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ニュース

原子力規制委員会のパブコメへの意見は2,016件、提出意見への回答=「考え方」は無責任極まりない!

原子力規制委員会のパブコメへの意見は2,016件でした。これに対する回答=「考え方」は次のように無責任極まりないものでした。

 第1に、現行法は、国会で「科学的技術的見地だけではなく、幅広い観点から議論が行われた上で、立法されたものと認識しています。」としながら、「40年ルールの改変」を科学的技術的見地からのみ正当化しようとしています。2030年代に原発ゼロを目指す「幅広い観点から議論が行われた上で、立法された」経緯を無視し、三条委員会として、原子力規制委員会に課せられた責務を自ら進んで放棄しようとしている姿勢が改めて明らかになりました。

 第2に、運転開始後40年を超えて運転しようとする際、「初めて長期施設管理計画の認可を受けようとする場合」には、「原則として同40年を経過する日までに、現行の『特別点検』と同等の点検を実施する」ことは明記されましたが、長期施設管理計画の認可が「初めて」ではなく、30年を超えて運転しようとする際に長期施設管理計画の認可を受けていた場合の「特別点検の実施」については曖昧なままです。また、特別点検の実施は「原則として同40年を経過する日までに」とされていて、「40年経過後」でもよく、「特別点検を実施しない特例」もあるかのような書きぶりです。「初めて」と「原則として」は特別点検の実施を緩和する巧みな言い回しのように思われ、依然として、40年目の点検が現行の「特別点検」と同等になるかどうかは定かではありません。

 第3に、すでに運転30年超の原発について、40年を超えて運転しようとする際には、「30年を超えて運転する際に必要な長期施設管理計画」の認可を受けている必要がないこと、40年を超えて運転しようとする「10年以内の期間」の「長期施設管理計画」の認可を新たに受ければよいこと、が明らかになりました。この論理に従えば、運転40年超の原発で初めて50年を超えて運転しようとする際には、「40年を超えて運転する際に必要な長期施設管理計画」の認可を受けている必要はないことになります。また、現行では、40年を超えて運転しようとする原発は「40年を経過する前に特別点検を実施して認可を受ける必要がある」のですが、新制度では、40年経過前の特別点検は「原則として」であり、認可が得られないまま40年を過ぎても廃炉にする必要はなくなるのです。

 原子力規制委員会は、国会から託された三条委員会としての責務を自ら放棄することによって、また、「劣化評価という科学的技術的見地」に自らの権限を狭めることによって、「40年で原則廃炉」を定めた「法の精神」を自ら踏みにじり、「40年という節目を気にせず、老朽原発の寿命を延長できる」道を行政と一緒になって切り開いたと言えるのです。

詳しくは、下記の「高経年化した発電用原子炉に関する安全規制の概要(案)に対する意見及び考え方(案)」をご覧ください。

第71回原子力規制委員会(2023年2月8日)
資料1 高経年化した発電用原子炉に関する安全規制の検討(第8回)
別紙1:高経年化した発電用原子炉に関する安全規制の概要(案)に対する意見及び考え方(案)
<意見の概要>—————————————
1-8(提出意見の後半の〔 〕部分が削除された
前文と1および2の項目意見 原子力規制委員会が設置された経緯と原子力規制委員会設置法の原点に戻り、「40年で原則廃炉、延長は例外中の例外」であることを再確認すべきです。2020年7月29日の声明を撤回すべきです。
理由 「40年ルール(運転40年で原則廃炉、20年延長は例外中の例外)」は、そもそも、福島事故を教訓として、原発の再稼働に反対する圧倒的多数の国民世論をバックに、与野党の合意で、原子力規制委員会を三条委員会として行政から独立させ、原子力規制委員会設置法の附則の中に「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(炉基法)」を取り込み、そこに導入されたルールです。つまり、「40年ルール」は、原子力規制委員会設置法によって規制委に委嘱された、規制委の出発点となる根本原則であり、規制委が国民からその遵守を委託されたのであって、2020年7月29日の声明で「発電用原子炉施設の利用をどのくらいの期間認めることとするかは、原子力の利用の在り方に関する政策判断にほかならず、原子力規制委員会が意見を述べるべき事柄ではない」としたのは、法成立の経緯を無視し、法解釈を誤った見解に過ぎず、原点に立ち返って、同見解を撤回し、現行の法規定を遵守すべきです。
パブコメ案の項目1および2は、30年以降は10年ごとの審査で延々と運転期間を延ばすことが前提になっていますが、これは「40年ルール」の改変であり、撤回すべきです。
削除された箇所:これまで、10年ごとの高経年化技術評価で審査してこなかった添付書類のデータを使って「10年後も技術基準に適合しているか」を審査し、データの測定方法も審査するとしても、「より厳格になる」とは言えません。山中委員長は特別点検は「40年目で実施する予定」だと言いますが、パブコメ案には明記されていません。「40 年目で行われている試験というのは、かなり特殊な、例えば圧力容器の胴回り 100%超音波試験をしなさいとか、あるいはコンクリートのコア抜きをして破壊強度等の試験をしなさいとか、非常に特殊なものが追加されています。むしろ50年に追加して、それぞれの炉で特徴のあるところを私は試験をしたほうがいい。特別点検と比べて劣るかどうかというのは、これはそれぞれ見解を持たれるところだと思うのですけど、私はそれぞれの炉に対して必要なところを50年目に対してプラスアルファで60年見るべきだ。」とも言っています。40年目の特別点検はむしろ強化し、廃炉を前提に、厳格に審査し、20年の延長限度も遵守すべきです。

<考え方>
○今回お示しした「高経年化した発電用原子炉に関する安全規制の概要(案)」は、令和4年12月16日に、利用政策の観点から現行の運転期間制度を改正する方針が明らかにされたことを受け、その改正内容にかかわらず、高経年化した発電用原子炉施設に関する必要な安全規制を引き続き厳格に実施できるようにするため、原子炉等規制法に定める必要のある法的な枠組みの考え方を示したものです。
○現行法の運転期間延長認可制度が導入された際の国会審議(平成24年第180回国会)では、科学的技術的見地だけではなく、幅広い観点から議論が行われた上で、立法されたものと認識しています。
○発電用原子炉施設の経年劣化の程度はその使用履歴や保守管理の状況などにより個々に異なるため、基準適合性が維持できなくなる時期をあらかじめ一律に定めることはできません。高経年化した発電用原子炉については、適切な時期にその劣化の状況を具体的に把握し、その結果に基づいて、基準適合性が維持されているか、適切な保守管理が行われているかを科学的技術的見地から個々に確認する必要があります。
○利用政策の観点から運転期間が現行制度よりも延長されたとしても、今回お示しした規制制度により基準適合性が確認できない発電用原子炉を運転することはできません。原子力規制委員会は、「原子力利用における安全の確保」を図るため、原子力利用に当たって必要な水準の安全性が確保されるよう、最新の科学的・技術的知見も取り入れながら規制基準を定め、それへの適合性について、原子力規制委員会が行う審査・検査等を通じて厳正な確認を実施していきます。
○なお、設置許可申請書添付資料等において、原子炉圧力容器又は原子炉容器に対する中性子照射量を推定する際の期間として「四十定格負荷相当年時点」等と記載されていますが、これは設計する上での中性子照射量を設定したものであり、個々の原子炉の基準適合性が維持できなくなる時期を示すものではありません。
○よって、原案のとおりとします。

<意見提出者コメント>
現行法は、国会で「科学的技術的見地だけではなく、幅広い観点から議論が行われた上で、立法されたものと認識しています。」としながら、「40年ルールの改変」を科学的技術的見地からのみ正当化しようとしている。そのことによって、2030年代に原発ゼロを目指す「幅広い観点から議論が行われた上で、立法された」経緯を無視し、三条委員会として、原子力規制委員会に課せられた責務を自ら進んで放棄しようとしている。

<意見の概要>—————————————
6-2(提出意見の全文が引用されている)
「40年ルール(運転40年で原則廃炉、20年延長は例外中の例外)」を堅持し、40年の特別点検の抜本的強化を求めます。また、40年時点の特別点検がどのように改変されるのか、その具体的内容を明示した上でパブリックコメントをやり直すべきです。
理由 項目6では、「長期施設管理計画の認可の基準は、劣化評価が適確に実施されていること、発電用原子炉施設の劣化を管理するための措置が災害の防止上支障がないものであること及び計画の期間において生じる劣化を考慮しても技術基準に適合することのいずれにも適合していることとする。」としていますが、「災害の防止上支障がない」との基準は「高経年化技術評価」であり、「劣化を考慮しても技術基準に適合すること」との基準は「運転期間延長認可」です。ところが、その前提となる項目1と2に基づけば、30年時点での認可後、「運転開始後40年を超えて発電用原子炉を運転しようとするときは、10年を超えない期間における発電用原子炉施設の劣化を管理するための計画(長期施設管理計画(仮称))を策定し、原子力規制委員会の認可を受けなければならない」ことになり、10年先の「50年運転時点」までの技術基準適合性評価になります。これは、現在の運転40年までに20年先の「60年運転時点」までの技術基準適合性評価とは明らかに異なります。また、「実用発電用原子炉の運転期間延長認可申請に係る運用ガイド」に定められた「申請に至るまでの間の運転に伴い生じた原子炉その他の設備の劣化の状況の把握のための点検」(以下「特別点検」という。)が、項目6の「劣化評価」とも異なり、「特別点検」の中身が弱められるのではないかと危惧されます。「40年ルール(運転40年で原則廃炉、20年延長は例外中の例外)」は福島事故を踏まえた国民の意思を反映させた原則であり、これを堅持し、延長する場合には例外中の例外とするにふさわしい「40年時点での特別点検」の抜本的強化を求めます。また、現在の案には、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」第四十三条の三の三十二(運転の期間等)の変更に伴い、「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」第百十三条および第百十四条が変更され、さらには、「実用発電用原子炉の運転期間延長認可申請に係る運用ガイド」も変更されるにもかかわらず、それらには一切言及されていません。法律が変更されることに伴う40年時点での特別点検がどのように変えられるのかについて国民への説明が一切ないままに、このような法律の変更だけに留めたパブリックコメントを行うのは、重大な変更内容を隠蔽するに等しいのではないでしょうか。法律変更後に規則以下を検討するというのは、国民だましもいいところではないでしょうか。40年ルールをどのように変更しようとしているのかについて、明確にした上で、パブリックコメントをやり直すべきです。

