10.26反原子力デーの全国行動の一環として、本日(10月25日)午後4時から関西電力本社への申し入れを行いました。
約15名が関電本社ロビーに集まり、関電の担当者を待ちましたが、声をかけて来るのは警備員だけで、広報部の姿はありません。
受付で交渉した挙げ句、広報部は対応せず、庶務課から1名が降りてきて、「5名5分」を一方的に告げて、ロビーから5名だけが片隅へ移動することを許され、他の10名はロビーに留まり遠くから見守る形でしたが、若狭ネットなど4団体が申し入れを行いました。
この状態は2014年2月の交渉を最後にずっと続いていますが、私たちはくじけず、粘り強くこのような申し入れを続けてきました。
今年4月のチェルノブイリ33年の申し入れの際には、その努力が少しは実ったのか、広報部から1名が出てきて対応し、少し変化を見せていました。
今回は、会長等の辞任という贈収賄問題を起こしたのですから、もう少し踏み込んで、対応が変わるのではと思いきや、元に戻ったのです。
フツウの企業なら、これだけの不祥事を起こした後では、神妙な姿勢で対応するはずですが、贈収賄問題で何も反省していないのでしょうか。
改めてファイトが出てきます。
以下に若狭ネットの申し入れ文(pdfはこちら)と公開質問状(pdfはこちら)を掲載します。
2019年10月25日
関西電力株式会社取締役社長
岩根茂樹様
10・26反原子力デーに際しての申し入れ
「原発再稼働のための利権構造づくり」を根本から反省し、
運転中の高浜3号と大飯3・4号の運転を直ちに止め、
若狭の原発をすべて廃炉にして下さい!
若狭連帯行動ネットワーク
原発再稼働をめぐって貴職を含む貴社経営陣と地元企業や元高浜町助役との汚い金品の授受=贈収賄が暴露されました。にもかかわらず、貴社は、高浜3号と大飯3号の運転を継続し、10月10日には大飯4号を再稼働させました。これは、贈収賄問題をその根本原因である「原発再稼働のための関西電力による利権構造づくり」から切り離し、原発再稼働を既成事実として認めさせようとする暴挙です。私たちは、これに断固抗議し、これらの原発の運転を直ちに止めるよう強く求めます。また、八木会長をはじめ名前の挙がった役員5名を10月9日付けで辞職させる一方、貴職は、贈収賄の当事者であるにもかかわらず、「第三者委員会の調査報告書が出るまで続投」との実に甘い対応です。これでは「第三者委員会」に公正・中立な調査を保証する前提条件が満たされません。直ちに辞職するよう強く求めます。
森山氏が取締役、相談役、顧問などを務めていた企業は、いずれも関電絡みで工事を受注し、大きく売り上げを伸ばしました。そして、これらの企業から森山氏に資金が流れ、貴社幹部らへの金品授受に使われたのです。端的に言えば、原発を推進するために「カネで地元を黙らせ、従わせる」という貴社のやり方が「ブ-メラン」となって貴社幹部らへ飛び火したのです。
貴社による利権構造づくりは多額の寄付金(自治体買収)、住民への便益供与(巨額の原発工事費のおこぼれを地元業者へ)や、地元雇用関係、さらには地縁・血縁などを通じた隠然たるものまで多岐にわたります。
今回の贈収賄問題では、その一端が垣間見えたにすぎません。利権構造の全貌が、今後の徹底した調査で暴き出されねばなりません。
まともな会社に生まれ変わるには、脱原発へむかう企業となることです。原発の再稼働をやめ、「利権構造づくりとは無縁な再エネ推進へ大胆に転換する」という、正しい英断が貴社には求められています。
来年4月から検査制度が大幅に変わり、「原子力規制委員会による施設定期検査」は廃止され、電力会社による「定期事業者検査」に換わり、ひび割れを見つけても次の検査まで大丈夫だと電力会社が判断すればそのままで運転でき、運転期間も最大24カ月までのばせるなど、電力会社のフリーハンドが高まります。
今回の贈収賄問題では、不正がばれなければ隠蔽し続ける体質、原発再稼働のためにはどんな不正でも企業ぐるみで不正を行い、不正を隠蔽し続けるという悪しき体質が貴社に根深く浸透していることが暴かれました。このような隠蔽体質の中で電力会社が「再稼働による利益追求よりも安全を優先して自主的に公正に検査を実施する」という保証はどこにもありません。その意味でも、貴社には原発を再稼働させる資格などありません。
