その中で、食品の放射能モニタリングや健診、子どもたちへの放射線被ばく防護教育や非汚染地への保養など、被ばくを少しでも低減し、健康を守るための努力が続けられています。子どもたちへ、さらにその次の世代へと事故被害の記憶を受け継いでいく教育も取り組まれています。
 東京電力福島第一原発重大事故から10年が経ち、政府は「復興・創生期間」後の「原子力災害からの復興・再生」を掲げ、事故による放射能汚染と被害が「終わった」かのように、「年20mSv基準」での避難解除、帰還・移住政策を進め、被害者支援のさらなる切り捨てを進めようとしています。避難指示を解除し帰還を促しても、放射能汚染が残り、生業(なりわい)の諸条件とともに住民のコミュニティが破壊され、インフラも十分に整備されていない場所には、故郷であってもなかなか戻ることはできません。人格権などの基本的人権が著しく侵害されたままです。
 国と東電は、重大事故を起こし、大量の汚染水を発生させた責任を取らないばかりか、福島第一原発の敷地内のタンクに溜まった大量の多核種除去設備(ALPS)処理水の海洋放出の方針を、漁業者をはじめ国内外の多くの人々の反対を踏みにじり、4月13日の「廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議」で強引に決定しました。このように、さらなる放射能汚染と被ばくを事故被害者に押し付ける「故意の加害行為」は言語道断です。しかし、政府と東電は、被害を「風評被害」だけに矮小化し、「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」に則って放射線の危険性を過小宣伝し、被ばくのリスク受忍を福島県民や国民に強要しようとしています。大量の被ばく労働の犠牲の上に進められている事故の収束・廃炉作業も、高線量に阻まれデブリの取り出しなど困難を極め、見通しさえ立っていません。
 チェルノブイリとフクシマの二つの原発重大事故は、原発がひとたび重大事故を起こせば、放射能汚染は広範囲・長期にわたり取り返しのつかないこと、そして事故の収束・廃炉作業は困難を極めることを示しています。「事故さえなければ…」という、チェルノブイリとフクシマの事故被害者の共通の想いを真摯に受け止め重大事故を繰り返さないためには脱原発に向かうしかないのです。

 貴社は重大事故のリスクを抱え、経済的にも成り立たない原発になぜ固執するのですか。また、使用済燃料中間貯蔵施設の福井県外立地公約を破り、その先送りを繰り返しています。「県外の中間貯蔵施設の実現に全力を尽くす」のではなく、まずは全ての原発の運転を停止し、処理処分のできない使用済み核燃料を今以上に増やさないことが先決です。これ以上、子々孫々に重大な負の遺産を押し付けないでください。
 今、貴社の為すべきことは、老朽原発の再稼働に血道を上げることではなく、「利益優先」「安全軽視」の体質から脱却し、「脱原発」「脱石炭」へ大転換し、再生可能エネルギーを推進することです。そのことが失った信頼を回復し、貴社の生き残る唯一の道です。
 チェルノブイリ事故35年・フクシマ事故10年を機に、原発依存経営を抜本的に見直すよう、以下の通り、強く申し入れます。公益事業者として責任ある態度で、真摯に検討し対応されるよう求めます。

1.2004年に復水系配管破断事故で11名の死傷者を出した美浜3号、圧力容器脆性破壊の危険が国内最高の高浜1号および脆化・劣化の進んだ高浜2号の国内初の40年超運転を断念し、廃炉にしてください。
2.大飯3号スプレー配管のひび割れや高浜3・4号蒸気発生器細管の稠密なスケールによる外面減肉など老劣化現象を踏まえ、高浜3・4号と大飯3・4号も廃炉にしてください。
3.「2020年内に使用済燃料中間貯蔵施設の候補地を示す」との福井県との3度目の約束を破った以上、大飯4号の運転と高浜3号の調整運転をすぐに止め、貴社の「誠意」を示してください。むつ市長による「受入れ拒否」を真摯に受け止め、中間貯蔵施設の立地を断念し、使用済燃料をこれ以上生み出さないでください。
4.高浜3・4号でのプルサーマルを即刻中止し、大飯原発にプルサーマルを広げないでください。プルサーマル用のMOX燃料をこれ以上発注しないでください。六ヶ所再処理工場の閉鎖を日本原燃に求めてください。
5.貴社は市道工事費名目で2018年度から敦賀市へ6.3億円を寄付していますが、森山氏に係る金品受領事件を二度と繰り返さないため、立地自治体等への寄付金など一切の金品授受をやめてください。
6.貴社は、昨年末から年初にかけ卸電力市場への売り入札量を意図的に減らしてスポット価格を暴騰させ、他方では、中部電力等とカルテルを結んで料金引き下げを妨害していました。このような電力市場での支配力行使を謝罪し、今後、新電力との相対取引や再エネ接続を妨害しないと約束し、遵守してください。
7.2020年10月から貴社送配電網の託送料金に加算している「福島損害賠償費・原発関連費約300億円(一般負担金「過去分」156億円/年と廃炉円滑化負担金140億円/年)」を撤回し、貴社利益で賄ってください。
8.原発依存の経営方針を「脱原発・脱石炭」へ大転換し、「再エネ推進・新電力との共生」を進めてください。
以上

「トリチウム汚染水の海洋放出」方針の4月13日政府決定を許すな!

「トリチウム汚染水の海洋放出」方針の4月13日政府決定を許すな!

(詳しい内容はこちらのpdfをご覧下さい)

●汚染水が120万m3にまで増えたのは、東京電力と政府が凍土遮水壁に固執し、抜本的な地下水対策を怠ったためであり、その責任を棚上げにするのは無責任!

●東京電力と政府が福島県・県漁連と文書で交わした約束=「サブドレン及び地下水ドレンの運用方針」(2015.9)を厳守し「関係者の理解なくしてALPS処理水を処分しない」=を破るのか!

・「運用目標(トリチウム1,500Bq/L未満)を満たしていない一時貯水タンクの水は排水しない」との運用方針によれば、地下水ドレン約6.5万m3を含むALPS処理水は排水できないはず。

・運用目標未満の地下水バイパスとサブドレン等海洋放出に合意したのは、「汚染水を抑制するため」であり、「関係者の理解なくALPS処理水は処分しないとの約束があったから」

●トリチウム汚染水の「海洋投棄(=人工海洋構築物からの故意による海洋処分)」はロンドン条約で禁止されている。ロンドン議定書では、海洋投棄が禁止されているものを内水(福島第一原発での放流口も内水に該当)で投棄することを締約国の裁量で禁止・規制すべきと定めている。結果が同じなのに、「海洋投棄が禁止されているトリチウム汚染水」をなぜ「海洋放出」できるのか?

●トリチウム汚染水約120万m3、約860兆Bqを「1,500Bq/L未満、22兆Bq/年未満」で海洋放出すれば、2022年度から39年以上、毎年1,470万m3=タンク1万5千基分の希釈汚染水が日常的に海洋放出され続けることになる!今後新たに増える汚染水が何年もそれに続く!

・・・120年貯蔵し続ければ、トリチウムは1/1,000へ減衰し、運用目標レベル未満になる!

・・・高濃度の32万m3を敷地内土捨て場で固化埋設すれば、空きタンクを再利用できる!

●賠償で生活できても、漁業後継者を育てることはできない!本質を見誤ってはいけない!

「最大限の風評対策」は、「海洋放出方針の断念」以外にない!