<考え方>
○御指摘の「特別点検」は、現行制度において、運転開始後40年を経過する日までに行う高経年化技術評価(40年目)のために実施する必要がある点検に加えて、同40年目の運転期間延長認可申請の際に実施する必要がある点検であり、両者はいずれも、劣化評価を行う際の前提となる劣化状況把握のために必要となるものです。
○新たな制度はこれら現行の2制度を統合するものであり、劣化評価の方法などの技術的内容は、同60年を超えない範囲については変更する必要はないと判断しています。したがって、新たな制度においても、従来実施してきた「特別点検」の技術的な意義や目的が変わることはありません。
○すなわち、新たな制度では、運転開始後40年を超えて運転しようとする発電用原子炉について初めて長期施設管理計画の認可を受けようとする場合には、原則として同40年を経過する日までに、現行の「特別点検」と同等の点検を実施することになります。
○なお、同60年を超えて運転しようとする発電用原子炉に関する劣化評価の方法等については、今後、原子力規制委員会において議論していくこととしています

<意見提出者コメント>
運転開始後40年を超えて運転しようとする際、「初めて長期施設管理計画の認可を受けようとする場合」には、「原則として同40年を経過する日までに、現行の『特別点検』と同等の点検を実施する」ことは明らかにされたが、長期施設管理計画の認可が「初めて」ではなく、30年を超えて運転しようとする際に長期施設管理計画の認可を受けていた場合の特別点検の実施については何も言及していない。また、特別点検の実施は「原則として同40年を経過する日までに」ではあるが、「40年経過後」でもよく、「特別点検を実施しない特例」もあるかのような書きぶりである。「初めて」と「原則として」は特別点検の実施を緩和する巧みな言い回しのように思われ、依然として、40年目の点検が現行の「特別点検」と同等になるかどうかは定かではない。

<意見の概要>—————————————
12-2(提出意見の前後の〔 〕部分が削除された
削除された箇所:原子力規制委員会記者会見録(2023.1.11)によれば、泊1号機と2号機は現在、運転33年と31年ですが、黒川総務課長は「30年を超えていますけれども、運転をするときまでに認可を受ければよい」とし、また、柏崎刈羽1号機と2号機は運転37年と32年ですが、黒川総務課長は「経済産業省が恐らく法改正をしまして、運転期間40年というところから止まっていた期間を除くという改正をされますので、40年でもう一切運転できないというくびきはなくなる」とも答えています。ところが、原子力規制委員会の運転期間は暦年によるのであって、休止期間も含むはずです。また、「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」(2022.12.23原子力関係閣僚会議)でも、「延長を認める運転期間については、20年を目安とした上で、以下の事由による運転停止期間についてはカウントに含めないこととする」とし、「運転期間40年というところから止まっていた期間を除くという改正」ではありません。国民を混乱させるような記者会見での上記発言を撤回し、正確に説明し直すべきです。
1および2によれば、40年を超えて運転しようとする場合は、(1)30年を超えて運転するための「10年を超えない期間における長期施設管理計画」の認可を受けていなければならず、さらに、(2)40年を超えて運転するための「10年を超えない期間における長期施設管理計画」の認可を受けなければならず、これらが満たされない限り40年を超えては運転できないことになるはずです。たとえば、柏崎刈羽1号機が(1)の認可を受ける期限は2025年9月18日(運転開始40年後)であり、これを過ぎても(1)が認可されていなければ、40年を超えての運転はできないというのが、「高経年化した発電用原子炉に関する安全規制の概要(案)」の1および2の趣旨のはずです。ところが、黒川総務課長の発言によれば、(1)の認可を受けていなくても40年を超えた段階でも申請があれば、(1)と(2)の認可を段階的に、または、同時に受けて、40年を超えての運転が可能であるかのように見えます。
削除された箇所:さらに、同11では「新たな制度への円滑な移行を図るため、次のような準備行為その他所要の経過措置を設ける」とし、「新制度施行までの一定の期間中、あらかじめ長期施設管理計画の申請及び認可ができ」、「新制度の施行前に認可を受けたときは、新制度が施行された日に、新制度下での認可を受けたものとみな」し、「新制度の施行前に認可を受けていないときは、新制度が施行された日に、新制度下の申請とみなす」ともされています。これは、40年を超えていても「新制度施行までの一定の期間」内に(1)の認可を受ければ、(1)の条件は満たされたものとし、(2)の認可は50年を超えるまでに受ければよいということになります。つまり、「新制度施行」日を(1)の長期施設管理計画の策定と認可に必要な経過措置期間後に設定することで、1と2の規制が事実上効かないようにできることを意味しています。「新制度施行」日を明示した上で、その妥当性についてもパブリックコメントで問い直すべきです。

<考え方>
○御指摘の「1および2の趣旨」については、今回お示しした概要案の2.に「1.の認可を受けた長期施設管理計画の期間を超えて」と記載しているように、2.は1.により最初に認可を受けた長期施設管理計画の期間を超えて運転しようとするときについて定めたものであることは明らかです。
○したがって、御指摘のような例では、運転開始後40年を超えて運転しようとするときに受ける認可が最初のものとなる場合には、御指摘の「(1)と(2)の認可を段階的に、または、同時に受けて」いる必要はありません。この場合、40年を超えて最初に認可を申請する際に、30年目までに生じた劣化を含めた最新の劣化状況を把握した上で、40年を超えて運転しようとする期間(10年以内に限る。)についての劣化予測を行うこととなりますので、新たな制度において「(1)と(2)の認可」両方を求めることは合理的でなく、その必要性もありません。
○よって、原案のとおりとします。

<意見提出者コメント>
 すでに運転30年超の原発について、40年を超えて運転しようとする際には、「30年を超えて運転する際に必要な長期施設管理計画」の認可を受けている必要がないこと、40年を超えて運転しようとする10年以内の期間の「長期施設管理計画」の認可を受ければよいこと、以上が明らかになった。この論理に従えば、運転40年超の原発で初めて50年を超えて運転しようとする際には、「40年を超えて運転する際に必要な長期施設管理計画」の認可を受けている必要はないことになる。
 また、現行では、40年を超えて運転しようとする原発は40年を経過する前に特別点検を実施して認可を受ける必要があるが、新制度では、40年経過前の特別点検は「原則として」であり、認可が得られないまま40年を過ぎても廃炉にする必要はなくなる。

 

パブコメ締切間近!原子力関係閣僚会議決定「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」(2022.12.23)に関するパブコメに意見を7つ提出・・・あなたも声を上げてください!

原子力関係閣僚会議決定「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」(2022.12.23)に関するパブコメは、目立たない形で進められていて、下記のように締切りが間近です。あなたの声を届けてください。

原子力関係閣僚会議決定「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」(2022.12.23)に関するパブコメ
(受付締切日時:2023年1月22日23時59分)

若狭ネット資料室室長による7つの意見を紹介しますので、参考にしてください。

<原子力関係閣僚会議パブコメへの意見例(その1)>

該当箇所 2ページ25-31行

意見 「ALPS処理水は関係者の理解なくして海洋放出しない」と確約した経済産業大臣と東京電力社長による各文書回答を遵守し、ALPS処理水の海洋放出方針を撤回し、海洋放出を断念し、百年間陸上保管すべきです。