10・26反原子力デーに際して、以下のことを求めます。脱原発へ転換するよう強く求めます。
1.第三者委員会による公正・中立な調査を保証するため、岩根社長は直ちに辞めて下さい。
2.「原発再稼働のための贈収賄急増」は明白であり、運転中の高浜3号と大飯3・4号を直ちに止めて下さい。
3.高浜1・2号と美浜3号の寿命延長を断念し、すべての原発を廃炉にして下さい。
4.使用済核燃料中間貯蔵施設の県内外での立地計画を断念して下さい。
5.原発コストの2020年4月からの託送料金への上乗せをやめて下さい。
6.廃炉になった美浜1・2号と大飯1・2号は、解体せず、百年以上密閉管理して下さい。
以上
2019年10月25日
関西電力株式会社取締役社長
岩根茂樹様
関西電力の贈収賄問題に関する公開質問状
若狭連帯行動ネットワーク
原発再稼働をめぐって、貴職をはじめ貴社役員と地元企業や元高浜町助役との汚い金品授受=贈収賄が暴露されました。その渦中にありながら、10月10日には大飯4号を営業運転させました。原発再稼働を進めるための利権構造の一端が暴かれている最中に、こそっと大飯4号を再稼働させる傲慢さには、驚きと怒りを禁じ得ません。企業のガバナンスとして、あってはならない出来事が起こり、会長の辞職、社長の第三者委員会報告書受領後の辞任という非常に重大な記者会見が行われた翌日に、何ごともなかったかのように原発を再稼働させるとは、余りにも住民や国民をバカにしているとしか思えません。あろうことか、貴職は国会招致の要請があれば応じると言いながら、数日後の参院予算委員会からの招致要請を拒否しています。自分たちが「蒔いた種に責任あり」という自覚すらなく、原発を動かして儲けることしか考えない体たらくな企業に落ちぶれてしまったのでしょうか。「これが最後の機会だ、これを逃せば後はない」という自覚を持ってください。
私たちはここに、緊急の公開質問状を提出します。
「これまで通り、回答を拒否し、広報を介して会うことすら拒否し続ければ、逃げ切れる」と思われないで下さい。貴社は2014年2月19日の交渉を最後に5年以上、私たちの公開質問状に回答せず、会うことすら拒否し続けています。しかし、今回の不正と不正隠蔽問題で同じことを繰り返せば、自ら墓穴を掘ることになります。それを十分自覚して頂いた上で、2週間以内に真摯に文書回答を出して頂き、「貴社の回答の説明を聞き質疑を行う場」を設けてくださるよう強く求めます。
質問1.関西電力による利権構造づくりについて
(1)貴職(岩根社長)は10月9日の記者会見で、「企業風土が変わるのであれば八木と私が辞めればいいんですけれども、やはりもう少し底深いもの、歴史的なものがある・・・その全貌を徹底的に暴き出すということを行なわないと、関西電力は本当に信頼していただけない・・・関西電力の持っている組織風土なりというものを全部出すことが、ただ1つ、この問題からもう一度、お客さま、社会の皆さまから信頼していただける道」と述べています。また、社内調査委員会による2018年9月11日報告書でも、組織上の問題点として、「上位職において是正に向けた判断をしなかったこと」、「現状やむなしという前例踏襲主義の企業風土が存在したこと」、「コンプライアンス部門を含めて協議し、組織として対応する仕組みが欠如していたこと」を挙げています。
しかし、なぜ、そのような組織上の問題点が長期間是正されずに来たのかについての言及が一切ありません。原発の立地・建設・運転・プルサーマルおよび福島事故後の再稼働を強引に進めるための「地元での利権構造づくり」こそが、根深い企業風土の根本原因であり、貴職の言う「森山案件」はその一環であり、一つの結果にすぎないと、私たちは考えますが、いかがですか。だからこそ、森山氏との金品授受を拒否することがコンプライアンス上重要だと分かっていながら、上位職で判断できず、組織としても切り捨てる対応ができず、前例踏襲主義に陥らざるを得なかったと私たちは考えますが、いかがですか。