理由 原子力関係閣僚会議による今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)(2022.12.23)では、「多核種除去設備等で放射性物質を浄化処理してタンクに保管している水の処分は、廃炉を着実に進める上で先送りできない課題」だと一方的に決めつけていますが、タンクを急いで解体して敷地を空けなければならない理由などありません。2030年代に必要と想定されているのは乾式キャスク仮保管施設ですが、これは5-6号機の使用済燃料2,830体搬入に向けて共用プールを空けるためのものであり、急ぐ理由にはなりえません。燃料デブリを取出せるかどうかも分らない現状で、タンクの存在が廃炉作業の妨げになっていると主張する科学的な根拠は全くありません。「汚染水の発生はゼロにできる」状況が近づいていて、サブドレン水位をT.P.-2mまで下げれば、原子炉建屋滞留水が流出することなく地下水の建屋への浸入をゼロにできます。1号機屋根を2023年度に完成させ、建屋周辺のフェーシングを急げば、雨水の建屋浸入もゼロにできます。汚染水貯蔵容量には計約12万トン分の余裕(ストロンチウム処理水タンク2.5万トンの空きをはじめフランジタンク解体エリアに7.4万トンなど)があります。これらの具体的事実は市民団体との交渉で経産省等の担当者達が渋々認めたことです。
また、「漁業者等への丁寧な説明など、理解が得られるよう取り組む」としながら、「ALPS処理水は関係者の理解なくして海洋放出しない」という福島県漁連への経済産業大臣や東京電力社長による文書確約には全く言及せず、無視し続けています。最大の関係者である福島県漁連など漁民による「断固反対」の一貫した主張を踏みにじって強行された「ALPS処理水の海洋放出を行う方針」の決定は、そもそも一方的な約束違反であり、信義にもとる詐欺的行為であり、「関係者の理解が得られる」目処など全くありません。東京電力は中長期ロードマップの「30~40年後の廃止措置終了」時点(2052年頃)までにALPS処理水の海洋放出が完了すると豪語していますが、これは現実を無視した大嘘にすぎません。建屋内にはタンク内トリチウム量の1.5倍ものトリチウムが残存していて、「30~40年後の廃止措置終了」後も、建屋内からトリチウム濃度が数十万Bq/Lの高濃度汚染水が出続けて、ALPS処理水の海洋放出がさらに続かざるを得ません。このような暴挙は即刻中止し、すでに見えている「汚染水発生量ゼロ」の実現に全力を注ぐべきです。タンク内のALPS処理水はこのまま百年間保管し続けるべきです。
福島県の漁業は、2021年4月から「本格操業へ向けた拡大操業」へ移行し、総水揚数量や総水揚金額に回復の兆しが見え始めています。その矢先の同年4月13日にALPS処理水の海洋放出方針が関係閣僚等会議で決定されたのであり、これさえなければ、漁業も順調に回復していったはずです。にもかかわらず、2052年頃までの30年間どころか、それ以降も延々とALPS処理水の海洋放出が続くとなれば、福島県内で回復し始めた生業(なりわい)とその後継者育成に深刻な影響が出ることは避けられません。世代交代期間にも相当する30年以上にもわたるALPS処理水海洋放出の影響は、「損害賠償」では回復され得ないことを肝に銘じるべきです。

<原子力関係閣僚会議パブコメへの意見例(その2)>

該当箇所 6ページ1-20行

意見 福島事故を受けた民主党政権による「革新的エネルギー・環境政策」も原発政策の大転換でした。その際に行われた意見聴取会、討論型世論調査、検証会合などと同レベルの国民対話を実施するまで、今回の「大転換」を棚上げにしてください。

理由 今回の原子力関係閣僚会議による「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」(2022.12.23)は、それまでの原発政策の「大転換」であるにもかかわらず、国民との対話がほとんどありませんでした。今回のパブリックコメントは、通常国会での「たばね法案」を作成しながら行われており、「国民の声を聞いたというアリバイづくり」のためのものにすぎません。「大転換」の方針を決める前に国民との対話を尽くすべきです。
たとえば、福島事故後の2012年9月14日に当時の民主党政権が決定した「革新的エネルギー・環境政策」では、それまでの原発推進策をやめて、「原発に依存しない社会の一日も早い実現」を掲げ、「2030年代に原発稼働ゼロ」が目標にされました。その決定の前には、パブリックコメントだけでなく、全国11都市で「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会」を開き、討論型世論調査で国民各層の意見把握も行ない、「国民的議論に関する検証会合」を行うなど、公開で議論の透明性を高めていました。自民党政権になってからも、この方向性がすぐに変わることはなく、2021年10月に策定された第六次エネルギー基本計画では、「原子力については安全を最優先し、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減する。」とされ、原発のリプレースも新・増設も記載されていません。
今回の「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」は、このエネルギー基本計画に示された原発政策からの「大転換」だと言えますが、その決定プロセスは余りにも強引です。結論ありきの、わずか数ヶ月での有識者会議、しかも、反対意見を出す者は2名に限られた有識者会議で事務局方針を押し切り、原子力関係閣僚会議で一方的に決定したものであり、国民との対話はほとんどなされていません。少なくとも、民主党政権が「革新的エネルギー・環境政策」を決定する前に行った国民との対話を行うべきです。これを十分行うまで、「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」の原子力関係閣僚会議決定は一旦棚上げにすべきです。

<原子力関係閣僚会議パブコメへの意見例(その3)>

該当箇所 7-8ページ(運転期間の延長など既設原発の最大限活用)

意見 「40年で原則廃炉」、「例外中の例外としての20年延長」を定めた「40年ルール」を改変せず、「可能な限り原発依存度を低減する」という「現行制度との連続性に配慮」して「可能な限り最大限活用」する方針を撤回すべきです。

理由 原子力関係閣僚会議は「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」(2022.12.23)を一方的に決定しましたが、「運転期間の延長など既設原発の最大限活用」という方針は、同指針が配慮すると明記している「東電福島第一原発事故を踏まえて導入された現行制度との連続性」を断つものに他なりません。「40年ルール」で代表される現行制度は、国民的な議論を経た上で、国会で十分審議されて決議されたものであり、原子力関係閣僚会議決定で勝手に変更できるものではありません。
「40年ルール(運転40年で原則廃炉、20年延長は例外中の例外)」は、そもそも、福島事故を教訓として、原発の再稼働に反対する圧倒的多数の国民世論をバックに、与野党の合意で、原子力規制委員会を三条委員会として行政から独立させ、原子力規制委員会設置法の附則の中に「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(炉基法)」を取り込み、そこに導入されたルールです。つまり、「40年ルール」は、原子力規制委員会設置法によって規制委に委嘱された、規制委の出発点となる根本原則であり、本来、政府や経産省が口出ししたり、行政の都合に合わせて、一方的に、自由に変えられるものではありません。
上記の「行動指針(案)」では「運転期間は40年とした上で、これを超えて運転をする場合には、延長の必要性について以下の事項の認定を受けなければならないことを、条件として明確化する。A:電力の安定供給の選択肢確保への貢献、B:電源の脱炭素化によるGX推進への貢献、C:安全マネジメントや防災対策の不断の改善に向けた組織運営体制の構築」とし、「延長を認める運転期間については、20年を目安とした上で、以下の事由による運転停止期間についてはカウントに含めないこととする。A:東日本大震災発生後の法制度(安全規制等)の変更に伴って生じた運転停止期間(事情変更後の審査・準備期間を含む)、B:東日本大震災発生後の行政命令・勧告・行政指導等に伴って生じた運転停止期間(事業者の不適切な行為によるものを除く)、C:東日本大震災発生後の裁判所による仮処分命令等その他事業者が予見しがたい事由に伴って生じた運転停止期間(上級審等で是正されたものに限る)」としていますが、これらは原子力規制委員会設置法が導入された際の「法の精神」に反します。「運転期間は40年」という条文の趣旨は、40年で原則廃炉という趣旨であり、その延長は例外中の例外であって容認し難いというのが、福島事故を踏まえた国民の意思、それに従い決議した国会の意思であり、条文に込められた法の精神です。それを踏みにじる「行動指針(案)」は撤回すべきです。
また、「エネルギー供給における『自己決定力』の確保や、グリーントランスフォーメーションにおける『牽引役』としての貢献に資するため、安全性確保を大前提に、運転サイクルの長期化、運転中保全の導入拡大及び定期検査の効率的な実施に取り組む。」としていますが、これは老朽炉を徹底的に駆使して設備利用率を80~90%へ引き上げ、脱炭素電源の「牽引役」にしようというもので、極めて危険です。現在の13ヶ月運転サイクル(次回定期点検までの連続運転期間)を15~16ヶ月へ伸ばし、18ヶ月さらには24ヶ月へ伸ばし、定期点検期間を2~3ヶ月ないし1年以上の現状から大幅に短縮させようというものです。かつて死傷者11名を出した2004年美浜3号配管破断事故は、このような定検短縮競争の結果であり、その二の舞になりかねません。「可能な限り最大限活用」方針を撤回し「可能な限り低減」の現行方針、さらには、「40年で廃炉」の原子力規制委員会設置法の法の精神へ戻るべきです。

<原子力関係閣僚会議パブコメへの意見例(その4)>

該当箇所 9-10ページ(新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設)

意見 原発のリプレースや新・増設は、第六次エネルギー基本計画にも参議院選挙公約にもなく、「想定していない」との閣僚答弁だったにもかかわらず、「まずは廃炉原発の建て替え、今後、新増設を検討」へ「大転換」しており、撤回すべきです。

理由 原子力関係閣僚会議決定「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」(2022.12.23)にも注記されているとおり、2021年10月策定の第六次エネルギー基本計画には、「原子力については安全を最優先し、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減する。」とあり、原発のリプレースも新・増設も記載されていません。それから1年も経たないうちに、国民との対話もなく、2022年8月からたった4ヶ月間の、反対・慎重意見の委員が2名程度しかいない「有識者」会議で形式だけの検討をして、一方的に「大転換」しました。これは、エネルギー基本計画にも、参議院選挙公約にも、「想定していない」との一連の閣僚答弁にも違反し、国民の常識にも民主主義にも反します。即刻撤回すべきです。
「行動指針(案)」には「将来にわたり、革新技術による安全性向上、エネルギー供給における『自己決定力』の確保、グリーントランスフォーメーションにおける『牽引役』としての貢献といった原子力の価値を実現していくため、そして足下から安全向上に取り組んでいく技術・人材を維持・強化していくためにも、安全性の確保を大前提として、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設に取り組む。」とありますが、現在検討中の三菱重工の革新型軽水炉SRZ-1200は「次世代革新炉」とは名ばかりで、既存の第2世代PWRに第3世代APWRの設計を一部取り入れ、第3世代+のコアキャッチャーなどを取って付けただけです。高性能蓄圧タンクはECCSの追加に過ぎず、電源なしの自然循環で動く受動的炉心冷却装置ではありません。にもかかわらず、「次世代革新炉」を標榜するのは国民だましと言えます。しかも、基本設計から詳細設計にほぼ10年、2030年代初めまでかかるというのですから、その性能が実証されたものでないことは明白です。
また、「震災前と比較した依存度低減という現在の方針も踏まえ、まずは廃止決定した炉の次世代革新炉への建て替え」、すなわち、リプレースを先行させ、新・増設についても「その他の開発・建設は、各地域における再稼働状況や理解確保等の進展等、今後の状況を踏まえて検討していく。」と、忍ばせています。「建て替え」であっても、新たに原発が建設されれば、それ以降40年以上、2060年代以降も危険な原発に依存する状態が続きます。「依存度低減という現在の方針」は本来、「原発基数と依存年数の両方を低減」する趣旨であり、21世紀後半以降も原発に依存し続けるのは現行方針に反します。さらに、「原子力発電所の建設や安全対策に係る投資を対象」に「長期脱炭素電源オークションの枠組みを活用・改善、その他の措置による、原子力を含めた計画的な脱炭素電源投資支援等」を「検討・具体化」するとしていますが、「原発は安価だ」と言うのならこのような「電力会社の負担軽減=国民負担」による「原発への投資支援」など不要なはずです。
福島事故を顧みず、国民に重大事故のリスクを受忍させ、約2万トンに達する使用済燃料のさらなる積増しに伴うリスクを後世に押しつけ、1基1兆数千億円もの原発建設費の負担を電力消費者に強要することになります。このような原発依存はもうやめるべきです。

<原子力関係閣僚会議パブコメへの意見例(その5)>

該当箇所 14ページ(再処理・廃炉・最終処分のプロセス加速化)

意見 高速増殖炉・高速焼却炉開発破綻の現実を直視し、再処理・プルトニウム利用を中止すべきです。プルサーマルは、核暴走や炉心溶融事故のリスクを高め、プールでの90年冷却が不可避の使用済MOX燃料を生み出すため、即刻中止すべきです。

理由 原子力関係閣僚会議決定「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」(2022.12.23)では、「使用済燃料の再処理について、日本原燃は六ヶ所再処理工場の新たな竣工目標実現に向けて、規制当局との緊密なコミュニケーション等により、安全審査等への対応を確実かつ効率的に進める。」としていますが、このように明記せざるを得ないほど、日本原燃は技術的能力や管理能力に欠けています。日本原燃は2022年12月26日、六ヶ所再処理工場の竣工時期を「2022年度上期」から「2024年度上期のできるだけ早期」へ26回目の変更を原子力規制委員会に届けましたが、その具体的な見通しは立っていません。日本原燃は元々、取締役を含めて職員の多くが電力会社からの出向等によって成り立つ寄り合い所帯であり、プロパー職員が育成されているとは言え、現状でも「国による、工事・審査対応等の進捗や体制の随時確認、事業者に対する指導等」や「電気事業連合会『サイクル推進タスクフォース』等を中心とした、日本原燃の審査対応に対する産業大の支援の強化」など外部からのテコ入れがなくては成り立たない組織です。このような現実を直視するなら、「使用済燃料の受入れ・貯蔵、剪断・溶解、分離、精製、脱硝・製品貯蔵、高レベル廃液冷却貯蔵・ガラス固化」など極めて危険な作業を担う技術的能力や管理能力があるとは到底考えられません。破滅的な重大事故を起こす前に閉鎖し、再処理政策を中止すべきです。
また、「プルサーマルの推進や使用済燃料の貯蔵能力の拡大等に向けて、電力事業者が連携し、地元理解に向けた取組を強化するとともに、国もこうした取組をサポートし、主体的に対応する。」としていますが、電力自由化の下で市場競争を強いられる電力会社自身が、プルサーマルを重荷に感じています。その例が、MOX燃料輸入価格の高騰と仏メロックスMOX燃料加工工場の品質欠陥による操業度低下です。2022年11月に高浜3号へ搬入された輸入MOX燃料価格は12.1億円/体で、約1億円の輸入ウラン燃料価格の10倍以上です。そのため、関西電力の高浜3・4号のプルサーマルは、3年ごとに16体/基ずつしか発注しておらず、認可装荷体数40体/基の4割にすぎません。しかも、仏メロックスMOX燃料製造工場では製造欠陥による生産量低下が急激に進み、2021年には2015年と比べてMOX燃料ペレットで125HMトンから51HMトン、MOX燃料集合体数で295体から106体へ1/3程度へ減っています。これに伴い、再処理量も1205トンから1021トンへ減っていて、使用済燃料プールの満杯問題が浮上しています。
このような現実を無視し、国民の目から隠して、「事業者による、プルサーマルに係る地元理解の確保等に向けた取組の強化」や「国による、プルサーマルを推進する自治体向けの交付金制度の創設」を行うのは国民をだまし、札束で頬をたたくことに他なりません。「国・関係者による、使用済MOX燃料の再処理技術の早期確立に向けた研究開発の加速、官民連携による国際協力の推進、これも踏まえた処理・処分の方策の検討」などはこれまでから主張されてきたことで、全く進展がありません。使用済MOX燃料は使用済ウラン燃料より超ウラン元素による崩壊熱が高く、6~9倍長期間の冷却が避けられません。崩壊熱を2kW/tまたは1kWへ下げるのに使用済ウラン燃料で10年または50年のところ、使用済MOX燃料では90年または300年もかかります。プルサーマルは、核暴走事故や炉心溶融事故のリスクを高め、プールでの永久冷却を要する使用済MOX燃料を生み出すため、即刻中止すべきです。

<原子力関係閣僚会議パブコメへの意見例(その6)>

該当箇所 15-16ページ(廃炉の円滑化に向けた取組)

意見 「廃炉」にされた原子力発電所の廃止措置においては、放射能で汚染された原子炉建屋等施設・構造物、機器・配管等の早期の解体撤去は行わず、そのまま密閉管理し、少なくとも100年程度の安全貯蔵期間をとるべきです。

理由 原子力関係閣僚会議決定「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」(2022.12.23)では、「我が国における着実かつ効率的な廃炉を実現するため、廃炉に関する知見・ノウハウの蓄積・共有や必要な資金の確保等を行うための仕組みを構築する。」としていますが、2001年に廃止措置が開始された東海原発では、2010年、2013年に続き2019年3月14日に3回目の延期が行われ、「2018年3月に解体撤去完了予定」だったものが「2030年度完了予定」へ13年延期されました。ふげん、浜岡1・2 号などでも同様に解体作業は進んでいません。その最大の原因は、解体作業で出てくる放射性廃棄物の処分先がないことです。
現行の廃止措置計画では、10~20年程度、「安全貯蔵」してから解体する方針ですが、原子炉建屋の主な汚染は長年放射線を浴びることによって生じたコバルト60であり、コバルト60は半減期5.27年であることから20年経過しても1桁下がる程度にすぎません。放射能減衰が不十分なまま解体撤去を急げば、高線量下の作業により大量の労働者被曝が避けられず、排出される放射性廃棄物により一般公衆が被曝する危険も高まります。コバルト60は100年経てば100万分の2程度にまで下がり、被ばく労働は大幅に軽減されます。
国際的にも、廃炉後の安全貯蔵期間を50~80年と長くとって放射能減衰を図る方向が主流になっています。イギリス、カナダ等では80年程度の長期貯蔵後に解体の方針がとられ、当初は早期解体撤去が多かった米国でも、60年かけて長期貯蔵した後に解体する方針が増えています。ドイツではグライフスバルト原発5基(すべてVVERで運転中4基、試運転中1基。他に建設中3基も解体)が解体撤去されましたが、労働者被曝低減のため、大型機器は全て解体せず一括撤去し、使用済燃料と共に、隣接する中間貯蔵施設にそのまま保管されています。最終処分先は未定のままです。当初安定だと思われた岩塩層に設けた中低レベル用の処分場に地下水が流れ込むおそれがあると判明し、投棄した廃棄物約20万立方メートルを回収しなければならない事態に陥っているからです。米国では軍事用ハンフォードサイト内のリッチランド処分場でしか解体廃棄物を処分できず、一括撤去した大型機器の長距離運搬リスクが高くなっています。
放射能で汚染された原子炉建屋等施設・構造物、機器・配管等の早期の解体撤去は行わず、そのまま密閉管理し、少なくとも100年程度の安全貯蔵期間をとるべきです。法令では、廃止措置実施方針に、「廃止措置の対象となることが見込まれる発電用原子炉施設及びその敷地」および「前号の施設のうち解体の対象となる施設及びその解体の方法」(実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則第百十五条の二の第四号及び第五号)を定めることとされていますが、廃止措置期間については「廃止措置期間中に機能を維持すべき発電用原子炉施設及びその性能並びにその性能を維持すべき期間」(同第十一号)とあるだけで、年数の定めはありません。したがって、100年貯蔵後の解体を当面の方針とすれば、法令上の問題は生じません。
「行動指針(案)」では、「クリアランス対象物の再利用のための実証、その安全性確認や再利用方法の合理化の推進」を掲げ、電力会社も「クリアランス物の搬出先確保が困難」だから「フリーリリースの実現が必要」で「クリアランス対象物の拡大、検認保守性の排除、法手続きの簡素化も必要」との声を上げていますが、原発からクリアランスされた鋼材が市民生活の中で使われるような事態は避けるべきです。100年貯蔵へ転換して放射線管理区域の解体撤去をやめればクリアランスそのものが不要になります。
運転年数が長く設備利用率が高いほど、原子炉建屋内の誘導放射能は増え、使用済核燃料内の放射能(死の灰や超ウラン元素)が増えるため、可能な限り速やかにすべての原発を廃炉状態にすることが現世代の最優先の責任です。

<原子力関係閣僚会議パブコメへの意見例(その7)>

該当箇所 17ページ(最終処分の実現に向けた取組)