(2)貴社による利権構造づくりは多額の寄付金(自治体買収)、住民への便益供与(巨額の原発工事費のおこぼれを地元業者へ発注)や、地元雇用関係、さらには地縁・血縁などを通じた隠然たるものまで多岐にわたります。
10月20日付朝日新聞によれば、貴社から高浜町への寄付金は少なくとも17回、計44億円に上ります。高浜3・4号増設同意を求めた1977年度に2.3億円、翌年の同増設申請時に約6億円、1980年度着工時には10億円余を寄付しています。これらを含めて、森山氏が高浜町助役を務めた1977~87年に貴社からの寄付金は計9回、35.8億円に上ります。その額は、同期間の国からの電源三法交付金72.7億円のほぼ半分に相当し、貴社がいかに力を入れていたかが分かります。当時町長だった田中通氏は「町長室を出ると関電社員が廊下におるんや。すると『森山さんを待っています』と」、また、同町職員の間では「きょうも『Mさん詣で』や」とささやかれるほどに、貴社は利権構造づくりに励んでいたと言えます。「原発がなかったら、森山さんにこんな絶大な力はなかった。関電は原発誘致の頃から、脈々と森山さんの意を忖度してきた」との地元業者幹部の証言も紹介されています。つまり、森山氏は貴社の仕立て上げた「地元有力者」の一人にすぎず、結果として、昨年9月の社内報告書に記載されたような「高浜町、福井県庁、福井県議会及び国会議員に広い人脈を有」するようになったのです。
高浜町への計44億円もの寄付は、「公益への寄付、地域社会への貢献」という趣旨とは名ばかりで、森山氏退任後の寄付が計5回に急減し、2010年度以降はなくなっているという現実から見ても、高浜原発増設とプルサーマルを地元に受入れさせるための寄付であり、利権構造づくりの一環だったと私たちは考えますが、いかがですか。
(3)貴社は、福島事故以降止まっていた高浜原発等を再稼働させるため、自ら作りあげた利権構造を駆使し、助役退職後も「地元有力者」であり続けた森山氏との接触を増やし、工事発注情報を流し、吉田開発など地元企業への発注を急増させる形で「再稼働の事前了解」を受入れさせる環境作りを進めていったのであり、その流れの中で「森山氏の暴走」=3.2億円もの巨額の金品授与が起きても、貴社がそれを組織的に拒絶することはできなかったと私たちは考えますが、いかがですか。
貴職を含めた貴社関係者はまるで自らが「金品授与の被害者」であるかのように振る舞っていますが、自ら作り上げた利権構造に自らが絡め取られた結果にすぎず、たとえ加害者が「返り討ち」にあって被害を被ったとしても、加害者が根源的な加害者であるという事実は変わらず、加害者として責任をとるべきだと私たちは考えますが、いかがですか。
貴職および貴社が深刻に反省すべきは、「巨額の金品授受」を生み出した「関西電力による利権構造づくり」であり、「それなくしては進められない原発の再稼働」そのものだと私たちは考えますが、いかがですか。
昨年9月の社内報告書では「(吉田開発に8件の工事を特命発注していた)京都支社は、高浜町の地元企業の活用について配慮してほしい旨を調達本部等に意見具申していたが、この意見具申は、特に近年において高浜発電所の再稼働が全社課題となっていたところ、京都支社として、原子力発電所の安定的な運営や再稼働に向け、その管轄区域内(京都府および福井県の一部)において、立地地域の地元企業活用という会社方針に取り組むとしたものであり、一定の合理性が認められる。」と記載していますが、これは利権構造づくりを正当化する以外の何物でもなく、公益事業を担う電力会社による発注の公平性という観点からも「合理性」はないと私たちは考えますが、いかがですか。
質問2.関西電力による今回の不正の隠蔽について
(1)今回の不正事件では、何重もの不正の隠蔽工作が行われました。
第1に、本件は貴社内では「森山案件」として広く知られた歴史的な懸案事項であり、福島事故以降、重大事故への不安が地元や周辺自治体で広がり、国民の過半数が再稼働に反対している下で、原発を再稼働させるために「利権構造」を駆使している最中に行われ、露呈した金品授与問題であり、「吉田開発への金沢国税局の査察」がなければ、すべてが闇に葬られたままに終わる可能性があったと私たちは考えますが、いかがですか。