意見 地震・火山国である日本には長期にわたって変動しない安定な地層など存在せず、高レベル放射性廃棄物を深地層処分すべきではありません。使用済燃料を含めた高レベル放射性廃棄物をこれ以上生み出さないことこそが現世代の責任です。

理由 原子力関係閣僚会議決定「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」(2022.12.23)では、「最終処分事業に貢献する地域への敬意や感謝の念が社会的に広く共有されるよう、国主導での国民理解の促進や自治体等への主体的な働きかけを抜本強化するため、文献調査受け入れ自治体等に対する国を挙げての支援体制の構築、実施主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)の体制強化、国と関係自治体との協議の場の設置、関心地域への国からの段階的な申入れ等の具体化を進める。」としていますが、これは、高レベル放射性廃棄物の深地層処分を国民が支持していないことの裏返しです。政府もNUMOも「国民理解」が進まない理由と現実を直視すべきです。
地震・火山国である日本には長期にわたって変動しない安定な地層など存在しません。高レベル放射性廃棄物(再処理を放棄すれば使用済燃料も含まれます)の深地層処分は、その危険を見えなくし、将来世代に見えない危険を先渡しするだけであり、実施すべきではありません。使用済燃料を含めた高レベル放射性廃棄物をこれ以上生み出さないことこそが現世代の責任なのです。
深地層処分実施主体の原子力発電環境整備機構NUMOは2018年11月に包括的技術報告書をまとめ、地層処分は「人間の生活環境に有意な放射線影響を与えるものではない」と主張しています。しかし、半減期28.7年のストロンチウム90(Sr-90)や半減期1,570万年のヨウ素129(I-129)は水に溶けやすく土壌に吸着されにくいため、処分場閉鎖直後から放射能が溶出し始めます。現行の「TRU廃棄物パッケージA」では、わずか10年(Sr-90)ないし数十年(I-129)で地上へ到達し、生活環境の被ばく原因になります。処分場閉鎖300年後から溶出するとされる「TRU廃棄物パッケージB」に取替えても、放射能が溶出し始める」と想定されています。つまり、TRU廃棄物や高レベル放射性廃棄物を深地層処分すれば、早ければ10年程度で、遅くとも1,000年程度で、放射能が処分場から溶け出して生活環境を汚染していく恐れがあるのです。
NUMOは「不確実さを考慮しても公衆の被ばく限度1mSv/年を下回る」と主張していますが、都合のよい仮定に基づくモデル計算にすぎません。また、稀頻度事象シナリオでは、埋設後に震源断層が活動して処分場を断裂するケースや火山マグマが噴出して処分場ごと吹き上げるケースが想定されていますが、これらのケースでは被ばく線量が1mSv/年を超えてしまうため、1年目は「緊急時被ばく状況の参考レベル20~100mSv」、2年目以降は「現状被ばく状況の参考レベル1~20mSv/年」を評価基準とし、この上限を超えなければよいとしているのです。これは、現行法令違反であるだけでなく、「深地層処分で将来世代に深刻な被ばくが生じても構わない」という身勝手な立場であり、高レベル放射性廃棄物を生み出した電力会社、原子力メーカー、国ひいては現世代の責任を顧みないものと言えます。
「絶対安全」と豪語された福島第一原発では、運転開始からわずか40年も経たないうちに、3基が一斉に炉心溶融事故を引き起こしました。国際的に未経験の深地層処分で、NUMOが「10年ないし1,000年は溶出しない」と豪語しても全く信用できません。現に、ドイツでは、安全だとされた岩塩層の低レベル放射性廃棄物処分場が危険だとわかり、その時点までに投棄された放射性廃棄物20万立方メートルを回収することが2010年に決定されています。深地層処分では、処分した後に処分場が危険だとわかっても、処分された高レベル放射性廃棄物を回収するのは不可能です。また、国は、福島事故前は1mSv/年の公衆の被ばく限度を法令で担保しながら、事故後には現存被ばく状況だとして1~20mSv/年の被ばくを強要し、2011年8月時点で約400万人もの人々を放射線管理区域と同様の汚染状況下に放置して1mSv/年以上の被ばくを余儀なくさせ、20mSv/年未満で避難指示を解除して避難者への住宅支援を打ち切り、福島県民の被ばくの犠牲の上に福島事故をなかったことにしようとしています。NUMOによる緊急時被ばく状況や現存被ばく状況に基づく被ばく評価基準はこの立場を踏襲するものであり、許容できません。
日本での深地層処分は不可能だと判断し、使用済燃料を含めた高レベル放射性廃棄物をこれ以上生み出さないために、原発・核燃料サイクル推進政策を脱原発へ抜本的に転換すべきです。

原子力規制委員会の「高経年化した発電用原子炉に関する安全規制の概要(案)」のパブコメに怒りの意見を出そう!(その2とその3を追加提出しました。)

原子力規制委員会は12月21日、第59回原子力規制委員会で、「高経年化した発電用原子炉に関する安全規制の概要(案)」を決定し、翌22日0時から2023年1月20日深夜までのパブコメを始めました。これは、岸田政権の「GX実現に向けた基本方針」に呼応するもので、原発の「40年で原則廃炉」と「例外中の例外としての20年延長」を定めた「40年ルール」が、2023年初めの通常国会で改変(=事実上の撤廃)されようとしています。理不尽な「大転換」を許してはなりません。
大晦日と正月をはさんで1ヶ月間ですので、意見提出がしにくい期間に敢えてぶつけたとしか思えません。この点での怒りも込めて、2023年1月20日深夜締切までに怒りの意見を提出しましょう。
以下は若狭ネット資料室長が本日提出した意見です。今後も追加提出する予定です。(その2とその3を追加提出しました。)
参考にしてください。

<原子力規制委パブコメへの意見例(その1)>

該当箇所 前文と1および2の項目

意見 原子力規制委員会が設置された経緯と原子力規制委員会設置法の原点に戻り、「40年で原則廃炉、延長は例外中の例外」であることを再確認すべきです。2020年7月29日の声明を撤回すべきです。

理由 「40年ルール(運転40年で原則廃炉、20年延長は例外中の例外)」は、そもそも、福島事故を教訓として、原発の再稼働に反対する圧倒的多数の国民世論をバックに、与野党の合意で、原子力規制委員会を三条委員会として行政から独立させ、原子力規制委員会設置法の附則の中に「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(炉基法)」を取り込み、そこに導入されたルールです。つまり、「40年ルール」は、原子力規制委員会設置法によって規制委に委嘱された、規制委の出発点となる根本原則であり、規制委が国民からその遵守を委託されたのであって、2020年7月29日の声明で「発電用原子炉施設の利用をどのくらいの期間認めることとするかは、原子力の利用の在り方に関する政策判断にほかならず、原子力規制委員会が意見を述べるべき事柄ではない」としたのは、法成立の経緯を無視し、法解釈を誤った見解に過ぎず、原点に立ち返って、同見解を撤回し、現行の法規定を遵守すべきです。
パブコメ案の項目1および2は、30年以降は10年ごとの審査で延々と運転期間を延ばすことが前提になっていますが、これは「40年ルール」の改変であり、撤回すべきです。これまで、10年ごとの高経年化技術評価で審査してこなかった添付書類のデータを使って「10年後も技術基準に適合しているか」を審査し、データの測定方法も審査するとしても、「より厳格になる」とは言えません。山中委員長は特別点検は「40年目で実施する予定」だと言いますが、パブコメ案には明記されていません。「40 年目で行われている試験というのは、かなり特殊な、例えば圧力容器の胴回り 100%超音波試験をしなさいとか、あるいはコンクリートのコア抜きをして破壊強度等の試験をしなさいとか、非常に特殊なものが追加されています。むしろ50年に追加して、それぞれの炉で特徴のあるところを私は試験をしたほうがいい。特別点検と比べて劣るかどうかというのは、これはそれぞれ見解を持たれるところだと思うのですけど、私はそれぞれの炉に対して必要なところを50年目に対してプラスアルファで60年見るべきだ。」とも言っています。40年目の特別点検はむしろ強化し、廃炉を前提に、厳格に審査し、20年の延長限度も遵守すべきです。

<原子力規制委パブコメへの意見例(その2)>

該当箇所 1、2および6の項目

意見 「40年ルール(運転40年で原則廃炉、20年延長は例外中の例外)」を堅持し、40年の特別点検の抜本的強化を求めます。また、40年時点の特別点検がどのように改変されるのか、その具体的内容を明示した上でパブリックコメントをやり直すべきです。

理由 項目6では、「長期施設管理計画の認可の基準は、劣化評価が適確に実施されていること、発電用原子炉施設の劣化を管理するための措置が災害の防止上支障がないものであること及び計画の期間において生じる劣化を考慮しても技術基準に適合することのいずれにも適合していることとする。」としていますが、「災害の防止上支障がない」との基準は「高経年化技術評価」であり、「劣化を考慮しても技術基準に適合すること」との基準は「運転期間延長認可」です。ところが、その前提となる項目1と2に基づけば、30年時点での認可後、「運転開始後40年を超えて発電用原子炉を運転しようとするときは、10年を超えない期間における発電用原子炉施設の劣化を管理するための計画(長期施設管理計画(仮称))を策定し、原子力規制委員会の認可を受けなければならない」ことになり、10年先の「50年運転時点」までの技術基準適合性評価になります。これは、現在の運転40年までに20年先の「60年運転時点」までの技術基準適合性評価とは明らかに異なります。また、「実用発電用原子炉の運転期間延長認可申請に係る運用ガイド」に定められた「申請に至るまでの間の運転に伴い生じた原子炉その他の設備の劣化の状況の把握のための点検」(以下「特別点検」という。)が、項目6の「劣化評価」とも異なり、「特別点検」の中身が弱められるのではないかと危惧されます。「40年ルール(運転40年で原則廃炉、20年延長は例外中の例外)」は福島事故を踏まえた国民の意思を反映させた原則であり、これを堅持し、延長する場合には例外中の例外とするにふさわしい「40年時点での特別点検」の抜本的強化を求めます。
また、現在の案には、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」第四十三条の三の三十二(運転の期間等)の変更に伴い、「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」第百十三条および第百十四条が変更され、さらには、「実用発電用原子炉の運転期間延長認可申請に係る運用ガイド」も変更されるにもかかわらず、それらには一切言及されていません。法律が変更されることに伴う40年時点での特別点検がどのように変えられるのかについて国民への説明が一切ないままに、このような法律の変更だけに留めたパブリックコメントを行うのは、重大な変更内容を隠蔽するに等しいのではないでしょうか。法律変更後に規則以下を検討するというのは、国民だましもいいところではないでしょうか。40年ルールをどのように変更しようとしているのかについて、明確にした上で、パブリックコメントをやり直すべきす。

<原子力規制委パブコメへの意見例(その3)>

該当箇所 1、2および11の項目

意見 1および2の認可はそれぞれ40年および50年を超えるまでに行われなければならないことを明記し、11の新制度施行日によっては1と2が骨抜きにされるため、新制度施工日を明記し、パブコメをやり直すべきです。

理由 原子力規制委員会記者会見録(2023.1.11)によれば、泊1号機と2号機は現在、運転33年と31年ですが、黒川総務課長は「30年を超えていますけれども、運転をするときまでに認可を受ければよい」とし、また、柏崎刈羽1号機と2号機は運転37年と32年ですが、黒川総務課長は「経済産業省が恐らく法改正をしまして、運転期間40年というところから止まっていた期間を除くという改正をされますので、40年でもう一切運転できないというくびきはなくなる」とも答えています。ところが、原子力規制委員会の運転期間は暦年によるのであって、休止期間も含むはずです。また、「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」(2022.12.23原子力関係閣僚会議)でも、「延長を認める運転期間については、20年を目安とした上で、以下の事由による運転停止期間についてはカウントに含めないこととする」とし、「運転期間40年というところから止まっていた期間を除くという改正」ではありません。国民を混乱させるような記者会見での上記発言を撤回し、正確に説明し直すべきです。
1および2によれば、40年を超えて運転しようとする場合は、(1)30年を超えて運転するための「10年を超えない期間における長期施設管理計画」の認可を受けていなければならず、さらに、(2)40年を超えて運転するための「10年を超えない期間における長期施設管理計画」の認可を受けなければならず、これらが満たされない限り40年を超えては運転できないことになるはずです。たとえば、柏崎刈羽1号機が(1)の認可を受ける期限は2025年9月18日(運転開始40年後)であり、これを過ぎても(1)が認可されていなければ、40年を超えての運転はできないというのが、「高経年化した発電用原子炉に関する安全規制の概要(案)」の1および2の趣旨のはずです。ところが、黒川総務課長の発言によれば、(1)の認可を受けていなくても、40年を超えた段階でも申請があれば、(1)と(2)の認可を段階的に、または、同時に受けて、40年を超えての運転が可能であるかのように見えます。
さらに、同11では「新たな制度への円滑な移行を図るため、次のような準備行為その他所要の経過措置を設ける」とし、「新制度施行までの一定の期間中、あらかじめ長期施設管理計画の申請及び認可ができ」、「新制度の施行前に認可を受けたときは、新制度が施行された日に、新制度下での認可を受けたものとみな」し、「新制度の施行前に認可を受けていないときは、新制度が施行された日に、新制度下の申請とみなす」ともされています。これは、40年を超えていても「新制度施行までの一定の期間」内に(1)の認可を受ければ、(1)の条件は満たされたものとし、(2)の認可は50年を超えるまでに受ければよいということになります。つまり、「新制度施行」日を(1)の長期施設管理計画の策定と認可に必要な経過措置期間後に設定することで、1と2の規制が事実上効かないようにできることを意味しています。「新制度施行」日を明示した上で、その妥当性についてもパブリックコメントで問い直すべきです。

岸田政権の「GX実現に向けた基本方針」のパブコメに怒りの意見を出そう!

岸田政権は12月22日、第5回GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議で「GX実現に向けた基本方針」を決定し、翌23日20時から2023年1月22日深夜までのパブコメを始めました。
原発の「40年で原則廃炉」と「例外中の例外としての20年延長」を定めた「40年ルール」が、2023年初めの通常国会で改変(=事実上の撤廃)されようとしています。理不尽な「大転換」を許してはなりません。
大晦日と正月をはさんで1ヶ月間ですので、意見提出がしにくい期間に敢えてぶつけたとしか思えません。この点での怒りも込めて、2023年1月22日深夜締切までに怒りの意見を提出しましょう。
以下は若狭ネット資料室長が本日提出した三つの意見です。参考にしてください。

<政府パブコメへの意見例(その1)>

該当箇所 7ページ18-21行

意見 「40年で原則廃炉」、「例外中の例外としての20年延長」を定めた「40年ルール」の改変方針を撤回し、「可能な限り原発依存度を低減する」現行のエネルギー基本計画に沿い、「可能な限り活用」する方針を撤回すべきです。

理由 「40年ルール(運転40年で原則廃炉、20年延長は例外中の例外)」は、そもそも、福島事故を教訓として、原発の再稼働に反対する圧倒的多数の国民世論をバックに、与野党の合意で、原子力規制委員会を三条委員会として行政から独立させ、原子力規制委員会設置法の附則の中に「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(炉基法)」を取り込み、そこに導入されたルールです。つまり、「40年ルール」は、原子力規制委員会設置法によって規制委に委嘱された、規制委の出発点となる根本原則であり、本来、政府や経産省が口出ししたり、行政の都合に合わせて、一方的に、自由に変えられるものではありません。
「GX基本方針」では「既存の原子力発電所を可能な限り活用するため、原子力規制委員会による厳格な安全審査が行われることを前提に、運転期間に関する新たな仕組みを整備する。現行制度と同様に、運転期間は40年、延長を認める期間は20年との制限を設けた上で、一定の停止期間に限り、追加的な延長を認めることとする。」としていますが、これは原子力規制委員会設置法が導入された際の「法の精神」に反します。「運転期間は40年」という条文の趣旨は、40年で原則廃炉という趣旨であり、その延長は例外中の例外であって容認し難いというのが、福島事故を踏まえた国民の意思、それに従い決議した国会の意思であり、条文に込められた法の精神です。それを踏みにじる方針は撤回すべきです。
「GX基本方針」の「既存の原子力発電所を可能な限り活用する」は、その元になった「今後の原子力政策の方向性と実現に向けた行動指針(案)」では「(2)設備利用率の向上 エネルギー供給における『自己決定力』の確保や、グリーントランスフォーメーションにおける『牽引役』としての貢献に資するため、安全性確保を大前提に、運転サイクルの長期化、運転中保全の導入拡大及び定期検査の効率的な実施に取り組む。」(p.8)とされています。これは老朽炉を徹底的に駆使して設備利用率を80~90%へ引き上げ、脱炭素電源の「牽引役」にしようというもので、極めて危険です。現在の13ヶ月運転サイクル(次回定期点検までの連続運転期間)を15~16ヶ月へ伸ばし、18ヶ月さらには24ヶ月へ伸ばし、定期点検期間を2~3ヶ月ないし1年以上の現状から大幅に短縮させようというものです。かつて死傷者11名を出した2004年美浜3号配管破断事故は、このような定検短縮競争の結果であり、その二の舞になりかねません。「可能な限り活用」方針を撤回し「可能な限り低減」方針へ戻るべきです。

<政府パブコメへの意見例(その2)>

該当箇所 7ページ9-14行

意見 原発のリプレースや新・増設は、第六次エネルギー基本計画にも参議院選挙公約にもなく、「想定していない」との閣僚答弁だったにもかかわらず、「まずはリプレース、今後は新増設推進」へ「大転換」しており、撤回すべきです。

理由 2021年10月策定の第六次エネルギー基本計画には、「原子力については安全を最優先し、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減する。」とあり、原発のリプレースも新・増設も記載されていません。それから1年も経たないうちに、国民との対話もなく、2022年8月からたった4ヶ月間の、反対・慎重意見の委員が2名程度しかいない「有識者」会議で形式だけの検討をして、一方的に「大転換」しました。これは、エネルギー基本計画にも、参議院選挙公約にも、「想定していない」との一連の閣僚答弁にも違反し、国民の常識にも民主主義にも反します。即刻撤回すべきです。
「GX基本方針」には「将来にわたって持続的に原子力を活用するため、安全性の確保を大前提に、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設に取り組む。」とありますが、現在検討中の三菱重工の革新型軽水炉SRZ-1200は「次世代革新炉」とは名ばかりで、既存の第2世代PWRに第3世代APWRの設計を一部取り入れ、第3世代+のコアキャッチャーなどを取って付けただけです。高性能蓄圧タンクはECCSの追加に過ぎず、電源なしの自然循環で動く受動的炉心冷却装置ではありません。にもかかわらず、「次世代革新炉」を標榜するのは国民だましと言えます。しかも、基本設計から詳細設計にほぼ10年、2030年代初めまでかかるというのですから、その性能が実証されたものでないことは明白です。未だ設計すらできていない段階で、「今後10年を見据えた取組みの方針」(p.2)に入れるのは、博打を打つようなものです。
また、「地域の理解確保を大前提に、まずは廃止決定した炉の次世代革新炉への建て替え」、すなわち、リプレースを先行させ、新・増設についても「その他の開発・建設は、各地域における再稼働状況や理解確保等の進展等、今後の状況を踏まえて検討していく。」と、忍ばせています。新たに原発が建設されれば、今後40年以上、2060年代以降も危険な原発に依存する状態が続きます。それは、福島事故を顧みず、国民に重大事故のリスクを受忍させ、約2万トンに達する使用済燃料のさらなる積増しに伴うリスクを後世に押しつけ、1基1兆数千億円もの原発建設費の負担を電力消費者に強要することになります。このような原発依存はもうやめるべきです。