第2に、金沢国税局の査察で押収された森山氏のメモに基づき、豊松副社長、森中常務、鈴木副事業本部長、大塚副事業本部長の4名に「脱税」が指摘され、所得修正申告と納税を行った際にも、これを公表せず、極秘裏に社内調査委員会を立ち上げました。このような貴社役員の脱税に係るコンプライアンス事件については直ちに公表し、社内調査委員会で終わらせるのではなく、第三者委員会を公然と立ち上げるのが公益事業に携わる貴社の責務だと私たちは考えますが、いかがですか。なぜそうしなかったのか、その理由も合わせて説明してください。
第3に、社内調査委員会報告書は、昨年9月11日に出されていますが、1年以上経った今年10月2日の記者会見まで公表されませんでした。このようなコンプライアンス上重要な報告書は社内報告書であるとしても、金沢国税局による脱税の指摘および修正申告と納税の事実と共に速やかに公表し、説明すべきだったと私たちは考えますが、いかがですか。
なぜそうしなかったのか、その理由も合わせて説明してください。
第4に、貴社の監査役7名のうち社内の常任3名(生え抜きの元幹部)は昨年10月に同報告書の説明を受け、その後、社外4名を含めた監査役会で情報を共有しながら、「(金品受領に)不適切な部分はあるが、違法でないので、報告書はおおむね妥当」と結論づけ、取締役会に議題として諮ることはせず、公表を働きかけることもなかったと伝えられています(朝日新聞2019.10.5)。これは、取締役の不正をチェックする監査役がその役割を果たしておらず、貴社のガバナンス(企業統治)に重大な不全が認められる事態だと私たちは考えますが、いかがですか。なぜこんな判断が罷り通ったのか、監査役会での議論の詳細を明らかにしてください。
第5に、各社報道によれば、金沢国税局による査察の後、「関西電力を良くし隊」と名乗る告発者が、今年3月に貴職へ警告文を送付、4月に貴職と監査役7名へ不正公表と人事刷新を求める最後通牒を送付、事前に入手した株主総会資料で人事刷新のないことを知った告発者は、6月5日に貴職へ「マスコミ等へ情報開示する」と通告し、6月8日には大株主の大阪市と神戸市、マスコミ、野党、反原発市民団体、大阪地検特捜部へ告発文を送付しました。事実無根の告発であればともかく、告発された内容は事実と合致しており、6月株主総会で黙過することなくすべてを公表すべきだったと私たちは考えますが、いかがですか。それとも、「怪文書」として無視されて終わると高をくくっていたのですか。情報公開先リストにない共同通信記者がこれを入手して独自取材で9月26日夜に配信しなければ、貴職および貴社は不正を隠蔽し続けたはずだと私たちは考えますが、いかがですか。
(2)吉田開発への工事発注は2014.9~2017.12の約3年間で121件(20億円超、その結果、吉田開発の売上高は2018年8月期3.5億円から2018年8月期21億円へ6倍化)、その内91件はゼネコン経由の間接発注ですが、30件が直接発注で、うち18件は「特命発注」です。社内調査委員会報告書では、「工事発注プロセス・発注額は適正」、「社内ルールに照らして適切」とされていますが、「原子力発電所の安定的な運営や再稼働に向け・・・地元企業活用」という理由だけでは「吉田開発に特命発注する説明」にはなりませんし、工事内容・費用の詳細はマスキングされていて確認しようがありません。経済産業省にはすでに報告されているのですから、疑惑を晴らすためにも公表すべきだと私たちは考えますが、いかがですか。公表しない理由を含めて、「発注は適正・適切」だとする根拠を説明してください。
(3)貴社には、社長を委員長とするコンプライアンス委員会があり、総務室(法務)がコンプライアンス事務局としてグループ全体のコンプライアンス推進を総括することになっていますが、昨年9月の社内調査委員会報告書では「多額の現金・商品券、高額の金貨・スーツ仕立券付生地等を渡されており、その内容(金額・回数等)は、明らかに良識ないし社会的儀礼の範囲を超えている。」「森山氏に金品を返却することが困難との事情があったからとはいえ、コンプライアンス上、不適切との評価を免れ得ない。」と明記されています。にもかかわらず、1年以上にわたり、貴職が委員長であるコンプライアンス委員会に諮って「コンプライアンス部門を含めて協議し、組織として対応」しなかった責任は重大であり、「その仕組みがなかった」というのは言い訳にもならないと私たちは考えますが、いかがですか。なぜそうしなかったのか、その理由も合わせて説明してください。