<政府パブコメへの意見例(その3)>

該当箇所 5ページ8行目-6ページ11行目

意見 再エネの優先接続・優先給電を実現するため、全国統一の公的送配電機関に電力会社の送配電網管理運営権を移譲させ、電力会社の電力市場支配力を削ぐべきです。長期脱炭素電源オークションのリプレース原発への適用を断念すべきです。

理由 「GX基本方針」にある、再エネを「主力電源として最優先の原則で最大限導入拡大に取り組」むためには、欧米で普遍的に行われている「再エネの優先接続・優先給電」が欠かせません。それを阻害しているのは、電源の8割を独占し、送配電網を独占し、電力市場を支配している電力会社(旧一般電気事業者)です。2020年末からの価格高騰は電力市場支配力行使(自社顧客優先の燃料調達と売り入札量抑制)の結果であり、今日の価格高騰はウクライナ危機以前からの高騰の延長に過ぎません。相対取引をする場合でも、全電源の取引を電力市場で行わせるべきであり、発販分離により、社内取引情報が電力市場で透明化させるべきです。
送配電網は電力会社の市場支配力の源泉となっているばかりか、経常利益の大半はここから出ています。「送配電網を手放せば、原発を建設できない」と、かつての電力会社社長は臆面もなく主張していました。今の電力広域的運営推進機関は電力会社に支配された機関であり、欧州のように、これに代わる全国統一の公的な送配電網管理機関へ管理運営権を移譲させ、基幹送電網の全国規模での整備と投資回収を担わせ、再エネ普及を阻害しかねない2024年度からの発電側課金(発電側基本料金)を断念すべきです。
「GX基本方針」では、その元になった「今後の原子力政策の方向性と実現に向けた行動指針(案)」で示していた「長期脱炭素電源オークション」をリプレース原発へ適用する方針を記載せず、隠していますが、このような姑息なことはやめ、断念すべきです。

若狭ネット第191号を発行:岸田政権の「GX基本方針」と原子力規制委の「劣化規制案」反対!2023年1月22、20日締切のパブコメ意見で国民の怒りを示そう!ALPS処理水海洋放出をやめさせ、陸上保管へ転換させよう!使用済燃料問題を追及し、美浜・大飯・高浜原発停止を勝ちとろう!

若狭ネット第191号を発行しました。

(誤植修正:p.15左↓4行目(誤)「22兆Bq/L」→(正)「22万Bq/L」)

第191号(2022/12/27)(一括ダウンロード8.0M
巻頭言–岸田政権の「GX基本方針」と原子力規制委の「劣化規制案」反対!2023年1月22、20日締切のパブコメ意見で国民の怒りを示そう!
ALPS処理水海洋放出をやめさせ、陸上保管へ転換させよう!
使用済燃料問題を追及し、美浜・大飯・高浜原発停止を勝ちとろう!
1.「40年で原則廃炉」ルールの改変、「可能な限り低減」から「可能な限り活用」への転換を許すな!政府と原子力規制委のパブコメに意見を出そう!
2.若狭湾沿岸に、すでに4,280トンの核のゴミ=使用済み燃料 —「これでよいのか」、「これを増やし続けてよいのか」を問いたい 越前市 山崎隆敏
3.関西電力は、美浜1・2号使用済燃料貯蔵プールを美浜3号用に使い、管理容量を大きく設定し、燃料取替可能回数を大きく見せかけている!
4.ALPS処理水の海洋放出は「30~40年後の廃止措置終了」後も続く・・・「汚染水排出ゼロ」は早期に可能!タンク保管継続へ転換を!
5.福島事故での炉心溶融・落下状況にコアキャッチャーは対応できるか?

<「福島原発事故被害から健康と暮らしを守る会」2022年10月1日に発足>

「医療費等減免措置の段階的廃止」の撤回・措置継続と国の責任ですべての福島事故被害者に「健康手帳」の交付を求める署名に、ご協力ありがとうございました。コロナ禍にかかわらず、精力的に署名を集めていただき、感謝します。原発事故被災者に健康手帳を交付させることは、国に福島事故の責任を認めさせ、その責任で、福島の人々をはじめ被災者の健康と命の保障を求める観点から重要な取り組みだと考えています。さらなるご協力をお願いします。ニュースに会報の創刊号と署名を改めて添付させて頂きます。

「守る会」会報(暫定・創刊号)2022.11.17は、こちら

署名用紙はこちら

今後の集会などの予定のうち、下記の行動は、大阪地検による不起訴決定により、中止されました。

1月26日(木)午後1時半から短時間
(2月以降も、毎月26日に同様に行動する予定です)
強制捜査、起訴を行え! 大阪地検前アピール

詳しくは「関電の原発マネー不正還流を告発する会」のホームページをご覧ください。

「10・26反原子力デー全国一斉行動」の一環として、若狭ネットも、他の4市民団体とともに、関西電力本社へ申入れを行いました

「10・26反原子力デー全国一斉行動」の一環として、若狭ネットも、他の4市民団体とともに、関西電力本社へ申入れを行いました(申し入れのpdfはこちら)。

市民側参加者は12名でしたが、関西電力広報部は今回も対応せずでした。
私たちは、30年以上前からの「2週間前に電話連絡する」との慣例に従って電話連絡したのですが、広報部は「10月26日は多忙」だと拒否しました。「他の日なら話合いの場を設定してもらえるのか」と問うと、「応じられない」との一言。
結局、総務部の社員が出てきて申し入れ書を受け取りましたが、「5人、5分」のルールで、1階ロビーの片隅で、申し入れ書を読み上げて手渡し、5人以外は遠巻きに見守らざるをえないという状況でした。
この悪習は、2015年の八木社長時代に突然始まったのですが、7年後の今なお継承し続けているのです。

2022年10月26日

関西電力株式会社取締役代表執行役社長 森 望 様

10・26反原子力デーに際して、関西電力への申し入れ

若狭連帯行動ネットワーク 

 本日10月26日は反原子力デーです。

 貴社は、未だに原発依存の経営を行い、老朽原発の延命路線を突き進もうとしています。これは、多くの人々の思いとは逆行します。原子力文化財団の昨年の世論調査でも、「原発は徐々に減らすべき」52.8%と「即時廃止すべき」7.5%が合計で60%を占めています。ここ10年、この傾向はほとんど変りません。

 7月13日の「東電株主代表訴訟」東京地裁判決は画期的でした。旧東電経営陣は巨大津波を予見できたのに防潮堤や水密化の対策を先送りし、取締役としての注意義務を怠って事故を招いたと認定し、 「広範な地域及び国民全体に対しても甚大な被害を及ぼし、我が国そのものの崩壊にもつながりかねない」、大事故が「万が一にも」起こらないようにする義務があるのに、怠ったと断罪したのです。貴職をはじめとする関電経営陣も、今のままでは同じ轍を踏むことになるでしょう。

 私たちは強く訴えます。原発再稼働・40年超運転による利潤追求を続けていては、老劣化によるトラブル・故障・事故を頻発させる一方、事故原因の究明を切り上げての運転再開、次の定検までのひび割れ放置の強硬運転、異常発見時の無理な運転継続や異常対策等が不完全なままでの運転再開前倒しなどで、予想外の危険な事態を招き、福島事故を繰り返すことになりかねません。

 高浜1・2号は国内で最も古い原発であり、来年6月と7月に再稼働予定ですが、その時点で49年目と48年目になり、60年運転の期限まで残り11年と12年しかありません。しかも、高浜1号の原子炉圧力容器は長年の中性子照射による材料の脆化が最も進んでいて、蒸気発生器細管破断などの事故時に原子炉容器が破断する恐れが高いのです。

 老朽原発の長期連続運転・40年超運転・ひび割れ放置運転等の強行を招き、福島事故を繰り返す危険性を高めるだけでなく、一層大量の使用済核燃料を生み出し、次世代に重い「負の遺産」を残します。

   「原子力災害の危険を伴い、使用済燃料と核廃棄物を生み出す原発」を推進するためには、「森山案件」に見られるような地元利権集団との癒着と利権構造の形成は避けられません。原発依存経営から脱却し、原発利権構造を一掃し、再エネ推進のクリーンな経営に転換すべきです。

 原子力は夢のある産業ではなく、若者が将来を夢見ることのできない産業へ転落しています。脱炭素・脱原発の社会に寄与する産業こそ若者に夢を与える産業です。にもかかわらず、貴社は、原発再稼働を最優先させ、目指すべき社会の実現を遠ざけているのです。

 以上を踏まえ、次のことを強く申し入れます。公益事業者として自覚した上で、真摯に対応してください。

1.高浜1号は運転開始48年の国内最古かつ原子炉圧力容器の中性子脆化が最も進んだ危険な老朽原発です。運転開始47年の高浜2号、同46年の美浜3号と共に40年超運転を断念し、廃炉にしてください。