質問3.第三者委員会の中立性確保について
(1)貴職は10月9日記者会見で、八木会長と森中副社長が同日付で辞任する一方、自身は第三者委員会の報告書を受け取ってから辞任すると表明していますが、第三者委員会の中立で公平な調査を保証するためにも、貴職は直ちに辞任すべきだと私たちは考えますが、いかがですか。
貴職は、直ちに辞任しない理由として、「やはりこの事象を一番よく分かっている私がこの第三者委員会に積極的に協力して、また、私自身がリーダーシップを執って、全社的に第三者委員会に協力させて、また、私の分かっている範囲でさまざまな自浄作用を起こしていくということによって第三者委員会の調査に協力していく、会社全体として協力をしていくために、この間は1人が残るのがいいだろう」と説明しています。しかし、コンプライアンス上不適切な金品授受の張本人の一人であり、コンプライアンス委員長でありながら不正隠蔽へ動き、再三の告発文を握りつぶし、歴史的な前例踏襲主義の企業風土を醸成してきた企業の責任者が、何の責任もとらずに社長として居座り、第三者委員会に調査を委託し、報告書受領までリーダーシップを発揮するというのは「不正隠蔽の圧力」そのものだと私たちは考えますが、いかがですか。
質問4.不正の衝動力となった原発再稼働について
(1)今回の不正および不正隠蔽の衝動力は、福島事故以降の原発再稼働にあることは明確です。今回の不正が明らかになれば再稼働に影響が出るとの判断が根底にあるのです。まさに、10月9日の記者会見で、八木会長辞任と貴職の第三者委員会報告受領後の辞任を発表した翌日に大飯4号を再稼働(営業運転再開)させましたが、言語道断です。社内調査委員会報告書を作成した昨年9月11日段階では高浜3・4号が定期検査中でしたが、同報告書を伏せたまま、昨年9月28日に高浜4号を再稼働させています。このような住民だまし、国民だましをやめ、再稼働させた原発の運転を即刻中止して、不正と不正隠蔽の究明に全面的に協力し、企業風土の
刷新を図るのが先決だと私たちは考えますが、いかがですか。
(2)野瀬豊・高浜町長は10月8日、40年超運転の認可を得て工事中の高浜1・2号について、関西電力の役員と組織態勢の抜本的な見直しが再稼働を判断する前提になると述べ、「現状では再稼働は認められない」と明言しています(朝日新聞2019.10.8)。この際、運転中の高浜3号と大飯3・4号を停止させ、利権構造に一切頼らず、原発再稼働を認めてもらえるかどうか、立地自治体および隣接自治体の住民に真摯に説明し、すべての情報を公開し、率直に意見を聞くべきだと私たちは考えますが、いかがですか。
(3)貴職は、10月9日の記者会見で、国会招致の「要望があれば真摯に対応したい」と話しながら、実際には、「10月15、16日の参院予算委員会への役員らの参考人招致要請」を拒否し、「第三者委員会の調査への対応を理由に出席できない」と参院事務局に文書回答しています。「脱原発をめざす首長会議」も10月20日、「関西電力は、信頼が絶対条件である原発を運営する資格はない。政府と国会は、原発マネーの還流を解明するよう求める」との緊急声明を発表しています。
貴職は10月9日の記者会見で、「やはりもう少し底深いもの、歴史的なものがあるというふうに思ってございますので、やはりその全貌を徹底的に暴き出すということを行なわないと、関西電力は本当に信頼していただけない」と踏み込んで表明したのですから、国会の参考人招致に応じ、現時点で把握している内容を国民に真摯に説明すべきだと私たちは考えますが、いかがですか。また、国会招致に応じていては、なぜ第三者委員会の調査に対応できないのか、その理由も合わせて説明してください。
以上