2.配管のひび割れや蒸気発生器細管の減肉など老劣化の進む高浜3・4号と大飯3・4号を廃炉にしてください。大飯3号で強行しようとした「次回定検までのひび割れ放置運転」を二度としないでください。

3.むつ市への使用済燃料の中間貯蔵押しつけを断念し、使用済燃料をこれ以上生み出さないでください。貴社による「福井県外での中間貯蔵施設立地」の約束、すなわち、①2010年まで、②2018年中、③2020年末まで、のいずれも実現できず、運転停止などの約束を反故にしました。④2023年末までが現在の約束です。「4度目の正直」として、これを守れない限り、すべての原発を運転しないでください。

4.高浜3・4号でのプルサーマルを即刻中止し、大飯原発にプルサーマルを広げないでください。プルトニウム利用を断念し、これ以上、MOX燃料の発注・輸送・輸入をしないでください。六ヶ所再処理工場の閉鎖を日本原燃に求めてください。

5.「福島賠償費・原発関連費の今年度分約288億円(一般負担金「過去分」156億円/年と廃炉円滑化負担金132億円/年)」を託送料金に加算して回収するのをやめ、電気料金を下げてください。

6.取替や廃炉による美浜・大飯・高浜原発の蒸気発生器33基をはじめ給水加熱器や核燃料輸送・貯蔵用キャスクなど大型放射性廃棄物の輸出、海外での溶解・再利用の計画を断念し、密閉管理し続けてください。

7.東京電力の事故責任を認定した最高裁決定を受け、原発依存の経営方針を「脱原発・脱石炭」、「再エネ拡大」へ大転換してください。                             

以上

若狭ネット第190号を発行:福島廃炉費約4兆円、損害賠償費2.44兆円、原発廃炉損失約5千億円の託送料金による回収をとりやめ、電気料金を直ちに引き下げろ! 岸田政権による原発再稼働・40年ルール撤廃・原発新増設反対! 東京電力の柏崎刈羽6・7号再稼働による利潤追求を許すな!

若狭ネット第190号を発行しました。

第190号(2022/10/17) (一括ダウンロード3.7Mb)
巻頭言–福島廃炉費約4兆円、損害賠償費2.44兆円、原発廃炉損失約5千億円の託送料金による回収をとりやめ、電気料金を直ちに引き下げろ!
岸田政権による原発再稼働・40年ルール撤廃・原発新増設反対!
東京電力の柏崎刈羽6・7号再稼働による利潤追求を許すな!
1. 廃炉費6兆円の大半を託送料金から回収する「廃炉等負担金」の撤廃を!
2. 40年運転で原発廃炉の原則=40年ルールの撤廃を許すな!
3. 新たな核災害リスクと建設費負担転嫁を招く原発新増設・リプレース反対

福島事故被災者への「医療・介護保険料及び医療費の減免措置」見直し撤回署名にご協力ください!(署名用紙はこちら)

「医療・介護保険料及び医療費の減免措置」見直し政府方針撤回と措置継続、国の責任で全ての福島原発事故被害者に「健康手帳」(医療費無料化等)交付を求めます

福島原発事故被害から健康と暮しを守る会

問い合わせ先:福島原発事故被害から健康と暮しを守る会 事務局
〒979-1514 福島県双葉郡楢葉町大字下小塙字広畑54番地 佐藤龍彦

政府は、2022年4月8日、福島県の原子力災害被災地域における「医療・介護保険料及び医療費の減免措置」(「医療費等、減免措置」)の見直しを方針決定しました。避難指示解除から10年程度で減免措置を終了し、解除時期別に4グループに分け、段階的に支援を削減し廃止するというのです。政府は、当該地域の首長の意見聴取をしただけで、被害者住民の一人ひとりの声を一切聞くことのなく、方針決定しました。私たちは、このように、民主主義の原則にも反する決定を到底容認できません。
福島原発事故から10余年を経過してもなお「緊急事態宣言」下にあり、事故被害による課題は山積して多岐にわたります。政府は、「他の被災地域との公平性」を理由に「医療費等、減免措置」を見直し、廃止するとしています。しかし、長期にわたる放射能汚染と被ばく被害をもたらす原発重大事故は、自然災害とは異なります。原発事故で強いられた放射線被ばくによる健康への不安や懸念は拭い去られるものではありません。また、未だ生活再建途上にある被害者にとって、「医療費等、減免措置」はまさに「命綱」です。
国策で進めた原発で重大事故を起こし、放射能汚染で故郷を奪い、生業を奪い、避難生活を強いたのです。
そして避難指示地域をはるかに超えた地域の多くの人々を被ばくさせました。その責任は国と東電にあります。「医療費等、減免措置」は、原発事故被害者対して国が行うべき最低限の「補償」であり、被害者の権利です。
政府は原発重大事故を起こした国の責任を猛省し、「国策の被害者」である福島原発事故被害者に「最後まで国が前面に立ち責任を持つ」との約束(2011 年5 月17 日, 原子力災害対策本部)を守り、被害者の健康と暮しの保障を復興の基本とするべきです。そして、事故による放射能汚染と被ばくを被った全ての人々に対して、国の責任で「健康手帳」を交付し、無料の医療・健康管理等の保障を生涯に渡って行うための法整備(国による「健康手帳」交付等を定めた「被爆者援護法」に準じた法整備)を行うよう強く求めます。
<要請事項>
一、原子力災害被災地域における「医療・介護保険料、医療費の減免措置」について
1. 見直し・廃止の方針を撤回し、現行措置の継続を求める。
2. 措置の拡充(保険者別支援の違い是正、所得制限撤廃、対象範囲拡大、等)を求める。
3. 広く被害者の意思を尊重する「公聴会」の開催を求める。
一、全ての原発事故被害者に、国の責任で無料の医療等を保障する「健康手帳」の交付を求める。

(第一次集約:2022年11月末、その後も、減免措置継続まで続けます)

 

原発も核も戦争もない平和な社会の実現を「被爆77周年原水爆禁止世界大会・福島大会」の動画案内と講演資料を掲載しました

被爆77周年原水禁世界大会、2022年

原発も核も戦争もない平和な社会の実現を 
「被爆77周年原水爆禁止世界大会・福島大会」の全体はこちら

「被爆77周年原水爆禁止世界大会・福島大会」アーカイブ動画はこちら

7月30日(土) 午後1時~4時半 全体集会・基調講演・パネルディスカッション

基調講演 「国と東電が進めるALPS処理水海洋放出の問題点と反対する根拠」
長沢啓行氏(大阪府立大学名誉教授)

当日に使用した講演資料はこちら

パネルディスカッション
コーディネーター 振津かつみ氏(医師)
パネリスト 長沢啓行氏(大阪府立大学名誉教授)
パネリスト 川島秀一氏(民俗学研究者)漁業者の立場から
パネリスト 後藤 忍 氏(福島大学教授)放射線教育について

場所 パルセいいざか・コンベンションホール(福島市飯坂町筑前27−1)
主催 被爆77周年原水爆禁止世界大会実行委員会

「2022 フクシマアピール」(pdf版はこちら

若狭ネット第189号を発行:国は福島事故被災者への損害賠償責任を誠実に果たせ! 国の責任を否定した最高裁決定は砂上の楼閣・・・最高裁三浦裁判官の反対意見と株主代表訴訟東京地裁判決に続き、掘り崩そう! 約束違反・法令違反の正当性なきトリチウム汚染水海洋放出をたった7分の議論で認可した原子力規制委員会は許せない!

若狭ネット第189号を発行しました。

若狭ネット第189号(2022/7/27)一括ダウンロード4.3Mb
巻頭言–国は福島事故被災者への損害賠償責任を誠実に果たせ!
国の責任を否定した最高裁決定は砂上の楼閣・・・最高裁三浦裁判官の反対意見と株主代表訴訟東京地裁判決に続き、掘り崩そう!
1. 約束違反・法令違反の正当性なきトリチウム汚染水海洋放出をたった7分の議論で認可した原子力規制委員会は許せない!
2. 福島事故の国家賠償責任を否定した最高裁決定は「仮定の上に仮定」を重ねた砂上の楼閣
3. 損害賠償費の一般・特別負担金総額が393億円も減額—新電力破産の陰で電力会社への利益供与は許されない!
4. 今年は長居公園自由広場で開催する予定戦争はいやや!核なんかいらへん! FESTIVAL2022 代表代行久保良夫

若狭ネット第188号を発行:脱原発福島県民会議など8団体の4月19日対政府交渉で、トリチウム汚染水(ALPS処理水)の海洋放出に正当性がないことが明らかに! 海洋放出に関する原子力規制委員会審査書(案)パブリックコメント(6/17まで)へ意見を出し、海洋放出の政府方針を撤回させよう!

若狭ネット第188号を発行しました。

第188号(2022/5/31)(一括ダウンロード3.1Mb

巻頭言–脱原発福島県民会議など8団体の4月19日対政府交渉で、トリチウム汚染水(ALPS処理水)の海洋放出に正当性がないことが明らかに!
海洋放出に関する原子力規制委員会審査書(案)パブリックコメント(6/17まで)へ意見を出し、海洋放出の政府方針を撤回させよう!
1.トリチウム汚染水(ALPS処理水)の来年海洋放出を阻止するため、審査書(案)のパブリックコメント(6/17まで)へ意見を提出しよう!
2.むつ市の使用済燃料中間貯蔵施設共同利用を許すな!
若狭の原発は30年後までに、すべて廃炉になり、使用済燃料だけが2倍になって残される!

「脱原発福島県民会議など8団体による4月19日対政府交渉の報告」は下記サイト参照
チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西のホームページ
または、若狭ネットホームページでの5月24日付転載
をご覧ください。